決闘
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食事を済ませ、腹が満たされた土方たちは定食屋を後にし
巡回を再開させた。
先程とは打って変わって
今度は人気の少ない公園を横断する。
先程の定食屋の店主の分け隔てない対応もあって
街中にいたときよりも落ち着きを取り戻したようで
初めて公園なるものを目にしたスノウは遊具の方へ一直線。
前を歩いていた土方を追い越した。
その最、土方は自分を通り過ぎるスノウをなんとなく見てみる。
白銀の長い髪が相変わらず太陽の光によってキラキラと輝きを放っていることに気がついた。
その髪は膝裏くらいまでの長さで、彼女が歩くたびにフワフワと揺れており、まるで絹糸のように細かった。
それを見つめていた土方はなんとなくスノウに声をかけた。
「髪、切らねぇのか?」
無意識に出た言葉。
別に切れ と言いたいわけではない。
得に意味も無く
煙草の煙を吐きだしながらスノウの髪を見続ける。
するとスノウは一度足を止め 土方を振り返ると
あの空虚な表情のまま小首をかしげた。
次いで、すぐさま首を左右に振り
土方を見据え、僅かに瞼を伏せると白く長い睫毛が瞳に影を落とす。
睫毛すらも色素が薄いのかキラキラと銀に輝いていた。
その姿は普段の幼さは無く、なぜだかほんのり大人っぽく見えた。
『だいじ、だから…』
「?」
少女の新しい姿に
呆けていた土方はスノウのポソポソとした か細い声をしっかり捕らえるため
耳に意識を集中させる。
『タイセツなひとたちが…キレイだっていってくれたの』
横髪を少しすくって指に絡ませるながら
落としていた視線を
まるで流すように土方に送って
『だから…きりたくない』
最後の言葉だけは強くハッキリと言った。
その少女の表情はどこか懐かしそうで、そして愛おしそうだった。
土方はここ数日、たびたび感じる違和感をまた感じた。
見た目はどう見ても
沖田と同じ…もしくはそれより下であろう少女。
仕種も舌足らずな言葉も
知識も
それら全てがそう思わせる。
しかし何故だろうか
子供にしては落ち着きすぎている。
それは地下に長い間閉じ込められていたから…
とかでは無く
――もっと…
そう
まるで、何年間も
自分と同じくらい
あるいは自分よりもずっと長い年月を生き抜いてきたかのような
そんな雰囲気…
貫禄を
ちょこちょこ垣間見ることがあるからだ。
そんなことは
決してありえない。
そうは思っても
やはり違和感はどうしても拭えない。
土方はそんなことを悶々と考えながら
とりあえず 「なるほどな」と返事をし、またスタスタと足を進める。
そして再び先程の憂いな少女の姿を思い出した。
まるで"恋する乙女"のような
否、"愛する者のことを想う女性"のような
儚く美しい表情を…。
その時、胸の辺りに違和感を感じた気がした……
が理由を知りえない土方はそれに気がつかないフリをし、黙々と歩き進める。
そして土方に追い越されたスノウはと言うと
ふ、と思い出した彼のことを想っていた。
自分と似た髪色の
決して曲がることの無い
強く、真っ直ぐな意志を持った彼を…。
瞼を閉じて思い描くのは
優しい優しい彼の笑顔。
それだけで
胸がホッとして満たされていくような気がして…。
スノウはフッと小さく、小さく笑みを零しては
いつの間にやら大分小さくなっていた土方の背中を慌てて追いかけるのだった……。
いつかまた
会えると信じて…。
・Fin・
巡回を再開させた。
先程とは打って変わって
今度は人気の少ない公園を横断する。
先程の定食屋の店主の分け隔てない対応もあって
街中にいたときよりも落ち着きを取り戻したようで
初めて公園なるものを目にしたスノウは遊具の方へ一直線。
前を歩いていた土方を追い越した。
その最、土方は自分を通り過ぎるスノウをなんとなく見てみる。
白銀の長い髪が相変わらず太陽の光によってキラキラと輝きを放っていることに気がついた。
その髪は膝裏くらいまでの長さで、彼女が歩くたびにフワフワと揺れており、まるで絹糸のように細かった。
それを見つめていた土方はなんとなくスノウに声をかけた。
「髪、切らねぇのか?」
無意識に出た言葉。
別に切れ と言いたいわけではない。
得に意味も無く
煙草の煙を吐きだしながらスノウの髪を見続ける。
するとスノウは一度足を止め 土方を振り返ると
あの空虚な表情のまま小首をかしげた。
次いで、すぐさま首を左右に振り
土方を見据え、僅かに瞼を伏せると白く長い睫毛が瞳に影を落とす。
睫毛すらも色素が薄いのかキラキラと銀に輝いていた。
その姿は普段の幼さは無く、なぜだかほんのり大人っぽく見えた。
『だいじ、だから…』
「?」
少女の新しい姿に
呆けていた土方はスノウのポソポソとした か細い声をしっかり捕らえるため
耳に意識を集中させる。
『タイセツなひとたちが…キレイだっていってくれたの』
横髪を少しすくって指に絡ませるながら
落としていた視線を
まるで流すように土方に送って
『だから…きりたくない』
最後の言葉だけは強くハッキリと言った。
その少女の表情はどこか懐かしそうで、そして愛おしそうだった。
土方はここ数日、たびたび感じる違和感をまた感じた。
見た目はどう見ても
沖田と同じ…もしくはそれより下であろう少女。
仕種も舌足らずな言葉も
知識も
それら全てがそう思わせる。
しかし何故だろうか
子供にしては落ち着きすぎている。
それは地下に長い間閉じ込められていたから…
とかでは無く
――もっと…
そう
まるで、何年間も
自分と同じくらい
あるいは自分よりもずっと長い年月を生き抜いてきたかのような
そんな雰囲気…
貫禄を
ちょこちょこ垣間見ることがあるからだ。
そんなことは
決してありえない。
そうは思っても
やはり違和感はどうしても拭えない。
土方はそんなことを悶々と考えながら
とりあえず 「なるほどな」と返事をし、またスタスタと足を進める。
そして再び先程の憂いな少女の姿を思い出した。
まるで"恋する乙女"のような
否、"愛する者のことを想う女性"のような
儚く美しい表情を…。
その時、胸の辺りに違和感を感じた気がした……
が理由を知りえない土方はそれに気がつかないフリをし、黙々と歩き進める。
そして土方に追い越されたスノウはと言うと
ふ、と思い出した彼のことを想っていた。
自分と似た髪色の
決して曲がることの無い
強く、真っ直ぐな意志を持った彼を…。
瞼を閉じて思い描くのは
優しい優しい彼の笑顔。
それだけで
胸がホッとして満たされていくような気がして…。
スノウはフッと小さく、小さく笑みを零しては
いつの間にやら大分小さくなっていた土方の背中を慌てて追いかけるのだった……。
いつかまた
会えると信じて…。
・Fin・