ここから
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
意識の浮遊から
白の長い睫毛が小さく揺れる。
深く、長い眠りについていた少女は障子の隙間からもれる僅かな陽射しで目を覚ました。
久々に見るせいかその柔らかな光でさえ少女は眩しそうに眼を細める。
日差しが白い頬を照らし、チュンチュンと小鳥の囀りが心地良く鼓膜を刺激する。
血が足りていなせいか、やや怠い身体に鞭を打ち、なんとか上半身を起こせば存在を忘れていた傷がズキンと痛んで思わず背中を丸めた。
――わたしは…
何をしていたのだろう?
目覚めた時から抱いていた疑問を解決するために、未だ霧がかったようにボンヤリとする意識の中、忙しなく辺りに視線をさ迷わせた。
一人で使うにしては少し広い和室。
これといって何か置いてあるわけではない。
見覚えのあるいたってシンプルで小綺麗な和室。
次いで、気付いたのは部屋いっぱいに広がる煙草のにおい。
傍においてあった灰皿を見遣ればそれ一杯に吸殻が埋め尽くされている。
そしてそれから微かに天井へと上ぼる煙りを見て、少女が目覚める少し前まで誰かがここに居たことがうかがえた。
そこで少女はあぁ、そうか…と眠る前のことを思い出す。
あのまま眠ってしまったのだ。
感覚から足はまだ拘束されたままだが
両手は開放されているようだ。
暴れたことによってできた手首の傷もしっかりと治療されている。
何よりも口の周りのベタつきも無いことから
拭ってもくれたようだ。
傷の治り具合から見てどうやら数日間も眠りっぱなしだったよう。
いつの間にか着せられていた
少女には幾分か大きいカッターシャツ。
その隙間から覗く自身の体に視線を落とせば新しい包帯が巻かれているのを確認した。
その時
ざわざわと騒がしくなる廊下。
何気なく、障子を見遣ればそこに幾つかの人型のシルエットが浮かび上がり かと思えば障子は開かれ、影色だったそれは色鮮やかになる。
「お、やっと目ぇさめたか」
嬉しそうにニッコリと笑うのは近藤。
「体調はどうだ?」と尋ねながら部屋に入っていくと少女の傍で胡坐をかいて座った。
それに続く土方に沖田
そして、真選組 監察である山崎退。
山崎が最後に部屋に入ると、後ろ手に障子を閉めてそれぞれ少女の傍に腰を下ろした。
「そういや、紹介がまだだったな。
俺は近藤勲。」
ここで少女は初めて彼らの顔をじっくり見たような気がした。
がたいの良い身体。
短くカットされた茶色かがった髪。
ゴツゴツとした骨格
どこから見ても男くさい印象をもたらせる。
見せる笑みも豪快だ
しかし、それでいて気遣いができ、優しさも持ち合わせている。
自然に人に好かれる人間と見える。
次いで
くわえ煙草と開ききった瞳孔がトレードマーク
目付きはアレだが外見は二枚目と言ったところだろうか
黒の短髪の男性を指差す。
「コイツが土方十四郎。俺はトシと呼んでいる。
そして、その隣が沖田総悟」
次に紹介されたのは亜麻色の柔らかな髪に爽やかな顔が特徴的な青年。
普通にしていれば可愛らしい顔をしているが
浮かべる表情は無。
何を考えているのか読み取れない。
正直スノウにとって苦手なタイプだ。
最後に肩より少し高い位置で切り揃えられた黒髪の男性、山崎退。
これと言って特徴は無い。
「目覚めて早々で悪いが
スノウちゃんには今後の話をしていきたくてな」
鼓膜をゆらす大きな声
「スノウちゃんにはこれから真選組隊士として俺たちと一緒に働いてもらいたいと思っている」
『しんせんぐみ・・・』
スノウは聞きなれない単語に小首をかしげた。
その声はか細く、それでいて見た目よりも幾分かハスキーに響く。
「まぁお巡りさんだな!
簡単に言うと江戸の平和を守っていく感じだ!」
近藤は大きく口を開き笑んだ。
「そういうわけだから、これからよろしくな
スノウちゃん!」
そして、握手を求め手をのばそうとした。
しかし少女はその手を友好的なものとしてとらえることができなかった。
過去の嫌な記憶とダブって見えてーーー
自分よりも高い位置からのびてくる大きな手
それは躊躇することなく振り下ろされ強い衝撃を与える。
何度も何度も…
繰り返す 延々と…。
暗闇の中に浮かぶいくつもの不気味な笑顔。
消し去りたい過去の記憶…。
そして――――
白の長い睫毛が小さく揺れる。
深く、長い眠りについていた少女は障子の隙間からもれる僅かな陽射しで目を覚ました。
久々に見るせいかその柔らかな光でさえ少女は眩しそうに眼を細める。
日差しが白い頬を照らし、チュンチュンと小鳥の囀りが心地良く鼓膜を刺激する。
血が足りていなせいか、やや怠い身体に鞭を打ち、なんとか上半身を起こせば存在を忘れていた傷がズキンと痛んで思わず背中を丸めた。
――わたしは…
何をしていたのだろう?
目覚めた時から抱いていた疑問を解決するために、未だ霧がかったようにボンヤリとする意識の中、忙しなく辺りに視線をさ迷わせた。
一人で使うにしては少し広い和室。
これといって何か置いてあるわけではない。
見覚えのあるいたってシンプルで小綺麗な和室。
次いで、気付いたのは部屋いっぱいに広がる煙草のにおい。
傍においてあった灰皿を見遣ればそれ一杯に吸殻が埋め尽くされている。
そしてそれから微かに天井へと上ぼる煙りを見て、少女が目覚める少し前まで誰かがここに居たことがうかがえた。
そこで少女はあぁ、そうか…と眠る前のことを思い出す。
あのまま眠ってしまったのだ。
感覚から足はまだ拘束されたままだが
両手は開放されているようだ。
暴れたことによってできた手首の傷もしっかりと治療されている。
何よりも口の周りのベタつきも無いことから
拭ってもくれたようだ。
傷の治り具合から見てどうやら数日間も眠りっぱなしだったよう。
いつの間にか着せられていた
少女には幾分か大きいカッターシャツ。
その隙間から覗く自身の体に視線を落とせば新しい包帯が巻かれているのを確認した。
その時
ざわざわと騒がしくなる廊下。
何気なく、障子を見遣ればそこに幾つかの人型のシルエットが浮かび上がり かと思えば障子は開かれ、影色だったそれは色鮮やかになる。
「お、やっと目ぇさめたか」
嬉しそうにニッコリと笑うのは近藤。
「体調はどうだ?」と尋ねながら部屋に入っていくと少女の傍で胡坐をかいて座った。
それに続く土方に沖田
そして、真選組 監察である山崎退。
山崎が最後に部屋に入ると、後ろ手に障子を閉めてそれぞれ少女の傍に腰を下ろした。
「そういや、紹介がまだだったな。
俺は近藤勲。」
ここで少女は初めて彼らの顔をじっくり見たような気がした。
がたいの良い身体。
短くカットされた茶色かがった髪。
ゴツゴツとした骨格
どこから見ても男くさい印象をもたらせる。
見せる笑みも豪快だ
しかし、それでいて気遣いができ、優しさも持ち合わせている。
自然に人に好かれる人間と見える。
次いで
くわえ煙草と開ききった瞳孔がトレードマーク
目付きはアレだが外見は二枚目と言ったところだろうか
黒の短髪の男性を指差す。
「コイツが土方十四郎。俺はトシと呼んでいる。
そして、その隣が沖田総悟」
次に紹介されたのは亜麻色の柔らかな髪に爽やかな顔が特徴的な青年。
普通にしていれば可愛らしい顔をしているが
浮かべる表情は無。
何を考えているのか読み取れない。
正直スノウにとって苦手なタイプだ。
最後に肩より少し高い位置で切り揃えられた黒髪の男性、山崎退。
これと言って特徴は無い。
「目覚めて早々で悪いが
スノウちゃんには今後の話をしていきたくてな」
鼓膜をゆらす大きな声
「スノウちゃんにはこれから真選組隊士として俺たちと一緒に働いてもらいたいと思っている」
『しんせんぐみ・・・』
スノウは聞きなれない単語に小首をかしげた。
その声はか細く、それでいて見た目よりも幾分かハスキーに響く。
「まぁお巡りさんだな!
簡単に言うと江戸の平和を守っていく感じだ!」
近藤は大きく口を開き笑んだ。
「そういうわけだから、これからよろしくな
スノウちゃん!」
そして、握手を求め手をのばそうとした。
しかし少女はその手を友好的なものとしてとらえることができなかった。
過去の嫌な記憶とダブって見えてーーー
自分よりも高い位置からのびてくる大きな手
それは躊躇することなく振り下ろされ強い衝撃を与える。
何度も何度も…
繰り返す 延々と…。
暗闇の中に浮かぶいくつもの不気味な笑顔。
消し去りたい過去の記憶…。
そして――――