傷跡
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「上に一応報告してみた
全てではないが所々着色してな」
と、歯を見せて笑う近藤に土方は相変わらず…とまた溜め息を溢す。
それもそうだろう。
もしあの日あったことを全て違えることなく話していたとしたならば
今ここにスノウがいるはずはないのだから。
――この人は本当に…どこまでもお人好しな人だ
「上の決定でな…
スノウちゃんはここで隊士として働くことになった」
「…………は?」
なんて巡らせていた考えは近藤の放った言葉により途切れる。
すぐには彼が言ったことを理解できずに頭の中が真っ白になったようだった。
そして近藤が言った言葉を胸中で繰り返すと
一文字ずつ脳へ
「はぁああぁっ!?」
途端 やっと意味を理解して
土方は素頓狂な声を上げた。
「アイツは女でしかも天人だぞ
そんなこと認められるか!」
次いで畳み掛けるように言葉を紡ぐ。
長い付き合いから
相手が何を好み、何を嫌うのかある程度把握している近藤は
予め彼の反応を予測していたのか
やはりな と言う小さな呟きと共に困ったような苦笑いを溢した。
「そうは言ってもなぁ…
上ととっつぁんが決めたことだからなぁ
俺もなんとも言えんのだ」
記憶を巡らせているのか
視線を右上にあげる近藤を見て
土方も「確かに」と興奮から僅かに浮かせていた腰をおろす。
そして机の上に置かれていた湯飲みを手に取ると
すっかりぬるくなったお茶を喉へと流し込んだ。
そのまま また流れるような動作で湯飲みを机に戻す。
わかってはいても
やはり納得いかないのだろう
その顔は苦々しいものだった。
「まぁ とは言っても正式に迎え入れるのはもう少し先になる
とにかく今はスノウちゃんが落ち着けるようにしてやろう」
にっと笑う近藤に土方はジト目でみやった。
「だからそれが一番厄介だって言ってんだろうが」
「まぁまぁ」
完全に機嫌を損ねてしまった彼に近藤はただただ宥めるしかなかった。
それから昼頃
昼食を終えた土方は
書類仕事をするために と自室に戻った。
部屋に足を踏み入れて早々
まず視線を投げ掛けるのは押し入れ。
相変わらずその襖はきっちりと閉ざされている。
その前におかれた食事も手を触れた痕跡すらない。
おそらく見向きもしていないのだろう。
耳をすませると息を潜めているような呼吸音。
それは少女が眠りについていない証拠だ。
土方はわざとらしく
大きく溜め息を溢す。
と、襖から視線を外し
押し入れに背中を向ける形で
書類が高くつまれた文机の前へと腰をおろした。
全てではないが所々着色してな」
と、歯を見せて笑う近藤に土方は相変わらず…とまた溜め息を溢す。
それもそうだろう。
もしあの日あったことを全て違えることなく話していたとしたならば
今ここにスノウがいるはずはないのだから。
――この人は本当に…どこまでもお人好しな人だ
「上の決定でな…
スノウちゃんはここで隊士として働くことになった」
「…………は?」
なんて巡らせていた考えは近藤の放った言葉により途切れる。
すぐには彼が言ったことを理解できずに頭の中が真っ白になったようだった。
そして近藤が言った言葉を胸中で繰り返すと
一文字ずつ脳へ
「はぁああぁっ!?」
途端 やっと意味を理解して
土方は素頓狂な声を上げた。
「アイツは女でしかも天人だぞ
そんなこと認められるか!」
次いで畳み掛けるように言葉を紡ぐ。
長い付き合いから
相手が何を好み、何を嫌うのかある程度把握している近藤は
予め彼の反応を予測していたのか
やはりな と言う小さな呟きと共に困ったような苦笑いを溢した。
「そうは言ってもなぁ…
上ととっつぁんが決めたことだからなぁ
俺もなんとも言えんのだ」
記憶を巡らせているのか
視線を右上にあげる近藤を見て
土方も「確かに」と興奮から僅かに浮かせていた腰をおろす。
そして机の上に置かれていた湯飲みを手に取ると
すっかりぬるくなったお茶を喉へと流し込んだ。
そのまま また流れるような動作で湯飲みを机に戻す。
わかってはいても
やはり納得いかないのだろう
その顔は苦々しいものだった。
「まぁ とは言っても正式に迎え入れるのはもう少し先になる
とにかく今はスノウちゃんが落ち着けるようにしてやろう」
にっと笑う近藤に土方はジト目でみやった。
「だからそれが一番厄介だって言ってんだろうが」
「まぁまぁ」
完全に機嫌を損ねてしまった彼に近藤はただただ宥めるしかなかった。
それから昼頃
昼食を終えた土方は
書類仕事をするために と自室に戻った。
部屋に足を踏み入れて早々
まず視線を投げ掛けるのは押し入れ。
相変わらずその襖はきっちりと閉ざされている。
その前におかれた食事も手を触れた痕跡すらない。
おそらく見向きもしていないのだろう。
耳をすませると息を潜めているような呼吸音。
それは少女が眠りについていない証拠だ。
土方はわざとらしく
大きく溜め息を溢す。
と、襖から視線を外し
押し入れに背中を向ける形で
書類が高くつまれた文机の前へと腰をおろした。