モブサイコ長編(茂夫)
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下校途中、陽葵は見知った少年に声をかけた。
「こんばんは」
少年は陽葵を振り返り、彼女の顔を見てあんぐりと口を開けた。
「お、お前!?何だよ!俺に何のようだ?あの時の仕返しか?」
「違うよ」
少年は考えるが、彼女が自分に声をかけてくる理由がわからない。陽葵は少年の手首を掴んで引っ張った。
「ねぇ!ハンバーガー屋さん、寄っていこう?」
「はあ!?何で俺がお前と!!」
「いいから、いいから」
「あっ!おい、ちょっと!」
陽葵に引っ張られ、少年は嫌々ハンバーガーショップに入った。力を使って振りほどいても良かったが、害はなさそうだと判断し力を使わなかった。
「わあー、私寄り道ってしたの初めて!よく霊幻さんがここのハンバーガーを食べているけど、こういうお店なんだ」
陽葵は物珍しそうにキョロキョロと店内を見渡した。
「えっと…、店員さん、来ないね。待っていればいいのかな?」
「はあ!?お前、ハンバーガーショップ利用したことないのかよ!?」
「あはは…」
恥ずかしそうに陽葵は苦笑いした。
「ったく、ついてこいよ。こういう所は先に注文すんの!」
「へぇー。詳しいんだね」
「あんたが世間知らずなだけだろ!!」
少年と陽葵は注文列に並ぶ。少し待ってようやく陽葵達の番になった。
「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」
「そうだな…。じゃあハンバーガーセット。ドリンクはコーラで、セットはポテトな」
「かしこまりました。そちらのお客様は?」
「ほら、お前も早く注文しろよ」
少年が陽葵をつつくが、陽葵は黙ったままだ。
「お客様?」
少年が陽葵を見ると陽葵はメニューを眺めたまま青ざめていた。
「ど、どうしよう…。メニューがたくさんあってわからない…」
「しょ、しょうがねーな。じゃあ、俺と同じのでいいか?」
コクコクと陽葵は頷き、少年は陽葵の分も注文してやった。
「このレシートの番号で呼ばれるから、呼ばれたらあそこに取りにいく仕組みだ。席は空いてるところを自由に使っていいから、適当にこの辺座ろうぜ」
「う、うん。わかった…!」
椅子に腰掛けて陽葵はようやく心を落ち着けたようだった。
「っていうか、お前なんでハンバーガーショップ利用したことないのに寄ろうなんて言ったんだよ」
「ちょっと興味があったから…。それに、君とお話がしたかったし」
「あっそ。話って何?」
「うん。あのね…「72番のお客様ー」はいいいっ!!!」
「驚きすぎだろ!いいよ、お前は座ってろ。取ってきてやるから」
少年は受け渡し口に行き、トレイを2つ持って戻ってきた。
「ほら、お前の分」
「ありがとう」
わあー!と陽葵はキラキラした目でハンバーガーセットを見ていた。
「はぁ。あんたと居ると調子狂うな。いいよ、話の前に食えよ。冷めたら不味くなるだろ」
「うん!いただきます!」
はむっと陽葵はハンバーガーにかぶりついた。
「美味しい~!」
「あっそ。よかったな」
陽葵は今度はコーラに挑戦する。ちゅーっとストローでコーラを飲んで…
「ごほっ、ごほっ、ごほっ」
むせた。
「お、おい!大丈夫かよ!」
「ご、ごめんね。私、炭酸ジュースって飲んだの初めてで…」
「ほんっと世間知らずだな!まぁ、いいや。ほら、ポテトも食えよ。熱い時が旨いから」
「うん!あれ?ところで君は食べないの?」
「あんたが心配でそれどころじゃねーの!ったく…」
「そっか。優しいんだね」
もぐもぐとポテトをかじりながら陽葵が少年に言う。
「う、うるせーよ!そんなんじゃねーから!!」
顔を赤くして怒る少年に陽葵はえへー、と笑いかけた。
「ポテト美味しい」
「よかったな!」
「はー。おいしかった!ご馳走さま!」
陽葵と少年はハンバーガーセットを食べ終えた。
「で?俺に話って何?」
「あっ、そうだった!実はね…」
話し出す陽葵を「ちょっと待った!」と少年が制止する。
「お前、口の横にケチャップついてんぞ」
「え?ほんと?」
紙ナプキンで陽葵が口を拭くがケチャップの汚れは取れていなかった。
「そこじゃねーよ。ほら…」
少年は紙ナプキンを掴んでゴシゴシと汚れを取ってやった。
「ごめんね。ありがとう」
にっこりと微笑む陽葵に思わず顔を赤くした。可愛い、なんて思ってしまった。しかも、なんだかこれでは二人でデートしているみたいだ。
「話!!何?」
照れ隠しに机をドン!と叩き陽葵に本題を促す。
「ああ、うん。あのね…もしかして君、何か悩んでいるのかなあって思って…」
少年の目が点になる。陽葵の話は予想外だった。
『ツメ』組織のことについて何か聞き出そうとしているのだろう、少年はそう思っていた。だから陽葵からそんな話を持ちかけられるとは思わなかった。
「…だったら何だよ。もし俺が悩んでますって言って、そしたらお前が何かしてくれるわけ?」
「うん。悩みによって。力になれれば、だけどね」
「何でだ。俺はあんたに恨まれこそすれ、助けられるいわれはない」
「そうだね。君がしたこと、私は許せないよ。だけど、何か大きな悩みを抱えているように見えた。何でだろう、放っておけなかったんだ。だから、今日たまたま君を見かけたから話してみようって思ったの」
「………別に、悩みなんてねーよ。あんたの勘違いだろ?」
「そっか…。うん、それならいいんだ。あ、そうそう。私陽葵っていうの。神木陽葵。君は?」
「…ショウ」
「よろしくね、ショウくん。せっかくだからアドレス交換しようよ」
「何でだよ!!」
「えっ、…駄目なの?」
しょぼんと落ち込む陽葵にショウは慌てた。
「っ……!だ、駄目じゃねーけど、…貸せ!携帯!」
ショウは手早くアドレス交換を済ませると陽葵の携帯を投げ渡した。
「何かあったら連絡してね、ショウくん」
「絶対、連絡しねーから!!」
陽葵とアドレス交換をして、少しだけショウは嬉しかった。
「ねぇ、ショウくん」
「なんだよ!」
「これってどうやって片付けるの?」
「!? こ、これはだな!」
「ありがとうございましたー」
ショウは陽葵に片付け方を教えて、一緒に店を出た。
「ショウくん、ありがとう。お会計、良かったの?私、ショウくんの分も奢ったのに…」
「時給300円のバイトしてるやつに奢られたくねーよ!っつーか、その時給安すぎだろ!?」
「あはは…。それじゃあショウくん、またね」
「おう」
陽葵はショウに手を振って帰っていった。
変わった奴。
でも、ちょっと楽しかった…な。
「陽葵…か」
珍しい力を持った少女。彼女なら自分の父親を止めてくれるのかもしれない。
「こんばんは」
少年は陽葵を振り返り、彼女の顔を見てあんぐりと口を開けた。
「お、お前!?何だよ!俺に何のようだ?あの時の仕返しか?」
「違うよ」
少年は考えるが、彼女が自分に声をかけてくる理由がわからない。陽葵は少年の手首を掴んで引っ張った。
「ねぇ!ハンバーガー屋さん、寄っていこう?」
「はあ!?何で俺がお前と!!」
「いいから、いいから」
「あっ!おい、ちょっと!」
陽葵に引っ張られ、少年は嫌々ハンバーガーショップに入った。力を使って振りほどいても良かったが、害はなさそうだと判断し力を使わなかった。
「わあー、私寄り道ってしたの初めて!よく霊幻さんがここのハンバーガーを食べているけど、こういうお店なんだ」
陽葵は物珍しそうにキョロキョロと店内を見渡した。
「えっと…、店員さん、来ないね。待っていればいいのかな?」
「はあ!?お前、ハンバーガーショップ利用したことないのかよ!?」
「あはは…」
恥ずかしそうに陽葵は苦笑いした。
「ったく、ついてこいよ。こういう所は先に注文すんの!」
「へぇー。詳しいんだね」
「あんたが世間知らずなだけだろ!!」
少年と陽葵は注文列に並ぶ。少し待ってようやく陽葵達の番になった。
「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」
「そうだな…。じゃあハンバーガーセット。ドリンクはコーラで、セットはポテトな」
「かしこまりました。そちらのお客様は?」
「ほら、お前も早く注文しろよ」
少年が陽葵をつつくが、陽葵は黙ったままだ。
「お客様?」
少年が陽葵を見ると陽葵はメニューを眺めたまま青ざめていた。
「ど、どうしよう…。メニューがたくさんあってわからない…」
「しょ、しょうがねーな。じゃあ、俺と同じのでいいか?」
コクコクと陽葵は頷き、少年は陽葵の分も注文してやった。
「このレシートの番号で呼ばれるから、呼ばれたらあそこに取りにいく仕組みだ。席は空いてるところを自由に使っていいから、適当にこの辺座ろうぜ」
「う、うん。わかった…!」
椅子に腰掛けて陽葵はようやく心を落ち着けたようだった。
「っていうか、お前なんでハンバーガーショップ利用したことないのに寄ろうなんて言ったんだよ」
「ちょっと興味があったから…。それに、君とお話がしたかったし」
「あっそ。話って何?」
「うん。あのね…「72番のお客様ー」はいいいっ!!!」
「驚きすぎだろ!いいよ、お前は座ってろ。取ってきてやるから」
少年は受け渡し口に行き、トレイを2つ持って戻ってきた。
「ほら、お前の分」
「ありがとう」
わあー!と陽葵はキラキラした目でハンバーガーセットを見ていた。
「はぁ。あんたと居ると調子狂うな。いいよ、話の前に食えよ。冷めたら不味くなるだろ」
「うん!いただきます!」
はむっと陽葵はハンバーガーにかぶりついた。
「美味しい~!」
「あっそ。よかったな」
陽葵は今度はコーラに挑戦する。ちゅーっとストローでコーラを飲んで…
「ごほっ、ごほっ、ごほっ」
むせた。
「お、おい!大丈夫かよ!」
「ご、ごめんね。私、炭酸ジュースって飲んだの初めてで…」
「ほんっと世間知らずだな!まぁ、いいや。ほら、ポテトも食えよ。熱い時が旨いから」
「うん!あれ?ところで君は食べないの?」
「あんたが心配でそれどころじゃねーの!ったく…」
「そっか。優しいんだね」
もぐもぐとポテトをかじりながら陽葵が少年に言う。
「う、うるせーよ!そんなんじゃねーから!!」
顔を赤くして怒る少年に陽葵はえへー、と笑いかけた。
「ポテト美味しい」
「よかったな!」
「はー。おいしかった!ご馳走さま!」
陽葵と少年はハンバーガーセットを食べ終えた。
「で?俺に話って何?」
「あっ、そうだった!実はね…」
話し出す陽葵を「ちょっと待った!」と少年が制止する。
「お前、口の横にケチャップついてんぞ」
「え?ほんと?」
紙ナプキンで陽葵が口を拭くがケチャップの汚れは取れていなかった。
「そこじゃねーよ。ほら…」
少年は紙ナプキンを掴んでゴシゴシと汚れを取ってやった。
「ごめんね。ありがとう」
にっこりと微笑む陽葵に思わず顔を赤くした。可愛い、なんて思ってしまった。しかも、なんだかこれでは二人でデートしているみたいだ。
「話!!何?」
照れ隠しに机をドン!と叩き陽葵に本題を促す。
「ああ、うん。あのね…もしかして君、何か悩んでいるのかなあって思って…」
少年の目が点になる。陽葵の話は予想外だった。
『ツメ』組織のことについて何か聞き出そうとしているのだろう、少年はそう思っていた。だから陽葵からそんな話を持ちかけられるとは思わなかった。
「…だったら何だよ。もし俺が悩んでますって言って、そしたらお前が何かしてくれるわけ?」
「うん。悩みによって。力になれれば、だけどね」
「何でだ。俺はあんたに恨まれこそすれ、助けられるいわれはない」
「そうだね。君がしたこと、私は許せないよ。だけど、何か大きな悩みを抱えているように見えた。何でだろう、放っておけなかったんだ。だから、今日たまたま君を見かけたから話してみようって思ったの」
「………別に、悩みなんてねーよ。あんたの勘違いだろ?」
「そっか…。うん、それならいいんだ。あ、そうそう。私陽葵っていうの。神木陽葵。君は?」
「…ショウ」
「よろしくね、ショウくん。せっかくだからアドレス交換しようよ」
「何でだよ!!」
「えっ、…駄目なの?」
しょぼんと落ち込む陽葵にショウは慌てた。
「っ……!だ、駄目じゃねーけど、…貸せ!携帯!」
ショウは手早くアドレス交換を済ませると陽葵の携帯を投げ渡した。
「何かあったら連絡してね、ショウくん」
「絶対、連絡しねーから!!」
陽葵とアドレス交換をして、少しだけショウは嬉しかった。
「ねぇ、ショウくん」
「なんだよ!」
「これってどうやって片付けるの?」
「!? こ、これはだな!」
「ありがとうございましたー」
ショウは陽葵に片付け方を教えて、一緒に店を出た。
「ショウくん、ありがとう。お会計、良かったの?私、ショウくんの分も奢ったのに…」
「時給300円のバイトしてるやつに奢られたくねーよ!っつーか、その時給安すぎだろ!?」
「あはは…。それじゃあショウくん、またね」
「おう」
陽葵はショウに手を振って帰っていった。
変わった奴。
でも、ちょっと楽しかった…な。
「陽葵…か」
珍しい力を持った少女。彼女なら自分の父親を止めてくれるのかもしれない。