モブサイコ長編(茂夫)
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ピリリリリ!!
電話の受信音に慌てて携帯を開く。
ディスプレイに表示された名前は『霊幻』だった。
「もしもし?霊幻さん?」
「おー、陽葵。お前、いま暇か?暇だよな?今からメールする場所に至急来てくれ。頼んだぞ」
霊幻は言うだけ言って通話を切った。
すぐにピロリン、と音がしてメールを受信する。
陽葵はメールに記載された場所へとすぐに向かった。行き先は山奥の農地。近所のバス停からバスに乗り込むと後ろの座席に茂夫が座っていた。
「茂夫くん」
「陽葵ちゃん。やっぱり陽葵ちゃんも急に呼び出されたんだ」
「うん、さっき霊幻さんから電話があって。隣、座っていい?」
「うん」
バスにしばらく揺られていると、ようやく目的地についた。
一面畑ののどかな町。
バス停を降りたところで霊幻が待っていた。
「師匠。だからいきなり呼び出すの止めてくださいって言ってるじゃないですか」
茂夫の小言を気にすることなく、霊幻は陽気に話しかけてくる。
「おー!モブ!陽葵!やっと来たか。依頼者の話によると農作物が不作続きでな、俺が調べてみたところ霊の仕業だということがわかった。ってことで後よろしく」
「はぁ、わかりました」
「霊力、感じます。近くにいますよ」
「何!?どこだ!?」
陽葵の言葉に霊幻はキョロキョロと辺りを見回す。
すると目の前のかかしが言葉を話し動き出した。
茂夫はすぐさま手をかざし、かかしを超能力で破壊する。
「終わったな…」
一瞬だった。霊幻が除霊はもう終わった、とその場を去ろうとした時、足元の土が蠢きだし、ボコボコと大きく盛り上がっていく。
「な、なんだあ!?」
「本体ですね」
「かかしは囮だったみたいです」
慌てふためく霊幻と対照的に、茂夫と陽葵は淡々としていた。
盛り上がった土山から巨大な植物が伸び上がる。植物状の悪霊は、茂夫達に勢いよく蔦を伸ばした。霊幻、茂夫は蔦に絡まれ身動きがとれなくなってしまった。
「茂夫くん!霊幻さん!大丈夫?」
「陽葵ちゃん!」
「陽葵!!頼みの綱はお前しかいない!何とかしろ!」
陽葵に伸びてくる蔦は不思議な力によって軌道を反らされ、陽葵に触れることができなかった。
悪霊はなおも陽葵を蔦で攻撃してくるが、陽葵は気にせずスタスタと茂夫に近づく。
陽葵が茂夫を縛り付けている蔦に手を置くと、一瞬でその拘束がとけた。
「何っ!?」
「ありがとう、陽葵ちゃん」
茂夫は再び悪霊に向かって力を放つ。
悪霊は力を受けてバラバラになり、消滅したかに見えた。
「…手応えがない」
地中からスルスルと蔦が集まり、悪霊が再生する。
「この男の方は大した力がないと見た」
悪霊は霊幻にターゲットを絞ると、無数の蔦を伸ばし、完全に霊幻を絡め取った。
「師匠!」
「霊幻さん!」
悪霊は霊幻を人質に取り、こいつの命が惜しかったら大人しくしろ!と茂夫達に命令する。
手を出せない茂夫を悪霊が蔦で絡め取る。そして、そのまま地中に茂夫を引きずり込んだ。
「茂夫くん!」
これで仕留めた、と悪霊が高らかに笑う。
次の瞬間。
悪霊が操っていた蔦は突然動きを止め、力なく地面に崩れ落ちた。
「!?」
「さっき蔦を切ってみても手応えがなかった。操っているだけで蔦は本体じゃない。そこで、強力な念波で命令してみたら僕でも操ることができました」
悪霊は自分よりも強力な念波で蔦を支配した茂夫に激高し、襲いかかってきた。
「この蔦、あの骸骨の本体と繋がってるよね」
陽葵は足元の蔦を掴み「えい」と自身の力を蔦を通して悪霊本体へと流した。
悪霊は力を無効化され、弱体化する。そこへ茂夫が力を叩き込んだ。悪霊は霧散し、今度こそ除霊は完了した。
除霊を終え、事務所に戻ってきた茂夫と陽葵に霊幻が今日のバイト代をくれた。
「いやー、結局収穫物は駄目になっちまったからな。代わりに依頼主から種や肥料などをもらい受けた。ほら、手出せよ」
茂夫はブロッコリーの種、陽葵はキュウリの種をもらった。
(遂に現物支給になった…)
「ありがとうございます」
茂夫はもらったブロッコリーの種を制服の胸ポケットにしまった。
「ところで、モブ!これはさっき植えたミニトマトの鉢だ。これに超能力を流し込んで成長させてみてくれ」
「はぁ…、わかりました」
茂夫が力を流すとミニトマトは芽を出し、みるみる成長して赤い実をつけた。
これは、新たなビジネスの予感!と期待しつつ霊幻はミニトマトを試食する。
超能力で成長したミニトマトはまったく旨味がなく不味かった。
「モブ…、このトマト、全部持って帰っていいぞ」
「はあ…」
茂夫はミニトマトの鉢を抱えて家まで持って帰った。
電話の受信音に慌てて携帯を開く。
ディスプレイに表示された名前は『霊幻』だった。
「もしもし?霊幻さん?」
「おー、陽葵。お前、いま暇か?暇だよな?今からメールする場所に至急来てくれ。頼んだぞ」
霊幻は言うだけ言って通話を切った。
すぐにピロリン、と音がしてメールを受信する。
陽葵はメールに記載された場所へとすぐに向かった。行き先は山奥の農地。近所のバス停からバスに乗り込むと後ろの座席に茂夫が座っていた。
「茂夫くん」
「陽葵ちゃん。やっぱり陽葵ちゃんも急に呼び出されたんだ」
「うん、さっき霊幻さんから電話があって。隣、座っていい?」
「うん」
バスにしばらく揺られていると、ようやく目的地についた。
一面畑ののどかな町。
バス停を降りたところで霊幻が待っていた。
「師匠。だからいきなり呼び出すの止めてくださいって言ってるじゃないですか」
茂夫の小言を気にすることなく、霊幻は陽気に話しかけてくる。
「おー!モブ!陽葵!やっと来たか。依頼者の話によると農作物が不作続きでな、俺が調べてみたところ霊の仕業だということがわかった。ってことで後よろしく」
「はぁ、わかりました」
「霊力、感じます。近くにいますよ」
「何!?どこだ!?」
陽葵の言葉に霊幻はキョロキョロと辺りを見回す。
すると目の前のかかしが言葉を話し動き出した。
茂夫はすぐさま手をかざし、かかしを超能力で破壊する。
「終わったな…」
一瞬だった。霊幻が除霊はもう終わった、とその場を去ろうとした時、足元の土が蠢きだし、ボコボコと大きく盛り上がっていく。
「な、なんだあ!?」
「本体ですね」
「かかしは囮だったみたいです」
慌てふためく霊幻と対照的に、茂夫と陽葵は淡々としていた。
盛り上がった土山から巨大な植物が伸び上がる。植物状の悪霊は、茂夫達に勢いよく蔦を伸ばした。霊幻、茂夫は蔦に絡まれ身動きがとれなくなってしまった。
「茂夫くん!霊幻さん!大丈夫?」
「陽葵ちゃん!」
「陽葵!!頼みの綱はお前しかいない!何とかしろ!」
陽葵に伸びてくる蔦は不思議な力によって軌道を反らされ、陽葵に触れることができなかった。
悪霊はなおも陽葵を蔦で攻撃してくるが、陽葵は気にせずスタスタと茂夫に近づく。
陽葵が茂夫を縛り付けている蔦に手を置くと、一瞬でその拘束がとけた。
「何っ!?」
「ありがとう、陽葵ちゃん」
茂夫は再び悪霊に向かって力を放つ。
悪霊は力を受けてバラバラになり、消滅したかに見えた。
「…手応えがない」
地中からスルスルと蔦が集まり、悪霊が再生する。
「この男の方は大した力がないと見た」
悪霊は霊幻にターゲットを絞ると、無数の蔦を伸ばし、完全に霊幻を絡め取った。
「師匠!」
「霊幻さん!」
悪霊は霊幻を人質に取り、こいつの命が惜しかったら大人しくしろ!と茂夫達に命令する。
手を出せない茂夫を悪霊が蔦で絡め取る。そして、そのまま地中に茂夫を引きずり込んだ。
「茂夫くん!」
これで仕留めた、と悪霊が高らかに笑う。
次の瞬間。
悪霊が操っていた蔦は突然動きを止め、力なく地面に崩れ落ちた。
「!?」
「さっき蔦を切ってみても手応えがなかった。操っているだけで蔦は本体じゃない。そこで、強力な念波で命令してみたら僕でも操ることができました」
悪霊は自分よりも強力な念波で蔦を支配した茂夫に激高し、襲いかかってきた。
「この蔦、あの骸骨の本体と繋がってるよね」
陽葵は足元の蔦を掴み「えい」と自身の力を蔦を通して悪霊本体へと流した。
悪霊は力を無効化され、弱体化する。そこへ茂夫が力を叩き込んだ。悪霊は霧散し、今度こそ除霊は完了した。
除霊を終え、事務所に戻ってきた茂夫と陽葵に霊幻が今日のバイト代をくれた。
「いやー、結局収穫物は駄目になっちまったからな。代わりに依頼主から種や肥料などをもらい受けた。ほら、手出せよ」
茂夫はブロッコリーの種、陽葵はキュウリの種をもらった。
(遂に現物支給になった…)
「ありがとうございます」
茂夫はもらったブロッコリーの種を制服の胸ポケットにしまった。
「ところで、モブ!これはさっき植えたミニトマトの鉢だ。これに超能力を流し込んで成長させてみてくれ」
「はぁ…、わかりました」
茂夫が力を流すとミニトマトは芽を出し、みるみる成長して赤い実をつけた。
これは、新たなビジネスの予感!と期待しつつ霊幻はミニトマトを試食する。
超能力で成長したミニトマトはまったく旨味がなく不味かった。
「モブ…、このトマト、全部持って帰っていいぞ」
「はあ…」
茂夫はミニトマトの鉢を抱えて家まで持って帰った。
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