モブサイコ長編(律)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日。
千冬が登校すると、校内はガヤガヤと騒がしかった。
リコーダー事件は生徒会長が仕組んだものであり、影山律を悪事に荷担させたのも生徒会長の命令によるものだったのだとか。
「影山くん、可哀想~」
「生徒会長、許すまじ!」
「麻紀さん、恵さん、昨日はありがとうございました」
「あ!千冬おはよう!もー、昨日は吃驚したよ~。顔面レシーブ決めるんだもん」
「なんかぼーっとしてたけど大丈夫?体調悪いの?」
優しい友人達に大丈夫だと、微笑んで席に着く。少しして律も登校してきた。
千冬は律を見て、目を丸くした。
いつもの真面目で優しい律の姿だったからだ。なんだかスッキリした顔をしている。
見ていると律と目が合った。
「おはよう、逢瀬さん」
「お、おはようございます」
「大丈夫?昨日体育の授業の時運ばれていったみたいだけど…」
「だ、大丈夫です。ちょっとボーッとしてしまって…」
「ボーッとして、顔面レシーブ決めちゃったのよね!」
「麻紀さん!恥ずかしいので暴露しないでください!」
「が、顔面レシーブ…?本当に大丈夫?」
心配そうに律が千冬の顔を見つめてくる。
「大丈夫です!本当に大丈夫ですから!!私のことより心配なのは影山くんの方です!何か凄く思い詰めていたようでしたから…」
律はキョトンとした顔をすると、恥ずかしそうに頬をかいた。
「ああ、うん。僕はもう大丈夫。逢瀬さん、心配かけてごめんね。それから…、…ありがとう」
「大丈夫なら良かったです。どうして、影山くんが御礼を言いますか。私は何もできなかったんですよ?」
「ううん、そんなことないよ。兄さんにも僕のこと相談してくれてたって聞いたし。それに、逢瀬さんは賢いから気付いていると思うけど、最後まで責めないでいてくれたから」
そう言って律は、にこやかに微笑んだ。
二人のやり取りを聞いていた友人達が、ニヤニヤしながら様子を見ている。
「なになに?二人ともなんか良い雰囲気なんですけどー?」
「もしかして、いつの間にか付き合ってたりして?」
「麻紀さん、恵さん、変な冗談言わないでください。ほら、影山くんが迷惑してるじゃないです、か…?」
千冬が律の方を見ると、律は顔を真っ赤にしていた。
「やだ、影山くん可愛いー!冗談だって!本気にしないでよー」
「ふーん、これはもしかして影山くん千冬ちゃんのこと好きだったりしてー?」
キャッキャッとはしゃぐ女子二人に律は、顔を赤くしたままプルプルと身体を震わせていた。
「影山くん、気にしなくていいですから!麻紀さんも恵さんも!悪ふざけが過ぎますよ!」
「はーい」
「あはは、影山くんってクールに見えて可愛いところあるじゃーん!」
「こら!もう、そうやって人をからかわないでください!影山くん、本当に気にしないでくださいね。…影山くん?」
律は顔を真っ赤にしたまま黙っていた。
「あ、あの…、大丈夫ですか?どこか具合が悪いとか…」
千冬が律の顔を覗き込むと、ますます律の顔が赤くなっていく。
「あ!もしかして熱があるのではないですか?」
千冬が律の額に手を当てる。
「熱い…、やっぱり熱がありますね。早退したほうが良いのでは…「大丈夫だから。熱とかないから。元気だから。大丈夫だから!」
「は、はあ…。それなら良いのですけど」
ギロリと律は、麻紀と恵を睨みつけた。
((これは惚れてるなあ…))
麻紀と恵はわかりやすい律の反応に、律が千冬に恋をしているのだとすぐにわかってしまった。
千冬が前に向き直る。
すると、恵は隣の律にコソコソと声をかけた。
「千冬ちゃんのこと、好きなんでしょ?私達が恋のキューピッドになってあげても良いけど?」
バキィッ!!!!
「ひっ!?」
ものすごく大きな音に吃驚して千冬も律の方を振り返る。
律は顔を真っ赤にした状態で、手にしていたシャープペンを片手で折っていた。
「片桐さん、ちょっと黙っていてくれるかな?」
ニッコリと律は恵に笑いかける。
恵は恐怖して、そのあと一切言葉を発しなかった。
休み時間。
「影山くん」
千冬は律に話しかけていた。
「逢瀬さん、どうかしたの?」
「どうかしたの?じゃないです。やっぱり今日の影山くんおかしいです。一度保健室に行って検温した方が良いと思います」
「大丈夫、別におかしくないよ。心配しないで」
じー。
「逢瀬さん?」
じーーー。
「そ、そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど…」
ポッと律の頬が朱に染まる。それを見た千冬は律の手を取って教室から連れ出した。
「逢瀬さん?大丈夫だから。別に風邪ひいてないし、熱もないから」
「もしものこともあります。ちゃんと保健室で検温するまで駄目です」
グイグイと千冬は保健室へと律を引っ張っていった。
「………平熱ね」
そう言って養護教諭は体温計を千冬と律に見せる。
表示された体温は36.3度。
「し、失礼しました…」
千冬は律とともに保健室を出ると力なく扉を閉めた。
「ごめんなさい、私の勘違いだったみたいです。影山くんの言うとおり、風邪ではなかったのですね」
「うん、大丈夫だよ。でも、…逢瀬さんがこんなに心配してくれたのは嬉しいな」
「それは…、だって影山くんは大切な『お友達』ですから」
グサッ。
『お友達』という言葉が律の胸に突き刺さるが鈍感な千冬はまったく気付かない。
そんな千冬に律は勇気を出して、今まで心にためていたことを口にした。
「………逢瀬さん。…千冬ちゃんって呼んでもいい?」
「え?構いませんけど…」
千冬は律の申し出をあっさりと承諾する。
「ありがとう」
千冬の承諾に、ニコニコと嬉しそうに律は微笑んだ。
「僕のことは律って呼んでね」
「律くん…ですか?」
「うん!」
満足そうに満面の笑みで律が笑った。
そんな律の笑顔を見て、千冬もまた笑顔になる。
もう彼は大丈夫。
そう安堵して、クラスに戻るまでの間、千冬は律に話しかける。
「今度、また家に来てください。お客様ではなく、友達として。今度はお休みの日にケーキを焼こうと思っているんです。嫌じゃなければ食べていってください」
「嫌なんかじゃないよ!うん、今度は友達として遊びに行くよ。…そうだ、いつも千冬ちゃんの家を訪ねるのも悪いし、僕の家にも遊びに来てよ」
「え」
「ご、ごめん。もしかして嫌だった?」
固まる千冬に慌てて律が声をかけると、千冬は目を輝かせていた。
「良いのですか?とても嬉しいです…!楽しみですっ…!」
キラキラした瞳で千冬は律を見つめる。
「勿論だよ」
可愛いなあ、と喜ぶ千冬に律の顔が綻んでいく。
他愛のない話をしながら、千冬と律はクラスに戻った。
「なんか…、ますます仲良くなってない?」
「お互い下の名前で呼び合ってる…!こ、これは、つき合っているんだわ!そうよ!そうに違いない!」
「片桐さん?」
ニッコリと笑顔を向ける律の圧力に、恵は再び黙り込んだが、千冬と律が付き合っているという噂は校内中に広まっていった。
千冬が登校すると、校内はガヤガヤと騒がしかった。
リコーダー事件は生徒会長が仕組んだものであり、影山律を悪事に荷担させたのも生徒会長の命令によるものだったのだとか。
「影山くん、可哀想~」
「生徒会長、許すまじ!」
「麻紀さん、恵さん、昨日はありがとうございました」
「あ!千冬おはよう!もー、昨日は吃驚したよ~。顔面レシーブ決めるんだもん」
「なんかぼーっとしてたけど大丈夫?体調悪いの?」
優しい友人達に大丈夫だと、微笑んで席に着く。少しして律も登校してきた。
千冬は律を見て、目を丸くした。
いつもの真面目で優しい律の姿だったからだ。なんだかスッキリした顔をしている。
見ていると律と目が合った。
「おはよう、逢瀬さん」
「お、おはようございます」
「大丈夫?昨日体育の授業の時運ばれていったみたいだけど…」
「だ、大丈夫です。ちょっとボーッとしてしまって…」
「ボーッとして、顔面レシーブ決めちゃったのよね!」
「麻紀さん!恥ずかしいので暴露しないでください!」
「が、顔面レシーブ…?本当に大丈夫?」
心配そうに律が千冬の顔を見つめてくる。
「大丈夫です!本当に大丈夫ですから!!私のことより心配なのは影山くんの方です!何か凄く思い詰めていたようでしたから…」
律はキョトンとした顔をすると、恥ずかしそうに頬をかいた。
「ああ、うん。僕はもう大丈夫。逢瀬さん、心配かけてごめんね。それから…、…ありがとう」
「大丈夫なら良かったです。どうして、影山くんが御礼を言いますか。私は何もできなかったんですよ?」
「ううん、そんなことないよ。兄さんにも僕のこと相談してくれてたって聞いたし。それに、逢瀬さんは賢いから気付いていると思うけど、最後まで責めないでいてくれたから」
そう言って律は、にこやかに微笑んだ。
二人のやり取りを聞いていた友人達が、ニヤニヤしながら様子を見ている。
「なになに?二人ともなんか良い雰囲気なんですけどー?」
「もしかして、いつの間にか付き合ってたりして?」
「麻紀さん、恵さん、変な冗談言わないでください。ほら、影山くんが迷惑してるじゃないです、か…?」
千冬が律の方を見ると、律は顔を真っ赤にしていた。
「やだ、影山くん可愛いー!冗談だって!本気にしないでよー」
「ふーん、これはもしかして影山くん千冬ちゃんのこと好きだったりしてー?」
キャッキャッとはしゃぐ女子二人に律は、顔を赤くしたままプルプルと身体を震わせていた。
「影山くん、気にしなくていいですから!麻紀さんも恵さんも!悪ふざけが過ぎますよ!」
「はーい」
「あはは、影山くんってクールに見えて可愛いところあるじゃーん!」
「こら!もう、そうやって人をからかわないでください!影山くん、本当に気にしないでくださいね。…影山くん?」
律は顔を真っ赤にしたまま黙っていた。
「あ、あの…、大丈夫ですか?どこか具合が悪いとか…」
千冬が律の顔を覗き込むと、ますます律の顔が赤くなっていく。
「あ!もしかして熱があるのではないですか?」
千冬が律の額に手を当てる。
「熱い…、やっぱり熱がありますね。早退したほうが良いのでは…「大丈夫だから。熱とかないから。元気だから。大丈夫だから!」
「は、はあ…。それなら良いのですけど」
ギロリと律は、麻紀と恵を睨みつけた。
((これは惚れてるなあ…))
麻紀と恵はわかりやすい律の反応に、律が千冬に恋をしているのだとすぐにわかってしまった。
千冬が前に向き直る。
すると、恵は隣の律にコソコソと声をかけた。
「千冬ちゃんのこと、好きなんでしょ?私達が恋のキューピッドになってあげても良いけど?」
バキィッ!!!!
「ひっ!?」
ものすごく大きな音に吃驚して千冬も律の方を振り返る。
律は顔を真っ赤にした状態で、手にしていたシャープペンを片手で折っていた。
「片桐さん、ちょっと黙っていてくれるかな?」
ニッコリと律は恵に笑いかける。
恵は恐怖して、そのあと一切言葉を発しなかった。
休み時間。
「影山くん」
千冬は律に話しかけていた。
「逢瀬さん、どうかしたの?」
「どうかしたの?じゃないです。やっぱり今日の影山くんおかしいです。一度保健室に行って検温した方が良いと思います」
「大丈夫、別におかしくないよ。心配しないで」
じー。
「逢瀬さん?」
じーーー。
「そ、そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど…」
ポッと律の頬が朱に染まる。それを見た千冬は律の手を取って教室から連れ出した。
「逢瀬さん?大丈夫だから。別に風邪ひいてないし、熱もないから」
「もしものこともあります。ちゃんと保健室で検温するまで駄目です」
グイグイと千冬は保健室へと律を引っ張っていった。
「………平熱ね」
そう言って養護教諭は体温計を千冬と律に見せる。
表示された体温は36.3度。
「し、失礼しました…」
千冬は律とともに保健室を出ると力なく扉を閉めた。
「ごめんなさい、私の勘違いだったみたいです。影山くんの言うとおり、風邪ではなかったのですね」
「うん、大丈夫だよ。でも、…逢瀬さんがこんなに心配してくれたのは嬉しいな」
「それは…、だって影山くんは大切な『お友達』ですから」
グサッ。
『お友達』という言葉が律の胸に突き刺さるが鈍感な千冬はまったく気付かない。
そんな千冬に律は勇気を出して、今まで心にためていたことを口にした。
「………逢瀬さん。…千冬ちゃんって呼んでもいい?」
「え?構いませんけど…」
千冬は律の申し出をあっさりと承諾する。
「ありがとう」
千冬の承諾に、ニコニコと嬉しそうに律は微笑んだ。
「僕のことは律って呼んでね」
「律くん…ですか?」
「うん!」
満足そうに満面の笑みで律が笑った。
そんな律の笑顔を見て、千冬もまた笑顔になる。
もう彼は大丈夫。
そう安堵して、クラスに戻るまでの間、千冬は律に話しかける。
「今度、また家に来てください。お客様ではなく、友達として。今度はお休みの日にケーキを焼こうと思っているんです。嫌じゃなければ食べていってください」
「嫌なんかじゃないよ!うん、今度は友達として遊びに行くよ。…そうだ、いつも千冬ちゃんの家を訪ねるのも悪いし、僕の家にも遊びに来てよ」
「え」
「ご、ごめん。もしかして嫌だった?」
固まる千冬に慌てて律が声をかけると、千冬は目を輝かせていた。
「良いのですか?とても嬉しいです…!楽しみですっ…!」
キラキラした瞳で千冬は律を見つめる。
「勿論だよ」
可愛いなあ、と喜ぶ千冬に律の顔が綻んでいく。
他愛のない話をしながら、千冬と律はクラスに戻った。
「なんか…、ますます仲良くなってない?」
「お互い下の名前で呼び合ってる…!こ、これは、つき合っているんだわ!そうよ!そうに違いない!」
「片桐さん?」
ニッコリと笑顔を向ける律の圧力に、恵は再び黙り込んだが、千冬と律が付き合っているという噂は校内中に広まっていった。
6/6ページ