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「えっと…潔癖症を直したい、ですか?」
「そうです」
突然赤城に潔癖症を直したいから協力してほしいと言われ、結莉は戸惑っていた。
彼女は少し考え込むと「わかりました」と承諾し、
「じゃあ、一緒にお料理しましょう」
とにっこり赤城を誘うのであった。
「はい?」
「だって赤城さん手が汚れるから嫌だって言って、全然お料理しないじゃないですか」
「まあ、確かに…そうですね」
ふふっと結莉は笑い、じゃあ早速作ってみましょうと赤城の背を押して促す。
結莉は冷蔵庫をガサガサあさると、鶏の胸肉や野菜を取り出す。そして赤城に鶏の胸肉を差し出して、「では赤城さん、鶏の皮を剥いて下さいね」とお願いしてきた。
おそるおそる赤城が鶏肉に触れると、ベタベタぬるぬるでとても触りたくなかった。
引きつった顔で鶏肉を見つめていると、結莉が皮剥きの手本を見せてくる。それでも手がなかなか出ない赤城を見て、「大丈夫。汚れても手洗いすれば綺麗になりますよ」と励ましの言葉をかけた。
「わ、わかりました…」
仕方ないと腹をくくり、嫌々鶏の皮剥きをする。
「そうそう、赤城さんなかなか上手ですよ」
結莉はにっこり微笑んで赤城を誉める。
そんな彼女の笑顔に力をもらい、かなりの時間をかけて赤城は鶏の皮剥きを終えた。
終わる頃には、ぜぇはぁと息があがっていた。
「では、今度はその鶏肉を一口大に切って下さい」
「………わかりました」
こんな調子で赤城と結莉が料理すること数時間。
ようやく完成したのが、チキンカレーだ。
「完成です!赤城さんお疲れ様でした」
赤城は、精神的ダメージでぐったりしていた。
彼女はカレーを盛り付け、テーブルに運ぶ。
「いただきます」
「………」
「赤城さん?食べないのですか?」
「僕は、疲れました…」
はぁ、とため息を吐いてぼんやりしていると結莉が隣にちょこんと座ってきた。
「何です?」
結莉は赤城のスプーンでカレーをすくうと赤城の口に持ってきた。
「はい、どうぞ」
「なっ!?ななな、何をするんですか、貴女はっ!!」
ボッと赤城の顔が赤くなる。
「だって、赤城さん食べようとしないんですもの。美味しいですよ。きっと元気が出ますから。はい」
にっこりと笑ってスプーンを持つ彼女があまりに可愛くて、赤城は恥ずかしさをこらえて口を開けた。
パクリと食べてみると、作ったカレーはとても美味しかった。
「! 美味しいです」
「良かった…!」
二口目を彼女がスプーンですくうが、赤城はその手を抑える。
赤城はスプーンを持ち、結莉の口元に差し出した。
「僕だけ食べさせられるのは、癪です」
「えっ、わ、私も食べるんですか?でもそれ赤城さんのスプーンですよ?」
「構いません。僕は潔癖症を治したいので」
じっと赤城が彼女を見つめていると観念したのか、恥ずかしそうに口を開いた。
彼女の口にスプーンを運ぶ。
「美味しいです」
「そう、それは良かったですね」
そう言って赤城は結莉が口をつけたスプーンを使ってカレーをパクパクと食べ始めた。
「あの、赤城さん。嫌じゃありませんか?」
「…嫌なわけがないでしょう」
潔癖症の赤城にとって他人が口をつけたスプーンに口をつけるなど有り得ないのだが、不思議と嫌ではなかった。
そういえば結莉に触れたり触れられたりするのは嫌ではない。
試しに結莉の頬に触れてみる。
嫌な気はしない。むしろ…。
「? どうかしましたか?」
「いえ、結莉さん少し目を瞑って頂けますか?目元にゴミが」
慌てて結莉が目を瞑る。
赤城は結莉に顔を近づけた。そして、そのまま彼女の目元に口づけるとすぐに顔を離した。
「ゴミ、取れましたよ」
パチッと結莉は目を開ける。
「ありがとうございます。ゴミが付いてたなんて恥ずかしいです…」
彼女は赤城が口づけたことに気づいていない様子で恥ずかしさに頬を赤らめていた。
「…可愛いですね、結莉さんは」
赤城はそう呟いて優しく微笑む。
「ええっ!?つ、次からは身だしなみ、気をつけます…!」
二人がカレーを食べ終えると結莉は「食器洗いしましょうね」と赤城にスポンジを持たせた。
「このベッタベタを洗うんですか、僕が?」
「そうです!赤城さん、頑張って下さい!」
引きつりながらも、赤城はシャツの袖をまくりあげる。
「のぞむところです」
こうして赤城と結莉の脱潔癖症訓練は続いていくのであった。
「そうです」
突然赤城に潔癖症を直したいから協力してほしいと言われ、結莉は戸惑っていた。
彼女は少し考え込むと「わかりました」と承諾し、
「じゃあ、一緒にお料理しましょう」
とにっこり赤城を誘うのであった。
「はい?」
「だって赤城さん手が汚れるから嫌だって言って、全然お料理しないじゃないですか」
「まあ、確かに…そうですね」
ふふっと結莉は笑い、じゃあ早速作ってみましょうと赤城の背を押して促す。
結莉は冷蔵庫をガサガサあさると、鶏の胸肉や野菜を取り出す。そして赤城に鶏の胸肉を差し出して、「では赤城さん、鶏の皮を剥いて下さいね」とお願いしてきた。
おそるおそる赤城が鶏肉に触れると、ベタベタぬるぬるでとても触りたくなかった。
引きつった顔で鶏肉を見つめていると、結莉が皮剥きの手本を見せてくる。それでも手がなかなか出ない赤城を見て、「大丈夫。汚れても手洗いすれば綺麗になりますよ」と励ましの言葉をかけた。
「わ、わかりました…」
仕方ないと腹をくくり、嫌々鶏の皮剥きをする。
「そうそう、赤城さんなかなか上手ですよ」
結莉はにっこり微笑んで赤城を誉める。
そんな彼女の笑顔に力をもらい、かなりの時間をかけて赤城は鶏の皮剥きを終えた。
終わる頃には、ぜぇはぁと息があがっていた。
「では、今度はその鶏肉を一口大に切って下さい」
「………わかりました」
こんな調子で赤城と結莉が料理すること数時間。
ようやく完成したのが、チキンカレーだ。
「完成です!赤城さんお疲れ様でした」
赤城は、精神的ダメージでぐったりしていた。
彼女はカレーを盛り付け、テーブルに運ぶ。
「いただきます」
「………」
「赤城さん?食べないのですか?」
「僕は、疲れました…」
はぁ、とため息を吐いてぼんやりしていると結莉が隣にちょこんと座ってきた。
「何です?」
結莉は赤城のスプーンでカレーをすくうと赤城の口に持ってきた。
「はい、どうぞ」
「なっ!?ななな、何をするんですか、貴女はっ!!」
ボッと赤城の顔が赤くなる。
「だって、赤城さん食べようとしないんですもの。美味しいですよ。きっと元気が出ますから。はい」
にっこりと笑ってスプーンを持つ彼女があまりに可愛くて、赤城は恥ずかしさをこらえて口を開けた。
パクリと食べてみると、作ったカレーはとても美味しかった。
「! 美味しいです」
「良かった…!」
二口目を彼女がスプーンですくうが、赤城はその手を抑える。
赤城はスプーンを持ち、結莉の口元に差し出した。
「僕だけ食べさせられるのは、癪です」
「えっ、わ、私も食べるんですか?でもそれ赤城さんのスプーンですよ?」
「構いません。僕は潔癖症を治したいので」
じっと赤城が彼女を見つめていると観念したのか、恥ずかしそうに口を開いた。
彼女の口にスプーンを運ぶ。
「美味しいです」
「そう、それは良かったですね」
そう言って赤城は結莉が口をつけたスプーンを使ってカレーをパクパクと食べ始めた。
「あの、赤城さん。嫌じゃありませんか?」
「…嫌なわけがないでしょう」
潔癖症の赤城にとって他人が口をつけたスプーンに口をつけるなど有り得ないのだが、不思議と嫌ではなかった。
そういえば結莉に触れたり触れられたりするのは嫌ではない。
試しに結莉の頬に触れてみる。
嫌な気はしない。むしろ…。
「? どうかしましたか?」
「いえ、結莉さん少し目を瞑って頂けますか?目元にゴミが」
慌てて結莉が目を瞑る。
赤城は結莉に顔を近づけた。そして、そのまま彼女の目元に口づけるとすぐに顔を離した。
「ゴミ、取れましたよ」
パチッと結莉は目を開ける。
「ありがとうございます。ゴミが付いてたなんて恥ずかしいです…」
彼女は赤城が口づけたことに気づいていない様子で恥ずかしさに頬を赤らめていた。
「…可愛いですね、結莉さんは」
赤城はそう呟いて優しく微笑む。
「ええっ!?つ、次からは身だしなみ、気をつけます…!」
二人がカレーを食べ終えると結莉は「食器洗いしましょうね」と赤城にスポンジを持たせた。
「このベッタベタを洗うんですか、僕が?」
「そうです!赤城さん、頑張って下さい!」
引きつりながらも、赤城はシャツの袖をまくりあげる。
「のぞむところです」
こうして赤城と結莉の脱潔癖症訓練は続いていくのであった。