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「あのさ、さっきから気になってるんだけど…
くっつき過ぎ!!」
ビシッと指差して不満そうに抗議する織の指先には、結莉の胸に埋もれて抱きついている夏羽の姿があった。
結莉は抱きつく夏羽の頭をニコニコ微笑みながら撫でているし、夏羽はとても嬉しそうだ。
「良いじゃない。私、夏羽くんのご両親が見つかるまで母親代わりになるって決めたのよ。夏羽くん、まだ13歳よ?親に甘えたい時だってたくさんあるわ。」
「だからって…、その…」
チラと結莉の胸に視線を送る。
(お、俺だってしてもらったことないのに夏羽の奴…!)
「と、とにかくくっつき過ぎ!!」
べりっと織が夏羽と結莉を引き離す。
「こら。もう、意地悪したら駄目でしょ?」
結莉が織に注意するが、織はフンっとそっぽを向いた。
「まぁまぁ、良いんじゃないか。甘えられる人が他にいないんだ。甘えさせてやれ」
「! 隠神さんまで!まぁ、両親がいない辛さはわかるけどさ…。最近ずっとくっついてるじゃん、夏羽の奴!」
織が言うように、夏羽は急に結莉に甘えるようになり、抱きついたり、手を握ったり、やたらと結莉の側にいたがるのだ。
そんな二人の様子に織はヤキモキしていた。
「~~~っ、結莉さん!」
「なぁに?織くん」
「お、俺にも、して!」
「!? し、織くんは駄目っ!!」
ポッと頬を染めて否定する結莉。
「なんで!?」
結莉に否定され、ズーンと織は落ち込んだ。
翌日。
「結莉さん、これ…」
夏羽は結莉に摘んできた花をプレゼントしていた。
「まぁ、綺麗なお花!ありがとう、夏羽くん」
嬉しそうに結莉は微笑んで、夏羽の頭をよしよしと優しく撫でる。
くすぐったそうな照れた表情で夏羽も微笑んでいた。
二人の様子に織はまたもムッとしていた。
「こりゃ、しばらく続くだろうね~」
カラカラと隠神が笑う。
「笑い事じゃないですよ、隠神さん!」
「そのうち元に戻るだろ。夏羽だって成長する。いつまでも甘えはしないさ。」
「そりゃそうだけど!」
ブスッと膨れる織を見て、隠神がまた笑った。
「夏羽にとって、大事な通過点だと思うよ。ああやって人に甘えるのはな。愛情を貰うのも必要だし。それに…屍鬼の夏羽にとっては、なおさらな」
そんな風に言われてしまっては織も容認せざるを得ない。
「~~~わかりました」
織は嫌々納得すると、二人を見ないように顔を背けた。
織のヤキモキする日はそれからしばらく続くのだった。
くっつき過ぎ!!」
ビシッと指差して不満そうに抗議する織の指先には、結莉の胸に埋もれて抱きついている夏羽の姿があった。
結莉は抱きつく夏羽の頭をニコニコ微笑みながら撫でているし、夏羽はとても嬉しそうだ。
「良いじゃない。私、夏羽くんのご両親が見つかるまで母親代わりになるって決めたのよ。夏羽くん、まだ13歳よ?親に甘えたい時だってたくさんあるわ。」
「だからって…、その…」
チラと結莉の胸に視線を送る。
(お、俺だってしてもらったことないのに夏羽の奴…!)
「と、とにかくくっつき過ぎ!!」
べりっと織が夏羽と結莉を引き離す。
「こら。もう、意地悪したら駄目でしょ?」
結莉が織に注意するが、織はフンっとそっぽを向いた。
「まぁまぁ、良いんじゃないか。甘えられる人が他にいないんだ。甘えさせてやれ」
「! 隠神さんまで!まぁ、両親がいない辛さはわかるけどさ…。最近ずっとくっついてるじゃん、夏羽の奴!」
織が言うように、夏羽は急に結莉に甘えるようになり、抱きついたり、手を握ったり、やたらと結莉の側にいたがるのだ。
そんな二人の様子に織はヤキモキしていた。
「~~~っ、結莉さん!」
「なぁに?織くん」
「お、俺にも、して!」
「!? し、織くんは駄目っ!!」
ポッと頬を染めて否定する結莉。
「なんで!?」
結莉に否定され、ズーンと織は落ち込んだ。
翌日。
「結莉さん、これ…」
夏羽は結莉に摘んできた花をプレゼントしていた。
「まぁ、綺麗なお花!ありがとう、夏羽くん」
嬉しそうに結莉は微笑んで、夏羽の頭をよしよしと優しく撫でる。
くすぐったそうな照れた表情で夏羽も微笑んでいた。
二人の様子に織はまたもムッとしていた。
「こりゃ、しばらく続くだろうね~」
カラカラと隠神が笑う。
「笑い事じゃないですよ、隠神さん!」
「そのうち元に戻るだろ。夏羽だって成長する。いつまでも甘えはしないさ。」
「そりゃそうだけど!」
ブスッと膨れる織を見て、隠神がまた笑った。
「夏羽にとって、大事な通過点だと思うよ。ああやって人に甘えるのはな。愛情を貰うのも必要だし。それに…屍鬼の夏羽にとっては、なおさらな」
そんな風に言われてしまっては織も容認せざるを得ない。
「~~~わかりました」
織は嫌々納得すると、二人を見ないように顔を背けた。
織のヤキモキする日はそれからしばらく続くのだった。