人と怪物の辿る道
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織が隠神探偵事務所に帰ってくる日、結莉が事務所を訪れると織と晶が青ざめた顔で床に倒れていた。
吃驚して、固まっていると隠神が声をかけてきた。
「あー、結莉ちゃん。ごめんね、なんか二人とも具合悪いみたいで…」
「た、大変です。とにかくお布団に運ばないと」
よいしょ、よいしょと結莉が織の体をおこしていると、隠神がひょいと担ぎ上げてくれた。
「女の子には重いでしょ。織も晶も俺が運ぶから大丈夫」
二人は無事にそれぞれのベッドに運び込まれた。
隠神とともに居間へ戻り、結莉は持ってきた少し大きな箱を残念そうに隠神に渡した。
「織くんが帰ってくると聞いたので、ケーキを焼いて持ってきたのですが…具合が悪いようなので残念です」
しょんぼりと肩を落とす結莉の頭を隠神はぐしゃぐしゃと撫でた。
「ケーキ、ね。喜ぶよ、織。すぐに起きると思うから待っているといい。まーその、あれだ。…織の妹が夏羽と付き合うことになったのがショックだったみたいでな」
「えっ!?アヤちゃんが夏羽くんとお付き合いを?」
「ん?なんだ、アヤのことは知ってるのか」
「はい。先日、お母様のお見舞いに伺わせて頂いたので」
「そうか」
隠神としばらく他愛のない話をしていると織がよろよろと起きてきた。
「う~ん…。ん?結莉さん!?」
「織くん!具合はもう大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫」
「そう…、良かった」
ツンツンと隠神は結莉の肩をつついて促す。
「あ、あの、もしよかったらケーキを焼いてきたから皆で食べて…?」
「えっ、ケーキ!?しかも結莉さんの手作り!?食べる!!」
織は目を輝かせて喜び、結莉もそんな彼の様子を見て微笑んだ。
「織が開けるのが良いだろう」
隠神はそう言って結莉が持ってきたケーキの箱をテーブルに置いた。
織が箱を開けると中にはイチゴの大きな生クリームケーキが入っていて、中央のチョコレートプレートには『織くん、おかえりなさい』と白のチョコペンでメッセージが書かれていた。
「…すっげー、嬉しい」
嬉しさで涙ぐみながら織は言う。
「喜んでくれて良かった」
織の様子に結莉も綻ぶ。
「うーん…、顔…顔が…」そこへ晶が謎の言葉を呟きながら起きてきた。
「晶くん!具合はどう?」
「あ!結莉さんだ!なんか怖い話を聞いて…、でももう大丈夫だよ。その箱なぁに?」
ひょこっと晶は箱を覗き、わあっ!と感嘆の声をあげた。
「これ、結莉さんが作ったの!?すごーい!織、良かったね!!」
「ありがとう。晶くんも具合が大丈夫そうなら、皆で食べましょう。えっと…、夏羽くんは?」
キョロキョロと結莉が夏羽の姿を探すが、彼は事務所にはいなかった。
「ああ、夏羽は綾と紺と任務中でね。遅くなると思うから、夏羽達の分は取っておいて、いるメンバーで先に食べようか」
「わかりました」
隠神の提案に従い、結莉は人数分ケーキを切り、取り分ける。
「「「頂きます」」」
三人はパクリとケーキを口に運んだ。
「うまい!!」
「おいしい~!」
「うん、おいしいよ」
織、晶、隠神はおいしいケーキをパクパクと食べ進めた。
「お口に合ったみたいで、良かったです」
結莉は微笑むとケーキを一切れ皿に移して、奥の扉へと向かう。
コンコンとノックをして扉を開ける。
「ミハイさん、ケーキ置いておきます。食べ終わった器は廊下に出しておいて下さいね」
「うむ」
結莉はミハイの部屋にケーキを置き、隠神達のいる部屋に戻った。
「織がいない間に、結莉ちゃん、ミハイにも差し入れ持ってきてくれるようになったんだよねぇ。いつも完食した器が廊下に出てるから、ミハイも気に入ってると思うよ」
「そうなのか…。夏羽みたいに、捕まったりとかしてないよな?」
「それは、俺が阻止してるから大丈夫」
心配する織に隠神が大丈夫だと告げると、織はほっと息を吐いた。
しばらくして夏羽とアヤが事務所に戻ってきた。任務はうまくいったようで、アヤが得意げに隠神に報告を行った。
「夏羽くん、アヤちゃん、ケーキがあるから食べてね」
「ケーキ!?いただきます!」
アヤは嬉しそうにケーキに飛びついた。
夏羽も結莉のケーキをパクパクと食べる。
「じゃっ、あたしそろそろ帰るわね。またね夏羽さん。ウワキしちゃダメよ」
アヤは帰り際、チュッと夏羽の頬にキスをする。見ていた結莉は思わず赤面してしまった。
「お~ま~え~な~!」
織がアヤを咎めるがアヤはお構いなしだ。
「なによ。夏羽さんとあたしが結婚したらお兄ちゃん嬉しくないの?」
「けっ!?」
上機嫌で帰っていくアヤを送るため、慌てて織が追いかけていった。
「夏羽くん、ところで紺ちゃんは?」
「えっと…」
結莉が夏羽に紺のことを聞くと、答えにくそうに夏羽は口ごもる。
結莉はそれ以上紺のことは聞かずに、
「…ケーキ、届けてあげてくれる?」
と優しく声をかけた。
「は、はい!」
夏羽は紺の分のケーキを持ち、事務所から出て行った。
織は帰ってくると、今度は結莉を送ってくれた。
「ごめんなさい、アヤちゃんを送ってきて疲れてるでしょうに…」
「全然疲れてないから!」
気を遣う結莉に平気だと織は元気に笑ってみせた。
「ケーキ、ありがとな。めちゃくちゃ美味しかった」
恥ずかしそうに頬をかきながら織は言う。
「嬉しい。ありがとう」
ニコリと笑う結莉にますます織の顔が赤くなる。そんな織に改めて結莉が言う。
「織くん、おかえりなさい」
「ただいま、結莉さん」
織と結莉はお互い見つめ合うと微笑んだ。
吃驚して、固まっていると隠神が声をかけてきた。
「あー、結莉ちゃん。ごめんね、なんか二人とも具合悪いみたいで…」
「た、大変です。とにかくお布団に運ばないと」
よいしょ、よいしょと結莉が織の体をおこしていると、隠神がひょいと担ぎ上げてくれた。
「女の子には重いでしょ。織も晶も俺が運ぶから大丈夫」
二人は無事にそれぞれのベッドに運び込まれた。
隠神とともに居間へ戻り、結莉は持ってきた少し大きな箱を残念そうに隠神に渡した。
「織くんが帰ってくると聞いたので、ケーキを焼いて持ってきたのですが…具合が悪いようなので残念です」
しょんぼりと肩を落とす結莉の頭を隠神はぐしゃぐしゃと撫でた。
「ケーキ、ね。喜ぶよ、織。すぐに起きると思うから待っているといい。まーその、あれだ。…織の妹が夏羽と付き合うことになったのがショックだったみたいでな」
「えっ!?アヤちゃんが夏羽くんとお付き合いを?」
「ん?なんだ、アヤのことは知ってるのか」
「はい。先日、お母様のお見舞いに伺わせて頂いたので」
「そうか」
隠神としばらく他愛のない話をしていると織がよろよろと起きてきた。
「う~ん…。ん?結莉さん!?」
「織くん!具合はもう大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫」
「そう…、良かった」
ツンツンと隠神は結莉の肩をつついて促す。
「あ、あの、もしよかったらケーキを焼いてきたから皆で食べて…?」
「えっ、ケーキ!?しかも結莉さんの手作り!?食べる!!」
織は目を輝かせて喜び、結莉もそんな彼の様子を見て微笑んだ。
「織が開けるのが良いだろう」
隠神はそう言って結莉が持ってきたケーキの箱をテーブルに置いた。
織が箱を開けると中にはイチゴの大きな生クリームケーキが入っていて、中央のチョコレートプレートには『織くん、おかえりなさい』と白のチョコペンでメッセージが書かれていた。
「…すっげー、嬉しい」
嬉しさで涙ぐみながら織は言う。
「喜んでくれて良かった」
織の様子に結莉も綻ぶ。
「うーん…、顔…顔が…」そこへ晶が謎の言葉を呟きながら起きてきた。
「晶くん!具合はどう?」
「あ!結莉さんだ!なんか怖い話を聞いて…、でももう大丈夫だよ。その箱なぁに?」
ひょこっと晶は箱を覗き、わあっ!と感嘆の声をあげた。
「これ、結莉さんが作ったの!?すごーい!織、良かったね!!」
「ありがとう。晶くんも具合が大丈夫そうなら、皆で食べましょう。えっと…、夏羽くんは?」
キョロキョロと結莉が夏羽の姿を探すが、彼は事務所にはいなかった。
「ああ、夏羽は綾と紺と任務中でね。遅くなると思うから、夏羽達の分は取っておいて、いるメンバーで先に食べようか」
「わかりました」
隠神の提案に従い、結莉は人数分ケーキを切り、取り分ける。
「「「頂きます」」」
三人はパクリとケーキを口に運んだ。
「うまい!!」
「おいしい~!」
「うん、おいしいよ」
織、晶、隠神はおいしいケーキをパクパクと食べ進めた。
「お口に合ったみたいで、良かったです」
結莉は微笑むとケーキを一切れ皿に移して、奥の扉へと向かう。
コンコンとノックをして扉を開ける。
「ミハイさん、ケーキ置いておきます。食べ終わった器は廊下に出しておいて下さいね」
「うむ」
結莉はミハイの部屋にケーキを置き、隠神達のいる部屋に戻った。
「織がいない間に、結莉ちゃん、ミハイにも差し入れ持ってきてくれるようになったんだよねぇ。いつも完食した器が廊下に出てるから、ミハイも気に入ってると思うよ」
「そうなのか…。夏羽みたいに、捕まったりとかしてないよな?」
「それは、俺が阻止してるから大丈夫」
心配する織に隠神が大丈夫だと告げると、織はほっと息を吐いた。
しばらくして夏羽とアヤが事務所に戻ってきた。任務はうまくいったようで、アヤが得意げに隠神に報告を行った。
「夏羽くん、アヤちゃん、ケーキがあるから食べてね」
「ケーキ!?いただきます!」
アヤは嬉しそうにケーキに飛びついた。
夏羽も結莉のケーキをパクパクと食べる。
「じゃっ、あたしそろそろ帰るわね。またね夏羽さん。ウワキしちゃダメよ」
アヤは帰り際、チュッと夏羽の頬にキスをする。見ていた結莉は思わず赤面してしまった。
「お~ま~え~な~!」
織がアヤを咎めるがアヤはお構いなしだ。
「なによ。夏羽さんとあたしが結婚したらお兄ちゃん嬉しくないの?」
「けっ!?」
上機嫌で帰っていくアヤを送るため、慌てて織が追いかけていった。
「夏羽くん、ところで紺ちゃんは?」
「えっと…」
結莉が夏羽に紺のことを聞くと、答えにくそうに夏羽は口ごもる。
結莉はそれ以上紺のことは聞かずに、
「…ケーキ、届けてあげてくれる?」
と優しく声をかけた。
「は、はい!」
夏羽は紺の分のケーキを持ち、事務所から出て行った。
織は帰ってくると、今度は結莉を送ってくれた。
「ごめんなさい、アヤちゃんを送ってきて疲れてるでしょうに…」
「全然疲れてないから!」
気を遣う結莉に平気だと織は元気に笑ってみせた。
「ケーキ、ありがとな。めちゃくちゃ美味しかった」
恥ずかしそうに頬をかきながら織は言う。
「嬉しい。ありがとう」
ニコリと笑う結莉にますます織の顔が赤くなる。そんな織に改めて結莉が言う。
「織くん、おかえりなさい」
「ただいま、結莉さん」
織と結莉はお互い見つめ合うと微笑んだ。