人と怪物の辿る道
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「うっ…うっ…うぐ…ふええ」
携帯を見てすすり泣く晶に、「うるせーな、変な声出すんじゃねーよ」と織は冷たく言い放つ。
「だ…だって『初恋イチゴ味』の最新話やばすぎ…よかったあ…誤解がとけて…」
『初恋イチゴ味』とは今晶が夢中になっている電子書籍で人間の恋愛ストーリーを描いたものだ。
「アホらし。それって人間の男と女の話だろ」
織の冷たい態度に晶はムッとして言い返す。
「関係ないよぉ!シキだって人間のおとーさんと怪物のおかーさんが恋して生まれたんでしょ?」
「やめろや、キモチわりー」
「なんでぇ?素敵じゃん!っていうかシキは結莉さんに恋してるくせにー」
「ししし、してねーよっ!」
頬を赤らめて慌てふためく織に晶はニヤニヤと笑みを浮かべる。
「いーよねー、恋って…。ボクにもいつかそんな人ができちゃったりするのかな。きゃー!」
「恋して生まれた…。織は結莉さんに恋をしているの?」
夏羽が織に問うと、織はすぐさま「だから、してねーって言ってるだろ!」と怒ったように言い、出て行ってしまった。
「シキってば、照れ隠ししちゃってさー。バレバレなのにねー。ね~、夏羽くん」
「照れ隠し…?」
「うーん、夏羽くんには、わからないか…」
その後、織はお風呂から出てくると、ジュースを買いに行くメンバーをジャンケンで決めようと言い出した。ジャンケンにより買い物メンバーは織と夏羽になる。飲み物を買った帰りに事務所のことや事務所の看板のことを夏羽に話して聞かせる織。話し終わるとチラッと織は視線を外した。織の視線の先へと夏羽も視線を向ける。隣の民家の二階の窓だ。
「織、あの家がどうかした?」
「はっ?べ、別に何も!!」
慌てて織が事務所に入ろうとすると、背後からフラフラとした人影があらわれる。
よく見ると飯生のところへ派遣された時に対峙した狐の少女だった。
「げっ!キツネ女!」
「夏羽…首…」
そう呟くと少女はその場に崩れ落ちる。
「えっ!?な、なんだぁ…!?」
夏羽が少女の様子を伺うとお腹からグウ~と大きな音がした。
空腹による行き倒れであった。
事務所へと少女を連れ帰り隠神に事情を話すと、隠神はとにかく何か食べ物を、とピザの出前を注文する。ピザが届くやいなや良い香りに少女は飛び起きて、ピザをがつがつと食べ始めた。
「なるほど、夏羽の首をねぇ」
「そうだ。紺はいい子だから任務を途中で諦めたりしないんだ」
紺という名の少女は、ピザを食べ終えると夏羽を睨みつけ飛びかかる。
「首!」
「待て!まてまてまてまて」
隠神は飛びかかる紺をおさえる。
「やっぱやべーよこいつ!やっつけちまおうぜ隠神さん!」
「やっつけちまうってもねぇ…」
隠神は一呼吸置くと、「テーブルの上に立つなんて行儀の悪い子だな。飯生に怒られるぞ」と紺に告げる。
「食べたあとは「ごちそうさま」だろ?」
「ご…ごちそうさま」
「後片付けも自分でするんだ」
「わかった」
紺は大人しく隠神に従う。
「すげぇ頭弱いなあいつ…」
「素直ないい子だ」
すると一人の男性が事務所に入ってきた。男性は隠神に酒を注文しペラペラと身の上を話し始める。そして男性は隠神に恋愛相談を始めた。好きな女性のことを知りたくても、彼女が自分のことを何も教えてくれないのだと言う。
「嫌われてんじゃん」
「100パー脈ないと思う」
織と晶の一言に男性はドン、と机を叩き「そんなことはない!彼女は僕に優しいんだ、すごく」と声を荒げた。それでも彼女に脈はないと否定する二人に「キミたちは本当の恋をしたことがないからわからないんだ!」と男性が怒鳴る。
「恋…!」
夏羽は恋という単語に反応する。
「先ほど晶が半妖は人と怪物が『恋』をすると生まれると言っていました。両親について何かわかるかもと…。この方についていけば、俺にも恋ができますか?」
真剣な瞳でまっすぐ隠神を見つめてくる夏羽。どこから突っ込んでいいやらわからない隠神だが、ひとまずこの男性の相談内容は夏羽に任せることを決めた。織と晶をサポートにつけ、紺には手伝ってくれたなら報酬として夏羽の首を差し出すと告げた。
「マジで言ってんのかよ…なんか考えがあるんだろーな…!」
「大丈夫大丈夫。それに、『恋』を知るなら女の子いたほうがいいでしょ」
そう言って隠神はニヤリと笑った。
「ち…、さては面白がってんな」
「ありがとうございます」
その後、夜野と名乗った男性は明日の20時に新宿東口で夏羽たちと待ち合わせる約束をする。
「ん?」
夜野という男性は急に椅子から立ち上がると、床をはっていたネズミに飛びかかる。その様は異様であり、織と晶はサーッと青ざめた。
いつか彼女にプライベートで会えたときネズミをプレゼントするので集めているのだという。夜野のバッグにはみっしりとネズミがつまっていた。
「げえっ!」
「うぷ。ぼ、ボク、おトイレ…!」
晶は一目散にその場から去っていった。
「あらあら、猫憑きだったか」
隠神は夏羽に猫又の仕業だと説明し、「…こりゃ、実らぬ恋かもな」と話した。
「恋とは木になったりするのですか?」
恋を木の実か何かだと思っているのか夏羽が質問してくる。
夏羽が恋を理解するのは、まだまだ先になりそうだ。
翌日。
晶は隠神の事務作業を手伝うことになったため、夏羽、織、紺の三名で任務にあたることとなった。
依頼人の夜野の話を聞きながら、ファミレスで張り込みをする一行。
「まおちゃん」という依頼人の恋のお相手は出てくることはなく、時刻は22時半を回った。
「猫」
夏羽が猫が出てきたことに気づく。織は猫がターゲットだと言い、一行は見つからないように気をつけながら猫を追いかけた。
猫が路地裏に入ったところで「まおちゃんさんですか?」と夏羽が猫に話しかける。
「突然驚かせてすみません。隠神探偵事務所の者です」
「隠神?ああ、怪物屋か。ウワサは聞いてるよ。それで?あたしに何か用なわけ?」
「依頼人の夜野さんがまおちゃんさんに恋をしたので、あなたのことが知りたいと」
猫から想い人の声がすることに戸惑う夜野。猫は光を発すると瞬時に人型となる。突然あらわれたセクシーな衣装を身にまとう女性。女性を見て夜野は「ま、まおちゃん!!」と叫んだ。
「別にわざわざ探偵なんか雇わなくっても、もうすぐ、あんたもこいつらの仲間入りできたのに」
そう話す彼女の足元には気味の悪い人面猫が三匹まとわりついていた。
「猫が都会で生きてくのも結構大変でねー。安心してよ。ちゃんと面倒見てるからさ」
織は吐き気を抑えながら「まさか、その猫…」と呟く。
「元・客だよ。そこのお兄さんと一緒。でも変だね。猫になってないってことは誘惑しきれてないってことなのに。まーいいや、届けてくれてありがとね」
そう言って彼女はまた猫の姿へと戻る。
「誘惑ではありません。恋です」
真面目にハッキリと夏羽がまおに言う。
恋を笑うまおの背後に紺は回り込むと猫の首根っこをつかみ持ち上げた。紺は夜野に猫を向け、「おまえの標的だ。早く用件を言え」と猫を突き出す。
夜野はまおにネズミの詰まったバッグを差し出し、想いを彼女に伝えた。口にする夜野の想いに夏羽は隠神に出会う前の自分を夜野と重ねていた。興味のあることもなく、友達もいない、ずっとひとりぼっちで、毎日ただ息をして動いているだけ。自分にとってまおちゃんが光なんだと、キミのために生きたいという夜野を夏羽は真剣に見つめた。
夏羽たち三人は織に促され、そっとその場から立ち去った。
事務所に帰ってきた夏羽たち。隠神は紺の目を閉じさせ、みかんを夏羽の首に変化させると報酬だと言ってソレを紺に持たせる。
「確かに受け取った。協力、感謝する」
紺はまったく疑わずにソレを持って帰っていった。
「で、どうだった?夏羽。恋のことはなにかわかったのか?」
隠神の問いに夏羽は「はい」と答えポケットからティッシュを取り出す。
「新宿からの帰り道でいただきました。隠神さんにあげます。」
「恋とは『光』のことでした。俺は隠神さんに生きる意味を教えてもらいました。すなわち光だと思います。あと、なにか相手のためになる物を贈ったりもするようでした。ティッシュは便利なので『ためになる物』かと」
夏羽の答えに隠神は呆気にとられる。
織と晶も少し光だと思う、と夏羽は二人に話したところでハッとする。
「夏羽、どうした?」
隠神が声をかけると夏羽はバッと勢いよく隠神の方へ顔を向ける。
「結莉さん…!」
「はい?」
「結莉さんは恋をしているのでしょうか?『ためになる物』…『食事』を結莉さんは贈ってくださっています。そう考えると結莉さんは恋をしているでは、と」
夏羽の発言に、結莉さんを巻き込むな!と慌てて織は怒鳴る。
しかし、夏羽はひるまない。
「結莉さんと一緒にいれば、もっと恋についてわかるかもしれません…!」
真剣な夏羽の眼差し。これは何を言ってもひかないだろう。
面倒くさいことになったと織は頭を抱えたのだった。
携帯を見てすすり泣く晶に、「うるせーな、変な声出すんじゃねーよ」と織は冷たく言い放つ。
「だ…だって『初恋イチゴ味』の最新話やばすぎ…よかったあ…誤解がとけて…」
『初恋イチゴ味』とは今晶が夢中になっている電子書籍で人間の恋愛ストーリーを描いたものだ。
「アホらし。それって人間の男と女の話だろ」
織の冷たい態度に晶はムッとして言い返す。
「関係ないよぉ!シキだって人間のおとーさんと怪物のおかーさんが恋して生まれたんでしょ?」
「やめろや、キモチわりー」
「なんでぇ?素敵じゃん!っていうかシキは結莉さんに恋してるくせにー」
「ししし、してねーよっ!」
頬を赤らめて慌てふためく織に晶はニヤニヤと笑みを浮かべる。
「いーよねー、恋って…。ボクにもいつかそんな人ができちゃったりするのかな。きゃー!」
「恋して生まれた…。織は結莉さんに恋をしているの?」
夏羽が織に問うと、織はすぐさま「だから、してねーって言ってるだろ!」と怒ったように言い、出て行ってしまった。
「シキってば、照れ隠ししちゃってさー。バレバレなのにねー。ね~、夏羽くん」
「照れ隠し…?」
「うーん、夏羽くんには、わからないか…」
その後、織はお風呂から出てくると、ジュースを買いに行くメンバーをジャンケンで決めようと言い出した。ジャンケンにより買い物メンバーは織と夏羽になる。飲み物を買った帰りに事務所のことや事務所の看板のことを夏羽に話して聞かせる織。話し終わるとチラッと織は視線を外した。織の視線の先へと夏羽も視線を向ける。隣の民家の二階の窓だ。
「織、あの家がどうかした?」
「はっ?べ、別に何も!!」
慌てて織が事務所に入ろうとすると、背後からフラフラとした人影があらわれる。
よく見ると飯生のところへ派遣された時に対峙した狐の少女だった。
「げっ!キツネ女!」
「夏羽…首…」
そう呟くと少女はその場に崩れ落ちる。
「えっ!?な、なんだぁ…!?」
夏羽が少女の様子を伺うとお腹からグウ~と大きな音がした。
空腹による行き倒れであった。
事務所へと少女を連れ帰り隠神に事情を話すと、隠神はとにかく何か食べ物を、とピザの出前を注文する。ピザが届くやいなや良い香りに少女は飛び起きて、ピザをがつがつと食べ始めた。
「なるほど、夏羽の首をねぇ」
「そうだ。紺はいい子だから任務を途中で諦めたりしないんだ」
紺という名の少女は、ピザを食べ終えると夏羽を睨みつけ飛びかかる。
「首!」
「待て!まてまてまてまて」
隠神は飛びかかる紺をおさえる。
「やっぱやべーよこいつ!やっつけちまおうぜ隠神さん!」
「やっつけちまうってもねぇ…」
隠神は一呼吸置くと、「テーブルの上に立つなんて行儀の悪い子だな。飯生に怒られるぞ」と紺に告げる。
「食べたあとは「ごちそうさま」だろ?」
「ご…ごちそうさま」
「後片付けも自分でするんだ」
「わかった」
紺は大人しく隠神に従う。
「すげぇ頭弱いなあいつ…」
「素直ないい子だ」
すると一人の男性が事務所に入ってきた。男性は隠神に酒を注文しペラペラと身の上を話し始める。そして男性は隠神に恋愛相談を始めた。好きな女性のことを知りたくても、彼女が自分のことを何も教えてくれないのだと言う。
「嫌われてんじゃん」
「100パー脈ないと思う」
織と晶の一言に男性はドン、と机を叩き「そんなことはない!彼女は僕に優しいんだ、すごく」と声を荒げた。それでも彼女に脈はないと否定する二人に「キミたちは本当の恋をしたことがないからわからないんだ!」と男性が怒鳴る。
「恋…!」
夏羽は恋という単語に反応する。
「先ほど晶が半妖は人と怪物が『恋』をすると生まれると言っていました。両親について何かわかるかもと…。この方についていけば、俺にも恋ができますか?」
真剣な瞳でまっすぐ隠神を見つめてくる夏羽。どこから突っ込んでいいやらわからない隠神だが、ひとまずこの男性の相談内容は夏羽に任せることを決めた。織と晶をサポートにつけ、紺には手伝ってくれたなら報酬として夏羽の首を差し出すと告げた。
「マジで言ってんのかよ…なんか考えがあるんだろーな…!」
「大丈夫大丈夫。それに、『恋』を知るなら女の子いたほうがいいでしょ」
そう言って隠神はニヤリと笑った。
「ち…、さては面白がってんな」
「ありがとうございます」
その後、夜野と名乗った男性は明日の20時に新宿東口で夏羽たちと待ち合わせる約束をする。
「ん?」
夜野という男性は急に椅子から立ち上がると、床をはっていたネズミに飛びかかる。その様は異様であり、織と晶はサーッと青ざめた。
いつか彼女にプライベートで会えたときネズミをプレゼントするので集めているのだという。夜野のバッグにはみっしりとネズミがつまっていた。
「げえっ!」
「うぷ。ぼ、ボク、おトイレ…!」
晶は一目散にその場から去っていった。
「あらあら、猫憑きだったか」
隠神は夏羽に猫又の仕業だと説明し、「…こりゃ、実らぬ恋かもな」と話した。
「恋とは木になったりするのですか?」
恋を木の実か何かだと思っているのか夏羽が質問してくる。
夏羽が恋を理解するのは、まだまだ先になりそうだ。
翌日。
晶は隠神の事務作業を手伝うことになったため、夏羽、織、紺の三名で任務にあたることとなった。
依頼人の夜野の話を聞きながら、ファミレスで張り込みをする一行。
「まおちゃん」という依頼人の恋のお相手は出てくることはなく、時刻は22時半を回った。
「猫」
夏羽が猫が出てきたことに気づく。織は猫がターゲットだと言い、一行は見つからないように気をつけながら猫を追いかけた。
猫が路地裏に入ったところで「まおちゃんさんですか?」と夏羽が猫に話しかける。
「突然驚かせてすみません。隠神探偵事務所の者です」
「隠神?ああ、怪物屋か。ウワサは聞いてるよ。それで?あたしに何か用なわけ?」
「依頼人の夜野さんがまおちゃんさんに恋をしたので、あなたのことが知りたいと」
猫から想い人の声がすることに戸惑う夜野。猫は光を発すると瞬時に人型となる。突然あらわれたセクシーな衣装を身にまとう女性。女性を見て夜野は「ま、まおちゃん!!」と叫んだ。
「別にわざわざ探偵なんか雇わなくっても、もうすぐ、あんたもこいつらの仲間入りできたのに」
そう話す彼女の足元には気味の悪い人面猫が三匹まとわりついていた。
「猫が都会で生きてくのも結構大変でねー。安心してよ。ちゃんと面倒見てるからさ」
織は吐き気を抑えながら「まさか、その猫…」と呟く。
「元・客だよ。そこのお兄さんと一緒。でも変だね。猫になってないってことは誘惑しきれてないってことなのに。まーいいや、届けてくれてありがとね」
そう言って彼女はまた猫の姿へと戻る。
「誘惑ではありません。恋です」
真面目にハッキリと夏羽がまおに言う。
恋を笑うまおの背後に紺は回り込むと猫の首根っこをつかみ持ち上げた。紺は夜野に猫を向け、「おまえの標的だ。早く用件を言え」と猫を突き出す。
夜野はまおにネズミの詰まったバッグを差し出し、想いを彼女に伝えた。口にする夜野の想いに夏羽は隠神に出会う前の自分を夜野と重ねていた。興味のあることもなく、友達もいない、ずっとひとりぼっちで、毎日ただ息をして動いているだけ。自分にとってまおちゃんが光なんだと、キミのために生きたいという夜野を夏羽は真剣に見つめた。
夏羽たち三人は織に促され、そっとその場から立ち去った。
事務所に帰ってきた夏羽たち。隠神は紺の目を閉じさせ、みかんを夏羽の首に変化させると報酬だと言ってソレを紺に持たせる。
「確かに受け取った。協力、感謝する」
紺はまったく疑わずにソレを持って帰っていった。
「で、どうだった?夏羽。恋のことはなにかわかったのか?」
隠神の問いに夏羽は「はい」と答えポケットからティッシュを取り出す。
「新宿からの帰り道でいただきました。隠神さんにあげます。」
「恋とは『光』のことでした。俺は隠神さんに生きる意味を教えてもらいました。すなわち光だと思います。あと、なにか相手のためになる物を贈ったりもするようでした。ティッシュは便利なので『ためになる物』かと」
夏羽の答えに隠神は呆気にとられる。
織と晶も少し光だと思う、と夏羽は二人に話したところでハッとする。
「夏羽、どうした?」
隠神が声をかけると夏羽はバッと勢いよく隠神の方へ顔を向ける。
「結莉さん…!」
「はい?」
「結莉さんは恋をしているのでしょうか?『ためになる物』…『食事』を結莉さんは贈ってくださっています。そう考えると結莉さんは恋をしているでは、と」
夏羽の発言に、結莉さんを巻き込むな!と慌てて織は怒鳴る。
しかし、夏羽はひるまない。
「結莉さんと一緒にいれば、もっと恋についてわかるかもしれません…!」
真剣な夏羽の眼差し。これは何を言ってもひかないだろう。
面倒くさいことになったと織は頭を抱えたのだった。