月の花嫁

遊亭 撫子には寝子と呼ばれる気品ある美少年がそろっている。ボクらの役目は最高のおもてなしをお客さまにすること。その中でもNo.1苧環、次に染井吉野、雪椿さんが売れっ子。ここは人間と獣の世界の狭間にあって
外で疲れた人間が慰めてもらいたいとか
癒やしでくるって理由が多いんだよね。
しかも厳しい条件を満たさないとここの会員にはなれないし、場所すらヒミツ。
条件を満たしたお客さまだけが場所を知ることができる。
でもボクは人間と獣のハーフで、捨てられてたところをスタッフの城之内さんが拾ってくれたんだ。だから今は、こうして城之内さんのもとで恩返しをしている。
苧環さんのように、幸せになる権利なんて
ボクにはあるのだろうか…。生まれてこなければよかった…と後悔の毎日。でも雪椿ちゃんは
《こうやって暮らしていけるだけでも幸せだよって感じなきゃダメだよ。ハーフでも
すごくキレイだし、絶対に運命の人見つかるってキミのこと、信じてる。出会ったら、きっと変われるよ。》って。
その言葉を胸に、1日を頑張っているボク。
そんな中、新しい会員のお客さまがくると噂になっていた。指名はまだ受けたことがない
ボクは、自身すらなくしていた。
もしかしたら…と希望を膨らますボクは
着物にも気合いをいれて…
そこからボクの歯車が動き出す……………

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目次

  • 第3話 ボクの大切な人

    和真さんと結ばれたボク。
    ほんとに今のボクがあるのは、あの人…のおかげなんだ、その人はボクを最初から見てくれた恩人でもある。
    その人が今夜、話したいことがあると
    イブキに伝えてほしいとオーナーにいったらしい。なんだろう?でも久しぶりに会えるんだ。嬉しいな。

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