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尾形
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MAMMAMIA/尾形
なんてことだ。
心拍数が上がって、とてつもない高揚感を感じる。
俺がやった。ついにやった。
俺はそんな気持ちで高鳴る鼓動をそのままに帰宅した。
ろくに趣味もなく金使いが特段荒いわけでもない。そんな俺がセキュリティのしっかりした高級マンションの一室を買うのは簡単だった。
簡単に捕まるつもりはない。たとえ、警察を呼ばれても構わない。だって俺は長年追い求めてきた女をようやく手に入れたのだから。
部屋の明かりをつけてテレビをつけると、ちょうどニュースが流れた。そこには俺が捕らえた女の情報を連呼するニュースキャスターがいた。
俺の名前はそこにはまだ出ていない。でもこれじゃあ、まるで俺が犯罪者みたいじゃないか。
俺はおかしくない。ただ、俺の物を取り返しただけだ。この真実が正しいとわからないやつがおかしい。
とはいえ気分は悪くない。テレビで繰り返し報道される行方不明の情報は、俺の功績を讃えているようにすら感じた。
俺は抵抗されたときのためにリビングのテーブルの上に無造作に置いていたナイフを片手に、厳重にロックをかけた奥の部屋へと入る。
明かりは常についたまま。湿度や温度管理も完璧。部屋の中にはキングサイズのベッドが一つ。備え付けの棚の中には水や食料。部屋の一角には透明な仕切りのあるシャワーブースとトイレ。これらが夢主のために俺が用意した部屋のすべてだった。
女は部屋の隅で丸くなって震えていた。両手をひとまとめに手錠で拘束し、裸足の両足首にも同様に手錠をはめている。首輪には鎖が繋がっていて、鎖は部屋の入口までは歩けるが決して扉には触れない長さに調節されている。
重くきしむ扉が開いた音に、女は一層小さくなった。
怯えた眼差しで、声も出せずにこちらをただ恐怖の眼差しで見つめてくる。
ああ、なんてことだろう。
俺は女にこんな顔をしてほしかったわけではないはずだが、興奮さえも感じていた。
「夢主……」
俺が名前を呼ぶと夢主の瞳が更に大きくなって驚愕の表情を示す。
たまらない。もっと俺を見てほしい。
そんな気持ちから俺はナイフを適当に放り投げ、夢主の身体をそっと抱え上げるとベッドへと優しく下ろし、座らせた。
夢主は抵抗するかと思ったが、恐怖で動けないようだ。ただ身を固くして震えている。俺の一挙手一投足に怯えている。
ベッドの上に座った夢主の前で俺は跪いた。恭しくかしずいて、俺は夢主の足枷を取り外す。
足だけとはいえ自由になっても夢主に逃げる様子はない。賢い女だ。恐怖心で動けないだけではない。この部屋がロックされていることを理解しているのだろう。俺を怒らせるような行動をとるつもりはなく、逃げるにしても隙をついて逃げようとするのだろうと俺は頭の片隅で考えを巡らせていた。
俺が夢主の片足をまるで壊れそうな宝物を扱うような手つきで持ち上げると、夢主と視線が交わる。俺の行動の意図が読めずに恐怖する瞳が震えていた。俺はフッと笑うとそのまま夢主の足先に口づけた。
ヒュッ、と夢主の喉が鳴った。それだけで満足だった。
俺はそのまま舌を這わせる。そのあとは鳥肌が立つ夢主の足を堪能した。夢主は時々震えるだけでほとんど動かない。動けないだけかもしれないが。
ああ、このまま夢主のすべてを食べてしまいたい。どこまでなら許されるだろうか。そんなことを考えながら俺は続いて夢主の手錠を取ってやった。首輪だけはそのままにして、手足の自由を許してから混乱した様子の夢主をそのままに、俺は部屋を後にした。
その後俺は夢主を閉じ込めている部屋に足しげく通っては夢主を愛でた。
言っておくが、いきなり暴力的に抱くなんてことはしない。むしろ俺は自分から夢主の足元で跪き、傅いてみせ、戸惑う夢主の足を誘導して無理矢理俺の頭を踏ませたりもした。
最初は恐怖していた夢主も、数日のうちに俺が危害を加えるつもりはないと理解したのだろう。いつしか俺が希望すれば夢主の足を味わうことも、俺の顔を踏ませることも許してくれるようになった。
夢主が落ち着いてからは温かい料理を運び食事を共にしたり、退屈しているだろう夢主をリビングへ連れだして一緒に映画を観たこともある。俺といるときだけは首輪も外した。
そうやって時間を過ごしているうちに夢主は俺に対して信頼感のような、すがるような態度をとることが増えた。俺が監禁している部屋を後にするときに寂しそうな顔を浮かべていた。
ある時、ベッドに二人で腰かけていると夢主から声をかけられた。珍しいことだった。俺たちは普段あまり言葉を交わさないから。
「あの」
「なんだ」
「名前を、教えてくれますか」
「尾形……百之助」
ぶっきらぼうに答えると、夢主は少しだけ嬉しそうに顔を綻ばせた。そして俺を見つめながら名前を呼ぶ。
「尾形さん」
「……名前でいい」
「百之助さん」
「……さんはいらん」
「百之助」
「……なんだ」
俺が返事をすると夢主は俺の頭を撫でようとした。
「っ!」
俺は反射的にその手を弾いてしまった。
夢主を見ると悲しそうな顔をしていた。泣き出しそうな顔をしながら夢主がぽつりとつぶやく。
「何で」
「だめだ」
俺はそれだけ言うと立ち上がり、部屋を後にした。
だめなんだ。きっと夢主に触れられたら、俺は自分を保てなくなってしまう気がする。
いつものように帰宅して、何気なくテレビをつけるとニュースに俺の顔が映っていた。
ああ、ついにバレたか。完璧だと思っていたのに。ただ夢主と生きていると感じたかっただけなのに。
薬をやったり無差別に人間を襲ったりしたわけじゃない。俺は俺のものを取り戻しただけなのに。
理不尽な怒りを抱きながらネットを見れば、なぜか俺の行動を称賛する人間がちらほらいた。どうせこいつらは他の犯罪者も肯定するのだろう。でもまあ、俺を犯罪者と罵るやつらよりはずっと理解している人間だ。俺が正しい。そう言っているように思えた。
俺が部屋に入ると、ベッドに座っていた夢主が立ち上がりこちらに近づいてきた。
ジャラジャラと首輪につながれた鎖の音が鳴る。ここに来た頃よりも少し痩せた気がする。夢主の生活が不便にならないように栄養のある食べ物、高価な化粧品、娯楽のための本や音楽プレーヤーなど俺はしっかりと与えたつもりだった。
鎖を引きずりながら夢主は扉の前まで来ると微笑んだ。
「おかえりなさい、百之助」
俺を出迎えてくれた夢主。いつからか夢主は俺を受け入れ、俺を甘やかすことを覚えたようだ。
俺は入ってきた扉も閉めずに、夢主をぎゅう、と抱きしめた。
驚いた様子の夢主だが、それでもトントンとまるで母親が我が子をあやすかのように優しく背中を撫でてくれた。
「大丈夫?」
「……」
夢主は俺に何があったかは聞かない。その代わり、俺をただ気遣う言葉をかけてくる。
たまらなくなった俺は夢主を抱え上げるとベッドに下ろした。
そしていつものように俺は夢主の前に跪く。夢主は俺を見下ろして足を組むと、そのまま足先を俺の前に差し出した。俺は夢主の存在すべてを堪能するように足先から舌を這わせ、味わった。
これまではそれだけだった。こうやって戯れが始まると、いつも夢主が主導権を握っていた。でも、今日俺はついに夢主を押し倒してしまった。だってもう、最期かもしれないから。
少しだけ驚いた様子で目を丸くしている夢主。夢主の視線から逃げるように夢主の首元に顔を埋めれば、夢主はくすぐったそうに身じろぎしつつも、俺の頭を優しく撫でた。きっと俺の名前を初めて呼んだ時も、夢主は同じように撫でようとしていてくれたのだと思う。俺に受け入れる勇気がなかっただけだ。
そのまま俺は夢主を抱いた。俺はもう一線を越えたつもりでいたが、きっと夢主はこれからもどこまでも俺を受け入れてくれるだろう。
その後何度も身体を交えた俺たちは、ベッドで並んでお互いの存在を確かめるように手を握ったり身体を撫でたりしながら過ごしていた。
夢主を閉じ込めていた部屋は本来防音性の高い部屋だが、俺は今日部屋に入る際、扉をあけ放っていた。
そのため外からサイレンが響いていることに夢主が気が付いた。
「百之助?」
不安そうに俺を見る夢主。
夢主の言葉に俺はフッと笑うだけだった。
「百之助……嫌だよ」
夢主が呟く。その言葉を聞いて俺はため息交じりに起き上がった。そして乱雑に脱ぎ捨てていた服をかき集め、また身に纏い始めた。夢主は何も言わず俺の動作を見守っている。俺の言葉を待っているのだろう。
「お前、元の生活に戻りたいか?」
俺がそう問いかければ、夢主は首を横に振った。
そして俺がベッドの脇で地面にまた跪くと、夢主も起き上がり着ていたシャツを羽織ながら俺を見下ろした。俺は夢主を恭しく見上げ、不敵に笑った。
「命令をくれよ。俺はお前の望むことをやるだけだ」
夢主もどこか嬉しそうに俺を見下ろし、俺の顎を持ち上げると挑発的に笑った。そして続く夢主の言葉は歌うようで、それでいて説得力のある力強い声だった。
「じゃあ一緒に逃げよっか」
おわり
なんてことだ。
心拍数が上がって、とてつもない高揚感を感じる。
俺がやった。ついにやった。
俺はそんな気持ちで高鳴る鼓動をそのままに帰宅した。
ろくに趣味もなく金使いが特段荒いわけでもない。そんな俺がセキュリティのしっかりした高級マンションの一室を買うのは簡単だった。
簡単に捕まるつもりはない。たとえ、警察を呼ばれても構わない。だって俺は長年追い求めてきた女をようやく手に入れたのだから。
部屋の明かりをつけてテレビをつけると、ちょうどニュースが流れた。そこには俺が捕らえた女の情報を連呼するニュースキャスターがいた。
俺の名前はそこにはまだ出ていない。でもこれじゃあ、まるで俺が犯罪者みたいじゃないか。
俺はおかしくない。ただ、俺の物を取り返しただけだ。この真実が正しいとわからないやつがおかしい。
とはいえ気分は悪くない。テレビで繰り返し報道される行方不明の情報は、俺の功績を讃えているようにすら感じた。
俺は抵抗されたときのためにリビングのテーブルの上に無造作に置いていたナイフを片手に、厳重にロックをかけた奥の部屋へと入る。
明かりは常についたまま。湿度や温度管理も完璧。部屋の中にはキングサイズのベッドが一つ。備え付けの棚の中には水や食料。部屋の一角には透明な仕切りのあるシャワーブースとトイレ。これらが夢主のために俺が用意した部屋のすべてだった。
女は部屋の隅で丸くなって震えていた。両手をひとまとめに手錠で拘束し、裸足の両足首にも同様に手錠をはめている。首輪には鎖が繋がっていて、鎖は部屋の入口までは歩けるが決して扉には触れない長さに調節されている。
重くきしむ扉が開いた音に、女は一層小さくなった。
怯えた眼差しで、声も出せずにこちらをただ恐怖の眼差しで見つめてくる。
ああ、なんてことだろう。
俺は女にこんな顔をしてほしかったわけではないはずだが、興奮さえも感じていた。
「夢主……」
俺が名前を呼ぶと夢主の瞳が更に大きくなって驚愕の表情を示す。
たまらない。もっと俺を見てほしい。
そんな気持ちから俺はナイフを適当に放り投げ、夢主の身体をそっと抱え上げるとベッドへと優しく下ろし、座らせた。
夢主は抵抗するかと思ったが、恐怖で動けないようだ。ただ身を固くして震えている。俺の一挙手一投足に怯えている。
ベッドの上に座った夢主の前で俺は跪いた。恭しくかしずいて、俺は夢主の足枷を取り外す。
足だけとはいえ自由になっても夢主に逃げる様子はない。賢い女だ。恐怖心で動けないだけではない。この部屋がロックされていることを理解しているのだろう。俺を怒らせるような行動をとるつもりはなく、逃げるにしても隙をついて逃げようとするのだろうと俺は頭の片隅で考えを巡らせていた。
俺が夢主の片足をまるで壊れそうな宝物を扱うような手つきで持ち上げると、夢主と視線が交わる。俺の行動の意図が読めずに恐怖する瞳が震えていた。俺はフッと笑うとそのまま夢主の足先に口づけた。
ヒュッ、と夢主の喉が鳴った。それだけで満足だった。
俺はそのまま舌を這わせる。そのあとは鳥肌が立つ夢主の足を堪能した。夢主は時々震えるだけでほとんど動かない。動けないだけかもしれないが。
ああ、このまま夢主のすべてを食べてしまいたい。どこまでなら許されるだろうか。そんなことを考えながら俺は続いて夢主の手錠を取ってやった。首輪だけはそのままにして、手足の自由を許してから混乱した様子の夢主をそのままに、俺は部屋を後にした。
その後俺は夢主を閉じ込めている部屋に足しげく通っては夢主を愛でた。
言っておくが、いきなり暴力的に抱くなんてことはしない。むしろ俺は自分から夢主の足元で跪き、傅いてみせ、戸惑う夢主の足を誘導して無理矢理俺の頭を踏ませたりもした。
最初は恐怖していた夢主も、数日のうちに俺が危害を加えるつもりはないと理解したのだろう。いつしか俺が希望すれば夢主の足を味わうことも、俺の顔を踏ませることも許してくれるようになった。
夢主が落ち着いてからは温かい料理を運び食事を共にしたり、退屈しているだろう夢主をリビングへ連れだして一緒に映画を観たこともある。俺といるときだけは首輪も外した。
そうやって時間を過ごしているうちに夢主は俺に対して信頼感のような、すがるような態度をとることが増えた。俺が監禁している部屋を後にするときに寂しそうな顔を浮かべていた。
ある時、ベッドに二人で腰かけていると夢主から声をかけられた。珍しいことだった。俺たちは普段あまり言葉を交わさないから。
「あの」
「なんだ」
「名前を、教えてくれますか」
「尾形……百之助」
ぶっきらぼうに答えると、夢主は少しだけ嬉しそうに顔を綻ばせた。そして俺を見つめながら名前を呼ぶ。
「尾形さん」
「……名前でいい」
「百之助さん」
「……さんはいらん」
「百之助」
「……なんだ」
俺が返事をすると夢主は俺の頭を撫でようとした。
「っ!」
俺は反射的にその手を弾いてしまった。
夢主を見ると悲しそうな顔をしていた。泣き出しそうな顔をしながら夢主がぽつりとつぶやく。
「何で」
「だめだ」
俺はそれだけ言うと立ち上がり、部屋を後にした。
だめなんだ。きっと夢主に触れられたら、俺は自分を保てなくなってしまう気がする。
いつものように帰宅して、何気なくテレビをつけるとニュースに俺の顔が映っていた。
ああ、ついにバレたか。完璧だと思っていたのに。ただ夢主と生きていると感じたかっただけなのに。
薬をやったり無差別に人間を襲ったりしたわけじゃない。俺は俺のものを取り戻しただけなのに。
理不尽な怒りを抱きながらネットを見れば、なぜか俺の行動を称賛する人間がちらほらいた。どうせこいつらは他の犯罪者も肯定するのだろう。でもまあ、俺を犯罪者と罵るやつらよりはずっと理解している人間だ。俺が正しい。そう言っているように思えた。
俺が部屋に入ると、ベッドに座っていた夢主が立ち上がりこちらに近づいてきた。
ジャラジャラと首輪につながれた鎖の音が鳴る。ここに来た頃よりも少し痩せた気がする。夢主の生活が不便にならないように栄養のある食べ物、高価な化粧品、娯楽のための本や音楽プレーヤーなど俺はしっかりと与えたつもりだった。
鎖を引きずりながら夢主は扉の前まで来ると微笑んだ。
「おかえりなさい、百之助」
俺を出迎えてくれた夢主。いつからか夢主は俺を受け入れ、俺を甘やかすことを覚えたようだ。
俺は入ってきた扉も閉めずに、夢主をぎゅう、と抱きしめた。
驚いた様子の夢主だが、それでもトントンとまるで母親が我が子をあやすかのように優しく背中を撫でてくれた。
「大丈夫?」
「……」
夢主は俺に何があったかは聞かない。その代わり、俺をただ気遣う言葉をかけてくる。
たまらなくなった俺は夢主を抱え上げるとベッドに下ろした。
そしていつものように俺は夢主の前に跪く。夢主は俺を見下ろして足を組むと、そのまま足先を俺の前に差し出した。俺は夢主の存在すべてを堪能するように足先から舌を這わせ、味わった。
これまではそれだけだった。こうやって戯れが始まると、いつも夢主が主導権を握っていた。でも、今日俺はついに夢主を押し倒してしまった。だってもう、最期かもしれないから。
少しだけ驚いた様子で目を丸くしている夢主。夢主の視線から逃げるように夢主の首元に顔を埋めれば、夢主はくすぐったそうに身じろぎしつつも、俺の頭を優しく撫でた。きっと俺の名前を初めて呼んだ時も、夢主は同じように撫でようとしていてくれたのだと思う。俺に受け入れる勇気がなかっただけだ。
そのまま俺は夢主を抱いた。俺はもう一線を越えたつもりでいたが、きっと夢主はこれからもどこまでも俺を受け入れてくれるだろう。
その後何度も身体を交えた俺たちは、ベッドで並んでお互いの存在を確かめるように手を握ったり身体を撫でたりしながら過ごしていた。
夢主を閉じ込めていた部屋は本来防音性の高い部屋だが、俺は今日部屋に入る際、扉をあけ放っていた。
そのため外からサイレンが響いていることに夢主が気が付いた。
「百之助?」
不安そうに俺を見る夢主。
夢主の言葉に俺はフッと笑うだけだった。
「百之助……嫌だよ」
夢主が呟く。その言葉を聞いて俺はため息交じりに起き上がった。そして乱雑に脱ぎ捨てていた服をかき集め、また身に纏い始めた。夢主は何も言わず俺の動作を見守っている。俺の言葉を待っているのだろう。
「お前、元の生活に戻りたいか?」
俺がそう問いかければ、夢主は首を横に振った。
そして俺がベッドの脇で地面にまた跪くと、夢主も起き上がり着ていたシャツを羽織ながら俺を見下ろした。俺は夢主を恭しく見上げ、不敵に笑った。
「命令をくれよ。俺はお前の望むことをやるだけだ」
夢主もどこか嬉しそうに俺を見下ろし、俺の顎を持ち上げると挑発的に笑った。そして続く夢主の言葉は歌うようで、それでいて説得力のある力強い声だった。
「じゃあ一緒に逃げよっか」
おわり