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逆ハー・複数キャラ
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鶴見篤四郎は悪役か?
確かに、杉元佐一から見た物語では悪役かもしれない。しかし立場によっては非常に頼もしいリーダーだったのではないだろうか。
鶴見は第七師団の中尉という高くとも絶対的とは言えないポジションでありながら上の人間とも渡り歩けるほどの教養、度胸、交渉術を持っていた。
それに鶴見にはカリスマ性があった。人の傷を見抜き、弱ったところを自分に惹きつけて心酔させることなど簡単だったのだろう。
現に何人もの兵士たちは鶴見についた。それはそれは盲目的に。その様相はもはや宗教的だった。鶴見と信者を繋ぐのは愛だ。それぞれの愛の形で繋がっている。ひとりでそれを断ち切るのは至難の業だろう。
鶴見が鮮やかに革命を起こそうと人々を導く様は見ていて魔法のようだった。「私」はそういった彼の才能に惚れ込んでいた。
悪役だったとしてもそれでいい。せめて、どうか彼が時々見せる寂しそうな心の隙間を埋められるだけの幸福が訪れますようにと願うばかりである。
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私は誰かの人生においては悪役なのだろう。やるべきこと、野心のためには手段を厭わない。上に取り入ることも相手の欲しがる優しい嘘をつくことも容易いことだった。だからと言って完全に相手を憎んだり見下したりしない。むしろ逆だ。愛情を持って騙し優しく導いている。
金塊戦争の中で私からの愛を断ち切って自立したものもいたが、それすら愛おしい。私の大事な部下の門出だと認めた。
ただ一つ、心残りがあるとするならば、「彼女」のことだろうか。
どんなに手を尽くしても私の誘いに乗らないくせに、妙に気を惹くことが上手い女性だった。それでいて、時折見せるこちらを見透かすような鋭い眼差し。それはフィーナを思い出すほど似通っていた。
たとえ私がこれまで関わってきたすべての人間に見放されても、大悪党として汚名を残しても、甘い嘘が吐けなくなった私でも、「彼女」だけは受け入れてくれると思ってしまうのは自惚れだろうか。