空欄の場合は夢主になります。
逆ハー・複数キャラ
お名前をどうぞ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
杉元佐一は不死身である。だからといって誰にでも好戦的なわけでも根っからの戦闘狂というわけでもない。
彼を変えてしまったのは戦争である。
彼の生まれ育ちは平凡で、二人の幼なじみと仲むつまじく暮らしていた。
歯車が狂い始めたのは流行病に家族がやられてからだった。一度結核にかかればその一族は小さな村では簡単に孤立してしまう。最後の家族だった父親を看取り、自らが生まれ育った家を燃やしてから杉元は故郷を捨てた。
村に残った二人の幼なじみは夫婦となったが、夫の方は後に戦争が始まって杉元と共に出兵した。そこで杉元は唯一とも言える親友をも亡くす。戦死した幼なじみの嫁の目を治療するためには金が必要だった。
杉元は元来優しく穏やかな性格である。しかし、自分は幼なじみの嫁のために生きねばならない。そうなると残された道はたとえ己が地獄行きが約束された不死身の化物になってでも、戦うことしかなかった。
杉元の戦いぶりは鬼気迫るものがある。生き残るためならば殺しは厭わない。むしろ、相手の人生ごと奪い取るくらいの気持ちで望む。まるで、身体が傷つこうとも守りたいもののためならば、その命は絶対に絶えないと分かっているかのように。
結果的に言うと杉元はアイヌの少女と旅を共にし、壮絶な金塊戦争を経て親友の嫁の治療費を手にしている。
ハッピーエンドのようにも思えるが、道中彼はたくさんの人を殺している。殺しはしないというアシリパのため代わりに殺してきたり、殺さなければこちらが殺されているような場合も多くあるが、そもそもアイヌの金塊に近づいたせいでこうなった部分はあるのではないか。
もし杉元が違う道を歩んだとしたら、結末はどうなっただろう。杉元が必要とした金は確かに莫大だった。たとえば地道に貯める・殺しまではいかなくとも窃盗などの犯罪をする・目の手術を国内で出来る場所を探すなど、他の選択肢はなかったのだろうか。
まぁ、「私」が今更こんなことを言ったところで意味などない。ただ出来ることならほんのちょっと彼の背負った業を軽くしてやりたかったのだ。
そんなことは不可能だから、「私」は彼の選んだ生き様を尊敬している。
※※※※※※※※※※
俺は不死身の杉元だ。
自分で自分のことを不死身と言うからには何があっても途中で死ねない。
迷いがなかったと言えば嘘になる。
でも、俺が立ち止まったらトラジもウメちゃんも、アシリパさんもアイヌの文化も全て失ってしまうと思ったんだ。大切なものを守るには何かを犠牲にしなきゃ無理だった。
そういえば「あの子」はどうしているだろうか。
え?あぁ、アシリパさんじゃないよ。俺はあの後、アシリパさんの故郷の村に一緒に住んだからね。
時々顔を思い出すんだ。金塊戦争を共に戦ってくれた人のこと。
俺は「彼女」をきちんと守れたのか?それだけが分からなかった。なんとかして探さなければ。戦争はいつか終わるけど、希望には終わりはないはずだ。俺は「彼女」を掴むためなら、何度だって戦に参加するよ。