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尾形
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犬/尾形
私には付き合って数年たつ恋人がいる。
彼は尾形百之助といって、まあ普通に学校で知り合って私が一方的に仲良くなって惰性で付き合ってるようなもんだ。
なんだかんだで今は同棲している。
休日の朝、「起きてー」と、いつものように隣で眠る彼に言ったつもりだった。
聞こえてきたのは「くーん。」という遠吠えというか、鳴き声というか。
「……?」
あれ?と思って身体を起こすが、やけに視線が低い。
これはどういうことかと顔をしかめていると、隣で眠っていた百之助が寝ぼけて私を抱きしめた。
いつもなら少し抵抗すれば逃げられるのに、今日は全く上手くいかない。
なんでだろう、と自分の手元を見ると毛むくじゃらの何かが。
ギョッとして手の平を裏返すとそこにはもちもちとした肉球があった。
ま、まさか…と思って自分の体の見える範囲をあちこち見ると、ふわふわとした毛に覆われた「犬」としか思えない身体がそこにはあった。
犬になっちゃった……!?
これ、トイプードルとかポメラニアンとかマルチーズとか……そういう超小型犬だよね!?
テンパった私は、百之助に向かって一生懸命話しかけた。
「わんわんわん!(起きて!百之助!私、犬になっちゃったよ!)」
私の声に眉間に皺を寄せてうーん、と唸ったあと薄く目を開けた百之助。
彼は私を見ると固まってしまった。
「わう、わうん、わんわん(起きたら犬になってたの。どうしよう。)」
私が一生懸命説明しているのを、じーっと見つめている百之助。
しかし予想に反して彼はニッコリと胡散臭い笑みを浮かべた。
「そうかそうか、一緒に遊ぼうな。」
エッ何その顔、見たことないんですけど!?
私がぎょっとしたのも束の間、どこからかボールを取り出した百之助は、ぽーんとボールを軽く投げる。
驚いた私だったが、犬の本能なのかボールから目を離せなくなった私は思わずそのまま飛び出した。
「わん!?わぅ、わー♪(いやちが、……わーい!)」
と、走り出したところでハッと目が覚めた。
ガバッと勢いよく飛び起きて、自分の手や体を確認してしまう。
「ゆ……夢……。」
そう呟いて、はぁぁ…とため息をついたところ、隣にいた百之助が眠たそうに目をこすった。
「どうしたんだ、夢主?」
「お、起こしてごめん。」
とりあえずベッドから出た私たちは、リビングのソファに座って二人並んで珈琲を飲む。
「――っていう夢を見たの。すごくリアルでびっくりしちゃって。」
夢の内容を伝えると、百之助は愉快そうにははぁ、と笑った。
「犬プレイでもするか?」
その眼はあながち冗談でもなさそうで、私はゾクッとしたものを背中に感じた。
おわり。
【あとがきという名のおまけ:
後日。
夢主「おはよ……んん、あれ、なにか首についてる(ガチャン)……首輪!?」
百之助「雌犬ゲットだぜ。」
夢主「ばか!!!!」
】
私には付き合って数年たつ恋人がいる。
彼は尾形百之助といって、まあ普通に学校で知り合って私が一方的に仲良くなって惰性で付き合ってるようなもんだ。
なんだかんだで今は同棲している。
休日の朝、「起きてー」と、いつものように隣で眠る彼に言ったつもりだった。
聞こえてきたのは「くーん。」という遠吠えというか、鳴き声というか。
「……?」
あれ?と思って身体を起こすが、やけに視線が低い。
これはどういうことかと顔をしかめていると、隣で眠っていた百之助が寝ぼけて私を抱きしめた。
いつもなら少し抵抗すれば逃げられるのに、今日は全く上手くいかない。
なんでだろう、と自分の手元を見ると毛むくじゃらの何かが。
ギョッとして手の平を裏返すとそこにはもちもちとした肉球があった。
ま、まさか…と思って自分の体の見える範囲をあちこち見ると、ふわふわとした毛に覆われた「犬」としか思えない身体がそこにはあった。
犬になっちゃった……!?
これ、トイプードルとかポメラニアンとかマルチーズとか……そういう超小型犬だよね!?
テンパった私は、百之助に向かって一生懸命話しかけた。
「わんわんわん!(起きて!百之助!私、犬になっちゃったよ!)」
私の声に眉間に皺を寄せてうーん、と唸ったあと薄く目を開けた百之助。
彼は私を見ると固まってしまった。
「わう、わうん、わんわん(起きたら犬になってたの。どうしよう。)」
私が一生懸命説明しているのを、じーっと見つめている百之助。
しかし予想に反して彼はニッコリと胡散臭い笑みを浮かべた。
「そうかそうか、一緒に遊ぼうな。」
エッ何その顔、見たことないんですけど!?
私がぎょっとしたのも束の間、どこからかボールを取り出した百之助は、ぽーんとボールを軽く投げる。
驚いた私だったが、犬の本能なのかボールから目を離せなくなった私は思わずそのまま飛び出した。
「わん!?わぅ、わー♪(いやちが、……わーい!)」
と、走り出したところでハッと目が覚めた。
ガバッと勢いよく飛び起きて、自分の手や体を確認してしまう。
「ゆ……夢……。」
そう呟いて、はぁぁ…とため息をついたところ、隣にいた百之助が眠たそうに目をこすった。
「どうしたんだ、夢主?」
「お、起こしてごめん。」
とりあえずベッドから出た私たちは、リビングのソファに座って二人並んで珈琲を飲む。
「――っていう夢を見たの。すごくリアルでびっくりしちゃって。」
夢の内容を伝えると、百之助は愉快そうにははぁ、と笑った。
「犬プレイでもするか?」
その眼はあながち冗談でもなさそうで、私はゾクッとしたものを背中に感じた。
おわり。
【あとがきという名のおまけ:
後日。
夢主「おはよ……んん、あれ、なにか首についてる(ガチャン)……首輪!?」
百之助「雌犬ゲットだぜ。」
夢主「ばか!!!!」
】