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第十五話 脱走翌日
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第十五話 脱走翌日
三人が脱走した次の日のこと。
最初に気付いたのは月島だった。
いつもなら夢主は朝早くから飯炊きの準備をしている。
それがその日は調理場に姿を見せていないと当番が心配して言ってきた。
寝坊なんて珍しい、具合でも悪いのかと思ったが夢主の部屋に行ってノックをしても返事がなかった。
返事もできないほどかと慌ててドアに手をかけると、鍵がかかっていない。
それどころか、部屋は来たときのように綺麗に整頓されていた。
鶴見中尉から借りていた本や、勉強していた筆記具などが消えている。
窓には鍵がかかっているので、ここから出たのではないようだ。
そして部屋にあったはずの夢主の拳銃や武器が一通りなくなっている。
以前尾形を追って重症を負ったときのようにどこかへ行ったのかと月島は考えた。
鶴見中尉に報告に行く足で、通り道にあった医務室を開ける。
尾形の姿がない。
これはやはり……と確信する。
しかし尾形は最近まで重症だった。
最近自分も尾形の様子を見に行ったが、口もきけない状態だったし、夢主が食べさせてあげても飯も噛めないくらい衰弱していた。
それが演技だったとしたら……?それか夢主が手助けをして尾形を連れ出したのか……?
ぞく、と月島は身震いをする。
いずれにしろ、二人は一緒に抜け出している。
普段冷静な月島だが、今回はとてもではないが冷静ではいられなかった。
他に手助けしたやつはいないか、と点呼を取る。
一人だけいないやつがいた。
二階堂だ。やつは弟を殺されてから様子がおかしかった。
尾形と夢主が二人で出掛けるのはまだ理解できたが、二階堂も一緒だとすると、目的は刺青人皮……いや杉元だろう。
月島は鶴見中尉が出掛けていることを思い出すと、すぐに馬を使い鶴見中尉のもとへ走った。
「鶴見中尉殿、夢主さんが朝から見当たりません。尾形百之助上等兵も姿を消しました。それともう一人、二階堂浩平一等卒もです。」
鶴見中尉は何も言わなかった。
月島は二階堂も一緒だということは杉元を追っているはずだとつづけた。
「夢主……やはりお前はじゃじゃ馬だったか……。」
そう呟く鶴見中尉の顔からどろり、と液体が流れ出る。
怒っているはずなのに、表情はニタリと笑みを浮かべていて、月島は身震いした。
【あとがき:バレんのが早い。】
三人が脱走した次の日のこと。
最初に気付いたのは月島だった。
いつもなら夢主は朝早くから飯炊きの準備をしている。
それがその日は調理場に姿を見せていないと当番が心配して言ってきた。
寝坊なんて珍しい、具合でも悪いのかと思ったが夢主の部屋に行ってノックをしても返事がなかった。
返事もできないほどかと慌ててドアに手をかけると、鍵がかかっていない。
それどころか、部屋は来たときのように綺麗に整頓されていた。
鶴見中尉から借りていた本や、勉強していた筆記具などが消えている。
窓には鍵がかかっているので、ここから出たのではないようだ。
そして部屋にあったはずの夢主の拳銃や武器が一通りなくなっている。
以前尾形を追って重症を負ったときのようにどこかへ行ったのかと月島は考えた。
鶴見中尉に報告に行く足で、通り道にあった医務室を開ける。
尾形の姿がない。
これはやはり……と確信する。
しかし尾形は最近まで重症だった。
最近自分も尾形の様子を見に行ったが、口もきけない状態だったし、夢主が食べさせてあげても飯も噛めないくらい衰弱していた。
それが演技だったとしたら……?それか夢主が手助けをして尾形を連れ出したのか……?
ぞく、と月島は身震いをする。
いずれにしろ、二人は一緒に抜け出している。
普段冷静な月島だが、今回はとてもではないが冷静ではいられなかった。
他に手助けしたやつはいないか、と点呼を取る。
一人だけいないやつがいた。
二階堂だ。やつは弟を殺されてから様子がおかしかった。
尾形と夢主が二人で出掛けるのはまだ理解できたが、二階堂も一緒だとすると、目的は刺青人皮……いや杉元だろう。
月島は鶴見中尉が出掛けていることを思い出すと、すぐに馬を使い鶴見中尉のもとへ走った。
「鶴見中尉殿、夢主さんが朝から見当たりません。尾形百之助上等兵も姿を消しました。それともう一人、二階堂浩平一等卒もです。」
鶴見中尉は何も言わなかった。
月島は二階堂も一緒だということは杉元を追っているはずだとつづけた。
「夢主……やはりお前はじゃじゃ馬だったか……。」
そう呟く鶴見中尉の顔からどろり、と液体が流れ出る。
怒っているはずなのに、表情はニタリと笑みを浮かべていて、月島は身震いした。
【あとがき:バレんのが早い。】