遊戯王GX(万十SS)
レッド寮の食堂での夕飯。
月に一度の特別メニュー。今夜はエビフライだ。
いつもの質素な食事にも慣れはしたけど、やっぱりテンションが上がるなあ。
しかもなんと今日は、プリンのおまけつきだ。
食堂内も、どことなくそわそわした空気に包まれていた。
でも気を抜いて十代のアニキに横取りされないように気をつけなきゃ……
(十代のアニキは女の子だけど、僕にとっては心のアニキだ)
好きだから取っておきたいのに「翔、いらないなら貰うぞ〜」とか狙ってくるんだから!
そう思って十代のアニキを横目で伺うと、アニキはみそ汁を箸でぐるぐる混ぜながら、少し遠くを見ていた。
心ここにあらずといった感じだ。
「アニキ、どうかしたの?」
「ん?んー」
「なんだ十代、拾い食いでもしたのか?」
向こうの方の席の万丈目くんが、アニキに突っかかってきた。
「そういうわけじゃないんだけどさー」
へにゃっと笑うアニキには、なんだかいつもの覇気がない。
あー……そういえば、十代のアニキが前にご飯残してたときって確か……
「食わんのなら俺が貰ってやるぞ」
「いーよ、あげる」
「……本当に何か当たったのか?」
あ、心配してる。素直じゃないなあ。
「んー」
「夜ふかしでもして調子を崩したか」
「かもなー」
なんとも付かない声を出すアニキに、眉をひそめる万丈目くん。
「適当に流そうとするな、気味が悪いぞ」
「万丈目くん、ちょっと」
「なんだ」
万丈目くんは不機嫌さを隠しもせずにこちらをジロリと見てくる。まったくもう。
「ほら、アニキもさ……女の子だからさ……」
流石に直球で『どういうことなのか』を伝えるわけにはいかず、僕は口ごもってしまう。
「……ダイエットか何かのつもりか?」
なんで今日はそんなに鈍いのさ?ばかちん。
「……あははっ」
僕が呆れ半分でどうしたものかと考えていると、さっきから笑いを堪えてた様子のアニキが吹き出した。
「おまえの話をしているんだぞ!」
「あはは、分かってるって〜」
「ん」と十代のアニキがちょいちょいっと万丈目くんに手招きをして、万丈目くんが耳を寄せる。
ふたりがひそひそ声で話し合って、数巡すると万丈目くんの顔はみるみる赤くなっていった。耳まで赤い。
「な、なっ、それ……それは……」
言葉を紡ごうとしているけど、意味のあるものになっていない。あーあ。
まあ僕も最初は相当面食らったからわかるけど。
うろうろしていた万丈目くんは自分の席から何か持ってきた様子で、それをカンッと音が鳴るほど、強くテーブルに置いた。
「……やる」
プリンだ。
えっ、あの万丈目くんが自分のおやつを?
よっぽど気にしたんだ。
「わーい、万丈目、やっさし〜」
「うるさい、こっちの調子が狂うんだっ。これでさっきのことは忘れろっ!」
万丈目くんはどかどかと自分の席に戻っていった。
照れ隠しがへただよなあ。万丈目くんって。
「はー、あいつ面白いよな……」
そう言ってアニキは、容器に入ったプリンをつついている。
十代のアニキ、なんだか幸せそうだ……
美味しいもんね、プリン。
深く考えることなく、僕はエビフライをほおばった。美味しいなあ。
月に一度の特別メニュー。今夜はエビフライだ。
いつもの質素な食事にも慣れはしたけど、やっぱりテンションが上がるなあ。
しかもなんと今日は、プリンのおまけつきだ。
食堂内も、どことなくそわそわした空気に包まれていた。
でも気を抜いて十代のアニキに横取りされないように気をつけなきゃ……
(十代のアニキは女の子だけど、僕にとっては心のアニキだ)
好きだから取っておきたいのに「翔、いらないなら貰うぞ〜」とか狙ってくるんだから!
そう思って十代のアニキを横目で伺うと、アニキはみそ汁を箸でぐるぐる混ぜながら、少し遠くを見ていた。
心ここにあらずといった感じだ。
「アニキ、どうかしたの?」
「ん?んー」
「なんだ十代、拾い食いでもしたのか?」
向こうの方の席の万丈目くんが、アニキに突っかかってきた。
「そういうわけじゃないんだけどさー」
へにゃっと笑うアニキには、なんだかいつもの覇気がない。
あー……そういえば、十代のアニキが前にご飯残してたときって確か……
「食わんのなら俺が貰ってやるぞ」
「いーよ、あげる」
「……本当に何か当たったのか?」
あ、心配してる。素直じゃないなあ。
「んー」
「夜ふかしでもして調子を崩したか」
「かもなー」
なんとも付かない声を出すアニキに、眉をひそめる万丈目くん。
「適当に流そうとするな、気味が悪いぞ」
「万丈目くん、ちょっと」
「なんだ」
万丈目くんは不機嫌さを隠しもせずにこちらをジロリと見てくる。まったくもう。
「ほら、アニキもさ……女の子だからさ……」
流石に直球で『どういうことなのか』を伝えるわけにはいかず、僕は口ごもってしまう。
「……ダイエットか何かのつもりか?」
なんで今日はそんなに鈍いのさ?ばかちん。
「……あははっ」
僕が呆れ半分でどうしたものかと考えていると、さっきから笑いを堪えてた様子のアニキが吹き出した。
「おまえの話をしているんだぞ!」
「あはは、分かってるって〜」
「ん」と十代のアニキがちょいちょいっと万丈目くんに手招きをして、万丈目くんが耳を寄せる。
ふたりがひそひそ声で話し合って、数巡すると万丈目くんの顔はみるみる赤くなっていった。耳まで赤い。
「な、なっ、それ……それは……」
言葉を紡ごうとしているけど、意味のあるものになっていない。あーあ。
まあ僕も最初は相当面食らったからわかるけど。
うろうろしていた万丈目くんは自分の席から何か持ってきた様子で、それをカンッと音が鳴るほど、強くテーブルに置いた。
「……やる」
プリンだ。
えっ、あの万丈目くんが自分のおやつを?
よっぽど気にしたんだ。
「わーい、万丈目、やっさし〜」
「うるさい、こっちの調子が狂うんだっ。これでさっきのことは忘れろっ!」
万丈目くんはどかどかと自分の席に戻っていった。
照れ隠しがへただよなあ。万丈目くんって。
「はー、あいつ面白いよな……」
そう言ってアニキは、容器に入ったプリンをつついている。
十代のアニキ、なんだか幸せそうだ……
美味しいもんね、プリン。
深く考えることなく、僕はエビフライをほおばった。美味しいなあ。
