お兄ちゃんと呼んでくれ
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「じゃあ、俺たちは炒飯作ってくるから大人しく待ってろよ、春蓉」
「は……」
白蓮さんがそっと私を地上に降ろすが、足に力が入らず膝から崩れ落ちた。
白蓮さんが「おぉ?!春蓉?!」と驚きながらもしっかりと抱きとめてくださった。
ぐったりとしながら「お腹が……」とだけ伝えると「減って動けないんだな」と慈悲深い目で見つめてきた。
空腹で動けない私を宙ぶらりんで持ち上げると、紅炎さんに「紅炎、パス」と言って引き渡した。
宙ぶらりん状態で受け取った紅炎さんは、紅明さんたちと一緒に居間へ移ると上座に私を転がした。
「ちょっと、扱い雑過ぎませんか?」
「じゃあ、僕が膝枕してあげようか~?」
「いや、いいです」
「では、私が」
「いいです」
動けない私に膝枕をしようと紅覇さんと白瑛さんがにじり寄ってきたが、常識人紅明さんが「やめなさい、二人とも」と助け船を出してくれた。
「白龍、紅玉~。今なら、春蓉大人しいから突っついときな」
まるで扱いが猛獣だ。
だが、今は空腹で反論する気力はもうない。
白龍さんと紅玉さんが、白瑛さんに引きずられるように私の元へと連れられ、恐る恐る私の頬を二人で突っついてきた。
「どうですか、白龍?」
「む、むにむにします……」
「紅玉は?」
「は、はりのあるお肌ですわぁ……」
恐怖しながらもしっかり感想を述べる二人に心の中で「申し訳ない」と理由もなく謝りたくなってしまう。
怖いのによく頑張っている。
思考がほぼほぼ追いつかずにボーっとしていたら、唐突に口へ何かが突っ込んできた。
「もがっ……!もぐ……もぐ……。美味しい……」
口に突っ込まれたのは魚肉ソーセージの様だった。
もぐもぐとソーセージを咀嚼していると、紅炎さんの「さっさと食え。次、突っ込むぞ」というセリフが聞こえてきたので、飲み込む様に食せば次の魚肉ソーセージが突っ込まれる。
「ハムスターみたい。炎兄、僕もやりたい」
「責任もって世話をするんだぞ」
「はーい」
扱いがどんどんおかしい方向へと向かっていく。
だが、今はご飯が必要なのだ私には。
もぐもぐと魚肉ソーセージを頬張っていると、何本目かの頃に漸く起き上がれる程度には回復した。
「はぁ、魚肉ソーセージは偉大ですね……」
「まだ食べる?」
「頂きます」
紅覇さんから魚肉ソーセージを受け取り自力で咀嚼していると、襖を開けて入ってきた白雄さんが「食事前に物を食べるな、春蓉」と咎める。
その後ろから入ってきた白蓮さんが「春蓉ー!ご飯だぞー!」と言いながら入ってきた。
「え、蓮兄、何その量」
「五合分の炒飯だからな!」
私の胃袋を過信しすぎではないだろうか。
ドンっ、と置かれた山盛りの炒飯。
あぁ、香ばしい胡麻油の香りにジューシーな叉焼。
「頂きます」
レンゲで一口分すくい口に運べば、叉焼と葱の旨味と程よい味の濃さで食が進む。
幸せな気分で胃袋を満たしていると、ニコニコした白蓮さんが「家族が増えて嬉しいな」と言うので、思わず顔を顰め「家族、ですか……」と言ってしまった。
刹那、ゴッ!という音を立てて頭に白雄様の拳骨が頭に落ちた。
「春蓉……?」
低い声で私の名を呼ぶ白雄さんに「いや、違うんです、聞いてください」と釈明の余地を求めながら炒飯を口に運ぶ手を休めない。
「私は……、私は家族と言うものがよくわからないのです。血の繋がった両親に対しても所謂、家族の情と言うものがわかなくて。だから突然、家族だと言われてもよく、わからないのです……。家族って、何ですか……?」
「春蓉……。難しい話だな、それは。あとでゆっくり話そう。今は、よく食べなさい」
私の質問には答えず、ゆっくりと頭を撫でながら白雄さんは言った。
私も無言で頷き、今はこの五合炒飯を全て平らげる事に意識を集中させる。
はぁ、美味しい……。
「は……」
白蓮さんがそっと私を地上に降ろすが、足に力が入らず膝から崩れ落ちた。
白蓮さんが「おぉ?!春蓉?!」と驚きながらもしっかりと抱きとめてくださった。
ぐったりとしながら「お腹が……」とだけ伝えると「減って動けないんだな」と慈悲深い目で見つめてきた。
空腹で動けない私を宙ぶらりんで持ち上げると、紅炎さんに「紅炎、パス」と言って引き渡した。
宙ぶらりん状態で受け取った紅炎さんは、紅明さんたちと一緒に居間へ移ると上座に私を転がした。
「ちょっと、扱い雑過ぎませんか?」
「じゃあ、僕が膝枕してあげようか~?」
「いや、いいです」
「では、私が」
「いいです」
動けない私に膝枕をしようと紅覇さんと白瑛さんがにじり寄ってきたが、常識人紅明さんが「やめなさい、二人とも」と助け船を出してくれた。
「白龍、紅玉~。今なら、春蓉大人しいから突っついときな」
まるで扱いが猛獣だ。
だが、今は空腹で反論する気力はもうない。
白龍さんと紅玉さんが、白瑛さんに引きずられるように私の元へと連れられ、恐る恐る私の頬を二人で突っついてきた。
「どうですか、白龍?」
「む、むにむにします……」
「紅玉は?」
「は、はりのあるお肌ですわぁ……」
恐怖しながらもしっかり感想を述べる二人に心の中で「申し訳ない」と理由もなく謝りたくなってしまう。
怖いのによく頑張っている。
思考がほぼほぼ追いつかずにボーっとしていたら、唐突に口へ何かが突っ込んできた。
「もがっ……!もぐ……もぐ……。美味しい……」
口に突っ込まれたのは魚肉ソーセージの様だった。
もぐもぐとソーセージを咀嚼していると、紅炎さんの「さっさと食え。次、突っ込むぞ」というセリフが聞こえてきたので、飲み込む様に食せば次の魚肉ソーセージが突っ込まれる。
「ハムスターみたい。炎兄、僕もやりたい」
「責任もって世話をするんだぞ」
「はーい」
扱いがどんどんおかしい方向へと向かっていく。
だが、今はご飯が必要なのだ私には。
もぐもぐと魚肉ソーセージを頬張っていると、何本目かの頃に漸く起き上がれる程度には回復した。
「はぁ、魚肉ソーセージは偉大ですね……」
「まだ食べる?」
「頂きます」
紅覇さんから魚肉ソーセージを受け取り自力で咀嚼していると、襖を開けて入ってきた白雄さんが「食事前に物を食べるな、春蓉」と咎める。
その後ろから入ってきた白蓮さんが「春蓉ー!ご飯だぞー!」と言いながら入ってきた。
「え、蓮兄、何その量」
「五合分の炒飯だからな!」
私の胃袋を過信しすぎではないだろうか。
ドンっ、と置かれた山盛りの炒飯。
あぁ、香ばしい胡麻油の香りにジューシーな叉焼。
「頂きます」
レンゲで一口分すくい口に運べば、叉焼と葱の旨味と程よい味の濃さで食が進む。
幸せな気分で胃袋を満たしていると、ニコニコした白蓮さんが「家族が増えて嬉しいな」と言うので、思わず顔を顰め「家族、ですか……」と言ってしまった。
刹那、ゴッ!という音を立てて頭に白雄様の拳骨が頭に落ちた。
「春蓉……?」
低い声で私の名を呼ぶ白雄さんに「いや、違うんです、聞いてください」と釈明の余地を求めながら炒飯を口に運ぶ手を休めない。
「私は……、私は家族と言うものがよくわからないのです。血の繋がった両親に対しても所謂、家族の情と言うものがわかなくて。だから突然、家族だと言われてもよく、わからないのです……。家族って、何ですか……?」
「春蓉……。難しい話だな、それは。あとでゆっくり話そう。今は、よく食べなさい」
私の質問には答えず、ゆっくりと頭を撫でながら白雄さんは言った。
私も無言で頷き、今はこの五合炒飯を全て平らげる事に意識を集中させる。
はぁ、美味しい……。