お兄ちゃんと呼んでくれ
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料理を運んできた他のご兄弟が、がっちりと白雄さんに肩を抱かれている私を見て不思議そうな顔をした。
白龍さんと紅玉さんは怯えた表情をしている。
その後ろから一段と明るい声で白蓮さんが「兄上!今日は酢豚ですよ!」と言って大皿を持って現れた。
そして私の顔を見て「うわ!春蓉!鬼みたいな顔してるぞ!」と言った。
「蓮兄。それ、女の子に言っちゃダメなセリフだよ」
「え?……あ!ごめん、春蓉!」
「いえ、大丈夫です」
内心、私の中の般若が荒れ狂っているので問題ないです。
「でも、春蓉。そんなに怖い顔してると、皺になるよ?」
そう言いながら、下座の席に酢豚の大皿を置きながら言う紅覇さんに「紅覇。年上を呼び捨てにするのはやめなさい。春蓉さん、お茶をどうぞ」と紅明さんが窘めた。
湯呑にお茶を淹れてくれた紅明さんに「ありがとうございます」とお礼を言い、湯呑を受け取る。
白蓮さんは私の前に大皿を置くと、目の前の席に腰を下ろす。
私の隣には、白瑛さんが腰を下ろした。
「ん?白龍?何で下座にいるんだ?」
「えっ!あ、あの……!」
口籠ってはいるがチラチラと私の方を窺っている白龍さんの視線が、私が怖いと物語っている。
どうも、私は白龍さんに怖がられている節がある。
それがわかっていたから一人で食べると言ったのだ。
溜息を吐き、白雄さんに「やはり、私は一人で食べます」と言って席を立とうとしたがご兄弟から一斉に「一緒に食べよう」と言われる。
「ほら、白龍。春蓉は怖くないから、蓮兄の隣にいきな」
「え……!」
半泣きの白龍さんを、紅覇さんが押しやり白蓮さんの隣へと座らせた。
ばちりと涙目の白龍さんと視線が合うと、たちまち溜まっていた涙は零れて大号泣した。
「は、白龍泣くなって!春蓉は顔がちょっと怖いだけだって!」
「白蓮、失礼だぞ」
「はっ!すみません!」
何とか白蓮さんが白龍さんを泣き止ませようとするが、一向に泣き止みそうにない。
もう一度、席を立とうとするが隣の白瑛さんが私の服を掴み笑顔で「春蓉殿。笑ってください」と言った。
「無理です」
「笑えばきっと怖くなくなります」
「ダメです。絶対更に泣かれます」
自分で言うのもなんだが、私の笑顔はとても怖いのだ。
それでも白瑛さんは「大丈夫です。自信を持ってください」と押してくる。
ジッと見つめるも微笑み返しをされる。
どうなっても知りませんよ、と前置きをして泣きじゃくる白龍さんに向かって笑いかけると、白蓮さんが「ひっ……!」と小さく悲鳴をあげ、白龍さんは「う、うわぁぁぁぁん!」と大号泣した。
ほらな、ほらな。
吐きたい溜息を我慢して、今度こそ立ち上がり酢豚を取り分けて自室へと下がった。
本当に散々な目にあった。
酢豚は美味しかった。
白龍さんと紅玉さんは怯えた表情をしている。
その後ろから一段と明るい声で白蓮さんが「兄上!今日は酢豚ですよ!」と言って大皿を持って現れた。
そして私の顔を見て「うわ!春蓉!鬼みたいな顔してるぞ!」と言った。
「蓮兄。それ、女の子に言っちゃダメなセリフだよ」
「え?……あ!ごめん、春蓉!」
「いえ、大丈夫です」
内心、私の中の般若が荒れ狂っているので問題ないです。
「でも、春蓉。そんなに怖い顔してると、皺になるよ?」
そう言いながら、下座の席に酢豚の大皿を置きながら言う紅覇さんに「紅覇。年上を呼び捨てにするのはやめなさい。春蓉さん、お茶をどうぞ」と紅明さんが窘めた。
湯呑にお茶を淹れてくれた紅明さんに「ありがとうございます」とお礼を言い、湯呑を受け取る。
白蓮さんは私の前に大皿を置くと、目の前の席に腰を下ろす。
私の隣には、白瑛さんが腰を下ろした。
「ん?白龍?何で下座にいるんだ?」
「えっ!あ、あの……!」
口籠ってはいるがチラチラと私の方を窺っている白龍さんの視線が、私が怖いと物語っている。
どうも、私は白龍さんに怖がられている節がある。
それがわかっていたから一人で食べると言ったのだ。
溜息を吐き、白雄さんに「やはり、私は一人で食べます」と言って席を立とうとしたがご兄弟から一斉に「一緒に食べよう」と言われる。
「ほら、白龍。春蓉は怖くないから、蓮兄の隣にいきな」
「え……!」
半泣きの白龍さんを、紅覇さんが押しやり白蓮さんの隣へと座らせた。
ばちりと涙目の白龍さんと視線が合うと、たちまち溜まっていた涙は零れて大号泣した。
「は、白龍泣くなって!春蓉は顔がちょっと怖いだけだって!」
「白蓮、失礼だぞ」
「はっ!すみません!」
何とか白蓮さんが白龍さんを泣き止ませようとするが、一向に泣き止みそうにない。
もう一度、席を立とうとするが隣の白瑛さんが私の服を掴み笑顔で「春蓉殿。笑ってください」と言った。
「無理です」
「笑えばきっと怖くなくなります」
「ダメです。絶対更に泣かれます」
自分で言うのもなんだが、私の笑顔はとても怖いのだ。
それでも白瑛さんは「大丈夫です。自信を持ってください」と押してくる。
ジッと見つめるも微笑み返しをされる。
どうなっても知りませんよ、と前置きをして泣きじゃくる白龍さんに向かって笑いかけると、白蓮さんが「ひっ……!」と小さく悲鳴をあげ、白龍さんは「う、うわぁぁぁぁん!」と大号泣した。
ほらな、ほらな。
吐きたい溜息を我慢して、今度こそ立ち上がり酢豚を取り分けて自室へと下がった。
本当に散々な目にあった。
酢豚は美味しかった。