巻き込み事故
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
くつろいでくれ、なんて言われたけど無理やで。
リビングありえないくらい広いし、革張りの黒いソファーは見るからに高そうだし、調度品も高そうだし、壁二面窓とか私の知らない世界だ。
以上の点からして、くつろげない、落ち着かない。
うろうろする私に、キッチンで何やらやっていた練くんが「クマか、キミは」と言ってきた。
「こんな高級感丸だしな場所で落ち着けって方が無理だよ。ソファーとかいくらだよ」
「そんな言うほど高くないと思う」
「ほぉーう?いくら?」
「百七十万」
「高い……」
なに?お金持ちの感覚では二百万近くのソファーを高くないって定義するの?!
カルチャーショックだよ!
怖くて、後ずさりながらソファーと距離を置いた。
「怯えてないで、座ったらどうだ?立ちながらつまみを食べるのは絶対に許さないからな」
「おつまみ!」
食欲丸だしで練くんに近寄り、その手に持たれたお皿にはサーモンのカルパッチョが綺麗に盛り付けられていた。
「美味しそう!」
「食べたかったら席に着け」
「はい!」
三人掛けのソファーの端に腰を掛け、わくわくしながらお皿を見つめていると「本当に食いしん坊だな」と笑われた。
私の前にお皿を置くと、練くんは「酒を用意するまで食べるなよ」と釘を刺してまたキッチンに戻って行った。
うう……、美味しそうな料理を目の前に待てをされるのは辛い。
逃げるわけではないが、じっとカルパッチョに釘付けになっていると目の前に酒瓶が八本並べられた。
「ジンにウィスキーにウォッカにテキーラ。赤ワイン、白ワイン。焼酎に大吟醸……。本当に酔い潰す気だね……」
「紹興酒もあるぞ」
どんだけ、お酒を貯蔵しているんだこの家。
呆れながら、一杯目にと大吟醸の栓を抜き練くんが用意してくれたグラスに注いでいく。
迎合の姿勢を見せた私に、練くんは「やる気か?」と聞いてきた。
「練くんには悪いけど、私、うわばみなの。潰れない自信がある所か、練くんを酔い潰す自信あるよ」
と、自慢気に言ってしまったのが悪かったのか、またあの表情の読めない顔で「ほぉーう……?」と言われた。
頭に乗りすぎたかと背筋に寒いものを感じる私の隣に練くんが腰掛けるが、あの、その、近いです。
三人掛けのソファーで、何で真横に座るの?
「あの、もう少し距離置かない?」
「いつも、これくらいの距離じゃなかったか?なんなら、手も掴んだ事があった気がするが?」
「いやあ、あれは学校内だったし?安全な場所だったし?手は弟達と繋いだ事もあるし?」
「さっきまで余裕綽々だったのに、突然どうした?ほら、こっちを向いて『練くんも男だったね』と笑って言ってみたらどうた?」
根に持つね、キミ!
じりじりと、ただでさえ距離が近いのに体と顔を近付けてくる練くん。
「近い近い近い!ごめんて!これからは危機感もって気を付けるから許して!」
「なら俺の顔を見て『さっきはごめんなさい』と言ってみろ」
「耳に息を吹きかける様に囁くのやめてくださーい!」
顔中に熱が集まるのを感じ思わず悲鳴の様な声を上げると、突然、練くんが身を引き反対方向に倒れ込んだ。
流石に心配になり「大丈夫?」と声を掛けたがすぐに後悔した。
こいつ、声を殺して笑ってる……。
しかも、かなりツボに入った笑いだ……。
「何一つ面白い事なんてなかったけど?!」
「あそこまで狼狽されるとは思わなくてな!くくっ……!」
「おのれ!いい?!練くん、顔がよくて!」
「知ってる」
「声もイケメンで」
「知ってる」
「女の子なんて簡単に落ちる魅力持ちなんだからね?!」
「知ってる」
「おのれー!」
全肯定しながら未だに笑っている練くんに「いいよ!もうこの先、練くんとは飲まないから!」と言い大吟醸を一気飲みする。
目尻に涙をためながら「悪い、悪い」と謝罪するも、こやつ、本当に悪いと思ってるのか?と疑ってしまう。
「いい?練くんが思ってるより、私は男性への免疫ないんだからね!」
「そうか、いい事を聞いた」
「練くん……?」
私の咎める声に「すまない」と謝罪し「お詫びだ。うちにある酒という酒を飲み干していっていい」と言うので、遠慮なく二杯目の大吟醸をグラスに注いだ。
練くんは手近にあったウォッカをグラスに注ぐ。
「というか、この大量のお酒どうしたの?」
明らかに、一人で飲むには多すぎる量だ。
練くんはグラスを傾けながら「ストレスで酒に走っていた時期があってな……」と暗い表情で言う。
なるほど、察した。
「その、まあ、アルコール依存症と胃潰瘍になる前に相談して?飲みにくらいは付き合うよ?」
「言われなくてもそうする」
リビングありえないくらい広いし、革張りの黒いソファーは見るからに高そうだし、調度品も高そうだし、壁二面窓とか私の知らない世界だ。
以上の点からして、くつろげない、落ち着かない。
うろうろする私に、キッチンで何やらやっていた練くんが「クマか、キミは」と言ってきた。
「こんな高級感丸だしな場所で落ち着けって方が無理だよ。ソファーとかいくらだよ」
「そんな言うほど高くないと思う」
「ほぉーう?いくら?」
「百七十万」
「高い……」
なに?お金持ちの感覚では二百万近くのソファーを高くないって定義するの?!
カルチャーショックだよ!
怖くて、後ずさりながらソファーと距離を置いた。
「怯えてないで、座ったらどうだ?立ちながらつまみを食べるのは絶対に許さないからな」
「おつまみ!」
食欲丸だしで練くんに近寄り、その手に持たれたお皿にはサーモンのカルパッチョが綺麗に盛り付けられていた。
「美味しそう!」
「食べたかったら席に着け」
「はい!」
三人掛けのソファーの端に腰を掛け、わくわくしながらお皿を見つめていると「本当に食いしん坊だな」と笑われた。
私の前にお皿を置くと、練くんは「酒を用意するまで食べるなよ」と釘を刺してまたキッチンに戻って行った。
うう……、美味しそうな料理を目の前に待てをされるのは辛い。
逃げるわけではないが、じっとカルパッチョに釘付けになっていると目の前に酒瓶が八本並べられた。
「ジンにウィスキーにウォッカにテキーラ。赤ワイン、白ワイン。焼酎に大吟醸……。本当に酔い潰す気だね……」
「紹興酒もあるぞ」
どんだけ、お酒を貯蔵しているんだこの家。
呆れながら、一杯目にと大吟醸の栓を抜き練くんが用意してくれたグラスに注いでいく。
迎合の姿勢を見せた私に、練くんは「やる気か?」と聞いてきた。
「練くんには悪いけど、私、うわばみなの。潰れない自信がある所か、練くんを酔い潰す自信あるよ」
と、自慢気に言ってしまったのが悪かったのか、またあの表情の読めない顔で「ほぉーう……?」と言われた。
頭に乗りすぎたかと背筋に寒いものを感じる私の隣に練くんが腰掛けるが、あの、その、近いです。
三人掛けのソファーで、何で真横に座るの?
「あの、もう少し距離置かない?」
「いつも、これくらいの距離じゃなかったか?なんなら、手も掴んだ事があった気がするが?」
「いやあ、あれは学校内だったし?安全な場所だったし?手は弟達と繋いだ事もあるし?」
「さっきまで余裕綽々だったのに、突然どうした?ほら、こっちを向いて『練くんも男だったね』と笑って言ってみたらどうた?」
根に持つね、キミ!
じりじりと、ただでさえ距離が近いのに体と顔を近付けてくる練くん。
「近い近い近い!ごめんて!これからは危機感もって気を付けるから許して!」
「なら俺の顔を見て『さっきはごめんなさい』と言ってみろ」
「耳に息を吹きかける様に囁くのやめてくださーい!」
顔中に熱が集まるのを感じ思わず悲鳴の様な声を上げると、突然、練くんが身を引き反対方向に倒れ込んだ。
流石に心配になり「大丈夫?」と声を掛けたがすぐに後悔した。
こいつ、声を殺して笑ってる……。
しかも、かなりツボに入った笑いだ……。
「何一つ面白い事なんてなかったけど?!」
「あそこまで狼狽されるとは思わなくてな!くくっ……!」
「おのれ!いい?!練くん、顔がよくて!」
「知ってる」
「声もイケメンで」
「知ってる」
「女の子なんて簡単に落ちる魅力持ちなんだからね?!」
「知ってる」
「おのれー!」
全肯定しながら未だに笑っている練くんに「いいよ!もうこの先、練くんとは飲まないから!」と言い大吟醸を一気飲みする。
目尻に涙をためながら「悪い、悪い」と謝罪するも、こやつ、本当に悪いと思ってるのか?と疑ってしまう。
「いい?練くんが思ってるより、私は男性への免疫ないんだからね!」
「そうか、いい事を聞いた」
「練くん……?」
私の咎める声に「すまない」と謝罪し「お詫びだ。うちにある酒という酒を飲み干していっていい」と言うので、遠慮なく二杯目の大吟醸をグラスに注いだ。
練くんは手近にあったウォッカをグラスに注ぐ。
「というか、この大量のお酒どうしたの?」
明らかに、一人で飲むには多すぎる量だ。
練くんはグラスを傾けながら「ストレスで酒に走っていた時期があってな……」と暗い表情で言う。
なるほど、察した。
「その、まあ、アルコール依存症と胃潰瘍になる前に相談して?飲みにくらいは付き合うよ?」
「言われなくてもそうする」