巻き込み事故
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駐車場まで行くと、乗用車の中に一際異彩を放つ車高の低いスポーツカーが駐車されていた。
なるほど、わかりやすい。
「何、この車……」
「フェラーリのベルリネッタ……。俺の愛車だ」
なるほど。
未だにふらふらしている練くんに「送って行こうか?」と言うと驚いた様に「運転できるのか?」と聞かれた。
「左ハンドルは初めてだけど、免許持ってるよ」
「ペーパーじゃないだろうな……」
「ペーパーだったらこんな高級車運転するなんて言えないよ」
安心して任せて!と力強く言うも、胡散臭そうにこちらをじと目で見てくる練くん。
いいから乗れ、と助手席に練くんを押し込み鍵を受け取りエンジンをかける。
エンジンのかかり具合が流石高級車だ。
軽自動車とは格が違う。
カーナビもついているので、練くんの言う住所を入力して発進する。
鼻歌交じりにルート通り進んで行くと、超高級マンションに着いた。
「ほお、流石練くんのお宅。ねえ、こういう所って駐車場どうするの?……練くん?」
返事がない。
ただの屍になったか?
助手席を確認すると、ぐったりとした様子で練くんが項垂れていた。
「大丈夫?」
もう一度、声をかけると「何だ、あの運転は……」と途切れ途切れに言われた。
「何で?ダメだった?」
「ゴーカートじゃないんだぞ、この車は?!」
「えー?弟妹達は大喜びしてるんだけどな。まあ、一番上の弟には『ふざけんな!止めろ!殺すぞ!』て言われてから乗せてないけど」
「そうだな、俺もそう言っていいなら言いたいくらいだ……。鍵は、エントランスのドアマンに朝十時に出しておく様に言っておいてくれ」
「はーい」
ふらつく練くんを支えながらエントランスの二重ロックを解除してもらい、備え付けのソファーに座らせて言われた通りにドアマンさんに鍵を預ける。
来る前にわたしていた水を飲みほし、暗い声で「二度とキミには運転をさせない」と言われた。
「そんな酷かった?」
「死ぬかと思った」
「ごめん。部屋まで行ける?」
そう尋ねると、髪をかきあげながら「ここまで来たんだ。一杯付き合ってから帰れ」と言われた。
まあ、それくらいは付き合うよ。
重い腰をあげた練くんの後ろをついて歩き、六基あるエレベーターの一つに入ると迷う事なく最上階のボタンを押した。
「サイジョウカイ……。オヤチンイクラ?」
「買ったから家賃はかかってない。その時は、六億だったかな」
「ロクオク……」
許容範囲外の値段に胃がきゅっとなる。
ポーン、とエレベーターにしては上品な到着音がした。
先に降りた練くんについて降りると、突然振り向いたので「どうしたの?」と聞くと「ついて来たな」と言われた。
「うん、ついて来たけど」
どうした、突然?と首を傾げると深々と溜息を吐きながら「今から男の部屋に入るという自覚をだな……」とお説教が始まる予感を感じながら、男……、男……、と脳内で反芻しながら「あ、確かに自覚が足りなかったかも」と反省した。
世間一般、男性の部屋で女性がお酒を飲むなど危機感を持てという話だ。
「ごめん、練くん“も”男“だったね”」
ごめん、ごめん、と謝ると感情の読めない顔で練くんが「ほぉーう……?」と言うのに対して、背筋に寒いものが走った。
「あ、何か嫌な予感がするから帰るね……!」
エレベーターの下ボタンを連打したが、むなしく腕を掴まれ「一杯と言ったが、酔い潰れるまで付き合ってもらおうか。そのあと、何があっても責任は持たないからな……」と言いながら部屋へと連れ込まれた。
いやいやいや、大丈夫。
練くんあれでいて紳士だし、何か間違いが起こるとは思えない。
大丈夫、大丈夫と言い聞かせてリビングに入った。
「うわ、広い……」
「好きにくつろいでくれ」
なるほど、わかりやすい。
「何、この車……」
「フェラーリのベルリネッタ……。俺の愛車だ」
なるほど。
未だにふらふらしている練くんに「送って行こうか?」と言うと驚いた様に「運転できるのか?」と聞かれた。
「左ハンドルは初めてだけど、免許持ってるよ」
「ペーパーじゃないだろうな……」
「ペーパーだったらこんな高級車運転するなんて言えないよ」
安心して任せて!と力強く言うも、胡散臭そうにこちらをじと目で見てくる練くん。
いいから乗れ、と助手席に練くんを押し込み鍵を受け取りエンジンをかける。
エンジンのかかり具合が流石高級車だ。
軽自動車とは格が違う。
カーナビもついているので、練くんの言う住所を入力して発進する。
鼻歌交じりにルート通り進んで行くと、超高級マンションに着いた。
「ほお、流石練くんのお宅。ねえ、こういう所って駐車場どうするの?……練くん?」
返事がない。
ただの屍になったか?
助手席を確認すると、ぐったりとした様子で練くんが項垂れていた。
「大丈夫?」
もう一度、声をかけると「何だ、あの運転は……」と途切れ途切れに言われた。
「何で?ダメだった?」
「ゴーカートじゃないんだぞ、この車は?!」
「えー?弟妹達は大喜びしてるんだけどな。まあ、一番上の弟には『ふざけんな!止めろ!殺すぞ!』て言われてから乗せてないけど」
「そうだな、俺もそう言っていいなら言いたいくらいだ……。鍵は、エントランスのドアマンに朝十時に出しておく様に言っておいてくれ」
「はーい」
ふらつく練くんを支えながらエントランスの二重ロックを解除してもらい、備え付けのソファーに座らせて言われた通りにドアマンさんに鍵を預ける。
来る前にわたしていた水を飲みほし、暗い声で「二度とキミには運転をさせない」と言われた。
「そんな酷かった?」
「死ぬかと思った」
「ごめん。部屋まで行ける?」
そう尋ねると、髪をかきあげながら「ここまで来たんだ。一杯付き合ってから帰れ」と言われた。
まあ、それくらいは付き合うよ。
重い腰をあげた練くんの後ろをついて歩き、六基あるエレベーターの一つに入ると迷う事なく最上階のボタンを押した。
「サイジョウカイ……。オヤチンイクラ?」
「買ったから家賃はかかってない。その時は、六億だったかな」
「ロクオク……」
許容範囲外の値段に胃がきゅっとなる。
ポーン、とエレベーターにしては上品な到着音がした。
先に降りた練くんについて降りると、突然振り向いたので「どうしたの?」と聞くと「ついて来たな」と言われた。
「うん、ついて来たけど」
どうした、突然?と首を傾げると深々と溜息を吐きながら「今から男の部屋に入るという自覚をだな……」とお説教が始まる予感を感じながら、男……、男……、と脳内で反芻しながら「あ、確かに自覚が足りなかったかも」と反省した。
世間一般、男性の部屋で女性がお酒を飲むなど危機感を持てという話だ。
「ごめん、練くん“も”男“だったね”」
ごめん、ごめん、と謝ると感情の読めない顔で練くんが「ほぉーう……?」と言うのに対して、背筋に寒いものが走った。
「あ、何か嫌な予感がするから帰るね……!」
エレベーターの下ボタンを連打したが、むなしく腕を掴まれ「一杯と言ったが、酔い潰れるまで付き合ってもらおうか。そのあと、何があっても責任は持たないからな……」と言いながら部屋へと連れ込まれた。
いやいやいや、大丈夫。
練くんあれでいて紳士だし、何か間違いが起こるとは思えない。
大丈夫、大丈夫と言い聞かせてリビングに入った。
「うわ、広い……」
「好きにくつろいでくれ」