巻き込み事故
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笑いが収まった練くんに「じゃあ、私は次の授業に行くね」と言うと「言ってなかったか?俺と雷の授業、丸かぶりだぞ」と言った。
「そうなの?道理で、遭遇率が高いわけだ」
「高い所か完全一致だな」
「……なんか裏工作したの?」
「いや、本当に偶然の一致だ。どうも、俺と雷の趣味嗜好は似ているらしい」
「次、音楽だけど。え?練くん歌うの?」
当然の驚きで聞くと「歌うが、何か?」と言った。
練くんが、歌う……?
もやもやと想像して愉快な気分になった。
いや、でも、笑うのよくないと笑いを我慢するのだが練くんにはばれてしまい、不機嫌そうな顔で頬をぷにぷにされた。
「そうか、そうか。面白いか、俺が歌う姿は」
「やめてよー。ぷにぷにしないでってばー」
などと戯れながら音楽堂まで来ると、扉を開けた瞬間に勢いよく私は突き飛ばされ尻餅をつき、練くんは女子に囲まれた。
「いててて」
「雷!大丈夫か!」
女子に囲まれ身動きの取れない練くんに「大丈夫」と手を振って見せていると、目の前に綺麗な手が差し出された。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい」
そばかすのある女性的で綺麗な容姿の男性が微笑みながら「お手をどうぞ」と言った。
戸惑いながらも、その綺麗な手に自分の手を重ねれば力強く手を引き立ち上がらせてくれた。
「災難でしたね」
「ですね。私も、練くんも」
哀れな練くんは、未だに女子に囲まれて身動きが取れない状態だ。
おお、何という事だ。
練くんの目が死んでいる……。
「彼は人目を引きやすい容姿ですからね」
「何とかしてあげないと後が怖いからな……」
けれども、あそこから救出しても席の争奪戦に負けそうな気がする。
どうしようと、悩んでいると美男子が「大丈夫ですよ、もうすぐ脱出できると思いますから」と耳打ちしてきた。
どういう事だろうと思っていると「やあ、なんの騒ぎだい?」と南国を思わせる爽やかな声がした。
すると、女子達は一斉に声の主の元へと集まった。
ふらふらしている練くんの腕を引っ張り席に着かせる。
「生きてる?」
「何とか……」
授業開始前から既に瀕死状態の練くん。
「いや、しかし、シンドバッドが同じ科目を取っていて助かった」
「シンドバッド?ああ、あの絵に描いたようなイケメン?」
ちやほやされているイケメンと、その側に付き従う美男子をちらりと見る。
「人気負けだね」
「いい、負けても」
まあ、ここで張り合うタイプではないか。
疲れ切った練くんを見つけたシンドバッドくんは、女子達を伴いどっかりと練くんの隣に腰を下ろした。
お、練くんの顔が引きつったぞ。
私の隣には、美男子が腰を下ろした。
おおっと、私が割と危険な位置に座しているぞ?女子の視線が突き刺さる。
「白雄殿が女性と一緒にいるとは珍しいな」
「そうだな。キミと違って誰でもいいというわけじゃないからな」
「おや、刺々しいじゃないか」
隣からあからさまに不機嫌な気配を発する練くん。
反対側に座る美男子に「仲悪いんですか、あの二人?」と聞くと苦笑しながら「結構」と言った。
「性格的に真反対な二人ですから」
「ああ、なるほど」
「まあ、白雄殿は機嫌がいい時の方が珍しいですから」
「そうなんですか?」
私の言葉に美男子は「違うんですか?」と聞き返してきた。
思い返してみると、確かに険しい顔をしている事は多々あるがそこまで珍しい表情とは思えない。
「……うん。笑ってるよ、よく。さっきも爆笑してたし」
そう言うと、美男子は目を丸くしながら「珍しい事もあるんですね」と言った。
そうか、珍しいのか。
「そうなの?道理で、遭遇率が高いわけだ」
「高い所か完全一致だな」
「……なんか裏工作したの?」
「いや、本当に偶然の一致だ。どうも、俺と雷の趣味嗜好は似ているらしい」
「次、音楽だけど。え?練くん歌うの?」
当然の驚きで聞くと「歌うが、何か?」と言った。
練くんが、歌う……?
もやもやと想像して愉快な気分になった。
いや、でも、笑うのよくないと笑いを我慢するのだが練くんにはばれてしまい、不機嫌そうな顔で頬をぷにぷにされた。
「そうか、そうか。面白いか、俺が歌う姿は」
「やめてよー。ぷにぷにしないでってばー」
などと戯れながら音楽堂まで来ると、扉を開けた瞬間に勢いよく私は突き飛ばされ尻餅をつき、練くんは女子に囲まれた。
「いててて」
「雷!大丈夫か!」
女子に囲まれ身動きの取れない練くんに「大丈夫」と手を振って見せていると、目の前に綺麗な手が差し出された。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい」
そばかすのある女性的で綺麗な容姿の男性が微笑みながら「お手をどうぞ」と言った。
戸惑いながらも、その綺麗な手に自分の手を重ねれば力強く手を引き立ち上がらせてくれた。
「災難でしたね」
「ですね。私も、練くんも」
哀れな練くんは、未だに女子に囲まれて身動きが取れない状態だ。
おお、何という事だ。
練くんの目が死んでいる……。
「彼は人目を引きやすい容姿ですからね」
「何とかしてあげないと後が怖いからな……」
けれども、あそこから救出しても席の争奪戦に負けそうな気がする。
どうしようと、悩んでいると美男子が「大丈夫ですよ、もうすぐ脱出できると思いますから」と耳打ちしてきた。
どういう事だろうと思っていると「やあ、なんの騒ぎだい?」と南国を思わせる爽やかな声がした。
すると、女子達は一斉に声の主の元へと集まった。
ふらふらしている練くんの腕を引っ張り席に着かせる。
「生きてる?」
「何とか……」
授業開始前から既に瀕死状態の練くん。
「いや、しかし、シンドバッドが同じ科目を取っていて助かった」
「シンドバッド?ああ、あの絵に描いたようなイケメン?」
ちやほやされているイケメンと、その側に付き従う美男子をちらりと見る。
「人気負けだね」
「いい、負けても」
まあ、ここで張り合うタイプではないか。
疲れ切った練くんを見つけたシンドバッドくんは、女子達を伴いどっかりと練くんの隣に腰を下ろした。
お、練くんの顔が引きつったぞ。
私の隣には、美男子が腰を下ろした。
おおっと、私が割と危険な位置に座しているぞ?女子の視線が突き刺さる。
「白雄殿が女性と一緒にいるとは珍しいな」
「そうだな。キミと違って誰でもいいというわけじゃないからな」
「おや、刺々しいじゃないか」
隣からあからさまに不機嫌な気配を発する練くん。
反対側に座る美男子に「仲悪いんですか、あの二人?」と聞くと苦笑しながら「結構」と言った。
「性格的に真反対な二人ですから」
「ああ、なるほど」
「まあ、白雄殿は機嫌がいい時の方が珍しいですから」
「そうなんですか?」
私の言葉に美男子は「違うんですか?」と聞き返してきた。
思い返してみると、確かに険しい顔をしている事は多々あるがそこまで珍しい表情とは思えない。
「……うん。笑ってるよ、よく。さっきも爆笑してたし」
そう言うと、美男子は目を丸くしながら「珍しい事もあるんですね」と言った。
そうか、珍しいのか。