巻き込み事故
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翌日、いつもの席に腰を落ち着かせていると、隣の席に誰かが座った。
「おはよう、雷」
「おはよう、練くん」
「今日も綺麗なお顔だね」と冗談っぽく言うと、練くんは当り前の事かの様に「目の保養にしていいぞ」と言った。
ははっ、どこが冗談得意じゃないんだか。
練くんと、今日の講義について話していると学内一可愛い女子(面倒なので超絶美少女と呼ぼう)が、今回は練くんに「隣いい?」とは聞かずに練くんの隣の席へと滑り込んできた。
押しが強い、と思いながらそっと練くんの顔に目をやると、仏頂面になっていた。
「おはよう、白雄くん!」
「ああ、おはよう」
「あのね、先週出た英語の課題なんだけどね」
「そうだ、雷。今日提出の課題についてなんだが」
超絶美少女の言葉を遮って執拗に私へ話しかけてくる練くんの顔は「助けてくれ」という顔をしていた。
超絶美少女がこちらを睨んできているが、すまん。
私は既に高級フレンチで買収済みなのだ。
苦笑いしながら、練くんの話に合わせておく。
流石に授業中は話しかけてくる事はなかったが、超絶美少女は授業中もずっと練くんをうっとりとした表情で見つめていた。
その先にある超絶美男子である練くんの美しい顔は険しかった。
滅茶苦茶、眉間に皺が寄っている。
授業終了。
今日こそは東海飯店で中華無双をしようと思っていたら、練くんが「雷、昼食は何にしようか」と聞いてきた。
「えっとね……」
「ねえ、ねえ、私も行ってもいいかな?」
上目使いに超絶美少女が練くんを見つめるが、練くんは「二人で食べに行く約束なんだ。すまない」と言い、超絶美少女が何か言う前に私を追いたてて講堂から逃げ出した。
「無事逃げ出せたみたいだね」
後ろを振り返っても超絶美少女が追いかけてきている気配はなかった。
流石に、追いすがるのはプライドが許さなかったと見た。
「はあ、よかった」
「じゃあ、私はこれで失礼するね。ふふっ、ラーメン、チャーハン、餃子待ってろよー!」
「中華が食べたいんだな、よしよし。じゃあ、行くか」
「行くって、東海飯店に?」
「龍天門という中華料理店だ」
聞くからに何だかお高そうな店の名前だ。
練くんが行くのだから、絶対にお高いのは決定済みだろうけど。
「いいよ。お安く自分で食べるし」
「そう言うな。行こう」
「練くんって、基本的に人の話を聞かないよね」
「聞いてはいる。要望を通すかどうかは別問題なだけだ」
それはそれでどうかと思う、と言う私の背中を押しながらお高い中華料理店に連れて来られた。
前回のフレンチの時同様、ウェイターが「いらっしゃいませ、白雄様」と一礼するのに対して「個室で頼む」と何事もなく応対する姿は、金持ちだなー、と思う。
綺麗な個室で渡されたメニューを見て、金額に目がくらむ。
「チャーシューセンキュウヒャクエン……」
「ラーメンとチャーハンと餃子だったか?メニューにない様だし、料理長に特注しようか」
「や、やめてくれ!いくらかかるっていうんだ!」
悲鳴の様にストップをかけると、おかしそうに笑いながら「じゃあ、芍薬を頼もう」と練くんは言った。
芍薬、芍薬と値段を確認する為にメニューへ視線を走らせようとしたら、手早くメニューを奪われた。
「雷。食事を楽しむ秘訣は、値段を気にしない事だ」
「それは高級レストラン慣れしてるから言えるんだよ、練くん」
庶民は高級レストランでいったいいくらするんだと怯えながら注文するのが普通なんだよ。
怖い、会計が怖い。
財布の中身を確認しながら五千円なら何とか……、と震えながら運ばれてきた焼き物と冷菜に箸をつけると、世間話の様に「因みに芍薬は一万二千円だ」とさらっと言った。
「個室の値段を加算すると二万近くになるな」
「んん、ちょっと練くん。シャレにならない値段なんだけど。待って、私の財布五千円しか入ってない」
「そうか。なら、ここの払いは俺だな」
「ダメだって。自分の食事代くらい自分で払えないと、人間としてダメだって」
首を振り、いかんこれはいかんと口では言うものの、料理本当に美味しい。
箸が止まらない。
「ツケはきかないぞ」
「うぅ……。明日、明日返すから……」
「返さなくていいから、明日もよろしく頼む」
うおぉ、またもや安易に買収された。
「おはよう、雷」
「おはよう、練くん」
「今日も綺麗なお顔だね」と冗談っぽく言うと、練くんは当り前の事かの様に「目の保養にしていいぞ」と言った。
ははっ、どこが冗談得意じゃないんだか。
練くんと、今日の講義について話していると学内一可愛い女子(面倒なので超絶美少女と呼ぼう)が、今回は練くんに「隣いい?」とは聞かずに練くんの隣の席へと滑り込んできた。
押しが強い、と思いながらそっと練くんの顔に目をやると、仏頂面になっていた。
「おはよう、白雄くん!」
「ああ、おはよう」
「あのね、先週出た英語の課題なんだけどね」
「そうだ、雷。今日提出の課題についてなんだが」
超絶美少女の言葉を遮って執拗に私へ話しかけてくる練くんの顔は「助けてくれ」という顔をしていた。
超絶美少女がこちらを睨んできているが、すまん。
私は既に高級フレンチで買収済みなのだ。
苦笑いしながら、練くんの話に合わせておく。
流石に授業中は話しかけてくる事はなかったが、超絶美少女は授業中もずっと練くんをうっとりとした表情で見つめていた。
その先にある超絶美男子である練くんの美しい顔は険しかった。
滅茶苦茶、眉間に皺が寄っている。
授業終了。
今日こそは東海飯店で中華無双をしようと思っていたら、練くんが「雷、昼食は何にしようか」と聞いてきた。
「えっとね……」
「ねえ、ねえ、私も行ってもいいかな?」
上目使いに超絶美少女が練くんを見つめるが、練くんは「二人で食べに行く約束なんだ。すまない」と言い、超絶美少女が何か言う前に私を追いたてて講堂から逃げ出した。
「無事逃げ出せたみたいだね」
後ろを振り返っても超絶美少女が追いかけてきている気配はなかった。
流石に、追いすがるのはプライドが許さなかったと見た。
「はあ、よかった」
「じゃあ、私はこれで失礼するね。ふふっ、ラーメン、チャーハン、餃子待ってろよー!」
「中華が食べたいんだな、よしよし。じゃあ、行くか」
「行くって、東海飯店に?」
「龍天門という中華料理店だ」
聞くからに何だかお高そうな店の名前だ。
練くんが行くのだから、絶対にお高いのは決定済みだろうけど。
「いいよ。お安く自分で食べるし」
「そう言うな。行こう」
「練くんって、基本的に人の話を聞かないよね」
「聞いてはいる。要望を通すかどうかは別問題なだけだ」
それはそれでどうかと思う、と言う私の背中を押しながらお高い中華料理店に連れて来られた。
前回のフレンチの時同様、ウェイターが「いらっしゃいませ、白雄様」と一礼するのに対して「個室で頼む」と何事もなく応対する姿は、金持ちだなー、と思う。
綺麗な個室で渡されたメニューを見て、金額に目がくらむ。
「チャーシューセンキュウヒャクエン……」
「ラーメンとチャーハンと餃子だったか?メニューにない様だし、料理長に特注しようか」
「や、やめてくれ!いくらかかるっていうんだ!」
悲鳴の様にストップをかけると、おかしそうに笑いながら「じゃあ、芍薬を頼もう」と練くんは言った。
芍薬、芍薬と値段を確認する為にメニューへ視線を走らせようとしたら、手早くメニューを奪われた。
「雷。食事を楽しむ秘訣は、値段を気にしない事だ」
「それは高級レストラン慣れしてるから言えるんだよ、練くん」
庶民は高級レストランでいったいいくらするんだと怯えながら注文するのが普通なんだよ。
怖い、会計が怖い。
財布の中身を確認しながら五千円なら何とか……、と震えながら運ばれてきた焼き物と冷菜に箸をつけると、世間話の様に「因みに芍薬は一万二千円だ」とさらっと言った。
「個室の値段を加算すると二万近くになるな」
「んん、ちょっと練くん。シャレにならない値段なんだけど。待って、私の財布五千円しか入ってない」
「そうか。なら、ここの払いは俺だな」
「ダメだって。自分の食事代くらい自分で払えないと、人間としてダメだって」
首を振り、いかんこれはいかんと口では言うものの、料理本当に美味しい。
箸が止まらない。
「ツケはきかないぞ」
「うぅ……。明日、明日返すから……」
「返さなくていいから、明日もよろしく頼む」
うおぉ、またもや安易に買収された。