巻き込み事故
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連れて来られた高級フレンチレストランで、場違い感を感じながら料理が運ばれてくる間に暇だったので「どうして私を巻き込んだの?」と尋ねると、にこやかに「大人しくて抵抗しなさそうだったから」と言った。
「練くん、それ、痴漢の言い分だよ」
「ははっ、人聞きが悪いな」
笑っているが、笑い事ではないんだけどね。
ここまで来る間にした会話を思い出しても、練くんはモテる要素を詰め込み過ぎというくらいの人間だった。
医学部、金持ち、品行方正、頭がいい、顔もいい、背も高い。
これは、学部一可愛い女子も落ちてしまうというものだ。
「私を巻き込まずに声かけてくれた女子と仲良くしててくれたら、私は穏やかにラーメン、チャーハン、餃子無双してたのになあ」
「悪かった。どうも、俺はああいった押しの強い女性は苦手でな。あれを巻くのは中々骨が折れる」
「まあ、わからんでもない」
変に自信のある人間は、なにを言っても聞かない事はままある事だ。
「俺はどちらかと言うと、女性は自分で選びたい。こう、慎ましやかに隣で微笑んでくれるような」
「そういうタイプは国文科の方が多いんじゃないの?」
理系はなんというか、トゲトゲとしたタイプが多いイメージだ。
我が強いとも言う。
「練くんなら、いい彼女ができるよ」
「選び放題だしな」
「自分で言うか」
冗談かと思われるが、この男はたぶん本当にそう自負しているんだと思う。
「だが、こうやって女性と二人で食事に来るのは家族以外で初めてだと思う」
そうか、そうなのか。
危なかった。
練くんの初めての女性とのお食事を大衆食堂で台無しにする所だった。
いや、でもよく考えたら私と食事している時点で台無しではないのか?
「練くん、人は選んだ方がいいよ」
「ちゃんと選んだ。雷なら、心穏やかに昼食がとれると確信していたからな。俺に食事をたかってくる女はどうも品性に欠ける」
「私も、そんなに品性があるとは思わないけどね」
「ラーメンを要望してくる時点で、慎ましやかだと思う」
「いや、それは単に本当にラーメンが食べたかっただけなんだけどね。まあ、これで私と練くんの関係も終わるわけだし、記念とでも思って今日はご馳走になるよ。ありがとう」
「そうか、そうか。一食でこの先、付き合ってくれるなんて優しい奴だ」
「おーっと、ちょっと斜め上な返答が来たぞー?」
冗談だよね?と投げかけると、にこりと微笑みながら「俺は、冗談は得意じゃないんでね」と言い、運ばれてきた食事に「いただきます」と言って食し始めた。
私も、目の前の料理を見ながら「これに手を出したら、この先女子から睨まれる事になるぞ」と考えながらも、食欲に押し切られ「いただきます」と手を合わせてから口に運んでしまった。
口にしてしまっては仕方がない。
この、幾らするかわからないけど普通の学生には縁のない料理分は働こうと思った。まる。
「練くん、それ、痴漢の言い分だよ」
「ははっ、人聞きが悪いな」
笑っているが、笑い事ではないんだけどね。
ここまで来る間にした会話を思い出しても、練くんはモテる要素を詰め込み過ぎというくらいの人間だった。
医学部、金持ち、品行方正、頭がいい、顔もいい、背も高い。
これは、学部一可愛い女子も落ちてしまうというものだ。
「私を巻き込まずに声かけてくれた女子と仲良くしててくれたら、私は穏やかにラーメン、チャーハン、餃子無双してたのになあ」
「悪かった。どうも、俺はああいった押しの強い女性は苦手でな。あれを巻くのは中々骨が折れる」
「まあ、わからんでもない」
変に自信のある人間は、なにを言っても聞かない事はままある事だ。
「俺はどちらかと言うと、女性は自分で選びたい。こう、慎ましやかに隣で微笑んでくれるような」
「そういうタイプは国文科の方が多いんじゃないの?」
理系はなんというか、トゲトゲとしたタイプが多いイメージだ。
我が強いとも言う。
「練くんなら、いい彼女ができるよ」
「選び放題だしな」
「自分で言うか」
冗談かと思われるが、この男はたぶん本当にそう自負しているんだと思う。
「だが、こうやって女性と二人で食事に来るのは家族以外で初めてだと思う」
そうか、そうなのか。
危なかった。
練くんの初めての女性とのお食事を大衆食堂で台無しにする所だった。
いや、でもよく考えたら私と食事している時点で台無しではないのか?
「練くん、人は選んだ方がいいよ」
「ちゃんと選んだ。雷なら、心穏やかに昼食がとれると確信していたからな。俺に食事をたかってくる女はどうも品性に欠ける」
「私も、そんなに品性があるとは思わないけどね」
「ラーメンを要望してくる時点で、慎ましやかだと思う」
「いや、それは単に本当にラーメンが食べたかっただけなんだけどね。まあ、これで私と練くんの関係も終わるわけだし、記念とでも思って今日はご馳走になるよ。ありがとう」
「そうか、そうか。一食でこの先、付き合ってくれるなんて優しい奴だ」
「おーっと、ちょっと斜め上な返答が来たぞー?」
冗談だよね?と投げかけると、にこりと微笑みながら「俺は、冗談は得意じゃないんでね」と言い、運ばれてきた食事に「いただきます」と言って食し始めた。
私も、目の前の料理を見ながら「これに手を出したら、この先女子から睨まれる事になるぞ」と考えながらも、食欲に押し切られ「いただきます」と手を合わせてから口に運んでしまった。
口にしてしまっては仕方がない。
この、幾らするかわからないけど普通の学生には縁のない料理分は働こうと思った。まる。