巻き込み事故
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突き刺さる視線に耐えきれず、小さい声で「タイム」と宣言し、練くんを引っ張り一度家から出る。
「え、なに、あの敵意百パーセント。あまりにも怖くて、年下相手に泣きそうだよ」
「言い忘れていた、すまない」
なにをどう言い忘れていたのか問いただせば、例の超絶美少女が一度だけ家に押しかけてきた事があったそうだ。
押しが強いにも程がある、超絶美少女。
それに加え、その超絶美少女が原因で胃潰瘍で倒れたという事もあり、練くんの家では女が来る事をあまりいいとは思っていないそうだ。
それが、練くんの紹介と言えども怪しんでいるらしい。
「そういう注意事項は事前に言ってくれないと、心臓ぎゅってなっちゃうんですけど?」
「だから、すまないと言っているじゃないか。休憩の時に、美味しいゼリーでもだしてやるから機嫌をなおしてくれ」
餌付けが手馴れて来ましたね、練さん。
ま、まぁ、貰ってやらん事はない。
とにもかくにも、警戒心を解かねば勉強なんて教えられないので、深呼吸を数回してもう一度のあの針のむしろへと突入すべく、玄関へ続く扉を開ける。
「本日より、練くん……白雄さんのご紹介で家庭教師を務めさせて頂きます、雷春泉と申します。お口にあうかわかりませんが、こちらの品をお受け取り下さい」
「営業みたいな挨拶だな」
「練くん、おだまり!」
人が緊張しながら挨拶をしているというのに、隣で愉快そうにコメントをする練くん。
誰の所為で、心の準備もなくこんな目にあっていると思っているのかね!
私が差し出したお煎餅の箱を、数少ない敵意なしの黒髪美人の女の子が「ご丁寧にありがとうございます」と言い、受け取ってくれた。
もう、これだけで癒される。
「ねぇ、雷はどうやって雄兄に取り入ったの」
一見すると女の子のような三つ編み男の子に、あまりにもナチュラルに呼び捨てされ、更には取り入ったと思われている事にショックを受けた。
い、いや、確かに警戒されていては取り入ったと思われても仕方がないか。
しどろもどろに「取り入ってはいないです……」と答える。
うん、取り入るどころか、がんがん巻き込まれているのは私の方だし。
動揺して視線が泳いでいたのが怪しかったのか、赤髪でギラついた男の人と、少し練くん似の男の人が迫り「本当だろうな!」と問い詰めてくる。
「れ、練くん……!怖い!」
「白蓮、紅炎。面白いが、それ以上は可哀想だ。やめてやれ」
「おい、いま面白いって言わなかったか?」
私の質問を完全に無視し、未だに目を吊り上げる白蓮、紅炎と呼ばれた二人にストップをかける。
「ですが、兄上!」
「白蓮。とにかく、玄関先で客人を待たせるのはよくない。一度、リビングに行くぞ」
そう言い、さっさとリビングへと向かってしまった練くんのあとを追うべきか、全員が行ってから行くべきか悩んだけれども、警戒心MAXな彼らは私に背中を向けるつもりがないのか、動こうとしない。
なんだろう、下手な動きをしたら背中から刺されるのかな……。
「え、なに、あの敵意百パーセント。あまりにも怖くて、年下相手に泣きそうだよ」
「言い忘れていた、すまない」
なにをどう言い忘れていたのか問いただせば、例の超絶美少女が一度だけ家に押しかけてきた事があったそうだ。
押しが強いにも程がある、超絶美少女。
それに加え、その超絶美少女が原因で胃潰瘍で倒れたという事もあり、練くんの家では女が来る事をあまりいいとは思っていないそうだ。
それが、練くんの紹介と言えども怪しんでいるらしい。
「そういう注意事項は事前に言ってくれないと、心臓ぎゅってなっちゃうんですけど?」
「だから、すまないと言っているじゃないか。休憩の時に、美味しいゼリーでもだしてやるから機嫌をなおしてくれ」
餌付けが手馴れて来ましたね、練さん。
ま、まぁ、貰ってやらん事はない。
とにもかくにも、警戒心を解かねば勉強なんて教えられないので、深呼吸を数回してもう一度のあの針のむしろへと突入すべく、玄関へ続く扉を開ける。
「本日より、練くん……白雄さんのご紹介で家庭教師を務めさせて頂きます、雷春泉と申します。お口にあうかわかりませんが、こちらの品をお受け取り下さい」
「営業みたいな挨拶だな」
「練くん、おだまり!」
人が緊張しながら挨拶をしているというのに、隣で愉快そうにコメントをする練くん。
誰の所為で、心の準備もなくこんな目にあっていると思っているのかね!
私が差し出したお煎餅の箱を、数少ない敵意なしの黒髪美人の女の子が「ご丁寧にありがとうございます」と言い、受け取ってくれた。
もう、これだけで癒される。
「ねぇ、雷はどうやって雄兄に取り入ったの」
一見すると女の子のような三つ編み男の子に、あまりにもナチュラルに呼び捨てされ、更には取り入ったと思われている事にショックを受けた。
い、いや、確かに警戒されていては取り入ったと思われても仕方がないか。
しどろもどろに「取り入ってはいないです……」と答える。
うん、取り入るどころか、がんがん巻き込まれているのは私の方だし。
動揺して視線が泳いでいたのが怪しかったのか、赤髪でギラついた男の人と、少し練くん似の男の人が迫り「本当だろうな!」と問い詰めてくる。
「れ、練くん……!怖い!」
「白蓮、紅炎。面白いが、それ以上は可哀想だ。やめてやれ」
「おい、いま面白いって言わなかったか?」
私の質問を完全に無視し、未だに目を吊り上げる白蓮、紅炎と呼ばれた二人にストップをかける。
「ですが、兄上!」
「白蓮。とにかく、玄関先で客人を待たせるのはよくない。一度、リビングに行くぞ」
そう言い、さっさとリビングへと向かってしまった練くんのあとを追うべきか、全員が行ってから行くべきか悩んだけれども、警戒心MAXな彼らは私に背中を向けるつもりがないのか、動こうとしない。
なんだろう、下手な動きをしたら背中から刺されるのかな……。