巻き込み事故
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺の名前は練白雄。
学生の本分は勉学と思い、今までサークルにも参加せずに勉学に励んできた。
故に、学友というものがいなかった俺だが、最近、友達ができた。
それが今現在、俺の隣で寝息をたてている雷春泉なのだが。
誰にでもいいから問いたい。
気を抜きすぎではないか、こいつ。
確かに連れ込んだのは俺だが、それでも普通に男の隣で爆睡するのはどうなんだろうか。
映画にも集中できないので、雷を揺するが反応はない。
こういう事をすると嫌がられそうだからあまりしたくないのでけれど、このままリビングで寝かすわけにもいかないので、雷の膝裏に手を入れ抱き上げる。
そのまま客室として使っている部屋のベッドに寝かしつける。
数時間前に言っていた、雷の言葉を思い出す。
『これからは危機感もって気を付けるから許して!』
危機感もって気を付けるんじゃないのか。
そう思いながら、危機感の欠片もない安らかな寝顔に呆れて溜息を吐いてしまう。
俺がしっかり見ていないと、どこかの誰かも知らない男に襲われそうな程に彼女は無防備だ。
明日にでもまた少しいじめてみるかと思いながら、寝ている雷に「おやすみ」と言い、自分の寝室に戻った。
その日、夢を見た。
雷が悲しそうな目で隣に座っていた。
『雷、話とはなんだ?』
俺の問いかけに、雷は身を震わせながら涙声で『私、汚されちゃったの……』と言った。
怒りに目を見張り『どこのどいつだ!』と叫んだのと同時に目が覚めた。
最悪な目覚めだな。
気持ちのいい朝日を浴び、戸締りはしっかりしたのだから雷にはなにもないと思いつつも、客室に入ると相変わらず安らかな寝顔をしていた。
「……」
少し腹がたったので張りのある頬をつつくと「やめてよ練くん……むにゃ……」と寝言を言う。
満足したのでキッチンに立ち、朝食の準備をする事にした。
雷に朝食はなにがいいか聞いていなかったが、食いしん坊な彼女の事だ。
なにを出しても喜んで食べてくれるだろう。
その姿を想像しただけで、にやけてしまうしそんな顔を見たいが為にちょっと凝った物を作ってみようと思った。
思ったのだが、流石にちょっと作りすぎた気がする。
旅館の朝食並みの多さだ。
意外と浮かれている自分に恥ずかしくなっていると、目をこすりながら雷がリビングに出てきた。
「おはよー、練くん」
「ああ、おはよう雷。朝食はもうできているから、顔と口を洗ってこい」
「えっ!ごめん!なにも手伝えなくて!」
「いや、いいんだ。気にせず食べてくれ」
「うわー、ありがとう!すごいね!旅館の朝食みたい!」
大喜びの雷の顔を見て、温かい気持ちになる。
身支度と着替えを済ませてきた雷を向かいに座らせ、二人で一緒に「いただきます」と言う。
「んー!美味しい!」
幸せそうに食べる姿は、ハムスターが餌を頬張る姿に似ていてつい微笑ましくなってしまうな。
「練くん、すごいね!こんな美味しいご飯つくれるなんて!」
「雷は普段、どんな朝食を食べているんだ?」
「卵かけご飯」
「は?」
「卵かけご飯」
聞き慣れない食べ物の説明を雷がしてくれたが、端的に言えばといた生卵を白米にかけるシンプルな食事らしい。
この旅館並みの料理を平らげる雷が、そんな量の朝食で足りるのかと聞けば、雷は「貧乏とは忍耐」と語った。
「そんなに金がないのか?」
心配になり思わず聞くと雷は「家賃分しか実家から貰わないようにしてるの」と言った。
「本当は家賃も自分で払いたいけど、そうなると勉強できなくなるからさ。自分の事は自分でしたいんだ」
だから、今日はおなかいっぱい食べられて幸せ。
そう満面の笑みを浮かべる雷を見て目頭が熱くなった。
なんて健気な女性なんだ。
学生の本分は勉学と思い、今までサークルにも参加せずに勉学に励んできた。
故に、学友というものがいなかった俺だが、最近、友達ができた。
それが今現在、俺の隣で寝息をたてている雷春泉なのだが。
誰にでもいいから問いたい。
気を抜きすぎではないか、こいつ。
確かに連れ込んだのは俺だが、それでも普通に男の隣で爆睡するのはどうなんだろうか。
映画にも集中できないので、雷を揺するが反応はない。
こういう事をすると嫌がられそうだからあまりしたくないのでけれど、このままリビングで寝かすわけにもいかないので、雷の膝裏に手を入れ抱き上げる。
そのまま客室として使っている部屋のベッドに寝かしつける。
数時間前に言っていた、雷の言葉を思い出す。
『これからは危機感もって気を付けるから許して!』
危機感もって気を付けるんじゃないのか。
そう思いながら、危機感の欠片もない安らかな寝顔に呆れて溜息を吐いてしまう。
俺がしっかり見ていないと、どこかの誰かも知らない男に襲われそうな程に彼女は無防備だ。
明日にでもまた少しいじめてみるかと思いながら、寝ている雷に「おやすみ」と言い、自分の寝室に戻った。
その日、夢を見た。
雷が悲しそうな目で隣に座っていた。
『雷、話とはなんだ?』
俺の問いかけに、雷は身を震わせながら涙声で『私、汚されちゃったの……』と言った。
怒りに目を見張り『どこのどいつだ!』と叫んだのと同時に目が覚めた。
最悪な目覚めだな。
気持ちのいい朝日を浴び、戸締りはしっかりしたのだから雷にはなにもないと思いつつも、客室に入ると相変わらず安らかな寝顔をしていた。
「……」
少し腹がたったので張りのある頬をつつくと「やめてよ練くん……むにゃ……」と寝言を言う。
満足したのでキッチンに立ち、朝食の準備をする事にした。
雷に朝食はなにがいいか聞いていなかったが、食いしん坊な彼女の事だ。
なにを出しても喜んで食べてくれるだろう。
その姿を想像しただけで、にやけてしまうしそんな顔を見たいが為にちょっと凝った物を作ってみようと思った。
思ったのだが、流石にちょっと作りすぎた気がする。
旅館の朝食並みの多さだ。
意外と浮かれている自分に恥ずかしくなっていると、目をこすりながら雷がリビングに出てきた。
「おはよー、練くん」
「ああ、おはよう雷。朝食はもうできているから、顔と口を洗ってこい」
「えっ!ごめん!なにも手伝えなくて!」
「いや、いいんだ。気にせず食べてくれ」
「うわー、ありがとう!すごいね!旅館の朝食みたい!」
大喜びの雷の顔を見て、温かい気持ちになる。
身支度と着替えを済ませてきた雷を向かいに座らせ、二人で一緒に「いただきます」と言う。
「んー!美味しい!」
幸せそうに食べる姿は、ハムスターが餌を頬張る姿に似ていてつい微笑ましくなってしまうな。
「練くん、すごいね!こんな美味しいご飯つくれるなんて!」
「雷は普段、どんな朝食を食べているんだ?」
「卵かけご飯」
「は?」
「卵かけご飯」
聞き慣れない食べ物の説明を雷がしてくれたが、端的に言えばといた生卵を白米にかけるシンプルな食事らしい。
この旅館並みの料理を平らげる雷が、そんな量の朝食で足りるのかと聞けば、雷は「貧乏とは忍耐」と語った。
「そんなに金がないのか?」
心配になり思わず聞くと雷は「家賃分しか実家から貰わないようにしてるの」と言った。
「本当は家賃も自分で払いたいけど、そうなると勉強できなくなるからさ。自分の事は自分でしたいんだ」
だから、今日はおなかいっぱい食べられて幸せ。
そう満面の笑みを浮かべる雷を見て目頭が熱くなった。
なんて健気な女性なんだ。