皇子と私
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白雄様の部屋を訪れると、私が言葉を発する前に「体は大丈夫か?」と労られた。
私は「はい、白雄様が部屋まで送ってくださったので、風邪ひとつございません」と答えると、安心したように「そうか」と仰った。
あの後、目が覚めたら自室にいたので、母に理由を聞くと白雄様が気絶した私を抱えて、部屋まで運んでくれたらしい。
大変ありがたいことなのだけれど、もし誰かに見られたら顰蹙を買ってしまう。
それに、誰かに見られている時は一般臣下かそれ以下の対応をしてくれと頼んだじゃないですか。
そう私が言うと、白雄様は眉根を寄せて「お前は俺をなんだと思っているんだ」と問うてきたので間髪入れず「かっこつけ魔のお子様」と答える。
「李鈴、ちょっと来い。一回、躾直してやる」
「やだなー、冗談ですよ~」
「まったく……。普通、廊下で女が倒れていたら医務室まで運ぶだろ」
「え~!白雄様、超優しい~!」
私の冷やかしに、白雄様は額に青筋を浮かべて「やっぱり、ちょっと来い。尻百叩きしてやる」と膝を叩いて「来い」と言う。
嫌ですよ。
百叩きされるの分かってるのに、行くわけないでしょうが。
べっ!と舌を出すと、白雄様は顔をひきつらせたかと思ったら、だらしなく座っていた長椅子から機敏に立ち上がり襲いかかってきた。
私の尻を百叩きせんと掴みかかる白雄様の手を掴み防衛するが、やはり男女の力量差は歴然で、私が陥落するのは時間の問題か!
「だとしても!百叩きは!嫌だ!でりゃぁ!」
自由のきく足で思い切り白雄様の腹を蹴りあげると「ぐっ!」と呻き声をあげ、腹を押さえて丸くなり動かなくなる。
最初はざまーみろ!と思っていたが、一向に白雄様は動かない。
え、ちょっ、当たりどころもしかして悪かった?
心配になり白雄様の側にしゃがみこみ、声をかけようとした瞬間だった。
胸ぐらを捕まれ、白雄様の膝の上に引き倒される。
「抜かったな!李鈴!」
「卑怯ですよ白雄様!」
「心理戦もまた兵法だ!覚悟しろ!そのひねくれた精根叩き直してやる!」
「嫌だー!」
膝の上で必死にもがくが、不自然な体勢で上手く力が入らない上に腕力の差で、私の尻百叩きが敢行された。
女だから加減はしてくれるだろうと思ったのに、遠慮なしの尻叩きに私のおしりは真っ赤だ。
見てないから分からないけど、たぶん赤い。
呻き声をあげて尻を擦っていると、白雄様が「心配損とはこのことだ」と仰った。
「気になって血痕を辿っていったら顔面蒼白で倒れてるから、死んだのかと思ったんだぞ。それが、ただの貧血で夜には憎まれ口を叩けるまでに回復してる。本当に心配して損した」
「やだ~!白雄様、そんなに私のこと心配してくれてたんですか~?」
にやにやと笑う私に、白雄様は左手を振り上げ「もう百回いっとくか?」と聞いてきたので、今回は素直に謝る。
流石に、もう百回はきつい。
居ずまいを正し咳払いをして場の空気を整え、深く頭を垂れる。
「この度は、ご心配をお掛けしてしまい申し訳ありません。傷は深くはなかったのですが、朝から貧血気味だったのと相まって気を失ってしまいまして」
「大事ないならいい。白蓮は来たか?」
「はい。随分、慌てたご様子でした。何度も謝罪のお言葉を頂き、終いには傷が残ったら娶るとまで仰っていました」
あの慌てようは、こちらまで不安になるほどだった。
白雄様は難しい顔をしながら「傷は残るのか?」と問うてきたので、笑いながら「まさか」と返答する。
「それはよかった。お前みたいな妹はごめんこうむる」
「おや、存外可愛い妹になるかもしれませんよ?手がかかるほど可愛いと言うじゃありませんか、お兄様?」
これでもかという位、顔をしかめる白雄様が面白くてくすくす笑いながら「まあ、後宮暮らしはこちらこそ願い下げですけどね」と言うと、「今よりいい生活になるぞ」と白雄様。
「嫌ですよ。来るかどうかも分からない皇子様を日がな一日部屋に籠って待つだなんて。同じ籠るなら、研究室に籠ってる方がいいです」
それに、後宮に入ったら白雄様に会えなくなるじゃないですか。
そう言うと、白雄様が真面目な顔で「俺のこと大好きだな、お前」と仰るので「好きじゃなかったら、憎まれ口なんてたたきませんよ」と笑って返したら、少し間を空けて「俺も好きだ」と小さく呟かれたの、聞き逃しませんでしたよ。
「ふふっ。両思いですね、私たち」
私の冗談に、白雄様も笑って「相思相愛だな」と笑って返された。
私は「はい、白雄様が部屋まで送ってくださったので、風邪ひとつございません」と答えると、安心したように「そうか」と仰った。
あの後、目が覚めたら自室にいたので、母に理由を聞くと白雄様が気絶した私を抱えて、部屋まで運んでくれたらしい。
大変ありがたいことなのだけれど、もし誰かに見られたら顰蹙を買ってしまう。
それに、誰かに見られている時は一般臣下かそれ以下の対応をしてくれと頼んだじゃないですか。
そう私が言うと、白雄様は眉根を寄せて「お前は俺をなんだと思っているんだ」と問うてきたので間髪入れず「かっこつけ魔のお子様」と答える。
「李鈴、ちょっと来い。一回、躾直してやる」
「やだなー、冗談ですよ~」
「まったく……。普通、廊下で女が倒れていたら医務室まで運ぶだろ」
「え~!白雄様、超優しい~!」
私の冷やかしに、白雄様は額に青筋を浮かべて「やっぱり、ちょっと来い。尻百叩きしてやる」と膝を叩いて「来い」と言う。
嫌ですよ。
百叩きされるの分かってるのに、行くわけないでしょうが。
べっ!と舌を出すと、白雄様は顔をひきつらせたかと思ったら、だらしなく座っていた長椅子から機敏に立ち上がり襲いかかってきた。
私の尻を百叩きせんと掴みかかる白雄様の手を掴み防衛するが、やはり男女の力量差は歴然で、私が陥落するのは時間の問題か!
「だとしても!百叩きは!嫌だ!でりゃぁ!」
自由のきく足で思い切り白雄様の腹を蹴りあげると「ぐっ!」と呻き声をあげ、腹を押さえて丸くなり動かなくなる。
最初はざまーみろ!と思っていたが、一向に白雄様は動かない。
え、ちょっ、当たりどころもしかして悪かった?
心配になり白雄様の側にしゃがみこみ、声をかけようとした瞬間だった。
胸ぐらを捕まれ、白雄様の膝の上に引き倒される。
「抜かったな!李鈴!」
「卑怯ですよ白雄様!」
「心理戦もまた兵法だ!覚悟しろ!そのひねくれた精根叩き直してやる!」
「嫌だー!」
膝の上で必死にもがくが、不自然な体勢で上手く力が入らない上に腕力の差で、私の尻百叩きが敢行された。
女だから加減はしてくれるだろうと思ったのに、遠慮なしの尻叩きに私のおしりは真っ赤だ。
見てないから分からないけど、たぶん赤い。
呻き声をあげて尻を擦っていると、白雄様が「心配損とはこのことだ」と仰った。
「気になって血痕を辿っていったら顔面蒼白で倒れてるから、死んだのかと思ったんだぞ。それが、ただの貧血で夜には憎まれ口を叩けるまでに回復してる。本当に心配して損した」
「やだ~!白雄様、そんなに私のこと心配してくれてたんですか~?」
にやにやと笑う私に、白雄様は左手を振り上げ「もう百回いっとくか?」と聞いてきたので、今回は素直に謝る。
流石に、もう百回はきつい。
居ずまいを正し咳払いをして場の空気を整え、深く頭を垂れる。
「この度は、ご心配をお掛けしてしまい申し訳ありません。傷は深くはなかったのですが、朝から貧血気味だったのと相まって気を失ってしまいまして」
「大事ないならいい。白蓮は来たか?」
「はい。随分、慌てたご様子でした。何度も謝罪のお言葉を頂き、終いには傷が残ったら娶るとまで仰っていました」
あの慌てようは、こちらまで不安になるほどだった。
白雄様は難しい顔をしながら「傷は残るのか?」と問うてきたので、笑いながら「まさか」と返答する。
「それはよかった。お前みたいな妹はごめんこうむる」
「おや、存外可愛い妹になるかもしれませんよ?手がかかるほど可愛いと言うじゃありませんか、お兄様?」
これでもかという位、顔をしかめる白雄様が面白くてくすくす笑いながら「まあ、後宮暮らしはこちらこそ願い下げですけどね」と言うと、「今よりいい生活になるぞ」と白雄様。
「嫌ですよ。来るかどうかも分からない皇子様を日がな一日部屋に籠って待つだなんて。同じ籠るなら、研究室に籠ってる方がいいです」
それに、後宮に入ったら白雄様に会えなくなるじゃないですか。
そう言うと、白雄様が真面目な顔で「俺のこと大好きだな、お前」と仰るので「好きじゃなかったら、憎まれ口なんてたたきませんよ」と笑って返したら、少し間を空けて「俺も好きだ」と小さく呟かれたの、聞き逃しませんでしたよ。
「ふふっ。両思いですね、私たち」
私の冗談に、白雄様も笑って「相思相愛だな」と笑って返された。