皇子と私
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「日も落ちてきた。そろそろ帰るぞ、李鈴」
「では、お土産を買って帰りますか」
近場の土産屋に入り、一つ一つ物色する。
「この置物どうですか?一対の鯉とかおしどりとか、お相手が喜ぶんじゃないですか?」
「お前……」
「相思相愛、夫婦円満。雄姉様には必要かと」
ほらほら、と押し付けると「やめろ」と言いながら脇腹を突かれた。
それでも気になったのか、置物を持ってうろうろしだす。
結局、白雄様は両手いっぱいにお土産を買って私の部屋へ戻ると、荷物を机に放り投げて椅子へどっかりと座りこみ鬘を外した。
「疲れた……」
「お疲れ様です。化粧落としましょうか。はい、化粧落とし」
と言っても動かない白雄様の手を引っ張って無理矢理立たせ洗面所へ歩かせる。
顔を洗わせ、部屋へ戻って疲れ切った白雄様の女物の服を引っぺがす。
丸裸にされた白雄様はふらふらと寝台へと向かい、そのまま寝台へ横たわった。
「ちょっと、白雄様。その格好で人の寝台で寝ないでくださいよ」
「無理だ。寝かせてくれ」
「いやいやいや、本当にやめてください」
必死に揺り動かしても目を覚ます気配を見せず、静かな寝息をたてはじめた。
おいおい、こんな所、誰かに見られたら誤解しか生まないぞ。
致し方ない。
とりあえず、布団をかぶせておこうと思ったらノックなしに扉が開いて白蓮様が入ってきた。
「李鈴。兄上知らないか?」
「ちょっと待ってください!」
私の制止も聞かず、寝台を覗き込んだ白蓮様が顔を青くして「お前、まさか……」と言い出した。
くそー、私が何をしたっていうんだ。
「白蓮様、お願いです。事情を聞いてください」
「いや、だってお前……。第一皇子が裸で寝台にいるってどういう事情があるっていうんだよ」
恐れ戦く白蓮様に、女装の部分だけを隠して話すと神妙な顔で「紅炎を呼ぼう」と最悪な提案をした。
「ダメです!紅炎様はダメです!話とか聞く前に剣を抜きます絶対に!」
「けど、俺とお前じゃ兄上を着替えさせるのは難しいし、かといってこのまま放置もまずいだろ?」
「そうだけど、そうだけど……!」
嫌だ、まだ死にたくないと駄々をこねていたら「李鈴、白雄様を知らないか?」とノックなしで紅炎様が入ってきた。
なんでみんな、この部屋に来るかな?!
紅炎様も寝台で眠る白雄様を見つけ、青い顔をしたのちにゆっくりとこちらを向き「李鈴、首を差し出せ」と言いながら剣を抜いた。
ほんともう、勘弁してくれよ……。
白蓮様を盾に、なんとか状況の説明をして、白蓮様の説得もあり何とか剣はおさめてもらった。
「どうする?」
「どう致しましょうか?」
「ゆすっても起きないんですよね……。はあ、寝台に入れる裸の男性は素敵な旦那様だけって決めてたのに……」
顔を覆って深々と溜息を吐くと、白蓮様が「意外と身持ちが固いんだな」と仰った。
女子なら誰しもそんな淡い夢を見てしまうのは必然だと思う。
もう一度、深々と溜息を吐きながら白蓮様と紅炎様に寝ている白雄様を両脇から支えて貰いややこしい服を着せていく。
「李鈴。裸については、何も言わないんだな」と、白蓮様。
「何がですか?ん?この帯どうなってるんだ?」
「いやに、裸慣れしているというか。普通、女性なら男の裸を見たら叫んでどっか行きそうな気もするが……」
「李鈴!貴様まさか、以前にもこういった事があるのか……!」
紅炎様が声を張り上げて詰問してきたが、違うんだ聞いてくれ。
「白雄様とはこれが初めてです。裸は一族の宴会で脱ぎだす輩がいるので、昔から見慣れているだけです。お、いい感じ」
手元を見ながら話していたので、白蓮様と紅炎様がわなついているのに気が付かなかった。
なので、突然、白蓮様が「李鈴、お前ー!」と言い出して、流石に驚いた。
「白雄様を一般臣下の体と同列に扱うとは何事だ!」
と、紅炎様。
「そうだ!兄上の体は凄いんだぞ!よく見ろ!」
と言いながら白蓮様は折角着付けた服を崩していく。
えぇ、お前……。
私の苦労が水の泡になりそうな事にも、体と言うか局部を見せつけられそうになった事にもドン引きしていたが、まあ、全部脱がされる前にいつの間にか起きていた白雄様が白蓮様を殴ったのでオールオッケーです。
「兄上、痛いです……」
「痛い様に殴ったからな。まったく、女性に見せびらかす物じゃないだろ」
「え、でも、兄上、素っ裸……」
白蓮様が口走る前に白雄様の睨みで黙らされた。
「はぁ、李鈴。続けろ」
いや、自分で着ろよ。とは思うものの、白蓮様と紅炎様の手前そんな馴れ馴れしい口はきけないので「御意」とだけ言い、着付けを再開する。
悪戦苦闘しながらも何とか着付け終わり、白蓮様と紅炎様に荷物を持たせて漸く帰るかと思ったら、袋を一つ漁り小袋を差し出してきた。
「今日、付き合ってくれた礼だ。受け取れ」
「ありがとうございます」
「ではな」
そう言い、白蓮様と紅炎様を連れて白雄様が去った後に袋の中身を出すと、一対の鯉とおしどりの片割れだった。
意図を把握できないが、前に相思相愛がどうとか冗談で言っていたし、おしどりは仲が良いという意味だろう。
まあ、白雄様からもらった物を突き返すほど命知らずではないので、ありがたく机の上の肥やしにしよう。
「では、お土産を買って帰りますか」
近場の土産屋に入り、一つ一つ物色する。
「この置物どうですか?一対の鯉とかおしどりとか、お相手が喜ぶんじゃないですか?」
「お前……」
「相思相愛、夫婦円満。雄姉様には必要かと」
ほらほら、と押し付けると「やめろ」と言いながら脇腹を突かれた。
それでも気になったのか、置物を持ってうろうろしだす。
結局、白雄様は両手いっぱいにお土産を買って私の部屋へ戻ると、荷物を机に放り投げて椅子へどっかりと座りこみ鬘を外した。
「疲れた……」
「お疲れ様です。化粧落としましょうか。はい、化粧落とし」
と言っても動かない白雄様の手を引っ張って無理矢理立たせ洗面所へ歩かせる。
顔を洗わせ、部屋へ戻って疲れ切った白雄様の女物の服を引っぺがす。
丸裸にされた白雄様はふらふらと寝台へと向かい、そのまま寝台へ横たわった。
「ちょっと、白雄様。その格好で人の寝台で寝ないでくださいよ」
「無理だ。寝かせてくれ」
「いやいやいや、本当にやめてください」
必死に揺り動かしても目を覚ます気配を見せず、静かな寝息をたてはじめた。
おいおい、こんな所、誰かに見られたら誤解しか生まないぞ。
致し方ない。
とりあえず、布団をかぶせておこうと思ったらノックなしに扉が開いて白蓮様が入ってきた。
「李鈴。兄上知らないか?」
「ちょっと待ってください!」
私の制止も聞かず、寝台を覗き込んだ白蓮様が顔を青くして「お前、まさか……」と言い出した。
くそー、私が何をしたっていうんだ。
「白蓮様、お願いです。事情を聞いてください」
「いや、だってお前……。第一皇子が裸で寝台にいるってどういう事情があるっていうんだよ」
恐れ戦く白蓮様に、女装の部分だけを隠して話すと神妙な顔で「紅炎を呼ぼう」と最悪な提案をした。
「ダメです!紅炎様はダメです!話とか聞く前に剣を抜きます絶対に!」
「けど、俺とお前じゃ兄上を着替えさせるのは難しいし、かといってこのまま放置もまずいだろ?」
「そうだけど、そうだけど……!」
嫌だ、まだ死にたくないと駄々をこねていたら「李鈴、白雄様を知らないか?」とノックなしで紅炎様が入ってきた。
なんでみんな、この部屋に来るかな?!
紅炎様も寝台で眠る白雄様を見つけ、青い顔をしたのちにゆっくりとこちらを向き「李鈴、首を差し出せ」と言いながら剣を抜いた。
ほんともう、勘弁してくれよ……。
白蓮様を盾に、なんとか状況の説明をして、白蓮様の説得もあり何とか剣はおさめてもらった。
「どうする?」
「どう致しましょうか?」
「ゆすっても起きないんですよね……。はあ、寝台に入れる裸の男性は素敵な旦那様だけって決めてたのに……」
顔を覆って深々と溜息を吐くと、白蓮様が「意外と身持ちが固いんだな」と仰った。
女子なら誰しもそんな淡い夢を見てしまうのは必然だと思う。
もう一度、深々と溜息を吐きながら白蓮様と紅炎様に寝ている白雄様を両脇から支えて貰いややこしい服を着せていく。
「李鈴。裸については、何も言わないんだな」と、白蓮様。
「何がですか?ん?この帯どうなってるんだ?」
「いやに、裸慣れしているというか。普通、女性なら男の裸を見たら叫んでどっか行きそうな気もするが……」
「李鈴!貴様まさか、以前にもこういった事があるのか……!」
紅炎様が声を張り上げて詰問してきたが、違うんだ聞いてくれ。
「白雄様とはこれが初めてです。裸は一族の宴会で脱ぎだす輩がいるので、昔から見慣れているだけです。お、いい感じ」
手元を見ながら話していたので、白蓮様と紅炎様がわなついているのに気が付かなかった。
なので、突然、白蓮様が「李鈴、お前ー!」と言い出して、流石に驚いた。
「白雄様を一般臣下の体と同列に扱うとは何事だ!」
と、紅炎様。
「そうだ!兄上の体は凄いんだぞ!よく見ろ!」
と言いながら白蓮様は折角着付けた服を崩していく。
えぇ、お前……。
私の苦労が水の泡になりそうな事にも、体と言うか局部を見せつけられそうになった事にもドン引きしていたが、まあ、全部脱がされる前にいつの間にか起きていた白雄様が白蓮様を殴ったのでオールオッケーです。
「兄上、痛いです……」
「痛い様に殴ったからな。まったく、女性に見せびらかす物じゃないだろ」
「え、でも、兄上、素っ裸……」
白蓮様が口走る前に白雄様の睨みで黙らされた。
「はぁ、李鈴。続けろ」
いや、自分で着ろよ。とは思うものの、白蓮様と紅炎様の手前そんな馴れ馴れしい口はきけないので「御意」とだけ言い、着付けを再開する。
悪戦苦闘しながらも何とか着付け終わり、白蓮様と紅炎様に荷物を持たせて漸く帰るかと思ったら、袋を一つ漁り小袋を差し出してきた。
「今日、付き合ってくれた礼だ。受け取れ」
「ありがとうございます」
「ではな」
そう言い、白蓮様と紅炎様を連れて白雄様が去った後に袋の中身を出すと、一対の鯉とおしどりの片割れだった。
意図を把握できないが、前に相思相愛がどうとか冗談で言っていたし、おしどりは仲が良いという意味だろう。
まあ、白雄様からもらった物を突き返すほど命知らずではないので、ありがたく机の上の肥やしにしよう。