皇子と私
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姉様や妹に化粧をする事はあっても、自分自身にするのは久しい。
濃くならない様に気を付けて、手早く終わらせて部屋から出ると腕組みをして不機嫌そうな顔をした白雄様が立っていた。
「お待たせしました」
声をかけると、文句の一つでも言うつもりだったのだろうか口を開けたが直ぐに閉じ、繁々と私の顔を眺め「化けるものだな」と仰った。
失礼だな、おい。
「化けてよそおうと書いて化粧ですからね。さあ、行きますよ、雄姉様」
私の「雄姉様」という単語に、またも難しい顔をして「その呼び方は何だ」と聞いてきた。
「今日一日の、白雄様の名前ですよ。白雄様、とは呼べないでしょう?」
にやにやと悪い笑みを浮かべる私に、白雄様は眉間に皺を寄せるので「化粧が崩れるので、皺寄せないでください」と注意をする。
今日の市井も賑わっており、煌国の繁栄が窺える。
人混みに慣れている私に対し、人波に流されていく白雄様が「李鈴……!」と情けなくわたわたしているので、白雄様の腕を抱きこむ様にしがみつき「はぐれないでください」と言い、絶対に離れない様にする。
「李鈴、胸が当たってるんだが」
「嫌ならその恰好で一人、人波に流されてもいいですよ」
「それは嫌だ」
「なら、大人しくしていてください。そもそも、人の胸に顔埋めて熟睡していた人が何を今更」
呆れ半分で言う私に、白雄様は「人目がある」と恥ずかしそうに仰った。
「人目のある所でこんなに密着するのはあまり褒められた事ではない」
「姉様は変な所で堅物ですね」
相変わらず渋い顔をする白雄様。
折角連れて来たのだから楽しそうな顔をすればいいのに、と思いながら露店で焼き鳥を数種選んで渡す。
そのまま歩こうとしたら「食べながら歩くな李鈴」と怒られた。
本当に堅物だな、と思いながら路地裏で食べていると漸く表情を崩し「美味いな」と仰った。
「これから、私がよく行く本屋とか薬草屋とか茶葉屋に行きますね」
そう言うと「服屋とかじゃないのか?」と怪訝そうな顔をされた。
「まあ、たまには行きますが頻度は少ないですね。そちらがいいのであれば行きますが、服屋の店員さんに絶対に姉様からまれますよ」
そう言うと、白雄様は「それは困る」と仰ったので予定変更なく店を回るのだが、何度となくナンパにあってしまい中々前へと進めない。
まあ、ナンパに会うのは白雄様ばかりで私は「妹さんも一緒でいいので」とおまけ扱いだ。
「モテますねぇ、姉様」
「はあ、男にモテても嬉しくないがな」
用事も済ませたので、疲れ切った白雄様を甘味所に連れて行って一服する。
「結構疲れるな」
「楽しくないですか?」
「いや、楽しいぞ。お前が楽しそうに買い物をしている姿を見るのは」
「それは、それは」
適当に返事をし、お茶とお饅頭を楽しんでいると、机に肘をつきながら白雄様がじっとこちらを微笑みながら見つめているので「なんですか」と聞くと「お前も、年相応に笑うんだな」とよくわからない事を仰った。
「普段、表情をあまり顔に出さないからな。だしても不機嫌そうな顔だったりするから、そういう風に笑う姿は新鮮だ。笑うと可愛い」
慈しみの瞳で見つめられ、どう反応していいのかわからないな。
「姉様、私を見ていないでお饅頭食べた方がいいですよ。美味しいですから」
苦し紛れにすすめると、白雄様は「ああ、そうだな」と仰いながらもにこにことこちらを見つめてくる。
食べにくいな、と思っていると柄の悪い男三人が「お姉さん綺麗だねぇ。俺達と一緒にどっかいかない?」と下卑た笑みを浮かべながら白雄様に言った。
白雄様の顔が一気に不機嫌そうにゆがめられる。
「俺……私は今、妹と茶を楽しんでいるのが見てわからないか。失せろ」
今までのナンパはこれで怖気づいて引いていたのだが、この三人、怖い物知らずなのか「強気なのもいいね!行こう!行こう!」と白雄様の腕をつかみ連れて行こうとしたが、白雄様は即座に男の腕をつかみひねりあげ「もう一度言おう。失せろ」と恐ろしい程、低い声で警告をした。
「な、なんだこの女!つえーぞ!」
「囲め!」
囲んだ所で、剣技どころか腕っぷしも強い白雄様にそこらの男が勝てるはずもなく即座に地面へと沈められた。
「姉様つよーい」
「茶化すな。もういい、行くぞ」
「はいはい。おじさん、お会計」
濃くならない様に気を付けて、手早く終わらせて部屋から出ると腕組みをして不機嫌そうな顔をした白雄様が立っていた。
「お待たせしました」
声をかけると、文句の一つでも言うつもりだったのだろうか口を開けたが直ぐに閉じ、繁々と私の顔を眺め「化けるものだな」と仰った。
失礼だな、おい。
「化けてよそおうと書いて化粧ですからね。さあ、行きますよ、雄姉様」
私の「雄姉様」という単語に、またも難しい顔をして「その呼び方は何だ」と聞いてきた。
「今日一日の、白雄様の名前ですよ。白雄様、とは呼べないでしょう?」
にやにやと悪い笑みを浮かべる私に、白雄様は眉間に皺を寄せるので「化粧が崩れるので、皺寄せないでください」と注意をする。
今日の市井も賑わっており、煌国の繁栄が窺える。
人混みに慣れている私に対し、人波に流されていく白雄様が「李鈴……!」と情けなくわたわたしているので、白雄様の腕を抱きこむ様にしがみつき「はぐれないでください」と言い、絶対に離れない様にする。
「李鈴、胸が当たってるんだが」
「嫌ならその恰好で一人、人波に流されてもいいですよ」
「それは嫌だ」
「なら、大人しくしていてください。そもそも、人の胸に顔埋めて熟睡していた人が何を今更」
呆れ半分で言う私に、白雄様は「人目がある」と恥ずかしそうに仰った。
「人目のある所でこんなに密着するのはあまり褒められた事ではない」
「姉様は変な所で堅物ですね」
相変わらず渋い顔をする白雄様。
折角連れて来たのだから楽しそうな顔をすればいいのに、と思いながら露店で焼き鳥を数種選んで渡す。
そのまま歩こうとしたら「食べながら歩くな李鈴」と怒られた。
本当に堅物だな、と思いながら路地裏で食べていると漸く表情を崩し「美味いな」と仰った。
「これから、私がよく行く本屋とか薬草屋とか茶葉屋に行きますね」
そう言うと「服屋とかじゃないのか?」と怪訝そうな顔をされた。
「まあ、たまには行きますが頻度は少ないですね。そちらがいいのであれば行きますが、服屋の店員さんに絶対に姉様からまれますよ」
そう言うと、白雄様は「それは困る」と仰ったので予定変更なく店を回るのだが、何度となくナンパにあってしまい中々前へと進めない。
まあ、ナンパに会うのは白雄様ばかりで私は「妹さんも一緒でいいので」とおまけ扱いだ。
「モテますねぇ、姉様」
「はあ、男にモテても嬉しくないがな」
用事も済ませたので、疲れ切った白雄様を甘味所に連れて行って一服する。
「結構疲れるな」
「楽しくないですか?」
「いや、楽しいぞ。お前が楽しそうに買い物をしている姿を見るのは」
「それは、それは」
適当に返事をし、お茶とお饅頭を楽しんでいると、机に肘をつきながら白雄様がじっとこちらを微笑みながら見つめているので「なんですか」と聞くと「お前も、年相応に笑うんだな」とよくわからない事を仰った。
「普段、表情をあまり顔に出さないからな。だしても不機嫌そうな顔だったりするから、そういう風に笑う姿は新鮮だ。笑うと可愛い」
慈しみの瞳で見つめられ、どう反応していいのかわからないな。
「姉様、私を見ていないでお饅頭食べた方がいいですよ。美味しいですから」
苦し紛れにすすめると、白雄様は「ああ、そうだな」と仰いながらもにこにことこちらを見つめてくる。
食べにくいな、と思っていると柄の悪い男三人が「お姉さん綺麗だねぇ。俺達と一緒にどっかいかない?」と下卑た笑みを浮かべながら白雄様に言った。
白雄様の顔が一気に不機嫌そうにゆがめられる。
「俺……私は今、妹と茶を楽しんでいるのが見てわからないか。失せろ」
今までのナンパはこれで怖気づいて引いていたのだが、この三人、怖い物知らずなのか「強気なのもいいね!行こう!行こう!」と白雄様の腕をつかみ連れて行こうとしたが、白雄様は即座に男の腕をつかみひねりあげ「もう一度言おう。失せろ」と恐ろしい程、低い声で警告をした。
「な、なんだこの女!つえーぞ!」
「囲め!」
囲んだ所で、剣技どころか腕っぷしも強い白雄様にそこらの男が勝てるはずもなく即座に地面へと沈められた。
「姉様つよーい」
「茶化すな。もういい、行くぞ」
「はいはい。おじさん、お会計」