皇子と私
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国王の選定も終わり、国内も安定しだしたので漸く帰れる運びになった。
白雄様にはこっそり「割増料金ですからね」と釘を刺すと、白雄様も「お前も約束を守れよ」と言われたが、はて?約束とは何だっただろうか。
思い出せそうで思い出せない約束をそのまま放置していたら、日に日に白雄様の表情が険しくなっていくのが見て取れた。
やばいな。
このまま放置していると、怒り出しそうだ。
滅多に怒らない白雄様を怒らせると、割と厄介だ。
何が厄介かと言うと、暇な時間を見つけると足繁く私の部屋まで来て無言の圧力をかけてくる事だ。
あれは中々、精神的に辛いものがある。
あと、無言で寝技をかけてくるのも物理的にきつい。
聞いたら絶対怒るだろうけど、このまま聞かないと対処のしようがない状態で半年は機嫌を損ねる。
致し方なく「約束って何でしたっけ?」と聞くと、真顔になった後に余所行きの笑顔で「李鈴、そこにうつ伏せで寝ころべ」と仰った。
地雷を踏みぬいたらしい。
仕方なく白雄様の言う通りにうつ伏せで横たわると、白雄様はそのまま足の方を向き私の上に乗り私の足を抱えた。
これは経験則的に逆エビ固めだな、と予測立てていると呼吸ができないほどの閉塞感と腰に痛みが来た。
「ギブギブギブ!!」
悲鳴を上げて数秒、そっと足を解放され肺いっぱいに空気を取り込む。
白雄様は依然として私の背中に乗っている。
「ごめんなさいってば。色々ありすぎて、記憶が飛んでるんですよ。許してくださいってば」
必死に許しを請うも、白雄様は沈黙。
そんな大事な約束、何かしただろうか。
記憶をたどるも、思い出せない。
唸る私に、白雄様がぼそりと「楽しみにしてたんだぞ、買い物」と言った。
それで漸く、白雄様が私について来いと言った日の夜の事を思い出した。
「あー。あれですか……。すみません。完璧、酔っ払いの戯言かと思ってました」
白雄様が逆エビ固めの準備をしだしたので慌てて「すみません!すみません!行きましょう、買い物!」ともう一度、約束を取り付ける。
白雄様が私の背中に腰を落ち着けた事に安堵しながら「明日にでも行きますか?」と尋ねる。
「行く……」
「じゃあ、変装しないといけませんね。白雄様、庶民の服なんて持ってますか?」
「持ってない」
「ですよね。じゃあ、私の方で調達しておくので何がきても着てくださいね」
念を押す私に、白雄様は「わかった」と了承する。
「では、私は明日の準備のするので退いてくれませんか?」
尚も私の背中に腰を落ち着ける白雄様に言うと、突然「明日はどこを回る」と聞かれた。
「そうですね。どこを回りたいですか?」
「李鈴が普段行っている店は見てみたいな」
「わかりました。じゃあ、二、三軒私のよく行くお店に行って甘味処でも行ってお土産でも買いましょう」
「ああ、そうだな」
「……あの、退いてくれませんか?」
腰落ち着けすぎだろ。
一応、女の背中だぞ、おい。
どうにか抜け出せないかと試行錯誤していたら、今度は体全体を背中に預けられる。
「白雄様、重いです」
私の苦情など、どこ吹く風で「李鈴、明日が楽しみだな」と心なしか弾んだ声で言われた。
白雄様にはこっそり「割増料金ですからね」と釘を刺すと、白雄様も「お前も約束を守れよ」と言われたが、はて?約束とは何だっただろうか。
思い出せそうで思い出せない約束をそのまま放置していたら、日に日に白雄様の表情が険しくなっていくのが見て取れた。
やばいな。
このまま放置していると、怒り出しそうだ。
滅多に怒らない白雄様を怒らせると、割と厄介だ。
何が厄介かと言うと、暇な時間を見つけると足繁く私の部屋まで来て無言の圧力をかけてくる事だ。
あれは中々、精神的に辛いものがある。
あと、無言で寝技をかけてくるのも物理的にきつい。
聞いたら絶対怒るだろうけど、このまま聞かないと対処のしようがない状態で半年は機嫌を損ねる。
致し方なく「約束って何でしたっけ?」と聞くと、真顔になった後に余所行きの笑顔で「李鈴、そこにうつ伏せで寝ころべ」と仰った。
地雷を踏みぬいたらしい。
仕方なく白雄様の言う通りにうつ伏せで横たわると、白雄様はそのまま足の方を向き私の上に乗り私の足を抱えた。
これは経験則的に逆エビ固めだな、と予測立てていると呼吸ができないほどの閉塞感と腰に痛みが来た。
「ギブギブギブ!!」
悲鳴を上げて数秒、そっと足を解放され肺いっぱいに空気を取り込む。
白雄様は依然として私の背中に乗っている。
「ごめんなさいってば。色々ありすぎて、記憶が飛んでるんですよ。許してくださいってば」
必死に許しを請うも、白雄様は沈黙。
そんな大事な約束、何かしただろうか。
記憶をたどるも、思い出せない。
唸る私に、白雄様がぼそりと「楽しみにしてたんだぞ、買い物」と言った。
それで漸く、白雄様が私について来いと言った日の夜の事を思い出した。
「あー。あれですか……。すみません。完璧、酔っ払いの戯言かと思ってました」
白雄様が逆エビ固めの準備をしだしたので慌てて「すみません!すみません!行きましょう、買い物!」ともう一度、約束を取り付ける。
白雄様が私の背中に腰を落ち着けた事に安堵しながら「明日にでも行きますか?」と尋ねる。
「行く……」
「じゃあ、変装しないといけませんね。白雄様、庶民の服なんて持ってますか?」
「持ってない」
「ですよね。じゃあ、私の方で調達しておくので何がきても着てくださいね」
念を押す私に、白雄様は「わかった」と了承する。
「では、私は明日の準備のするので退いてくれませんか?」
尚も私の背中に腰を落ち着ける白雄様に言うと、突然「明日はどこを回る」と聞かれた。
「そうですね。どこを回りたいですか?」
「李鈴が普段行っている店は見てみたいな」
「わかりました。じゃあ、二、三軒私のよく行くお店に行って甘味処でも行ってお土産でも買いましょう」
「ああ、そうだな」
「……あの、退いてくれませんか?」
腰落ち着けすぎだろ。
一応、女の背中だぞ、おい。
どうにか抜け出せないかと試行錯誤していたら、今度は体全体を背中に預けられる。
「白雄様、重いです」
私の苦情など、どこ吹く風で「李鈴、明日が楽しみだな」と心なしか弾んだ声で言われた。