皇子と私
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白雄様が通されたのは、離れの一室。紅炎様と私は本館の部屋を割り振られた。
紅炎様と共に白雄様の部屋を訪れ、内情調査の報告をする。
「調査のご報告ですが、やはりこの国は既に凱国に与しているようでした。通貨も、煌から凱へと変わっていました。この国の方針替えに反発した市民はいましたが、武力により抑圧状態にあります。それから、この国が統治下に置いている村々を回りましたが、どこも酷い状態でした。無理な兵役、税金の徴収。奴隷として村一つが連れて行かれた村もあるそうです。村々から、白雄様宛てに嘆願書を預かってきました。その数二十一。お確かめください」
差し出した手紙を受け取り中身を確認すると、白雄様の眉間に皺が寄った。
「李鈴、よく集めて来てくれた。お前の意見としてはどうだ」
「はい、どの村も酷い有様でした。奴隷として両親を連れて行かれた子供もいて……。早急に手を打った方がよろしいと思います」
「そうか……。これだけでも国王の首を刎ねるには十分だが、決定打が欲しいな」
「それですが。白雄様が国王と市井を回っている間に情報を集めましたが、どうやら、やはりと言うべきか白雄様暗殺を企てているようです」
私の報告に「やはりか」と溜息を吐く白雄様。
紅炎様が直ぐにでも不敬罪で捕らえようと仰るが、そうは行かないのだ。全て、私の見分では決定打とは言い難いだろう。白雄様自身が見なくては、意味がないのだ。
「幸いにして、この離れは林に囲まれています。罠を張っておけば、そのうち闇討ちにきた連中を捕らえられるかも知れません」
私の発言に紅炎様が目付きを鋭くして「白雄様を囮にするつもりか!」と怒鳴った。
えぇ、元からそのつもりだったんじゃなかったの?
ちらりと白雄様を見ると明後日の方向を向いていたので、恐らく言ってなかったんだな。
まあ、紅炎様に囮覚悟で敵地に乗り込むなどと言ったら止められそうだし。故意に言わなかったのだろう。
米神をゴリゴリと押しながら、良い言い訳はないかと考える。
「紅炎様。ここで、この国の現状を打破せねば多くの民が苦しむ事になります。それに、戦争となった時にこの国がタイミング悪く寝返れば、白雄様のお命だけでなく、兵の命も無意味に散らす事になります。白雄様は、必ず守ります。ですから、どうかご理解を」
私の言葉に乗る様に白雄様が「俺も承知している」と仰れば、困惑してはいるが強い眼差しで「必ず、殿下の御身は私と李鈴でお守り致します」と仰った。
「さて、そうと決まれば罠を張ってきますね」
いやぁ、久しぶりに本格的な罠を張るから張り切っちゃうなぁ。
白雄様から生け捕りにするよう言われているので、痺れ薬をふんだんに使った罠にしよう。
設置し終わった後に、どういった罠を張ったか白雄様に報告すると「えげつないな」と言われたが、やるならこれくらいしなければ。こちらの戦闘員は私と紅炎様だけなのだから。
紅炎様と共に白雄様の部屋を訪れ、内情調査の報告をする。
「調査のご報告ですが、やはりこの国は既に凱国に与しているようでした。通貨も、煌から凱へと変わっていました。この国の方針替えに反発した市民はいましたが、武力により抑圧状態にあります。それから、この国が統治下に置いている村々を回りましたが、どこも酷い状態でした。無理な兵役、税金の徴収。奴隷として村一つが連れて行かれた村もあるそうです。村々から、白雄様宛てに嘆願書を預かってきました。その数二十一。お確かめください」
差し出した手紙を受け取り中身を確認すると、白雄様の眉間に皺が寄った。
「李鈴、よく集めて来てくれた。お前の意見としてはどうだ」
「はい、どの村も酷い有様でした。奴隷として両親を連れて行かれた子供もいて……。早急に手を打った方がよろしいと思います」
「そうか……。これだけでも国王の首を刎ねるには十分だが、決定打が欲しいな」
「それですが。白雄様が国王と市井を回っている間に情報を集めましたが、どうやら、やはりと言うべきか白雄様暗殺を企てているようです」
私の報告に「やはりか」と溜息を吐く白雄様。
紅炎様が直ぐにでも不敬罪で捕らえようと仰るが、そうは行かないのだ。全て、私の見分では決定打とは言い難いだろう。白雄様自身が見なくては、意味がないのだ。
「幸いにして、この離れは林に囲まれています。罠を張っておけば、そのうち闇討ちにきた連中を捕らえられるかも知れません」
私の発言に紅炎様が目付きを鋭くして「白雄様を囮にするつもりか!」と怒鳴った。
えぇ、元からそのつもりだったんじゃなかったの?
ちらりと白雄様を見ると明後日の方向を向いていたので、恐らく言ってなかったんだな。
まあ、紅炎様に囮覚悟で敵地に乗り込むなどと言ったら止められそうだし。故意に言わなかったのだろう。
米神をゴリゴリと押しながら、良い言い訳はないかと考える。
「紅炎様。ここで、この国の現状を打破せねば多くの民が苦しむ事になります。それに、戦争となった時にこの国がタイミング悪く寝返れば、白雄様のお命だけでなく、兵の命も無意味に散らす事になります。白雄様は、必ず守ります。ですから、どうかご理解を」
私の言葉に乗る様に白雄様が「俺も承知している」と仰れば、困惑してはいるが強い眼差しで「必ず、殿下の御身は私と李鈴でお守り致します」と仰った。
「さて、そうと決まれば罠を張ってきますね」
いやぁ、久しぶりに本格的な罠を張るから張り切っちゃうなぁ。
白雄様から生け捕りにするよう言われているので、痺れ薬をふんだんに使った罠にしよう。
設置し終わった後に、どういった罠を張ったか白雄様に報告すると「えげつないな」と言われたが、やるならこれくらいしなければ。こちらの戦闘員は私と紅炎様だけなのだから。