怪怪
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「ちょっと、もうご紹介できる場所がありませんね……」
申し訳なさそうな表情をする職安の女性に「はぁ、仕方がないですね」と言い、これからどうしたものかと公園のベンチで考える。
財布から取り出した身分証を見つめながら「潮時かな、この身分証も」と呟く。
ここ最近、ヒーローの台頭と共に取り締まりが厳しくなってしまい偽装するのも難しくなっている。
「困ったなー」
深々と吐いたため息と大きな独り言に「若い女が随分と辛気臭い顔してるじゃねぇか」とひっくい声で返された。
声の方を向くと、上等な着物を身にまとった怖い顔の厳格そうなご老人だった。
「うわ、怖い顔」
気が緩んでいたので、思った事がそのまま口から出てしまった。
あちゃー、怒られるかなと逃げる用意だけはしていたがご老人は気にする風もなく「悪いな、怖がらせた」と、こちらが失礼を働いたのに謝ってくれた。
いやはや、昔だったら拳の一発でも飛んでくる所なのだが。
「時は流れましたねぇ」
「なに、ばあさんみたいな事を言ってんだ」
「まぁ、見た目ほど若くはないんですよね、これが……」
ははっ、と自虐的に笑うとご老人は「それで?若作りなお嬢ちゃんはなにをそんなに憂いてたんだ?」と尋ねてきたので、私は先程の事を話した。
「いやぁ、ちょっと色々理由がありまして職を紹介すらしてもらえない状態でして」
「なにをどうすればそうなるんだよ……」
まあ、諸々理由はあるんですよ、これが。とお茶を濁して「それで、これからどうしようかなと思いまして」と見ず知らずのご老人に相談してしまう程度には切羽詰まってる。
「おじ様、どこかいい職を知りませんか?なんて、教えてくれませんよねー」
「お嬢ちゃんは掃除好きか?」
脈略のない質問に一拍置いてから「まあ、いいか」と思い「好きですよ」と返せば、今度はご老人が深く溜息を吐いて「うちの若いのがな、潔癖すぎてな」とこぼす。
「あんまり潔癖すぎて、そいつ意外が掃除をすると大概なってないって怒りだすもんだ。それで、家政婦雇ってもすぐ辞めちまう」
「はー」
「それでもいいってんなら、うちに住み込みで来るか?」
「あー……へぁ?!」
予想外の申し出に、変な声が出てしまう。
住み込み?!お金も貰って?!本当に?!
「いいんですか?!こんな見ず知らずの女を?!」
「困ってる女は放っておけねェ。まあ、馬鹿な事をしたらどうなるか保証はできないがな」
「わー!やります!やります!」
即答してはしゃぐ私に、ご老人は苦笑いしながら「じゃあ、祝い酒でも飲みに行くか?奢りだ」と誘ってくれたので「行きますー!お肉!お肉食べたいです!」と見た目通りの子供らしいはしゃぎ方をする。
お肉とお酒だなんて久しぶりだな!と調子にのって、ご老人に進められるがまま高いお酒を水の様に飲んだのが悪かったんだろうな。
目が覚めたら、自室のアパートとは絶対に違うお高い部屋で布団に寝かされていた。
あー、やらかしたな、こりゃ……。
申し訳なさそうな表情をする職安の女性に「はぁ、仕方がないですね」と言い、これからどうしたものかと公園のベンチで考える。
財布から取り出した身分証を見つめながら「潮時かな、この身分証も」と呟く。
ここ最近、ヒーローの台頭と共に取り締まりが厳しくなってしまい偽装するのも難しくなっている。
「困ったなー」
深々と吐いたため息と大きな独り言に「若い女が随分と辛気臭い顔してるじゃねぇか」とひっくい声で返された。
声の方を向くと、上等な着物を身にまとった怖い顔の厳格そうなご老人だった。
「うわ、怖い顔」
気が緩んでいたので、思った事がそのまま口から出てしまった。
あちゃー、怒られるかなと逃げる用意だけはしていたがご老人は気にする風もなく「悪いな、怖がらせた」と、こちらが失礼を働いたのに謝ってくれた。
いやはや、昔だったら拳の一発でも飛んでくる所なのだが。
「時は流れましたねぇ」
「なに、ばあさんみたいな事を言ってんだ」
「まぁ、見た目ほど若くはないんですよね、これが……」
ははっ、と自虐的に笑うとご老人は「それで?若作りなお嬢ちゃんはなにをそんなに憂いてたんだ?」と尋ねてきたので、私は先程の事を話した。
「いやぁ、ちょっと色々理由がありまして職を紹介すらしてもらえない状態でして」
「なにをどうすればそうなるんだよ……」
まあ、諸々理由はあるんですよ、これが。とお茶を濁して「それで、これからどうしようかなと思いまして」と見ず知らずのご老人に相談してしまう程度には切羽詰まってる。
「おじ様、どこかいい職を知りませんか?なんて、教えてくれませんよねー」
「お嬢ちゃんは掃除好きか?」
脈略のない質問に一拍置いてから「まあ、いいか」と思い「好きですよ」と返せば、今度はご老人が深く溜息を吐いて「うちの若いのがな、潔癖すぎてな」とこぼす。
「あんまり潔癖すぎて、そいつ意外が掃除をすると大概なってないって怒りだすもんだ。それで、家政婦雇ってもすぐ辞めちまう」
「はー」
「それでもいいってんなら、うちに住み込みで来るか?」
「あー……へぁ?!」
予想外の申し出に、変な声が出てしまう。
住み込み?!お金も貰って?!本当に?!
「いいんですか?!こんな見ず知らずの女を?!」
「困ってる女は放っておけねェ。まあ、馬鹿な事をしたらどうなるか保証はできないがな」
「わー!やります!やります!」
即答してはしゃぐ私に、ご老人は苦笑いしながら「じゃあ、祝い酒でも飲みに行くか?奢りだ」と誘ってくれたので「行きますー!お肉!お肉食べたいです!」と見た目通りの子供らしいはしゃぎ方をする。
お肉とお酒だなんて久しぶりだな!と調子にのって、ご老人に進められるがまま高いお酒を水の様に飲んだのが悪かったんだろうな。
目が覚めたら、自室のアパートとは絶対に違うお高い部屋で布団に寝かされていた。
あー、やらかしたな、こりゃ……。