恋を教えてくれたあなたへ
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学級委員と言えば、真面目たちの集いし委員会のはずなのだが、やる気のない私と相澤くん。
胸元完全に開いている睡ちゃん。
そして極めつけにこれだ。
「YAHHHH!盛り上がってるかー!俺の名前は山田ひざし!将来的にはラジオパーソナリティーも勤める予定な優良株!それではエヴィバディセイ!HIZASHI!」
ハイテンションの山田氏に睡ちゃん以外は引いてしまっている。
当たり前だ。
どうして学級委員にこんな見た目パリピヤンキーな煩いのがいるのかと、誰しも疑問に思っていることだろう。
私も、山田氏が選ばれた事が謎だし睡ちゃんも謎だ。
完全に私たちは、悪い意味で目立ってしまっている。
「二人とも、もう少し落ち着きもって行動できなかったの?」
「あーんな、辛気臭い会場じゃ盛り上げたくもなるだろ?」
「そうよー。楽しい方がいいじゃないー」
ブーブー文句を言う二人に呆れていると、「俺はもう帰るからな」と相澤くんが言うので「引き止めてごめんね」と謝っていたら、二人がイタズラを思い付いたキツネのような顔をし、相澤くんを両サイドから挟んで逃がさない。
あまりに機敏な動きに、止めに入ることも叶わなかった。
「そう言わないでさぁ、一緒に親睦深めましょうよ?」
「は?」
「そうそう、ちょーっとお話しようぜ?相澤くん?」
面倒くさいの二人に捕まり困惑しきる相澤くんと、申し訳ない気持ちになる私を引きずって食堂にやって来た睡ちゃんと山田某はニヨニヨしながら向かい合って座る私と相澤くんを遠くから見ている。
面倒くさい。
「なんだよ、これ」
「ごめん、私が悪い」
山田某の口車に乗せられてしまい、本当に相澤くんを巻き込むことになろうとは。
「実は、山田……ひがし?」
「ひざし」
「そう、その彼ともう一人の先輩。香山先輩ね。が私の個性の為に面白半分に頑張ってくれてるの」
「個性?」
相澤くんにざっくり説明すれば、「面倒な個性だな」と同情してくれた。
そう、面倒なの。
「けど、どうして俺に個性がかかってないってわかったんだ?」
「私が落とした消しゴム拾ってくれたじゃん?普通ならそこで個性がかかる」
理解が追い付かない猫のような顔をする相澤くん。
一生懸命理解をしようとしてくれていたが、やはり難しかったようで「消しゴムを拾っただけで?」と、確認するように聞かれた。
日常のそんな動作が切っ掛けになるなんて、考えもしないよね。
「でも相澤くん、全然そんな気持ちにならないでしょ?」
「あぁ」
「だから、私の個性はかかってない。たぶん、相澤くんは恋愛より大切な何かがあるんだろうね」
そういう人にはかかりが悪いみたい、と言うと相澤くんは照れくさそうに頬をかく。
「じゃあ、あいつもかかってないのか?」
あいつと言われて指差されたのは、遠くで見守る黄色い鶏冠。
あれは……。
「ちょっとよくわからない」
とりあえず、そういう方向性に走りそうになったら関係解消と約束したが、現在あの鶏冠にフラグがたっているかどうかは定かではない。
一回確認した方がいいだろうかと見ていたら、鶏冠に笑顔で手を振られた。
はい、はい。
「じゃあ、あの二人はお前の個性コントロールに付き合ってるってわけか」
「いや、個性を逆手にとる方法を学ぶために恋愛しようぜ!て方針らしい」
私の説明に、相澤くんはいつもは眠そうな目をぱちくりさせ、「は?」と一文字。
「冷静になれば、わけわからないよね。その所為で、相澤くん巻き込んじゃってごめんね」
「それは構わないが、つまり、俺が疑似恋愛対象ってことだろ?言っていいのか?」
そう問われ、今度は私が吃驚した猫の顔になり「あ」と一文字。
完全にいつものノリでフラグ折りにかかってた。
しかも、たってないフラグを。
数秒考えてから、「嫌なら嫌と言ってほしい」と頼めば「今さら言いにくいだろ」と困惑の表情をされる。
「本当に、迷惑なら言って!」
「構わないよ。その個性、厄介なんだろ。どうせかかってないなら、コントロール練習に付き合う」
少しだけ口角をあげるだけの不器用な笑みに、ときめきではなく申し訳なさを感じた。
ごめん、ありがとう。
「まあ、俺も自分のことで手一杯であんまり付き合えないかも知れないから、期待はするなよ」
「あそこ二人のありがた迷惑より五百倍ありがたいよ」
「とりあえず、その恋愛フラグってやつは確率を操作するって解釈でいいのか?」
個性の解釈をしっかりさせる、という所からアプローチをする相澤くんの質問に、そういえばちゃんと考えたことがなかったなと思い、嫌な過去を手繰り寄せ考えてみる。
「どうだろう。どちらかと言うと、相手の感情を操るっていう方が合ってる気がする。フェロモンみたいな印象かな」
「けど、あんたが言うフラグイベントには法則性があるなら、確率もある程度は関わってくるんじゃないか?」
「なるほど、一理ある」
「その確率やフェロモンをコントロールできれば、ある程度の面倒事は回避できるんじゃないか?」
「難しい……」
渋い顔をする私に、「協力するよ」と相澤くんが言ってくれてとても頼もしい。
その後、相澤くんとコントロールの仕方をこれからどうしていこうかと話し合っていたら、「ちょっといいかな、お二人さん」と珍しく鶏冠が静かに会話に入ってきた。
「どうしました、鶏冠さん」
「や・ま・だ!いやさ!?さっきから話してる内容が完全に教師と生徒の面談だぜ?!これはラブ・イベントなんだから、もっとスウィートに行こうぜ!」
よくあの距離で聞こえたね、結構距離あった気がするけど。
「歌恋が恋愛初心者なのは知ってるけど、相澤くん!あなたもなの!うら若き学生なんだから、恋に身を焦がす瞬間はないの!」
睡ちゃんの熱い主張に、私は「勉学の方に身を焦がしたい」と返し、相澤くんも「俺もやりたいことあるんで」とお断りと言うように掌を向けてパリピ二人に対して壁を作る。
睡ちゃんが「なによー!枯れすぎよー!」と私の手を掴んで振り回すけど、止めてほしい。
「個性のコントロールより、活用目指すべきだろ!」
「それじゃ、旗館の負担がデカイだろうが」
相澤くんと山田くんは別の方面で言い争いしていたら、その場に居合わせた校長から静かに「静かにしなさい」と怒られたので、その日は解散となった。
山田くんの思惑とは異なるが、相澤くんと仲良くなれた気がするので雨降って地固まる。
胸元完全に開いている睡ちゃん。
そして極めつけにこれだ。
「YAHHHH!盛り上がってるかー!俺の名前は山田ひざし!将来的にはラジオパーソナリティーも勤める予定な優良株!それではエヴィバディセイ!HIZASHI!」
ハイテンションの山田氏に睡ちゃん以外は引いてしまっている。
当たり前だ。
どうして学級委員にこんな見た目パリピヤンキーな煩いのがいるのかと、誰しも疑問に思っていることだろう。
私も、山田氏が選ばれた事が謎だし睡ちゃんも謎だ。
完全に私たちは、悪い意味で目立ってしまっている。
「二人とも、もう少し落ち着きもって行動できなかったの?」
「あーんな、辛気臭い会場じゃ盛り上げたくもなるだろ?」
「そうよー。楽しい方がいいじゃないー」
ブーブー文句を言う二人に呆れていると、「俺はもう帰るからな」と相澤くんが言うので「引き止めてごめんね」と謝っていたら、二人がイタズラを思い付いたキツネのような顔をし、相澤くんを両サイドから挟んで逃がさない。
あまりに機敏な動きに、止めに入ることも叶わなかった。
「そう言わないでさぁ、一緒に親睦深めましょうよ?」
「は?」
「そうそう、ちょーっとお話しようぜ?相澤くん?」
面倒くさいの二人に捕まり困惑しきる相澤くんと、申し訳ない気持ちになる私を引きずって食堂にやって来た睡ちゃんと山田某はニヨニヨしながら向かい合って座る私と相澤くんを遠くから見ている。
面倒くさい。
「なんだよ、これ」
「ごめん、私が悪い」
山田某の口車に乗せられてしまい、本当に相澤くんを巻き込むことになろうとは。
「実は、山田……ひがし?」
「ひざし」
「そう、その彼ともう一人の先輩。香山先輩ね。が私の個性の為に面白半分に頑張ってくれてるの」
「個性?」
相澤くんにざっくり説明すれば、「面倒な個性だな」と同情してくれた。
そう、面倒なの。
「けど、どうして俺に個性がかかってないってわかったんだ?」
「私が落とした消しゴム拾ってくれたじゃん?普通ならそこで個性がかかる」
理解が追い付かない猫のような顔をする相澤くん。
一生懸命理解をしようとしてくれていたが、やはり難しかったようで「消しゴムを拾っただけで?」と、確認するように聞かれた。
日常のそんな動作が切っ掛けになるなんて、考えもしないよね。
「でも相澤くん、全然そんな気持ちにならないでしょ?」
「あぁ」
「だから、私の個性はかかってない。たぶん、相澤くんは恋愛より大切な何かがあるんだろうね」
そういう人にはかかりが悪いみたい、と言うと相澤くんは照れくさそうに頬をかく。
「じゃあ、あいつもかかってないのか?」
あいつと言われて指差されたのは、遠くで見守る黄色い鶏冠。
あれは……。
「ちょっとよくわからない」
とりあえず、そういう方向性に走りそうになったら関係解消と約束したが、現在あの鶏冠にフラグがたっているかどうかは定かではない。
一回確認した方がいいだろうかと見ていたら、鶏冠に笑顔で手を振られた。
はい、はい。
「じゃあ、あの二人はお前の個性コントロールに付き合ってるってわけか」
「いや、個性を逆手にとる方法を学ぶために恋愛しようぜ!て方針らしい」
私の説明に、相澤くんはいつもは眠そうな目をぱちくりさせ、「は?」と一文字。
「冷静になれば、わけわからないよね。その所為で、相澤くん巻き込んじゃってごめんね」
「それは構わないが、つまり、俺が疑似恋愛対象ってことだろ?言っていいのか?」
そう問われ、今度は私が吃驚した猫の顔になり「あ」と一文字。
完全にいつものノリでフラグ折りにかかってた。
しかも、たってないフラグを。
数秒考えてから、「嫌なら嫌と言ってほしい」と頼めば「今さら言いにくいだろ」と困惑の表情をされる。
「本当に、迷惑なら言って!」
「構わないよ。その個性、厄介なんだろ。どうせかかってないなら、コントロール練習に付き合う」
少しだけ口角をあげるだけの不器用な笑みに、ときめきではなく申し訳なさを感じた。
ごめん、ありがとう。
「まあ、俺も自分のことで手一杯であんまり付き合えないかも知れないから、期待はするなよ」
「あそこ二人のありがた迷惑より五百倍ありがたいよ」
「とりあえず、その恋愛フラグってやつは確率を操作するって解釈でいいのか?」
個性の解釈をしっかりさせる、という所からアプローチをする相澤くんの質問に、そういえばちゃんと考えたことがなかったなと思い、嫌な過去を手繰り寄せ考えてみる。
「どうだろう。どちらかと言うと、相手の感情を操るっていう方が合ってる気がする。フェロモンみたいな印象かな」
「けど、あんたが言うフラグイベントには法則性があるなら、確率もある程度は関わってくるんじゃないか?」
「なるほど、一理ある」
「その確率やフェロモンをコントロールできれば、ある程度の面倒事は回避できるんじゃないか?」
「難しい……」
渋い顔をする私に、「協力するよ」と相澤くんが言ってくれてとても頼もしい。
その後、相澤くんとコントロールの仕方をこれからどうしていこうかと話し合っていたら、「ちょっといいかな、お二人さん」と珍しく鶏冠が静かに会話に入ってきた。
「どうしました、鶏冠さん」
「や・ま・だ!いやさ!?さっきから話してる内容が完全に教師と生徒の面談だぜ?!これはラブ・イベントなんだから、もっとスウィートに行こうぜ!」
よくあの距離で聞こえたね、結構距離あった気がするけど。
「歌恋が恋愛初心者なのは知ってるけど、相澤くん!あなたもなの!うら若き学生なんだから、恋に身を焦がす瞬間はないの!」
睡ちゃんの熱い主張に、私は「勉学の方に身を焦がしたい」と返し、相澤くんも「俺もやりたいことあるんで」とお断りと言うように掌を向けてパリピ二人に対して壁を作る。
睡ちゃんが「なによー!枯れすぎよー!」と私の手を掴んで振り回すけど、止めてほしい。
「個性のコントロールより、活用目指すべきだろ!」
「それじゃ、旗館の負担がデカイだろうが」
相澤くんと山田くんは別の方面で言い争いしていたら、その場に居合わせた校長から静かに「静かにしなさい」と怒られたので、その日は解散となった。
山田くんの思惑とは異なるが、相澤くんと仲良くなれた気がするので雨降って地固まる。
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