恋を教えてくれたあなたへ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
雄英高校から合格通知が届き一安心し、真新しい制服に少しテンションも上がっていた。
入学式で、睡ちゃんと二人で写真を撮ったりして珍しく女子っぽくきゃっきゃしていたのに、それを壊す様に「旗館さん!」と肩を掴まれ一気にテンションは最下層へ。
睡ちゃんが苦笑いしているので、見なくてもわかる。どっかで立っていたフラグですね。
無表情で振り向けば、世の中で言う所のイケメンという部類の人が頬を赤らめて立っていた。誰だっけ、記憶にない。まあ、人の顔を覚えるのは得意ではないので大概の人は記憶にないのだけれども。
「どちら様ですか?」
訝しむ私に困惑しながら「あの、学校見学の時に道案内した伊集院だけど。覚えてないかな?」と言われるも、いや、あの全然。
静かに首を振る私に、睡ちゃんが「あなた、本当に人間に興味ないわねえ」と笑うが、そもそも学校案内しただけの先輩を覚えている方が難しくはないだろうか。
「そうか……。じゃあ、これからでもいいから、俺と仲良くしてく――」
「お断りします」
食い気味に拒否。
相手は顔面偏差値の高さゆえに、こんなはっきりと断られる事がなく、それもこんな地味中の地味な女に断られるとも思ってなかったのだろう。目が点だ。
けど、絶対に仲良くはしない。だって、こんな顔面偏差値高男なんて恨みしか買わないだろ。私、知ってる。
食らいついて来る様子もないので、苦笑する睡ちゃんの背を押してその場を立ち去る事にした。
睡ちゃんに、あとで校内案内してもらう約束をしてから入学式を終わらせ教室で配られた時間割と今後のスケジュールを確認し、あとは部活動の冊子を貰ったら終了。
睡ちゃんのところに行こうと席を立った瞬間「やっぱりいたー!」と教室どころか学校中に響くのではないかというボリュームの声が響き渡った。
うっさ、誰だよ。と思いながら、あまり関わりたくないので荷物をまとめてさっさと教室を出たところで腕を掴まれた。
「待って、待って!無視とかよくない!」
私かー、と頭痛を覚えながら苦虫を噛み潰した様な表情を隠す事なく声の主を視界に入れれば、視界一杯に広がる黄色。えっと……。
「誰?」
「ウソだろ?!入試の時に、受験票拾ってもらった!覚えてない?!」
「あー、拾ったのは覚えてますが、相手の顔までは覚えていませんね」
「MA・ZI・DE!?」
ショックを押し隠せない金髪の男子に「あの、用がないなら行ってもいいですか。人を待たせているんです」と、掴まれている腕をぶんぶん振り引きはがそうとするが放れない。
「あの……」
「じゃあ、明日!明日、一緒に昼飯食べよう!入試の時のお礼したいから!」
「いいです、お気持ちだけで」
「気になってしょうがないんだよ!」
「律儀ですね。でも、知らない人にはついて行かない様に言われているので」
「なら、名前覚えて!一年A組!山田ひざし!」
名乗られたら名乗らなければいけない気がするが、関わり合いたくないんだよなぁ、男性、しかもこの手の派手めな人とは。人間関係がこじれるから。
露骨に嫌そうな顔をして名乗らない私に対して、嫌な顔一つしないで「明日の昼、迎えに来るから!」と眩しい笑顔を向け、一方的に約束を取り付けて山田なにがしは手を振りながら走って行ってしまった。
「押しが強い……」
勢いに飲まれてしまい断り切れなかった。
「まあ、待ってるつもりはないんだけどね」
私はそこまで律儀じゃないし、義理もないし。
入学式で、睡ちゃんと二人で写真を撮ったりして珍しく女子っぽくきゃっきゃしていたのに、それを壊す様に「旗館さん!」と肩を掴まれ一気にテンションは最下層へ。
睡ちゃんが苦笑いしているので、見なくてもわかる。どっかで立っていたフラグですね。
無表情で振り向けば、世の中で言う所のイケメンという部類の人が頬を赤らめて立っていた。誰だっけ、記憶にない。まあ、人の顔を覚えるのは得意ではないので大概の人は記憶にないのだけれども。
「どちら様ですか?」
訝しむ私に困惑しながら「あの、学校見学の時に道案内した伊集院だけど。覚えてないかな?」と言われるも、いや、あの全然。
静かに首を振る私に、睡ちゃんが「あなた、本当に人間に興味ないわねえ」と笑うが、そもそも学校案内しただけの先輩を覚えている方が難しくはないだろうか。
「そうか……。じゃあ、これからでもいいから、俺と仲良くしてく――」
「お断りします」
食い気味に拒否。
相手は顔面偏差値の高さゆえに、こんなはっきりと断られる事がなく、それもこんな地味中の地味な女に断られるとも思ってなかったのだろう。目が点だ。
けど、絶対に仲良くはしない。だって、こんな顔面偏差値高男なんて恨みしか買わないだろ。私、知ってる。
食らいついて来る様子もないので、苦笑する睡ちゃんの背を押してその場を立ち去る事にした。
睡ちゃんに、あとで校内案内してもらう約束をしてから入学式を終わらせ教室で配られた時間割と今後のスケジュールを確認し、あとは部活動の冊子を貰ったら終了。
睡ちゃんのところに行こうと席を立った瞬間「やっぱりいたー!」と教室どころか学校中に響くのではないかというボリュームの声が響き渡った。
うっさ、誰だよ。と思いながら、あまり関わりたくないので荷物をまとめてさっさと教室を出たところで腕を掴まれた。
「待って、待って!無視とかよくない!」
私かー、と頭痛を覚えながら苦虫を噛み潰した様な表情を隠す事なく声の主を視界に入れれば、視界一杯に広がる黄色。えっと……。
「誰?」
「ウソだろ?!入試の時に、受験票拾ってもらった!覚えてない?!」
「あー、拾ったのは覚えてますが、相手の顔までは覚えていませんね」
「MA・ZI・DE!?」
ショックを押し隠せない金髪の男子に「あの、用がないなら行ってもいいですか。人を待たせているんです」と、掴まれている腕をぶんぶん振り引きはがそうとするが放れない。
「あの……」
「じゃあ、明日!明日、一緒に昼飯食べよう!入試の時のお礼したいから!」
「いいです、お気持ちだけで」
「気になってしょうがないんだよ!」
「律儀ですね。でも、知らない人にはついて行かない様に言われているので」
「なら、名前覚えて!一年A組!山田ひざし!」
名乗られたら名乗らなければいけない気がするが、関わり合いたくないんだよなぁ、男性、しかもこの手の派手めな人とは。人間関係がこじれるから。
露骨に嫌そうな顔をして名乗らない私に対して、嫌な顔一つしないで「明日の昼、迎えに来るから!」と眩しい笑顔を向け、一方的に約束を取り付けて山田なにがしは手を振りながら走って行ってしまった。
「押しが強い……」
勢いに飲まれてしまい断り切れなかった。
「まあ、待ってるつもりはないんだけどね」
私はそこまで律儀じゃないし、義理もないし。