魔法少女はかく語りき
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事情聴取を受け、解放される頃には夕方だった。
死柄木弔の発言の内容が内容だったので、暫くの間、母さんには警察の方が護衛につく事になった。
この間、ヒーロー殺しのニュースがあった為に、警察の方たちもピリピリしているのが感じ取れた。
職場体験当日。
母さんに「また後で~」と言って別れ、集合場所である駅に集合するといの一番に焦凍君が「先生から聞いた。大丈夫だったか?」と聞いてきた。
「ははっ。結構怖かったけど、何とか~」
「そうか……」
ほっとした表情になった焦凍君に「ありがと~」と言い、頭を撫でてあげる。
その後、何人かから死柄木弔の話を聞かれているうちに相澤先生が「本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」と注意し、各々希望の事務所へと向かっていく。
「じゃあな、心香」
「うん、またね~、焦凍君~」
そう言ってみんなと別れ、父さんや兄さんが所属しているリリルヒーロー事務所へと足を向けた。
何度も来た事のある場所ではあるが、今日は職場体験というまた違った立ち位置。
少し緊張しながらガラス張りの扉を開け、受付のお姉さん、獣南さんに「本日からお世話になります、シーカです~」と伝えると、獣南さんは私の顔を見るなり「あら!心香ちゃん!」と声をあげた。
「どうしたの?また、蓮柘君お弁当忘れたの?」
「あの、今日は職場体験で来ました~」
「あぁ!そうだったわね!あなたが来たら、社長室に通す様に言われてるのよ!場所分かるわよね?」
「はい~。ありがとうございます~」
深々と頭を下げて、社長室へと向かった。
ノックを二つすると、扉の向こうから母さん、リリルの「どうぞ」という声が聞こえた。
「失礼します」
中に入ると、黒を基調としたロングコートのヒーローコスチュームを身にまとったリリルが机に腰を掛けていた。
その瞳は、家にいる時に見せる気怠そうな瞳ではなく険を帯びた瞳だった。
いつ見ても、ヒーローモードのリリルの気迫は震えるくらい恐ろしい。
「本日からお世話になります~」
深くお辞儀をして私が顔をあげるのを見てから「今日は面接をします」と告げた。
「面接、ですか~?パトロールとか、特訓とかではなく~?」
「そうです。あなたが身内と言えど、面接がなくなるわけではありません。その予行練習ができるのですから、幸運だと思いなさい。ソファーに座りなさい」
机から腰を上げ、社長机の前にあるソファーへと腰かけたので、私も向かいに座った。
ファイルを開いて「さて」と口火を切った。
「では、まず、この事務所を選んだ理由を教えてください」
「はい~。私の兄はこの事務所でヒーローをしていまして~。そのサポートをしたいと思って選びました~」
「……つまり、サイドキック志望という事ですね?」
「はい~」
それから、普通の面接でされる質問を答えていき最後に「あなたがヒーローになろうと思った切っ掛けはなんですか?」と聞かれて、一瞬言葉が詰まる。
切っ掛け……?
「どうしました?」
「えっ?!あ、えっと……、兄の無鉄砲な姿を見ていたら私がサポートしない……と……」
本当にそうだった?
本当に私は、兄さんのサイドキックになる為にヒーローを目指したんだっけ?
悩みだした私に一瞥をくれ、リリルは「質問は以上です」と宣告した。
「結果だけ言えば、他者と比較するまでもなく不採用です」
「えっ?!」
「私の事務所には、サイドキックで終わる程度の向上心のない者は必要ありません。そして、自分の目指していたヒーロー像すら忘れている様な方は採用致しません」
「は、はい……」
「シーカ。あなたが通う、雄英の生徒たちはそんな低い意識で通っていますか?」
「……いいえ」
麗日さんは家族の為に、飯田君はお兄さんの様なヒーローになる為に、緑谷君はオールマイトの様になる為に、爆豪君も上をずっと目指している。
そして、焦凍君もちゃんと目指す場所がある。
甘い、あまりにも私の覚悟の甘さを突き付けられる。
「私が納得いく答えがでるまで、ヒーロー活動も特訓も致しません。答えが出るまで、ここにいなさい。私はパトロールに行ってきます。……連絡は自由にしていいですよ」
そう言い残してリリルは社長室を出て行った。
私がなりたいヒーローってなんだっけ……?
死柄木弔の発言の内容が内容だったので、暫くの間、母さんには警察の方が護衛につく事になった。
この間、ヒーロー殺しのニュースがあった為に、警察の方たちもピリピリしているのが感じ取れた。
職場体験当日。
母さんに「また後で~」と言って別れ、集合場所である駅に集合するといの一番に焦凍君が「先生から聞いた。大丈夫だったか?」と聞いてきた。
「ははっ。結構怖かったけど、何とか~」
「そうか……」
ほっとした表情になった焦凍君に「ありがと~」と言い、頭を撫でてあげる。
その後、何人かから死柄木弔の話を聞かれているうちに相澤先生が「本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」と注意し、各々希望の事務所へと向かっていく。
「じゃあな、心香」
「うん、またね~、焦凍君~」
そう言ってみんなと別れ、父さんや兄さんが所属しているリリルヒーロー事務所へと足を向けた。
何度も来た事のある場所ではあるが、今日は職場体験というまた違った立ち位置。
少し緊張しながらガラス張りの扉を開け、受付のお姉さん、獣南さんに「本日からお世話になります、シーカです~」と伝えると、獣南さんは私の顔を見るなり「あら!心香ちゃん!」と声をあげた。
「どうしたの?また、蓮柘君お弁当忘れたの?」
「あの、今日は職場体験で来ました~」
「あぁ!そうだったわね!あなたが来たら、社長室に通す様に言われてるのよ!場所分かるわよね?」
「はい~。ありがとうございます~」
深々と頭を下げて、社長室へと向かった。
ノックを二つすると、扉の向こうから母さん、リリルの「どうぞ」という声が聞こえた。
「失礼します」
中に入ると、黒を基調としたロングコートのヒーローコスチュームを身にまとったリリルが机に腰を掛けていた。
その瞳は、家にいる時に見せる気怠そうな瞳ではなく険を帯びた瞳だった。
いつ見ても、ヒーローモードのリリルの気迫は震えるくらい恐ろしい。
「本日からお世話になります~」
深くお辞儀をして私が顔をあげるのを見てから「今日は面接をします」と告げた。
「面接、ですか~?パトロールとか、特訓とかではなく~?」
「そうです。あなたが身内と言えど、面接がなくなるわけではありません。その予行練習ができるのですから、幸運だと思いなさい。ソファーに座りなさい」
机から腰を上げ、社長机の前にあるソファーへと腰かけたので、私も向かいに座った。
ファイルを開いて「さて」と口火を切った。
「では、まず、この事務所を選んだ理由を教えてください」
「はい~。私の兄はこの事務所でヒーローをしていまして~。そのサポートをしたいと思って選びました~」
「……つまり、サイドキック志望という事ですね?」
「はい~」
それから、普通の面接でされる質問を答えていき最後に「あなたがヒーローになろうと思った切っ掛けはなんですか?」と聞かれて、一瞬言葉が詰まる。
切っ掛け……?
「どうしました?」
「えっ?!あ、えっと……、兄の無鉄砲な姿を見ていたら私がサポートしない……と……」
本当にそうだった?
本当に私は、兄さんのサイドキックになる為にヒーローを目指したんだっけ?
悩みだした私に一瞥をくれ、リリルは「質問は以上です」と宣告した。
「結果だけ言えば、他者と比較するまでもなく不採用です」
「えっ?!」
「私の事務所には、サイドキックで終わる程度の向上心のない者は必要ありません。そして、自分の目指していたヒーロー像すら忘れている様な方は採用致しません」
「は、はい……」
「シーカ。あなたが通う、雄英の生徒たちはそんな低い意識で通っていますか?」
「……いいえ」
麗日さんは家族の為に、飯田君はお兄さんの様なヒーローになる為に、緑谷君はオールマイトの様になる為に、爆豪君も上をずっと目指している。
そして、焦凍君もちゃんと目指す場所がある。
甘い、あまりにも私の覚悟の甘さを突き付けられる。
「私が納得いく答えがでるまで、ヒーロー活動も特訓も致しません。答えが出るまで、ここにいなさい。私はパトロールに行ってきます。……連絡は自由にしていいですよ」
そう言い残してリリルは社長室を出て行った。
私がなりたいヒーローってなんだっけ……?