魔法少女はかく語りき
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もう一度、ヒーローを目指す為に俺は清算しないといけない。明日、それをしに行く。川利、一緒に来てくれないか?
轟君が全てを話し終えたのは、夕方の五時だった。
冬美さんの勧めで夕飯を頂き、轟君が家まで送り届けてくれた時にそう言われる。
清算とはなにかとは敢えて尋ねず、私は二つ返事をした。
翌日、約束の時間に駅で待ち合わせをしてやって来たのは病院だった。
緊張した面持ちの轟君に「お母さんに会いに来たの?」と聞くと「あぁ」とか細く返ってきた。
「今まで、俺の存在お母さんを追い詰めていると思って、会わなかったんだ。でも、俺が本当にしないといけないのは、お母さんを救うことだって。だから、ちゃんと話そうって決めたんだ。それが、望まれてなくても」
強く語っているが、轟君の拳は強く握られ震えていた。
その手を両手で包み込み「上手くいくように祈ってるから」と伝える。
「ありがとう。……行ってくる」
病室に入った轟君を見送り、壁に寄りかかり文庫本をとりだす。
きっと、積もる話もあるだろうと思いゆっくり読んでいたら、二時間ほどして病室から轟君が顔を覗かせた。
もう話し終わったの?と聞くと「お母さんが川利と話したいって」と言った。
私?と疑問に思いながら文庫本をしまいながら、控えめに「失礼します」と言いながら病室へ入ると、轟君の話から想像していた状態とは程遠い穏やかな表情をした轟君のお母さんがいた。
「えっと、初めまして?お久しぶりです?川利心香です~」
「覚えてるわ。いつも焦凍の隣にいたわよね。その頃から、焦凍ったら心香ちゃん心香ちゃんって毎日話しててね。さっきだって、もう三十回くらい川利がって言ってたのよ」
「お母さん!」
轟君が慌てたように遮るが、ごめん。しっかり聞こえてた。
にやけそうになるのを抑えながら「轟君にはいつもお世話になってます~」と言ってから、おばさんも轟かと思い直し「焦凍君ですね」と言いなおしたら轟君が吹いた。
どうしたの?と驚いて聞くと、轟君は口元を抑えながら「なんでもない」と言った。
釈然としない私の気持ちをおばさんが汲んでくれて、微笑みながら「名前で呼ばれたのが嬉しかったのよね、焦凍?」と言った。
「嬉しかったの?」
私の追及に、耳まで赤くしながら「ちょっと……」と轟君は答えた。
「心香ちゃん、沢山焦凍の名前を呼んであげてね。私の大切な息子の名前だから」
「はい~。これから沢山呼びますね~!」
和気藹々と話す私とおばさんに「勘弁してくれ……」と焦凍君が零したのは聞かなかったことにする。
その後、おばさんの夕飯の時間まで焦凍君の学校での活躍ぶりを話してから私たちは病室を後にした。
「お母さん、元気そうでよかったね~」
「あぁ。……川利」
「なに~?」
「お母さんはああ言ってたけど、名前、無理に呼ばなくていいからな」
視線を逸らしながら言う焦凍君の視線の先に回り込み「いいじゃん、焦凍君!これからはそう呼ぶから~!」と言い、私のことも心香って呼んでよ!と言うと、また耳まで真っ赤にしながらも「心香」と物凄く小さな声で言った。
轟君が全てを話し終えたのは、夕方の五時だった。
冬美さんの勧めで夕飯を頂き、轟君が家まで送り届けてくれた時にそう言われる。
清算とはなにかとは敢えて尋ねず、私は二つ返事をした。
翌日、約束の時間に駅で待ち合わせをしてやって来たのは病院だった。
緊張した面持ちの轟君に「お母さんに会いに来たの?」と聞くと「あぁ」とか細く返ってきた。
「今まで、俺の存在お母さんを追い詰めていると思って、会わなかったんだ。でも、俺が本当にしないといけないのは、お母さんを救うことだって。だから、ちゃんと話そうって決めたんだ。それが、望まれてなくても」
強く語っているが、轟君の拳は強く握られ震えていた。
その手を両手で包み込み「上手くいくように祈ってるから」と伝える。
「ありがとう。……行ってくる」
病室に入った轟君を見送り、壁に寄りかかり文庫本をとりだす。
きっと、積もる話もあるだろうと思いゆっくり読んでいたら、二時間ほどして病室から轟君が顔を覗かせた。
もう話し終わったの?と聞くと「お母さんが川利と話したいって」と言った。
私?と疑問に思いながら文庫本をしまいながら、控えめに「失礼します」と言いながら病室へ入ると、轟君の話から想像していた状態とは程遠い穏やかな表情をした轟君のお母さんがいた。
「えっと、初めまして?お久しぶりです?川利心香です~」
「覚えてるわ。いつも焦凍の隣にいたわよね。その頃から、焦凍ったら心香ちゃん心香ちゃんって毎日話しててね。さっきだって、もう三十回くらい川利がって言ってたのよ」
「お母さん!」
轟君が慌てたように遮るが、ごめん。しっかり聞こえてた。
にやけそうになるのを抑えながら「轟君にはいつもお世話になってます~」と言ってから、おばさんも轟かと思い直し「焦凍君ですね」と言いなおしたら轟君が吹いた。
どうしたの?と驚いて聞くと、轟君は口元を抑えながら「なんでもない」と言った。
釈然としない私の気持ちをおばさんが汲んでくれて、微笑みながら「名前で呼ばれたのが嬉しかったのよね、焦凍?」と言った。
「嬉しかったの?」
私の追及に、耳まで赤くしながら「ちょっと……」と轟君は答えた。
「心香ちゃん、沢山焦凍の名前を呼んであげてね。私の大切な息子の名前だから」
「はい~。これから沢山呼びますね~!」
和気藹々と話す私とおばさんに「勘弁してくれ……」と焦凍君が零したのは聞かなかったことにする。
その後、おばさんの夕飯の時間まで焦凍君の学校での活躍ぶりを話してから私たちは病室を後にした。
「お母さん、元気そうでよかったね~」
「あぁ。……川利」
「なに~?」
「お母さんはああ言ってたけど、名前、無理に呼ばなくていいからな」
視線を逸らしながら言う焦凍君の視線の先に回り込み「いいじゃん、焦凍君!これからはそう呼ぶから~!」と言い、私のことも心香って呼んでよ!と言うと、また耳まで真っ赤にしながらも「心香」と物凄く小さな声で言った。