魔法少女はかく語りき
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閉会式も終わり、生徒は校舎へと一度戻ってきた。
「おつかれっつうことで、明日、明後日は休校だ。プロからの指名等をこっちでまとめて、休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ」
相澤先生の言葉が耳に入らないほど、私は酷く緊張していた。
未だに轟君になんと言えばいいのか頭の中で固まっていない。
やばい、本当にやばい。
あれをこう言おうとか、むしろこう言った方がいいのかとか、グルグル考えてはいるがどれも不躾なような気がしてしまう。
「……。川利……。おい、川利」
「うわっ!あ、轟君……」
「大丈夫か?ホームルーム終わったぞ」
いつの間に?!と教室を見渡せば、皆、帰る準備をしていた。
「話があるんだろ?」
「う、うん……。話ながら帰ろうか」
私の言葉に、轟君は「わかった」と短く返す。
話ながら帰ろうと提案したのは私なのだし、話したいことがあると言ったのも私だ。
故に、私から話し出さなければいけないのだけれど、先も言った通り話がまとまっていないので、道中無言である。
な、なんて切り出そうか……。
「川利。お前の家、あっちだろ」
「んん?なに?!」
「いや、だから家、あっちだろ?」
そう言われ、漸く轟君との別れ道に差し掛かっていたことに気が付く。
なんにも話してない……!
頭を抱えたくなる気持ちを抑える。
とにかく、なにか言わねば。
「轟君あのね。私、体育祭の時に緑谷君と話してるの……、聞いちゃったんだ……」
しどろもどろに話す私の言葉を轟君は黙って聞いてくれているが、今はその沈黙が辛い。
「それで、私、今まで轟君のことをなにも知らないでここまで来ちゃったんだなって……。友達なのに、なに一つ知らなくて恥ずかしくなった……。だから……、だから、ちゃんと知りたい!友達だから一緒に背負っていきたいの!」
言い切った。言い切ったぞ、私。
肩の荷が下りて一呼吸いれて轟君の様子を伺うと、考えこむ仕草をしていた。
「と、轟君?」
「川利が……、そこまで考えくれてるとは思わなかった」
「ごめん、今までがなにも考えなさすぎた」
「いいんだ。川利が周りの連中みたいに、親父のことやお母さんのこととか火傷のことを聞いてこないのは、ありがたかった。今までは話したいとは思わなかったけど、緑谷と戦って忘れていた気持ちを思い出して……。川利、今更だけど聞いてくれるか……?」
轟君の言葉に大きく頷く。
ほっとした表情をした轟君が「ちょっと長くなるし、うち来るか?」と尋ねてきた。
「うん!行く~!へへ~。轟君、再度よろしくの握手しよ~」
差しだした手を困ったような嬉しそうな顔をして、轟君は握り返し「よろしく」と言った。
相変わらず力加減ができてなくてギリッと音がしそうだけれど、今はその痛みすら心地がいい。
「おつかれっつうことで、明日、明後日は休校だ。プロからの指名等をこっちでまとめて、休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ」
相澤先生の言葉が耳に入らないほど、私は酷く緊張していた。
未だに轟君になんと言えばいいのか頭の中で固まっていない。
やばい、本当にやばい。
あれをこう言おうとか、むしろこう言った方がいいのかとか、グルグル考えてはいるがどれも不躾なような気がしてしまう。
「……。川利……。おい、川利」
「うわっ!あ、轟君……」
「大丈夫か?ホームルーム終わったぞ」
いつの間に?!と教室を見渡せば、皆、帰る準備をしていた。
「話があるんだろ?」
「う、うん……。話ながら帰ろうか」
私の言葉に、轟君は「わかった」と短く返す。
話ながら帰ろうと提案したのは私なのだし、話したいことがあると言ったのも私だ。
故に、私から話し出さなければいけないのだけれど、先も言った通り話がまとまっていないので、道中無言である。
な、なんて切り出そうか……。
「川利。お前の家、あっちだろ」
「んん?なに?!」
「いや、だから家、あっちだろ?」
そう言われ、漸く轟君との別れ道に差し掛かっていたことに気が付く。
なんにも話してない……!
頭を抱えたくなる気持ちを抑える。
とにかく、なにか言わねば。
「轟君あのね。私、体育祭の時に緑谷君と話してるの……、聞いちゃったんだ……」
しどろもどろに話す私の言葉を轟君は黙って聞いてくれているが、今はその沈黙が辛い。
「それで、私、今まで轟君のことをなにも知らないでここまで来ちゃったんだなって……。友達なのに、なに一つ知らなくて恥ずかしくなった……。だから……、だから、ちゃんと知りたい!友達だから一緒に背負っていきたいの!」
言い切った。言い切ったぞ、私。
肩の荷が下りて一呼吸いれて轟君の様子を伺うと、考えこむ仕草をしていた。
「と、轟君?」
「川利が……、そこまで考えくれてるとは思わなかった」
「ごめん、今までがなにも考えなさすぎた」
「いいんだ。川利が周りの連中みたいに、親父のことやお母さんのこととか火傷のことを聞いてこないのは、ありがたかった。今までは話したいとは思わなかったけど、緑谷と戦って忘れていた気持ちを思い出して……。川利、今更だけど聞いてくれるか……?」
轟君の言葉に大きく頷く。
ほっとした表情をした轟君が「ちょっと長くなるし、うち来るか?」と尋ねてきた。
「うん!行く~!へへ~。轟君、再度よろしくの握手しよ~」
差しだした手を困ったような嬉しそうな顔をして、轟君は握り返し「よろしく」と言った。
相変わらず力加減ができてなくてギリッと音がしそうだけれど、今はその痛みすら心地がいい。