魔法少女はかく語りき
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『魔法少女リリル!ピカッと登場だよ!』
日曜の朝にやっている幼女向けアニメ『魔法少女リリル』を見ながら「二児のババアが少女とか」といつもの様に失笑していると、隣で一緒に見ていたこのアニメのモデルである母さん『川利リリ』が紅茶を啜りながら、「ほんとな」と言った。
母の個性は『魔女っ娘』という何とも可哀想な個性で、こんな恥ずかしいアニメも作られちゃうし、三十半ばなのに魔女っ娘ヒーローをやらないといけない可哀想な人だ。変身すると、見た目年齢が中学生くらいまで下がるのがただ一つの救いである。
そして、その可哀想な個性は脈々と私に引き継がれてしまった。可哀想な私。
子供の時は、リリルみたいになりたいと思っていたが、歳を重ねるたびに「え、そんな歳まで魔女っ娘やるの?」という思いにかられた。
母さんからは「誠にすまん」と言われてしまった。
「そういえば、心香は雄英に行くの?」
あまり聞きたくない話に「致し方なく」と答える。
事務所の事は、ノリノリで個性『特撮』を使っている兄さんに任せて私はしがないOLをやっていたい所だけれど、この兄、衝動で動いては痛い目を見る猪突猛進馬鹿なので私が相棒として入らないといつ何処で死ぬか分かったものじゃない。
過去何度か、その猪突猛進の所為で敵に捕まった事か。
「兄さんを制御できる相棒がいればいいんだけどね」
無駄にパワフルな兄さんを止められる相棒が今の所いないのが現状だ。嘆かわしい。
「ヒーロー科の試験て、どんなの?」
雄英卒業生の母に聞くも、「それ教えたらフェアじゃないでしょ」と言われてしまう。
それもそうだなと納得して、翌日に控える雄英ヒーロー科の受験勉強でもやるかと、テレビを消して勉強道具を持ってくる。
実技試験が合格でも筆記がダメなら元も子もない。
そういえば、同じ中学の轟君も雄英受けるのだったか。
彼は、能力、学力共に抜きん出ているので推薦入学らしい。流石、エンデヴァーの息子と言うと、彼は酷く暗い顔をする。
家族関係で何かしらの問題を抱えていると踏んでいるのだが、それを聞けるほど私と彼は仲が良くない。
幼稚園、小学校、中学と一緒でも多くを語らない彼と仲が良いと言える人がいない気がする。
家庭の過程を知らない私には何も言えない。
幸せな家庭で育った私の言葉には酷く説得力がないのだ。
日曜の朝にやっている幼女向けアニメ『魔法少女リリル』を見ながら「二児のババアが少女とか」といつもの様に失笑していると、隣で一緒に見ていたこのアニメのモデルである母さん『川利リリ』が紅茶を啜りながら、「ほんとな」と言った。
母の個性は『魔女っ娘』という何とも可哀想な個性で、こんな恥ずかしいアニメも作られちゃうし、三十半ばなのに魔女っ娘ヒーローをやらないといけない可哀想な人だ。変身すると、見た目年齢が中学生くらいまで下がるのがただ一つの救いである。
そして、その可哀想な個性は脈々と私に引き継がれてしまった。可哀想な私。
子供の時は、リリルみたいになりたいと思っていたが、歳を重ねるたびに「え、そんな歳まで魔女っ娘やるの?」という思いにかられた。
母さんからは「誠にすまん」と言われてしまった。
「そういえば、心香は雄英に行くの?」
あまり聞きたくない話に「致し方なく」と答える。
事務所の事は、ノリノリで個性『特撮』を使っている兄さんに任せて私はしがないOLをやっていたい所だけれど、この兄、衝動で動いては痛い目を見る猪突猛進馬鹿なので私が相棒として入らないといつ何処で死ぬか分かったものじゃない。
過去何度か、その猪突猛進の所為で敵に捕まった事か。
「兄さんを制御できる相棒がいればいいんだけどね」
無駄にパワフルな兄さんを止められる相棒が今の所いないのが現状だ。嘆かわしい。
「ヒーロー科の試験て、どんなの?」
雄英卒業生の母に聞くも、「それ教えたらフェアじゃないでしょ」と言われてしまう。
それもそうだなと納得して、翌日に控える雄英ヒーロー科の受験勉強でもやるかと、テレビを消して勉強道具を持ってくる。
実技試験が合格でも筆記がダメなら元も子もない。
そういえば、同じ中学の轟君も雄英受けるのだったか。
彼は、能力、学力共に抜きん出ているので推薦入学らしい。流石、エンデヴァーの息子と言うと、彼は酷く暗い顔をする。
家族関係で何かしらの問題を抱えていると踏んでいるのだが、それを聞けるほど私と彼は仲が良くない。
幼稚園、小学校、中学と一緒でも多くを語らない彼と仲が良いと言える人がいない気がする。
家庭の過程を知らない私には何も言えない。
幸せな家庭で育った私の言葉には酷く説得力がないのだ。
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