ティターニアとは呼ばないで
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酒を飲む。
お洒落なバーで飲むのもいいだろう。仲間内で飲むのもいい。バカ騒ぎもいい。
とにかく酒はいい。
私も、大量の酒とツマミと映画を用意した!そう!明日、私は休みなのだ!
飲みながら、見たかった映画を見尽くす!
うっきうきで作った夕飯と冷やした酒を飲みながら映画を流して、最高の休み前夜祭を過ごしていたら、着信が。
時間は日付変更して少し。
こんな時間に連絡とか嫌な予感しかしない。ザップとかザップとかザップとか。
「……はい、ティティ」
『やあ、ティティ。こんばんは』
予想に反して、電話の相手はスティーブンさんだった。
どうしたんだろう、と思いながら「どうしました?」と聞けば「いや……うん……」と歯切れが悪い。
「なにかありましたか?そちら行きましょうか?」
『ああ、うん。そうだな。じゃあ、うちに来てくれるか?実は、予定していたパーティーがなくなってね。ヴェデッドのローストビーフが勿体ないから、食べに来てくれないか?』
「えぇ……。パーティードタキャンとかきっつ……」
『だろー?さすがの俺も傷ついてるんだ。慰めてくれよ』
「しょうがないですね。じゃあ、近くまで着いたらまた連絡しますね」
そう言って切ろうとしたら、「切らずに来てくれないか?」と言われた。
普段、そんなことを言う人ではないから、心配になって「なにかあったんですか?」と聞いてしまった。
『言ってるだろ。ドタキャンされて傷ついてるって。話し相手がほしい気分なんだよ』
「本当にそれだけですか?」
『……それだけ』
うーん、スティーブンさんはウソをつくのが上手いからな。
私ごときでは見破れない。
他愛のない会話をしながら、スティーブンさんの家に行くと、なんかすでに上機嫌なスティーブンさんに迎え入れられた。
「ティティ~」
「うわぁ……」
抱き締められ撫で回される。
来なきゃよかったかも、と少し後悔しながらリビングまで引っ張って行くと、ローストビーフの山とワインやらシャンパンが用意されていた。
パーティーの名残に辛くなった。
「さあ、パーティーをしよう、ティティ」
「あ、借りてきた映画観ていいですか?」
「いいよ。なに借りてきたんだい?」
ホラーとコメディとラブロマンスの三本を見せ、どれがいいか聞いたら「じゃあ、ラブロマンス」といつもなら絶対選ばないジャンルを選んだ。
普段から色管している人間だから、ラブロマンスはチープだとつまらなそうに言っているのに。
ホラーで爆笑し、コメディにダメ出しするスティーブンさんが、ホラーを選ばないなんて……。
体調が悪い?
いや、よく考えれば出迎えられた時点で気がつくべきだった。
この人は、外側の機嫌のよさとストレス値は反比例する。
つまり、いまかなりストレス値が高い。
助けて、ザップ。
「どうしたんだ?」
「いや、スティーブンさんがいま、だいぶストレス値が高いのだと思うと、寝かしつけた方がいいのかなって……」
「ストレス値……」
急に静かになられ、嫌な空気が流れる。
「うん……ストレス……。まあ、ストレスかな……」
「というか、スティーブンさんが私的にパーティーしてドタキャンされるなんてありえない。……なにかあったんですね?」
「うん……。途中までは本当に仲間だと信じてたんだけどね……。まあ、お察し。……浮かれてたみたいで、ちょっとへこんでる」
しかし、最後の最後でそいつらは手を間違えた。
そして、泰鴻たちに今頃……。
「ていうか、私も私設部隊の一人なのに何一つ手伝えてないんですけどー!?」
スティーブンさん、私に私設部隊の仕事させる気ないでしょ!と体当たりしながら抗議すると、「ほ、ほら。泰鴻たちの仕事だけじゃないだろ?」と苦しい言い訳をする。
「チェイン的な役割を、ティティには求めてるんだよ」
「拷問の仕方教えといて、なに言ってんだー!」
「適材適所!」
尚もダダをこねる私に、スティーブンさんは「ほら!映画観るんだろ?!」と無理矢理話をそらし、ソファーに座らせた。
ふて腐れる私に、スティーブンさんは「こういう役回りは、キミにしかできないから」と優しく声をかけてきた。
「本当にへこんでるかどうかも怪しいですね」
「本当にへこんでるよ。じゃなきゃ、キミに電話しない」
「文句言うから?」
「そう」
こいつ……。
実際、文句言っているから言い返せないが。
「とにかく、ティティ!俺はいま、すごくへこんでいる!つまり、キミに求めていることはわかるな!」
うわ、めんどくさ。と思うが、だいたい察してしまったので、隣に座るスティーブンさんの膝の上に座ったら、「正解!」と言いながら抱き締められた。
私はテディベアか。
「楽しみにしてたんだよ、本当に」
「はいはい、残念でしたね」
「キミが明日休みじゃなかったら、明日キミの隣から離れなかったと思う」
「それ見越して、明日私に休みくれました?」
「あたり」
信じていたとか言って、疑ってたんじゃないか。
この人の心許せる場所って、あるのかな。
「あんまり、神経尖らせてると疲れますよ」
「……だから、キミを呼ぶんだろ」
「……」
「キミは俺の信頼を裏切らない。というか、裏切らせない」
「おっも」
プレッシャーすぎて、涙がでそうだよ。
酒を注ぎながら、トップ画面を操作していたら小さい声で「ずっと着いてきてくれるだろ」と言うから、本当に悲しくなる。
こんな小娘に安定を求めるしかないなんて。
「はいはい、地獄まで付き合いますよ」
「ありがとう、ティティ」
お洒落なバーで飲むのもいいだろう。仲間内で飲むのもいい。バカ騒ぎもいい。
とにかく酒はいい。
私も、大量の酒とツマミと映画を用意した!そう!明日、私は休みなのだ!
飲みながら、見たかった映画を見尽くす!
うっきうきで作った夕飯と冷やした酒を飲みながら映画を流して、最高の休み前夜祭を過ごしていたら、着信が。
時間は日付変更して少し。
こんな時間に連絡とか嫌な予感しかしない。ザップとかザップとかザップとか。
「……はい、ティティ」
『やあ、ティティ。こんばんは』
予想に反して、電話の相手はスティーブンさんだった。
どうしたんだろう、と思いながら「どうしました?」と聞けば「いや……うん……」と歯切れが悪い。
「なにかありましたか?そちら行きましょうか?」
『ああ、うん。そうだな。じゃあ、うちに来てくれるか?実は、予定していたパーティーがなくなってね。ヴェデッドのローストビーフが勿体ないから、食べに来てくれないか?』
「えぇ……。パーティードタキャンとかきっつ……」
『だろー?さすがの俺も傷ついてるんだ。慰めてくれよ』
「しょうがないですね。じゃあ、近くまで着いたらまた連絡しますね」
そう言って切ろうとしたら、「切らずに来てくれないか?」と言われた。
普段、そんなことを言う人ではないから、心配になって「なにかあったんですか?」と聞いてしまった。
『言ってるだろ。ドタキャンされて傷ついてるって。話し相手がほしい気分なんだよ』
「本当にそれだけですか?」
『……それだけ』
うーん、スティーブンさんはウソをつくのが上手いからな。
私ごときでは見破れない。
他愛のない会話をしながら、スティーブンさんの家に行くと、なんかすでに上機嫌なスティーブンさんに迎え入れられた。
「ティティ~」
「うわぁ……」
抱き締められ撫で回される。
来なきゃよかったかも、と少し後悔しながらリビングまで引っ張って行くと、ローストビーフの山とワインやらシャンパンが用意されていた。
パーティーの名残に辛くなった。
「さあ、パーティーをしよう、ティティ」
「あ、借りてきた映画観ていいですか?」
「いいよ。なに借りてきたんだい?」
ホラーとコメディとラブロマンスの三本を見せ、どれがいいか聞いたら「じゃあ、ラブロマンス」といつもなら絶対選ばないジャンルを選んだ。
普段から色管している人間だから、ラブロマンスはチープだとつまらなそうに言っているのに。
ホラーで爆笑し、コメディにダメ出しするスティーブンさんが、ホラーを選ばないなんて……。
体調が悪い?
いや、よく考えれば出迎えられた時点で気がつくべきだった。
この人は、外側の機嫌のよさとストレス値は反比例する。
つまり、いまかなりストレス値が高い。
助けて、ザップ。
「どうしたんだ?」
「いや、スティーブンさんがいま、だいぶストレス値が高いのだと思うと、寝かしつけた方がいいのかなって……」
「ストレス値……」
急に静かになられ、嫌な空気が流れる。
「うん……ストレス……。まあ、ストレスかな……」
「というか、スティーブンさんが私的にパーティーしてドタキャンされるなんてありえない。……なにかあったんですね?」
「うん……。途中までは本当に仲間だと信じてたんだけどね……。まあ、お察し。……浮かれてたみたいで、ちょっとへこんでる」
しかし、最後の最後でそいつらは手を間違えた。
そして、泰鴻たちに今頃……。
「ていうか、私も私設部隊の一人なのに何一つ手伝えてないんですけどー!?」
スティーブンさん、私に私設部隊の仕事させる気ないでしょ!と体当たりしながら抗議すると、「ほ、ほら。泰鴻たちの仕事だけじゃないだろ?」と苦しい言い訳をする。
「チェイン的な役割を、ティティには求めてるんだよ」
「拷問の仕方教えといて、なに言ってんだー!」
「適材適所!」
尚もダダをこねる私に、スティーブンさんは「ほら!映画観るんだろ?!」と無理矢理話をそらし、ソファーに座らせた。
ふて腐れる私に、スティーブンさんは「こういう役回りは、キミにしかできないから」と優しく声をかけてきた。
「本当にへこんでるかどうかも怪しいですね」
「本当にへこんでるよ。じゃなきゃ、キミに電話しない」
「文句言うから?」
「そう」
こいつ……。
実際、文句言っているから言い返せないが。
「とにかく、ティティ!俺はいま、すごくへこんでいる!つまり、キミに求めていることはわかるな!」
うわ、めんどくさ。と思うが、だいたい察してしまったので、隣に座るスティーブンさんの膝の上に座ったら、「正解!」と言いながら抱き締められた。
私はテディベアか。
「楽しみにしてたんだよ、本当に」
「はいはい、残念でしたね」
「キミが明日休みじゃなかったら、明日キミの隣から離れなかったと思う」
「それ見越して、明日私に休みくれました?」
「あたり」
信じていたとか言って、疑ってたんじゃないか。
この人の心許せる場所って、あるのかな。
「あんまり、神経尖らせてると疲れますよ」
「……だから、キミを呼ぶんだろ」
「……」
「キミは俺の信頼を裏切らない。というか、裏切らせない」
「おっも」
プレッシャーすぎて、涙がでそうだよ。
酒を注ぎながら、トップ画面を操作していたら小さい声で「ずっと着いてきてくれるだろ」と言うから、本当に悲しくなる。
こんな小娘に安定を求めるしかないなんて。
「はいはい、地獄まで付き合いますよ」
「ありがとう、ティティ」