ティターニアとは呼ばないで
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ティティと初めてあったのは、とあるスラム街だった。
用事があり行くと、当たり前だがスリをしようとする子供がいる。
その子供の一人を捕まえ、少し説教でもしてから逃がそうと思ったが、その前に子供が「助けて、女王様ー!」と叫んだ。
すると視界が歪み手足を蔦が絡んで拘束するではないか。
なんの能力だ、と冷静に判断しようとしたら、なにやら眩い光が下りてきた。
「妾の眷属を捕らえるとは、なんとも命知らずな男だな」
光源は、ファンシーなレースたっぷりのドレスを身にまとった、美しい女性。
その背中には、妖精の翅がはえていた。
妖精だと?
「どうやら高貴な身分の方のようですね。お名前をうかがっても?」
「いいだろう。どうせ貴様は死ぬ。我が名は妖精女王ティターニア」
「ティターニア?あの、おとぎ話の?」
「さあな。しかし、妾はこうして存在する」
ウソか本当か。
妖精なんているわけない、とは思うが血界の眷属なんてものがいるんだ。
いないとは否定しきれない。
そもそも、妖精を騙った血界の眷属かも知れない。
「【絶対零度の槍】!」
「!」
蔦を凍らせ、跳躍しティターニアに蹴りを入れるが体を通過する。
ティターニアはニタリ、と笑って手をかざし蔦で攻撃してきた。
「【絶対零度の風】!」
「ちっ!」
蔦は凍り、ティターニア自身も凍りかけたのかすぐに距離を置いた。
物理攻撃は通過するが、血凍道は有効。
なんの違いがあるんだ。
「ちっ……。ずいぶんと、その奇っ怪な技に自信があるようだな」
「自信……?」
なぜ、彼女はそんなことを言ったのか。
たしかに、血凍道ならば相手が血界の眷属に当たるという自信はあった。
というか、当たってもらわないと困る。
しかし、物理攻撃は当たるかどうかの自信はなかった。
「ああ……なるほど」
「なんだ?」
「いや、存外、俺は俺を信じていなかったんだと思ってね。なら、もう戦わずしてキミを倒せるよ」
「なんだと?」
露骨に動揺するティターニアに「キミは存在しない」と言うと、ティターニアの姿が揺らいだ。
やはり、そうだ。
「キミは幻だよ、ティターニア」
「黙れ、人間!」
大量の蔦が迫り来るが、ひとつも俺に当たらず消えていく。
「さあ、消えろ」
そう言うと、ティターニアは姿を消した。
さて、と。
「見つけたぞ、ティターニアの本体さん」
「ひっ……!」
物陰で息を殺していた人間の腕を掴んで引きずり出すと、痩せ細ったみすぼらしい子供だった。
幻術を使っていたのは、この子か。
とある知り合いの部下に、限りなくリアルに近い幻術を使う人間がいた。
おそらく、それと同じ原理だろう。
その幻術はたしかにリアルに近いが、相手が完全に無いものだと認識すると化けの皮が剥がれる。
「さて、お尻ペンペンくらいじゃ、許されないぞ」
「はっ!ならなんなんだよ。サツにつきだすってか?」
警察に預けても、すぐに脱走するだろう。
かと言って、こんな能力の使い方を間違えた状態で放置しておくのも気がかり。
なんなら、俺の私設部隊にちょっとほしいんだよな。
まだ子供だし、色々教えたら覚えてくれないかな。
「……よし、育てよう」
「はぁ?!」
「後進育成は大切だからな。よし、行くぞ」
「勝手に話進めんじゃねー!」
「そういえば、キミの名前は?」
「ティターニアだって言っただろ!」
「それ、本名なのかい?」
「知るか!名前なんかないから、自分でつけたんだよ!悪いか!」
そうか、スラム街だから当たり前か。
「その名前は気に入ってるのか?」
「……気に入るとか気に入らないとか、そんな話じゃない。これしかないんだ」
「……そうか。なら、僕から名前を贈ろう」
「名前を?」
「キミは今日からティティだ。ティティ・スターフェイズ。それがキミの名前だよ。いいね?」
頭を撫でると、ティティは「なんだよ……」と呟きはしたが、嫌がることはなかった。
◆
「……ティティ、腕だしてくれないか」
「は?」
紅茶を飲んでいたティティに、唐突に声をかけたらいぶかしまれた。
いいからだして。
急かされ渋々だされたティティの手首を掴むが、細い。
上にいけば、ムニムニと肉付きのいい二の腕。
うん、ちゃんと栄養はとれているな。と嬉しくなって笑ったら、「なに人の贅肉触って笑っとんじゃー!」とキレられた。
それを無視して、抱き上げる。
昔は子供ということもあったが、とても軽かった。
「……うん!肥えたな!」
「喧嘩売っとんのか、タール野郎!」
用事があり行くと、当たり前だがスリをしようとする子供がいる。
その子供の一人を捕まえ、少し説教でもしてから逃がそうと思ったが、その前に子供が「助けて、女王様ー!」と叫んだ。
すると視界が歪み手足を蔦が絡んで拘束するではないか。
なんの能力だ、と冷静に判断しようとしたら、なにやら眩い光が下りてきた。
「妾の眷属を捕らえるとは、なんとも命知らずな男だな」
光源は、ファンシーなレースたっぷりのドレスを身にまとった、美しい女性。
その背中には、妖精の翅がはえていた。
妖精だと?
「どうやら高貴な身分の方のようですね。お名前をうかがっても?」
「いいだろう。どうせ貴様は死ぬ。我が名は妖精女王ティターニア」
「ティターニア?あの、おとぎ話の?」
「さあな。しかし、妾はこうして存在する」
ウソか本当か。
妖精なんているわけない、とは思うが血界の眷属なんてものがいるんだ。
いないとは否定しきれない。
そもそも、妖精を騙った血界の眷属かも知れない。
「【絶対零度の槍】!」
「!」
蔦を凍らせ、跳躍しティターニアに蹴りを入れるが体を通過する。
ティターニアはニタリ、と笑って手をかざし蔦で攻撃してきた。
「【絶対零度の風】!」
「ちっ!」
蔦は凍り、ティターニア自身も凍りかけたのかすぐに距離を置いた。
物理攻撃は通過するが、血凍道は有効。
なんの違いがあるんだ。
「ちっ……。ずいぶんと、その奇っ怪な技に自信があるようだな」
「自信……?」
なぜ、彼女はそんなことを言ったのか。
たしかに、血凍道ならば相手が血界の眷属に当たるという自信はあった。
というか、当たってもらわないと困る。
しかし、物理攻撃は当たるかどうかの自信はなかった。
「ああ……なるほど」
「なんだ?」
「いや、存外、俺は俺を信じていなかったんだと思ってね。なら、もう戦わずしてキミを倒せるよ」
「なんだと?」
露骨に動揺するティターニアに「キミは存在しない」と言うと、ティターニアの姿が揺らいだ。
やはり、そうだ。
「キミは幻だよ、ティターニア」
「黙れ、人間!」
大量の蔦が迫り来るが、ひとつも俺に当たらず消えていく。
「さあ、消えろ」
そう言うと、ティターニアは姿を消した。
さて、と。
「見つけたぞ、ティターニアの本体さん」
「ひっ……!」
物陰で息を殺していた人間の腕を掴んで引きずり出すと、痩せ細ったみすぼらしい子供だった。
幻術を使っていたのは、この子か。
とある知り合いの部下に、限りなくリアルに近い幻術を使う人間がいた。
おそらく、それと同じ原理だろう。
その幻術はたしかにリアルに近いが、相手が完全に無いものだと認識すると化けの皮が剥がれる。
「さて、お尻ペンペンくらいじゃ、許されないぞ」
「はっ!ならなんなんだよ。サツにつきだすってか?」
警察に預けても、すぐに脱走するだろう。
かと言って、こんな能力の使い方を間違えた状態で放置しておくのも気がかり。
なんなら、俺の私設部隊にちょっとほしいんだよな。
まだ子供だし、色々教えたら覚えてくれないかな。
「……よし、育てよう」
「はぁ?!」
「後進育成は大切だからな。よし、行くぞ」
「勝手に話進めんじゃねー!」
「そういえば、キミの名前は?」
「ティターニアだって言っただろ!」
「それ、本名なのかい?」
「知るか!名前なんかないから、自分でつけたんだよ!悪いか!」
そうか、スラム街だから当たり前か。
「その名前は気に入ってるのか?」
「……気に入るとか気に入らないとか、そんな話じゃない。これしかないんだ」
「……そうか。なら、僕から名前を贈ろう」
「名前を?」
「キミは今日からティティだ。ティティ・スターフェイズ。それがキミの名前だよ。いいね?」
頭を撫でると、ティティは「なんだよ……」と呟きはしたが、嫌がることはなかった。
◆
「……ティティ、腕だしてくれないか」
「は?」
紅茶を飲んでいたティティに、唐突に声をかけたらいぶかしまれた。
いいからだして。
急かされ渋々だされたティティの手首を掴むが、細い。
上にいけば、ムニムニと肉付きのいい二の腕。
うん、ちゃんと栄養はとれているな。と嬉しくなって笑ったら、「なに人の贅肉触って笑っとんじゃー!」とキレられた。
それを無視して、抱き上げる。
昔は子供ということもあったが、とても軽かった。
「……うん!肥えたな!」
「喧嘩売っとんのか、タール野郎!」