蘭の嫁
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※小学生みたいな下ネタがあるので気をつけて欲しいです。
最近、すこぶる調子がいい。
ゲームは順調、飯は美味いが体重は減った、ジャイアンは数週間帰っていない。
私の独壇場では?とは思うが、こういうときこそなにかよくないことが起こるのでは、と怯えてしまう。
この場合、よくないことは大体ジャイアン関連となってしまうから、なおさら怖い。
なにもないといいな、とお皿を洗っていると鍵が開く音とドアガードが盛大に引っかかる音がした。
か、帰ってきた……!
慌ててドアガードを開けると、ゆっくりドアが開く。
そこには、無表情のジャイアンが立っていて、息が止まりそうになる。
「はわ……はわわ……お、おかえりなさい……」
「ん。ただいま」
怒るでも、嫌味を言うでもなく、ただ「ただいま」という極一般的な返答に、ハテナの形をした花火が打ち上げられる。
あのジャイアンが、無表情なのに普通の返しをした?
よもや、よもやな話で、体調でも悪いのかと心配していたら、なんの前触れもなく抱きすくめられた。
ハテナの打ち上げ花火に、ビックリマークも増えた。
もう、ナイアガラで締めくくらせてくれ。
「美夜子、ただいま」
「おかえ、りなさい?」
「なあ、あれ言ってほしい。お風呂にする?ご飯にする?それとも、私?てやつ」
ぜーったいに嫌だ。
私、イコール絞められるじゃん。
絶対に、絶対に言わないぞ!とだんまりを決め込む私に、ジャイアンは弱々しく「お願い、言って」と怒るでもなく、お願いをしてきた。
あの、ジャイアンがだ。
あまりの事態に心配になり、「体調悪いんですか?」と聞くと、「んー。悪かねえよ。悪かねえけどなー」となぜか濁す。
「でも言ってくれたら、超元気になるかも」
超元気なジャイアンも、迷惑な話だが。
元気のないジャイアンと元気なジャイアン、どちらがいいですか?どちらも嫌です、湖に沈めてください。
前者はどこで爆発するかわからない不発弾だし、後者は爆撃機。どの道、私が被弾するのだ。
「言って、美夜子」
弱々しく甘い声に、悪寒でゾクゾクする。
言わないとずっとこれが続くのかと思うと、早く楽になりたいという気持ちが勝ってしまう。
「お……お風呂にする……?ご飯にする……?それとも、私……?」
「んっふふ……。マジで言ってくれるのかよ」
なに笑っとんねん。自分が言え言うたんやろが。
「うーん、そうだなあ。じゃあ、一緒に風呂入って、一緒に飯食って、一緒にゲームして、一緒に寝る」
「ほ?なんで?」
「美夜子から誘ってきたんだろ?」
なにをどう解釈したらそうなる?言わせたの間違いだろ?
しどろもどろに、「蘭ちゃんが言って、て言ったんじゃないですか……」と反論すると、「俺はお願いしただけで、言うって決めたのは美夜子だろ?」と言われた。
なに、その詐欺みたいな誘導。
「んじゃ、風呂入ろうな」
「えぇ?!ちょ、それは無理……!」
「俺に反抗するのかー。そっか、偉くなったなぁ、美夜子……?」
くそ〜!本当に元気になりやがった〜!
でもさすがに、男と風呂になんかは入りたくね〜!
「あの、その、あっ!蘭ちゃん帰ってくると思っていなかったので、夕飯の材料買いに行きませんと!」
「えー。じゃあ、買い物行ったあとに入ればいいだろ」
「いや、私もう入ったんで!」
「もう一回入りゃいいだろうが。オマエ、そんなに俺と入りたくねえのか?俺の体が拝めるんだぞ?」
「裸は見るものであって、見られるものじゃない!」
「すげーパラドックス生むじゃん」
それくらい嫌なんだよ、察しろ。
オマエは人に見せられる体だからいいかも知れないが、こちとらムチムチぽよぽよボディーなんだぞ。
「お風呂は一人でゆっくり入った方がリラックスできますよ」
「俺、いま美夜子から一秒たりとも離れたくねえんだよ。わかるだろ?」
わかんねえな〜〜〜〜?とは言えず、この強制裸の付き合いイベントを回避しようと、あれこれ理由をつけるが、全部「知らね」で蹴散らされる。
さすがだぜ、暴君。
「うぅ……お願いです、お風呂は許してください……。お見せできる体ではないのです……」
「はぁー?……しかたねえなぁ。濡れてもいい格好に着替えてこい。それで勘弁してやるから」
「合点承知」
ジャイアンの腕から抜け出し、タンスから半袖短パンを取り出して着替える。
廊下に戻るとジャイアンは居らず、脱衣場の前にスーツが脱ぎ散らかされていた。
スーツを回収し、ジャイアンの寝室に置いてから脱衣場の扉をノックすると「おー、入れー」と返ってくる。
なんで入ってないんだよ、と思いながら中に入ると、全裸のジャイアンが待ち受けていた。
「遅えよ、風邪引いたらどうすんだよ」
「いや、なんですっぽんぽんなんですか!ちんちんしまってください!」
「なんだよ、照れんなって。もっと見ていいぞ」
「結構です!」
結構だ、つってんのになおもちんちんを仕舞わないジャイアン。
致し方なく、手でちんちん部分を視界から遮りながら、「お風呂入らないんですか」と聞くと、「美夜子に洗ってもらう為に待ってたんだよ」と言う。
私が洗うんかい。
嫌な顔をしているつもりなのだが、ジャイアンは気にせず私を浴室に引っ張りこみ、イスに座って「早くしろ」と急かしてくる。
はあ、なんでこんなことに、と思いながら頭を洗っていく。
爪をたててイチャモンをつけられたくないので、優しく揉むように頭皮を洗っていく。
「気持ちいー」
「ようござんした」
「美夜子、これ毎日やってくんね?」
「それだと、毎日帰ってくることになりますけど?」
「あー、それはダリィかも」
よし、一ヶ月に一度以上帰ってくるな。と念じながら、泡を流し、リンスを手早くなじませる。
指通りしなやかな髪は柔らかく、本人同様に猫のような毛並みだ。
シャワーで洗い流し、「はい、終わりです」と言えば、「んじゃ、次は体な」と言われる。
「はいはい、お背中流しますよ」
「全身に決まってんだろうが」
「へぇぁ……」
前って、ちんちん直視しないといけないじゃん……。
腹までは後ろから手を回せばいけるが、足はどうにもならない。
どうにかちんちん見ないで済む方法はないかと考える私に、ジャイアンが「風邪引いちまうだろー」と急かす。
「待ってください。いま、ちんちんを見ずに済む方法を考えているんです」
「いっぱい見て慣れろ♡」
「無理です♡」
バカやってないで、なんとかしないとな。
「閃いた!」
タオル掛けとけばいいんだ、と脱衣場からフェイスタオルを持ってきて、そっとジャイアンの股間を隠す。
これでよし、と安心してボディータオルで脚から洗っていくと、「風俗みてえ」とからかわれる。
知らん、知らん。と、無心で長い脚を洗い、指の間を洗うと、くすぐったそうに身をよじった。
「いいな、この眺め。興奮する」
冗談でも、やめてほしい。
さっさと洗って湯船に入ってもらおうと、右脚に移ろうとしたら、洗った足先で顎を掬われる。
「うぇぇ……泡が……」
「いい顔」
嫌がる私の顔をニヤニヤしながら眺めるジャイアン、本当に嫌い。
脚先から逃げ、肩口で顎の泡を拭い右脚を洗っていたら、「ちゃんと、脚の付け根も洗ってくれよ」と言われ、固まる。
脚の付け根、つまりちんちんの側。
「……」
いや、大丈夫。タオルを退けずに洗えばいいのだ。
恐る恐るタオルの中に手を突っ込み、脚の付け根を洗おうとしたら、脚を閉じられ手を挟まれた。
「いやー!!柔らかくて生暖かいものがあたってるー!」
「あててんだよ♡俺のぬくもり感じるだろ♡」
「うぇぇ……不潔だよぉ……」
「あ?俺のイチモツが不潔なわけねえだろ。女共が喜んでしゃぶってんだぞ」
「私には無理ですぅ……!離してぇ……!」
半ベソかいて懇願すると、不服そうな顔をしながら脚を開いてくれた。
うぇぇ……手に感触が残ってる……。
グーパーと手を動かし、感触を逃がそうと頑張が中々あの柔らかさが消えない。
気分最悪でジャイアンの体を洗いきる。
「んな凹むなよ。ちょっと傷つくじゃねえか」
湯船に浸かりながら文句垂れるジャイアン。
いや、こっちは傷つくとかそういうのを超えてるんだわ。
「お嫁に行けない……」
「俺の嫁だろうが」
精神的に疲れ切り深めのため息をつく私に、ジャイアンは「そんなに嫌だったのかよ」と言うが、イヤ以外の感情がわくとでも思ってるのか。
「セフレ共は触りたがるんだけどな」
「痴女じゃないですか」
「んー、そうだな。じゃなきゃ、セフレになんざならねえか」
カラカラと笑っているが、股間触られたらそれはもう痴漢行為だから、怒ってもいいと思う。
変なところで寛容なこの男を、少し可哀想だと思ってしまった。
「ふふっ、美夜子。手、握ってくんね?」
そう言って差し出された手に、自分の手を重ねるとやわやわと握られる。
「やっぱ、オマエにして正解だったわ」
「正解?」
「そ。帰ってくる場所に選んでよかったなー、て思う。オマエの側は安心する」
「……」
あの灰谷蘭が、母親の腕に抱かれ幸せそうにまどろむ子供のような笑みを浮かべるものだから、つい「なにかあったんですか?」と心配になり聞いてしまった。
「なんもねえよ。けど、たまに疲れたなー、とか、セックスなしの人肌が恋しくなるだけ」
「えっ、人間みたいなこというじゃないですか」
「そうだな、俺も人間なんだよな……」
私の悪態に怒らないなんて、相当疲れているんだろうな。
「今日はもう寝ましょ」
「一緒に寝てくれるか?」
私達の寝室は別々で、ダブルベッドではあるが、だいの大人二人が寝るには狭い。
「落ちちゃいますよ」
「引っついて寝りゃいいじゃん」
蹴り落とされそうで嫌ではあったが、子供のように甘えてくる蘭ちゃんの顔に負け、その日、私たちは初めて同じベッドで眠った。
私の胸に顔を埋めて眠りについた蘭ちゃんではあったが、翌朝目が覚めるといなくなっていた。
まあ、こんなもんだろう、と特に感慨に耽ることなく朝ご飯にしようとしたら、ケータイにメールが一通。
『寝顔笑えた』
その一文に添えられた私の酷い寝顔の写真に、ジャイアンが元気になったんだな、と理解した。
特に返信することなく、メールと写真を削除する。
また一日が始まる。
最近、すこぶる調子がいい。
ゲームは順調、飯は美味いが体重は減った、ジャイアンは数週間帰っていない。
私の独壇場では?とは思うが、こういうときこそなにかよくないことが起こるのでは、と怯えてしまう。
この場合、よくないことは大体ジャイアン関連となってしまうから、なおさら怖い。
なにもないといいな、とお皿を洗っていると鍵が開く音とドアガードが盛大に引っかかる音がした。
か、帰ってきた……!
慌ててドアガードを開けると、ゆっくりドアが開く。
そこには、無表情のジャイアンが立っていて、息が止まりそうになる。
「はわ……はわわ……お、おかえりなさい……」
「ん。ただいま」
怒るでも、嫌味を言うでもなく、ただ「ただいま」という極一般的な返答に、ハテナの形をした花火が打ち上げられる。
あのジャイアンが、無表情なのに普通の返しをした?
よもや、よもやな話で、体調でも悪いのかと心配していたら、なんの前触れもなく抱きすくめられた。
ハテナの打ち上げ花火に、ビックリマークも増えた。
もう、ナイアガラで締めくくらせてくれ。
「美夜子、ただいま」
「おかえ、りなさい?」
「なあ、あれ言ってほしい。お風呂にする?ご飯にする?それとも、私?てやつ」
ぜーったいに嫌だ。
私、イコール絞められるじゃん。
絶対に、絶対に言わないぞ!とだんまりを決め込む私に、ジャイアンは弱々しく「お願い、言って」と怒るでもなく、お願いをしてきた。
あの、ジャイアンがだ。
あまりの事態に心配になり、「体調悪いんですか?」と聞くと、「んー。悪かねえよ。悪かねえけどなー」となぜか濁す。
「でも言ってくれたら、超元気になるかも」
超元気なジャイアンも、迷惑な話だが。
元気のないジャイアンと元気なジャイアン、どちらがいいですか?どちらも嫌です、湖に沈めてください。
前者はどこで爆発するかわからない不発弾だし、後者は爆撃機。どの道、私が被弾するのだ。
「言って、美夜子」
弱々しく甘い声に、悪寒でゾクゾクする。
言わないとずっとこれが続くのかと思うと、早く楽になりたいという気持ちが勝ってしまう。
「お……お風呂にする……?ご飯にする……?それとも、私……?」
「んっふふ……。マジで言ってくれるのかよ」
なに笑っとんねん。自分が言え言うたんやろが。
「うーん、そうだなあ。じゃあ、一緒に風呂入って、一緒に飯食って、一緒にゲームして、一緒に寝る」
「ほ?なんで?」
「美夜子から誘ってきたんだろ?」
なにをどう解釈したらそうなる?言わせたの間違いだろ?
しどろもどろに、「蘭ちゃんが言って、て言ったんじゃないですか……」と反論すると、「俺はお願いしただけで、言うって決めたのは美夜子だろ?」と言われた。
なに、その詐欺みたいな誘導。
「んじゃ、風呂入ろうな」
「えぇ?!ちょ、それは無理……!」
「俺に反抗するのかー。そっか、偉くなったなぁ、美夜子……?」
くそ〜!本当に元気になりやがった〜!
でもさすがに、男と風呂になんかは入りたくね〜!
「あの、その、あっ!蘭ちゃん帰ってくると思っていなかったので、夕飯の材料買いに行きませんと!」
「えー。じゃあ、買い物行ったあとに入ればいいだろ」
「いや、私もう入ったんで!」
「もう一回入りゃいいだろうが。オマエ、そんなに俺と入りたくねえのか?俺の体が拝めるんだぞ?」
「裸は見るものであって、見られるものじゃない!」
「すげーパラドックス生むじゃん」
それくらい嫌なんだよ、察しろ。
オマエは人に見せられる体だからいいかも知れないが、こちとらムチムチぽよぽよボディーなんだぞ。
「お風呂は一人でゆっくり入った方がリラックスできますよ」
「俺、いま美夜子から一秒たりとも離れたくねえんだよ。わかるだろ?」
わかんねえな〜〜〜〜?とは言えず、この強制裸の付き合いイベントを回避しようと、あれこれ理由をつけるが、全部「知らね」で蹴散らされる。
さすがだぜ、暴君。
「うぅ……お願いです、お風呂は許してください……。お見せできる体ではないのです……」
「はぁー?……しかたねえなぁ。濡れてもいい格好に着替えてこい。それで勘弁してやるから」
「合点承知」
ジャイアンの腕から抜け出し、タンスから半袖短パンを取り出して着替える。
廊下に戻るとジャイアンは居らず、脱衣場の前にスーツが脱ぎ散らかされていた。
スーツを回収し、ジャイアンの寝室に置いてから脱衣場の扉をノックすると「おー、入れー」と返ってくる。
なんで入ってないんだよ、と思いながら中に入ると、全裸のジャイアンが待ち受けていた。
「遅えよ、風邪引いたらどうすんだよ」
「いや、なんですっぽんぽんなんですか!ちんちんしまってください!」
「なんだよ、照れんなって。もっと見ていいぞ」
「結構です!」
結構だ、つってんのになおもちんちんを仕舞わないジャイアン。
致し方なく、手でちんちん部分を視界から遮りながら、「お風呂入らないんですか」と聞くと、「美夜子に洗ってもらう為に待ってたんだよ」と言う。
私が洗うんかい。
嫌な顔をしているつもりなのだが、ジャイアンは気にせず私を浴室に引っ張りこみ、イスに座って「早くしろ」と急かしてくる。
はあ、なんでこんなことに、と思いながら頭を洗っていく。
爪をたててイチャモンをつけられたくないので、優しく揉むように頭皮を洗っていく。
「気持ちいー」
「ようござんした」
「美夜子、これ毎日やってくんね?」
「それだと、毎日帰ってくることになりますけど?」
「あー、それはダリィかも」
よし、一ヶ月に一度以上帰ってくるな。と念じながら、泡を流し、リンスを手早くなじませる。
指通りしなやかな髪は柔らかく、本人同様に猫のような毛並みだ。
シャワーで洗い流し、「はい、終わりです」と言えば、「んじゃ、次は体な」と言われる。
「はいはい、お背中流しますよ」
「全身に決まってんだろうが」
「へぇぁ……」
前って、ちんちん直視しないといけないじゃん……。
腹までは後ろから手を回せばいけるが、足はどうにもならない。
どうにかちんちん見ないで済む方法はないかと考える私に、ジャイアンが「風邪引いちまうだろー」と急かす。
「待ってください。いま、ちんちんを見ずに済む方法を考えているんです」
「いっぱい見て慣れろ♡」
「無理です♡」
バカやってないで、なんとかしないとな。
「閃いた!」
タオル掛けとけばいいんだ、と脱衣場からフェイスタオルを持ってきて、そっとジャイアンの股間を隠す。
これでよし、と安心してボディータオルで脚から洗っていくと、「風俗みてえ」とからかわれる。
知らん、知らん。と、無心で長い脚を洗い、指の間を洗うと、くすぐったそうに身をよじった。
「いいな、この眺め。興奮する」
冗談でも、やめてほしい。
さっさと洗って湯船に入ってもらおうと、右脚に移ろうとしたら、洗った足先で顎を掬われる。
「うぇぇ……泡が……」
「いい顔」
嫌がる私の顔をニヤニヤしながら眺めるジャイアン、本当に嫌い。
脚先から逃げ、肩口で顎の泡を拭い右脚を洗っていたら、「ちゃんと、脚の付け根も洗ってくれよ」と言われ、固まる。
脚の付け根、つまりちんちんの側。
「……」
いや、大丈夫。タオルを退けずに洗えばいいのだ。
恐る恐るタオルの中に手を突っ込み、脚の付け根を洗おうとしたら、脚を閉じられ手を挟まれた。
「いやー!!柔らかくて生暖かいものがあたってるー!」
「あててんだよ♡俺のぬくもり感じるだろ♡」
「うぇぇ……不潔だよぉ……」
「あ?俺のイチモツが不潔なわけねえだろ。女共が喜んでしゃぶってんだぞ」
「私には無理ですぅ……!離してぇ……!」
半ベソかいて懇願すると、不服そうな顔をしながら脚を開いてくれた。
うぇぇ……手に感触が残ってる……。
グーパーと手を動かし、感触を逃がそうと頑張が中々あの柔らかさが消えない。
気分最悪でジャイアンの体を洗いきる。
「んな凹むなよ。ちょっと傷つくじゃねえか」
湯船に浸かりながら文句垂れるジャイアン。
いや、こっちは傷つくとかそういうのを超えてるんだわ。
「お嫁に行けない……」
「俺の嫁だろうが」
精神的に疲れ切り深めのため息をつく私に、ジャイアンは「そんなに嫌だったのかよ」と言うが、イヤ以外の感情がわくとでも思ってるのか。
「セフレ共は触りたがるんだけどな」
「痴女じゃないですか」
「んー、そうだな。じゃなきゃ、セフレになんざならねえか」
カラカラと笑っているが、股間触られたらそれはもう痴漢行為だから、怒ってもいいと思う。
変なところで寛容なこの男を、少し可哀想だと思ってしまった。
「ふふっ、美夜子。手、握ってくんね?」
そう言って差し出された手に、自分の手を重ねるとやわやわと握られる。
「やっぱ、オマエにして正解だったわ」
「正解?」
「そ。帰ってくる場所に選んでよかったなー、て思う。オマエの側は安心する」
「……」
あの灰谷蘭が、母親の腕に抱かれ幸せそうにまどろむ子供のような笑みを浮かべるものだから、つい「なにかあったんですか?」と心配になり聞いてしまった。
「なんもねえよ。けど、たまに疲れたなー、とか、セックスなしの人肌が恋しくなるだけ」
「えっ、人間みたいなこというじゃないですか」
「そうだな、俺も人間なんだよな……」
私の悪態に怒らないなんて、相当疲れているんだろうな。
「今日はもう寝ましょ」
「一緒に寝てくれるか?」
私達の寝室は別々で、ダブルベッドではあるが、だいの大人二人が寝るには狭い。
「落ちちゃいますよ」
「引っついて寝りゃいいじゃん」
蹴り落とされそうで嫌ではあったが、子供のように甘えてくる蘭ちゃんの顔に負け、その日、私たちは初めて同じベッドで眠った。
私の胸に顔を埋めて眠りについた蘭ちゃんではあったが、翌朝目が覚めるといなくなっていた。
まあ、こんなもんだろう、と特に感慨に耽ることなく朝ご飯にしようとしたら、ケータイにメールが一通。
『寝顔笑えた』
その一文に添えられた私の酷い寝顔の写真に、ジャイアンが元気になったんだな、と理解した。
特に返信することなく、メールと写真を削除する。
また一日が始まる。