蘭の嫁
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朝起きると、ソファーでくっつきながらなにかを読んでいる兄弟。
なにをやっているのか、と気になるがあまり突っ込んで聞くのも怖いので、見なかったことにして水を取りに行く。
「美夜子、俺にも水とって」
「俺も」
コップ三つはさすがに危険だと判断し、二リットルペットボトルとコップを持っていき、机に置く。
水の入ったコップをわたすと、ジャイアンの膝の上に鈍器ばりの雑誌が。
この分厚さ、見たことがある。
書店員さんが顔をひきつらせ、専用の袋に前腕をフルに使い入れるあの雑誌の名は……。
「ゼクシィ」
「一緒に見るか?」
「え、どっちがドレス着るんですか?」
「いや、どう考えても着るのお前だろ」
毒クラゲのまっとうなツッコミに、ビックリして「私が新婦……ってコト!?」とちいかわになってしまった。
その上、二人同時に「他に誰がいんだよ」と追撃ツッコミをくらう。
「前に、三人で結婚写真撮ろうぜー、てなったの覚えてっか?」
「あー、はい」
「で、近いうちに撮ろうぜ、てなったんだよ」
「けど、ドレスが決まんなくてなー」
言われてみれば、大量に付せんが貼られている。
どれどれ、と見ればマーメイドドレスとミニ丈に付せんが集中している。
「マーメイドが蘭ちゃんで、ミニ丈が竜胆くんっぽいなあ……」
「あたりー」
「方向性が真逆すぎてきまんねえんだよ」
美夜子はどれがいい?と聞いてくるが、どっちもなあ……。
「ダメ元で私の意見聞いてもらってもいいですか?」
「んー。まあ、ダメで元々」
「言うだけ言ってみればいいんじゃね?」
これ、聞く気のない反応だな。とは思いつつ、私のイメージに近いドレスを探し、「こんな感じ」と指す。
「ふーん、これのどこがいいんだ?」
「おら、プレゼンしろ、プレゼン」
「バカにされそうで嫌なんですけど、バカにしません?」
「する」
「するに決まってんだろ」
バカにされることが大前提、決定事項の時点でプレゼンへのやる気が削がれるのだが。
でも、しないとずっと聞いてくるんだろうな、この二人……。
「……から」
「えー?なにー?蘭ちゃん聞こえなかったー」
「美夜子ちゃん、もう一回ー!」
完全にバカにしている二人に、すでに屈辱を感じてはいるが、これ以上煽られるのはムカつくので「ディズニープリンセスっぽかったから!」とはっきりと口にすると、一瞬真顔になってからニヤニヤしだす。
「え~?美夜子ちゃん、ディズニープリンセス憧れちゃってるの~?」
「女子~」
「うわ、むかつく、うわ」
ちょっと予想以上にムカつき、「もういいです!勝手に選べばいいでしょ!」と言い捨て、財布を持ってコンビニに憂さ晴らしスイーツを買いに行く。
はー!もー!ムカつく!
コンビニで雪見だいふくを買い、そういえば初めて会ったとき、毒クラゲに買ってもらい、そしてジャイアンに全部食べられたのも雪見だいふくだったな……。
「ムカつく」
別にいいじゃないか、ディズニープリンセス夢見たって。
ぷんすかしながら部屋に帰ると、まだ二人でゼクシィを見ている。
「おー。美夜子、お帰り」
「ちょっとこっち来い」
「……」
嫌だとは思うが嫌だと言えない奴隷根性。
近寄ると、ゼクシィから付せんがだいぶ減っていた。
「和解したんですか?」
「いや、方向性が変わった」
ほう、どれどれ。とページをめくると、ディズニープリンセスっぽいドレスにチェックが入っていた。
「お前がディズニープリンセスになりたいっつったんだからな」
「ちゃんと、肌管理とかしろよな」
まさか二人が妥協してくれるとは思っていなかった。
どうしよう、どれがいいかな。とペラペラめくって、つい「全部着たい」とポロリしたら、二人して「オッケー」と了承する。
「さすがに量多いし、月跨ぎな」
「待って待って、嘘です、嘘です!」
「待ったはなしな」
困った。困ったが、どうしよう。全部着れるのは正直、嬉しい。
「世界一幸せな花嫁にしてやっからなー」
「当日覚悟しとけよ」
「……へへ。はい」
なにをやっているのか、と気になるがあまり突っ込んで聞くのも怖いので、見なかったことにして水を取りに行く。
「美夜子、俺にも水とって」
「俺も」
コップ三つはさすがに危険だと判断し、二リットルペットボトルとコップを持っていき、机に置く。
水の入ったコップをわたすと、ジャイアンの膝の上に鈍器ばりの雑誌が。
この分厚さ、見たことがある。
書店員さんが顔をひきつらせ、専用の袋に前腕をフルに使い入れるあの雑誌の名は……。
「ゼクシィ」
「一緒に見るか?」
「え、どっちがドレス着るんですか?」
「いや、どう考えても着るのお前だろ」
毒クラゲのまっとうなツッコミに、ビックリして「私が新婦……ってコト!?」とちいかわになってしまった。
その上、二人同時に「他に誰がいんだよ」と追撃ツッコミをくらう。
「前に、三人で結婚写真撮ろうぜー、てなったの覚えてっか?」
「あー、はい」
「で、近いうちに撮ろうぜ、てなったんだよ」
「けど、ドレスが決まんなくてなー」
言われてみれば、大量に付せんが貼られている。
どれどれ、と見ればマーメイドドレスとミニ丈に付せんが集中している。
「マーメイドが蘭ちゃんで、ミニ丈が竜胆くんっぽいなあ……」
「あたりー」
「方向性が真逆すぎてきまんねえんだよ」
美夜子はどれがいい?と聞いてくるが、どっちもなあ……。
「ダメ元で私の意見聞いてもらってもいいですか?」
「んー。まあ、ダメで元々」
「言うだけ言ってみればいいんじゃね?」
これ、聞く気のない反応だな。とは思いつつ、私のイメージに近いドレスを探し、「こんな感じ」と指す。
「ふーん、これのどこがいいんだ?」
「おら、プレゼンしろ、プレゼン」
「バカにされそうで嫌なんですけど、バカにしません?」
「する」
「するに決まってんだろ」
バカにされることが大前提、決定事項の時点でプレゼンへのやる気が削がれるのだが。
でも、しないとずっと聞いてくるんだろうな、この二人……。
「……から」
「えー?なにー?蘭ちゃん聞こえなかったー」
「美夜子ちゃん、もう一回ー!」
完全にバカにしている二人に、すでに屈辱を感じてはいるが、これ以上煽られるのはムカつくので「ディズニープリンセスっぽかったから!」とはっきりと口にすると、一瞬真顔になってからニヤニヤしだす。
「え~?美夜子ちゃん、ディズニープリンセス憧れちゃってるの~?」
「女子~」
「うわ、むかつく、うわ」
ちょっと予想以上にムカつき、「もういいです!勝手に選べばいいでしょ!」と言い捨て、財布を持ってコンビニに憂さ晴らしスイーツを買いに行く。
はー!もー!ムカつく!
コンビニで雪見だいふくを買い、そういえば初めて会ったとき、毒クラゲに買ってもらい、そしてジャイアンに全部食べられたのも雪見だいふくだったな……。
「ムカつく」
別にいいじゃないか、ディズニープリンセス夢見たって。
ぷんすかしながら部屋に帰ると、まだ二人でゼクシィを見ている。
「おー。美夜子、お帰り」
「ちょっとこっち来い」
「……」
嫌だとは思うが嫌だと言えない奴隷根性。
近寄ると、ゼクシィから付せんがだいぶ減っていた。
「和解したんですか?」
「いや、方向性が変わった」
ほう、どれどれ。とページをめくると、ディズニープリンセスっぽいドレスにチェックが入っていた。
「お前がディズニープリンセスになりたいっつったんだからな」
「ちゃんと、肌管理とかしろよな」
まさか二人が妥協してくれるとは思っていなかった。
どうしよう、どれがいいかな。とペラペラめくって、つい「全部着たい」とポロリしたら、二人して「オッケー」と了承する。
「さすがに量多いし、月跨ぎな」
「待って待って、嘘です、嘘です!」
「待ったはなしな」
困った。困ったが、どうしよう。全部着れるのは正直、嬉しい。
「世界一幸せな花嫁にしてやっからなー」
「当日覚悟しとけよ」
「……へへ。はい」
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