蘭の嫁
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「うわぁ……」
毒クラゲを連れて帰る、という連絡は受けていたが、こんなへべれけ状態でくるとは思わなかった。
お帰りいただきたい……。
とりあえずリビングに連れていき、ソファーに寝かせる。
「珍しく竜胆の方から飲みに誘ってきたから、ヤバそうだなとは思ってたんだけどな」
「その時点で、ソフトドリンクに切り替えるべきでしたよ」
「うーん、言っても聞かねえときはどうしようもねえんだわ」
そんなに溜め込んでいたのかな……。
まあ、この毒クラゲ、横暴ではあるがなにかと人に気を遣うところがあるからなあ……。
「んじゃ、そういうわけだから、あとは頼んだ」
「どうしてそうなる」
「だって、酔っ払った竜胆クソ面倒なんだもん」
「面倒だとわかっているのに押し付けるんですか、おのれ」
「じゃあ、がんばれよー」
そう言うと、さっさと必要なものを持って出ていった。
おのれ……。
とにかく、毒クラゲを正気に戻そうと水を取りに行こうとしたら、「美夜子」と名前を呼ばれた。
「意識戻った、毒ク……竜胆くん」
「ん……」
もそもそと起き上がり、焦点のあっていない目で手招きしてくる。
大丈夫か、これ?行っても大丈夫なやつか?
恐る恐る近寄り、すぐに逃げ出せるように身構えてはいたが、まあ、男女で相手はケンカ慣れしているときたら逃げられませんな。
胸ぐら掴まれ、ソファーに押し倒されました。
「りりりり竜胆くん、落ち着いて!」
首を腕で押さえられ完全に身動きがとれなくなり、焦って落ち着かせようとしたが、竜胆くんは小さく「なんで」と言う。
「なんで、アニキなんだよ……」
「なんで、とは?」
「なんで、アニキと結婚したんだよ!俺の方が先に好きになって、俺の方が優しくしたのに、なんでアニキなんだよ!」
「ほ、ほん……」
「俺の方がいいじゃん、俺じゃダメだったのかよ!なんで俺を選んでくれなかったんだよ!」
「竜胆くん……」
ぼろぼろと泣きながら訴えているところ申し訳ないが、なんでもなにも、そういう契約を持ち出したのがジャイアンだったからだ。
もし竜胆くんから同じ申し出があったら、ジャイアンと同様に手のひら返しして乗っていただろう。
だから、なんでと言われても「タイミング」としか言いようがない。
「というか、竜胆くん私のこと好きだったの?」
「好きだよ、ずっと、ずっと。忘れられなかった。なのに……」
私の胸の上で泣き出す竜胆くんの頭を撫でながら、頭の中で「助けてジャイアン……!」と念を飛ばし続ける。
そもそも、どこに惹かれたと言うんだろう、この人。
見た限り、兄ほどではないが毒クラゲも十分モテていた。
まあ、大体がギャルだったが。
なんだろう、ギャルに飽きてたからギャルではない私に惹かれたとか?チョロすぎない?
かと言って、ジャイアンと同様に私は毒クラゲに恋愛感情なんて微塵もないんだよな……。
「美夜子、すき……」
「うん、ありがとう」
「本当は言うつもりなんてなかったんだよ。オマエを困らせるだけだってのは、わかってたから」
「うん」
「でも、言わないの辛かった。ずっと、なんで俺じゃないんだよ、て考えがなくならないんだ」
なんでもなにも、なんだろう、バイタリティーとかフットワークとか運とかかな。
顔を上げた竜胆くんは鼻をすすりながら、「俺のこと、好き?」と、くっそ面倒くさい女みたいなことを聞いてきた。
「ら……蘭ちゃんと同じくらい好きだよ……」
「いや、それ嫌いと同義じゃん」
見抜かれてしまったか。
酔っているくせに、頭の働きはいいようだ。
「じゃあ、なにより好きなんだよ。お前のお気に入りのココアよりは?」
「遥かに下」
「ハンバーグ」
「ずっと下」
「蟻」
「いい勝負!」
「ほぼ嫌いじゃねえかよ!」
「だから、蘭ちゃんと同じくらいって言ってんじゃん!」
その後、毒クラゲによるやけ酒に付き合わされ、朝帰りしたジャイアンに二人して世話になった。
毒クラゲは昨日の夜のことはなにも覚えていないらしい。
ジャイアンの作ったアサリの味噌汁うめ~。
毒クラゲを連れて帰る、という連絡は受けていたが、こんなへべれけ状態でくるとは思わなかった。
お帰りいただきたい……。
とりあえずリビングに連れていき、ソファーに寝かせる。
「珍しく竜胆の方から飲みに誘ってきたから、ヤバそうだなとは思ってたんだけどな」
「その時点で、ソフトドリンクに切り替えるべきでしたよ」
「うーん、言っても聞かねえときはどうしようもねえんだわ」
そんなに溜め込んでいたのかな……。
まあ、この毒クラゲ、横暴ではあるがなにかと人に気を遣うところがあるからなあ……。
「んじゃ、そういうわけだから、あとは頼んだ」
「どうしてそうなる」
「だって、酔っ払った竜胆クソ面倒なんだもん」
「面倒だとわかっているのに押し付けるんですか、おのれ」
「じゃあ、がんばれよー」
そう言うと、さっさと必要なものを持って出ていった。
おのれ……。
とにかく、毒クラゲを正気に戻そうと水を取りに行こうとしたら、「美夜子」と名前を呼ばれた。
「意識戻った、毒ク……竜胆くん」
「ん……」
もそもそと起き上がり、焦点のあっていない目で手招きしてくる。
大丈夫か、これ?行っても大丈夫なやつか?
恐る恐る近寄り、すぐに逃げ出せるように身構えてはいたが、まあ、男女で相手はケンカ慣れしているときたら逃げられませんな。
胸ぐら掴まれ、ソファーに押し倒されました。
「りりりり竜胆くん、落ち着いて!」
首を腕で押さえられ完全に身動きがとれなくなり、焦って落ち着かせようとしたが、竜胆くんは小さく「なんで」と言う。
「なんで、アニキなんだよ……」
「なんで、とは?」
「なんで、アニキと結婚したんだよ!俺の方が先に好きになって、俺の方が優しくしたのに、なんでアニキなんだよ!」
「ほ、ほん……」
「俺の方がいいじゃん、俺じゃダメだったのかよ!なんで俺を選んでくれなかったんだよ!」
「竜胆くん……」
ぼろぼろと泣きながら訴えているところ申し訳ないが、なんでもなにも、そういう契約を持ち出したのがジャイアンだったからだ。
もし竜胆くんから同じ申し出があったら、ジャイアンと同様に手のひら返しして乗っていただろう。
だから、なんでと言われても「タイミング」としか言いようがない。
「というか、竜胆くん私のこと好きだったの?」
「好きだよ、ずっと、ずっと。忘れられなかった。なのに……」
私の胸の上で泣き出す竜胆くんの頭を撫でながら、頭の中で「助けてジャイアン……!」と念を飛ばし続ける。
そもそも、どこに惹かれたと言うんだろう、この人。
見た限り、兄ほどではないが毒クラゲも十分モテていた。
まあ、大体がギャルだったが。
なんだろう、ギャルに飽きてたからギャルではない私に惹かれたとか?チョロすぎない?
かと言って、ジャイアンと同様に私は毒クラゲに恋愛感情なんて微塵もないんだよな……。
「美夜子、すき……」
「うん、ありがとう」
「本当は言うつもりなんてなかったんだよ。オマエを困らせるだけだってのは、わかってたから」
「うん」
「でも、言わないの辛かった。ずっと、なんで俺じゃないんだよ、て考えがなくならないんだ」
なんでもなにも、なんだろう、バイタリティーとかフットワークとか運とかかな。
顔を上げた竜胆くんは鼻をすすりながら、「俺のこと、好き?」と、くっそ面倒くさい女みたいなことを聞いてきた。
「ら……蘭ちゃんと同じくらい好きだよ……」
「いや、それ嫌いと同義じゃん」
見抜かれてしまったか。
酔っているくせに、頭の働きはいいようだ。
「じゃあ、なにより好きなんだよ。お前のお気に入りのココアよりは?」
「遥かに下」
「ハンバーグ」
「ずっと下」
「蟻」
「いい勝負!」
「ほぼ嫌いじゃねえかよ!」
「だから、蘭ちゃんと同じくらいって言ってんじゃん!」
その後、毒クラゲによるやけ酒に付き合わされ、朝帰りしたジャイアンに二人して世話になった。
毒クラゲは昨日の夜のことはなにも覚えていないらしい。
ジャイアンの作ったアサリの味噌汁うめ~。