蘭の嫁
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年末年始、とても平和であった。
クリスマスから三が日までジャイアンが帰ってこなかった。
社長さんだし、会食とかあったのだろう。あと、セフレとランデブー。
私としては、ゲームプレイヤーとしての格の違いを見せつけられたので、まったく問題ない。
むしろその調子!帰ってくるな!という感じである。
取引先、もっと会食入れて。
今日も帰ってこないだろうな〜!とウキウキで朝起きたら、ケータイにメールが入っていた。
『雑煮作って待ってろ』
ジャイアンからである。
ZOUNI?正月は終わりましたが?
いや、まあ、別にいいんだけども。オマエの言う雑煮はすまし汁か、はたまた合わせ味噌か。
それで、だいぶ私の生死がわかれてくるのだが。
そもそも、うちの雑煮はほぼ豚汁だからな……。なんか言われそう……。
困ったときのマルコメホームページを見て、着替えを済ませてスーパーに行って材料をそろえる。
世の中、合わせ味噌ではなく白味噌なのか……。そして、大根はいれないのか……。
雑煮、奥が深い……。
慣れない雑煮を作っていると、玄関の方からガタガタという音がした。
お、帰ってきた。
「おかえりなさいー」
「……」
出迎えれば、明らかな不機嫌オーラ。
幸先が悪い。
「あー……。あけましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いします」
提携通りの挨拶でその場を乗り切ろうとすると、数秒、私を見つめてから満面の笑みで、「ん。よろしくな」と言って足取り軽く中へ入っていく。
「ケーキ買ってきたから、あとで一緒にたべような」
「なにケーキですか?」
「知らね。適当に買ってきたから、好きなの食えよ」
受け取ったケーキの箱をそっと開ければ、すべて私が好きなタイプのケーキであった。
趣味が合うじゃないか。
「おー、雑煮だ。オマエんち、味噌なんだな」
「すまし汁派でしたか?!」
「いや、別にこだわりねえよ。つか、雑煮なんて食べたことねえし」
「なんで作らせたんですか……」
「んー?……なんとなく」
はい、はい。いつもの気まぐれですね。
ケーキを冷蔵庫にしまい、お玉から直に味噌汁を飲もうとするジャイアンに、「よそいますから、座って待っててください!」と言うと、嬉しそうな表情をしながら「ん」と言って、食卓についた。
まったく、もう。行儀が悪いな。と思いながらよそっていると、チャイムがなった。
「俺が出るから」
「!?」
あの腰が重いジャイアンが、自ら応対することに驚いた。
い、いったい誰が来たんだ……!と思っていたら、寿司が来た。
「寿司……」
「ウニは俺のな」
寿司があるなら、雑煮はいらないのでは……。と思ったが、まあ、ジャイアンはよく食べるからな。
ジャイアンの前に雑煮と小皿を置いてから、私も寿司を食べる準備をする。
やだも〜!カンパチがある〜!と嬉々として食べていたら、ジャイアンが「ちゃんと、年越せたな」と言い出した。
「まあ、一時期ヤバそうなときはありましたけど!ね!」
「根に持つじゃん。大丈夫だって。あれから、ちゃんと気をつけてるっての」
「本当に気をつけてくださいよ」
「ん」
本当にわかっているのか?と聞きたくなるユルイ表情をするジャイアン。
「まあ、そういうのもあんだけどさ、夫婦としてちゃんと年越せたな、て……」
「どういう意味ですか?」
「だってオマエ、俺のことスゲー嫌いじゃん。だからさ、すぐに逃げ出すかなって思ってたんだよな」
自覚があったんだ、とうっかり口にしそうだったが、なんとか堪え「約束、守ってもらってますからね」と答えると、眉をハの字にして「約束、破ったら離婚する?」と聞いてきた。
「蘭ちゃんが別れたいと言うなら」
「そうじゃなくて、俺が約束破ったらオマエはどうするって聞いてんだよ」
「例えば?」
「……毎日帰ってきて、一緒にいたいとか。俺のこともっと構えとか。嫉妬くらいしろとか、言ったら」
「えー、めんどくさ……」
「……」
「あ」
今年一発目の心のおもらしで、場の空気が凍る。
助けて、バイキンマン……ではなく竜胆くん。
「やっぱ、めんどくせえ?」
「あ……えっと……」
「嘘ついたら、シメるからな」
本当のこと言っても、シメるでしょうが。
「……」
「あー、はい、めんどくさいです……。無理矢理嫉妬するのは、ちょっと……」
「……そこ?」
むしろ、どこにめんどうくささを感じろと言うのか、と目を丸くする私同様、ジャイアンも目を丸くしていた。
なぜ。
「毎日帰ってきてほしくないとか、構えとか怠いとか」
「毎日帰ってきても、私の時間邪魔されなければいいですし、構えって言ってもずっとてわけじゃないでしょう?」
構ってほしくないときは、徹底的に無視決め込むの知ってますからね、私は。
「学生のときと違って、距離感取れるようになってますし」
「まあ……」
「それより、嫉妬してないのに嫉妬してるふりをするのは……怠い」
「それは、俺がどこの誰とナニしてても、どうでもいいってこと?」
「別になにしててもいいですよ。だって、蘭ちゃんはそういう関係性割り切ってますし。本気になることもないでしょ?」
もし本気になる相手ができたら、慰謝料十分にもらって別れますよ。
そう言う私に、ジャイアンは「信頼、て思っていいわけ?」と聞かれ、信頼?となる。
信頼というより、こういう人だからという割り切りに近い気が……。
悩みだす私に、ジャイアンは「信頼って思っとくわ」と満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、毎日帰ってきてやろ」
「ご飯必要なときは、前もって連絡してくださいね」
「ん、わかった」
クリスマスから三が日までジャイアンが帰ってこなかった。
社長さんだし、会食とかあったのだろう。あと、セフレとランデブー。
私としては、ゲームプレイヤーとしての格の違いを見せつけられたので、まったく問題ない。
むしろその調子!帰ってくるな!という感じである。
取引先、もっと会食入れて。
今日も帰ってこないだろうな〜!とウキウキで朝起きたら、ケータイにメールが入っていた。
『雑煮作って待ってろ』
ジャイアンからである。
ZOUNI?正月は終わりましたが?
いや、まあ、別にいいんだけども。オマエの言う雑煮はすまし汁か、はたまた合わせ味噌か。
それで、だいぶ私の生死がわかれてくるのだが。
そもそも、うちの雑煮はほぼ豚汁だからな……。なんか言われそう……。
困ったときのマルコメホームページを見て、着替えを済ませてスーパーに行って材料をそろえる。
世の中、合わせ味噌ではなく白味噌なのか……。そして、大根はいれないのか……。
雑煮、奥が深い……。
慣れない雑煮を作っていると、玄関の方からガタガタという音がした。
お、帰ってきた。
「おかえりなさいー」
「……」
出迎えれば、明らかな不機嫌オーラ。
幸先が悪い。
「あー……。あけましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いします」
提携通りの挨拶でその場を乗り切ろうとすると、数秒、私を見つめてから満面の笑みで、「ん。よろしくな」と言って足取り軽く中へ入っていく。
「ケーキ買ってきたから、あとで一緒にたべような」
「なにケーキですか?」
「知らね。適当に買ってきたから、好きなの食えよ」
受け取ったケーキの箱をそっと開ければ、すべて私が好きなタイプのケーキであった。
趣味が合うじゃないか。
「おー、雑煮だ。オマエんち、味噌なんだな」
「すまし汁派でしたか?!」
「いや、別にこだわりねえよ。つか、雑煮なんて食べたことねえし」
「なんで作らせたんですか……」
「んー?……なんとなく」
はい、はい。いつもの気まぐれですね。
ケーキを冷蔵庫にしまい、お玉から直に味噌汁を飲もうとするジャイアンに、「よそいますから、座って待っててください!」と言うと、嬉しそうな表情をしながら「ん」と言って、食卓についた。
まったく、もう。行儀が悪いな。と思いながらよそっていると、チャイムがなった。
「俺が出るから」
「!?」
あの腰が重いジャイアンが、自ら応対することに驚いた。
い、いったい誰が来たんだ……!と思っていたら、寿司が来た。
「寿司……」
「ウニは俺のな」
寿司があるなら、雑煮はいらないのでは……。と思ったが、まあ、ジャイアンはよく食べるからな。
ジャイアンの前に雑煮と小皿を置いてから、私も寿司を食べる準備をする。
やだも〜!カンパチがある〜!と嬉々として食べていたら、ジャイアンが「ちゃんと、年越せたな」と言い出した。
「まあ、一時期ヤバそうなときはありましたけど!ね!」
「根に持つじゃん。大丈夫だって。あれから、ちゃんと気をつけてるっての」
「本当に気をつけてくださいよ」
「ん」
本当にわかっているのか?と聞きたくなるユルイ表情をするジャイアン。
「まあ、そういうのもあんだけどさ、夫婦としてちゃんと年越せたな、て……」
「どういう意味ですか?」
「だってオマエ、俺のことスゲー嫌いじゃん。だからさ、すぐに逃げ出すかなって思ってたんだよな」
自覚があったんだ、とうっかり口にしそうだったが、なんとか堪え「約束、守ってもらってますからね」と答えると、眉をハの字にして「約束、破ったら離婚する?」と聞いてきた。
「蘭ちゃんが別れたいと言うなら」
「そうじゃなくて、俺が約束破ったらオマエはどうするって聞いてんだよ」
「例えば?」
「……毎日帰ってきて、一緒にいたいとか。俺のこともっと構えとか。嫉妬くらいしろとか、言ったら」
「えー、めんどくさ……」
「……」
「あ」
今年一発目の心のおもらしで、場の空気が凍る。
助けて、バイキンマン……ではなく竜胆くん。
「やっぱ、めんどくせえ?」
「あ……えっと……」
「嘘ついたら、シメるからな」
本当のこと言っても、シメるでしょうが。
「……」
「あー、はい、めんどくさいです……。無理矢理嫉妬するのは、ちょっと……」
「……そこ?」
むしろ、どこにめんどうくささを感じろと言うのか、と目を丸くする私同様、ジャイアンも目を丸くしていた。
なぜ。
「毎日帰ってきてほしくないとか、構えとか怠いとか」
「毎日帰ってきても、私の時間邪魔されなければいいですし、構えって言ってもずっとてわけじゃないでしょう?」
構ってほしくないときは、徹底的に無視決め込むの知ってますからね、私は。
「学生のときと違って、距離感取れるようになってますし」
「まあ……」
「それより、嫉妬してないのに嫉妬してるふりをするのは……怠い」
「それは、俺がどこの誰とナニしてても、どうでもいいってこと?」
「別になにしててもいいですよ。だって、蘭ちゃんはそういう関係性割り切ってますし。本気になることもないでしょ?」
もし本気になる相手ができたら、慰謝料十分にもらって別れますよ。
そう言う私に、ジャイアンは「信頼、て思っていいわけ?」と聞かれ、信頼?となる。
信頼というより、こういう人だからという割り切りに近い気が……。
悩みだす私に、ジャイアンは「信頼って思っとくわ」と満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、毎日帰ってきてやろ」
「ご飯必要なときは、前もって連絡してくださいね」
「ん、わかった」