じゃじゃ馬淑女
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帰り道、前方に見覚えのあるモッズコートと金髪の男を発見した。
あ、あれは、もしや……!
「ディーノくん!」
「ん?おー!蛍ー!」
猫なで声、可愛い女の顔で駆け寄ると、ディーノくんの横から蹴りが飛んできた。
恭弥くん仕込の反射神経でターンを決めて、ディーノくんにしがみつく。
「何奴!」
蹴りをしたであろう相手を睨めば、そこには不愉快を全面にだした恭弥くんがいた。
「恭弥くんがどうしてここにいるのかも気になるところだけど、なにをするんだ恭弥くん」
「猫なで声とぶりっ子が気持ち悪かった」
言うこともやることも理不尽すぎる。さすが、理不尽の申し子。
しがみつく私をディーノは抱きしめ、「こーら、恭弥。女の子に乱暴すんな」と嗜める。
さすが、大人の男♡とディーノくんに見とれている私を、恭弥くんが睨んでいることに気が付かなかった。
「いいんだよ、僕と蛍の仲だからね」
「おい、こら。恭弥くん。普段絶対にそんなこと言わないくせに、なんでいま言った」
「さあ?」
たしかに私と恭弥くんの仲だから、さっきの奇襲は許されるが、それをいま言う必要なくない?
ディーノくんに勘違いされるでしょ!
怒る私に、恭弥くんはそっぽを向く。なんだ、その態度はー!と更に怒ると、上から「ふーん、仲いいんだな」と声が降ってきた。
上を向くと、拗ねた表情をしたディーノくんの顔。
勘違いされた……!
「あの、違うの、ディーノくん。恭弥くんとは昔からの付き合いで、弟というか、友だちというか、私の師匠というか……!本当に、そういう恋仲では全然なくてね……!」
「……僕は蛍とお風呂に入ったことあるよ」
「いつの話をしてるの、恭弥くん?!」
「俺とは絶対に入ってくれなかったのにか?」
「好きな人と入れるわけないじゃん!」
なんだ、この修羅場は……!
恭弥くんも、なぜこんなに煽るようなことを言うのか!
慌てて舵を切り直そうと、「二人はなんで一緒にいたの?!」と話題を変える。
「俺たちは修業の帰り」
「修業?」
「違うよ。ただ、戦ってただけ」
そういえば、二人共ボロボロじゃないか。
恭弥くんが返り血で血みどろなのは日常茶飯事だが、怪我をしているのは珍しい。
「もー、男の子は喧嘩好きだね。二人共、うちに来な。手当してあげるから」
「うん、わかった……」
「ん……」
なんだか気まずい空気のままうちに着き、二人には先に汗と泥を洗い流す為に、お風呂に入るように言った。
「この人と一緒に入りたくないんだけど」
「うちのお風呂は一つしかないので、我慢しなさい」
ぶすっ、とする恭弥くんとディーノくんを脱衣場に押し込んで、お手伝いの梅子さんにあとで二人の服を回収して洗濯とクリーニングをお願いして、恭弥くんの着物と、ディーノくん用に父さんの着物を棚に置いておく。
二人が着物なら、やはり私も着物を着るしかなかろう、ということで、ちゃちゃっと着付けて待っていると、恭弥くんだけが部屋に通された。
「あれ、ディーノくんは?」
「着付けができなくて、困ってるみたいだよ」
「やってあげなかったの?!」
「そんな義理ないよ」
「やってあげなよ……」
「そんなに言うなら、キミがやってあげたら」
「私が鼻血だしながら着付けているところが見たいなら」
「普通に見たくない」
私も見られたくないよ。
仕方がない、と思い、お手伝いの正蔵さんにディーノくんの着付けをお願いすると、しばらくしてディーノくんが申し訳無さそうに入ってきた。
「待たせて悪い」
「いいんだよ。薄情な恭弥くんが悪い」
「指ささないでくれる?」
「……」
ディーノくんは私をジッ、と見つめると、とろける様な笑みを浮かべた。
え、なに。どうしたの?
「普段の洋服も可愛くていいけど、着物も艶っぽくていいな」
「え……あ……」
着物なんて、いつも着ていて褒められることなんてないから、なんだか照れてしまった。
しかもディーノくんから褒められたのだから、顔が赤くなっていくのがわかる。
「いい感じなところ悪いんだけど、手当してくれないなら帰るよ」
「えぁ?!あ、手当てね!うん、するよ!」
用意していた湿布や創傷被覆材を恭弥くんに貼っていくと、恭弥くんが勝ち誇った顔で、「僕が先だったね」と言うと、ディーノくんがむっ、とした表情をした。
「いや、恭弥くん帰りたそうにしてたから、先に手当てしてるだけだから」
「当たり前でしょ。キミたち、僕がいてもお構いなくベタベタし始めるんだから」
恭弥くんの言葉に私とディーノくんが恥ずかしがると、恭弥くんがイライラした声色で「そういうのだよ」と言うから、照れ照れしてしまう。
「もう僕は帰るよ」
「う、うん」
スタスタと行ってしまう恭弥くんを見送り、「なんであんなにイライラしてるんだろう」と呟くと、ディーノくんが「好きだからだろ」と言う。
「ディーノくんが?!ディーノくんは私のだ!」
「うーん、嬉しいけど、そうじゃねえかなぁ……」
苦笑いするディーノくんの言葉を考えると、つまり、恭弥くんは私が好き。
「へっへっへっ。普段、あれだけ私に悪態ついてるのに、なんだかんだで私が好きなんじゃん」
「……」
わかりにくい恭弥くんのデレを知ってしまい可愛くなっていると、ディーノくんが唐突に手を握ってきた。
ぎょっ、として握られた手を凝視していたら、ディーノくんに「蛍、俺を見てくんね?」と言うから、恐る恐る顔をあげると、拗ねた顔をしたディーノくんがいた。
「え〜、わ〜。可愛い〜」
「可愛いって言うな」
「ごめん。けど、どうしたの?」
そう聞くと、ディーノくんは「俺だって不安になるんだからな」と言う。
「蛍が俺一筋なのはわかってるけどさ、やっぱり、歳の近いやつの方がいいんじゃねえかって思うし、恭弥とあんな仲いいと、やっぱ……妬く」
「ディ、ディーノくん……!」
あの、大人で余裕綽々なディーノくんが妬いてくれたことに舞い上がりそうだったが、ここはしっかり私がディーノくんを好きだと理解してもらわないと。
「私は、ディーノくん以外に目移りしないから!それに、恭弥くんは弟みたいなものだし!」
「ふーん、証拠は?」
「証拠?」
「恭弥とは風呂に入ったんだろー?俺は子供のときから嫌がられたのになー」
「だって、だって!それは、ディーノくんが好きだからで!」
私の言い分に、ディーノくんは「恭弥いいなー」と言うから、真っ赤になりながらなんとか弁解しようとしていると、ディーノくんが小さく吹き出し「冗談」と言う。
「風呂はしかたねえよな。むしろ、そんなときから意識してくれてるってことだし」
「そう!」
「けど、やっぱり俺の方が好きって証拠はほしいよな」
「な、なにすればいいの?」
「んー、月並みにキスとか?」
「キ……」
赤くなる顔を手で覆い隠し、ディーノくんの言葉を反芻してしまう。
キス?私から?無理ムリむり!
「……冗談だよ。大丈夫、二十歳まで待つって決めたんだからな。その間に蛍の心が変わっても、俺は受け入れるよ」
「違う!そうじゃないの!」
慌てて顔をあげると、あのディーノくんが不安そうな顔をしていて、思わずディーノくんの後頭部を手で引き寄せキスをしていた。
「わ、私が好きなのはディーノくんだから……!」
「俺も、蛍が好き」
そう言うと、私の拙いキスとは比べ物にならないキスをされた。
「絶対に、二十歳まで俺以外に目移りなんてさせねえからな」
「ちょっと待って、好きすぎて鼻血でそう」
「待て待て待て!その着物高いだろ?!我慢しろ!」
あ、あれは、もしや……!
「ディーノくん!」
「ん?おー!蛍ー!」
猫なで声、可愛い女の顔で駆け寄ると、ディーノくんの横から蹴りが飛んできた。
恭弥くん仕込の反射神経でターンを決めて、ディーノくんにしがみつく。
「何奴!」
蹴りをしたであろう相手を睨めば、そこには不愉快を全面にだした恭弥くんがいた。
「恭弥くんがどうしてここにいるのかも気になるところだけど、なにをするんだ恭弥くん」
「猫なで声とぶりっ子が気持ち悪かった」
言うこともやることも理不尽すぎる。さすが、理不尽の申し子。
しがみつく私をディーノは抱きしめ、「こーら、恭弥。女の子に乱暴すんな」と嗜める。
さすが、大人の男♡とディーノくんに見とれている私を、恭弥くんが睨んでいることに気が付かなかった。
「いいんだよ、僕と蛍の仲だからね」
「おい、こら。恭弥くん。普段絶対にそんなこと言わないくせに、なんでいま言った」
「さあ?」
たしかに私と恭弥くんの仲だから、さっきの奇襲は許されるが、それをいま言う必要なくない?
ディーノくんに勘違いされるでしょ!
怒る私に、恭弥くんはそっぽを向く。なんだ、その態度はー!と更に怒ると、上から「ふーん、仲いいんだな」と声が降ってきた。
上を向くと、拗ねた表情をしたディーノくんの顔。
勘違いされた……!
「あの、違うの、ディーノくん。恭弥くんとは昔からの付き合いで、弟というか、友だちというか、私の師匠というか……!本当に、そういう恋仲では全然なくてね……!」
「……僕は蛍とお風呂に入ったことあるよ」
「いつの話をしてるの、恭弥くん?!」
「俺とは絶対に入ってくれなかったのにか?」
「好きな人と入れるわけないじゃん!」
なんだ、この修羅場は……!
恭弥くんも、なぜこんなに煽るようなことを言うのか!
慌てて舵を切り直そうと、「二人はなんで一緒にいたの?!」と話題を変える。
「俺たちは修業の帰り」
「修業?」
「違うよ。ただ、戦ってただけ」
そういえば、二人共ボロボロじゃないか。
恭弥くんが返り血で血みどろなのは日常茶飯事だが、怪我をしているのは珍しい。
「もー、男の子は喧嘩好きだね。二人共、うちに来な。手当してあげるから」
「うん、わかった……」
「ん……」
なんだか気まずい空気のままうちに着き、二人には先に汗と泥を洗い流す為に、お風呂に入るように言った。
「この人と一緒に入りたくないんだけど」
「うちのお風呂は一つしかないので、我慢しなさい」
ぶすっ、とする恭弥くんとディーノくんを脱衣場に押し込んで、お手伝いの梅子さんにあとで二人の服を回収して洗濯とクリーニングをお願いして、恭弥くんの着物と、ディーノくん用に父さんの着物を棚に置いておく。
二人が着物なら、やはり私も着物を着るしかなかろう、ということで、ちゃちゃっと着付けて待っていると、恭弥くんだけが部屋に通された。
「あれ、ディーノくんは?」
「着付けができなくて、困ってるみたいだよ」
「やってあげなかったの?!」
「そんな義理ないよ」
「やってあげなよ……」
「そんなに言うなら、キミがやってあげたら」
「私が鼻血だしながら着付けているところが見たいなら」
「普通に見たくない」
私も見られたくないよ。
仕方がない、と思い、お手伝いの正蔵さんにディーノくんの着付けをお願いすると、しばらくしてディーノくんが申し訳無さそうに入ってきた。
「待たせて悪い」
「いいんだよ。薄情な恭弥くんが悪い」
「指ささないでくれる?」
「……」
ディーノくんは私をジッ、と見つめると、とろける様な笑みを浮かべた。
え、なに。どうしたの?
「普段の洋服も可愛くていいけど、着物も艶っぽくていいな」
「え……あ……」
着物なんて、いつも着ていて褒められることなんてないから、なんだか照れてしまった。
しかもディーノくんから褒められたのだから、顔が赤くなっていくのがわかる。
「いい感じなところ悪いんだけど、手当してくれないなら帰るよ」
「えぁ?!あ、手当てね!うん、するよ!」
用意していた湿布や創傷被覆材を恭弥くんに貼っていくと、恭弥くんが勝ち誇った顔で、「僕が先だったね」と言うと、ディーノくんがむっ、とした表情をした。
「いや、恭弥くん帰りたそうにしてたから、先に手当てしてるだけだから」
「当たり前でしょ。キミたち、僕がいてもお構いなくベタベタし始めるんだから」
恭弥くんの言葉に私とディーノくんが恥ずかしがると、恭弥くんがイライラした声色で「そういうのだよ」と言うから、照れ照れしてしまう。
「もう僕は帰るよ」
「う、うん」
スタスタと行ってしまう恭弥くんを見送り、「なんであんなにイライラしてるんだろう」と呟くと、ディーノくんが「好きだからだろ」と言う。
「ディーノくんが?!ディーノくんは私のだ!」
「うーん、嬉しいけど、そうじゃねえかなぁ……」
苦笑いするディーノくんの言葉を考えると、つまり、恭弥くんは私が好き。
「へっへっへっ。普段、あれだけ私に悪態ついてるのに、なんだかんだで私が好きなんじゃん」
「……」
わかりにくい恭弥くんのデレを知ってしまい可愛くなっていると、ディーノくんが唐突に手を握ってきた。
ぎょっ、として握られた手を凝視していたら、ディーノくんに「蛍、俺を見てくんね?」と言うから、恐る恐る顔をあげると、拗ねた顔をしたディーノくんがいた。
「え〜、わ〜。可愛い〜」
「可愛いって言うな」
「ごめん。けど、どうしたの?」
そう聞くと、ディーノくんは「俺だって不安になるんだからな」と言う。
「蛍が俺一筋なのはわかってるけどさ、やっぱり、歳の近いやつの方がいいんじゃねえかって思うし、恭弥とあんな仲いいと、やっぱ……妬く」
「ディ、ディーノくん……!」
あの、大人で余裕綽々なディーノくんが妬いてくれたことに舞い上がりそうだったが、ここはしっかり私がディーノくんを好きだと理解してもらわないと。
「私は、ディーノくん以外に目移りしないから!それに、恭弥くんは弟みたいなものだし!」
「ふーん、証拠は?」
「証拠?」
「恭弥とは風呂に入ったんだろー?俺は子供のときから嫌がられたのになー」
「だって、だって!それは、ディーノくんが好きだからで!」
私の言い分に、ディーノくんは「恭弥いいなー」と言うから、真っ赤になりながらなんとか弁解しようとしていると、ディーノくんが小さく吹き出し「冗談」と言う。
「風呂はしかたねえよな。むしろ、そんなときから意識してくれてるってことだし」
「そう!」
「けど、やっぱり俺の方が好きって証拠はほしいよな」
「な、なにすればいいの?」
「んー、月並みにキスとか?」
「キ……」
赤くなる顔を手で覆い隠し、ディーノくんの言葉を反芻してしまう。
キス?私から?無理ムリむり!
「……冗談だよ。大丈夫、二十歳まで待つって決めたんだからな。その間に蛍の心が変わっても、俺は受け入れるよ」
「違う!そうじゃないの!」
慌てて顔をあげると、あのディーノくんが不安そうな顔をしていて、思わずディーノくんの後頭部を手で引き寄せキスをしていた。
「わ、私が好きなのはディーノくんだから……!」
「俺も、蛍が好き」
そう言うと、私の拙いキスとは比べ物にならないキスをされた。
「絶対に、二十歳まで俺以外に目移りなんてさせねえからな」
「ちょっと待って、好きすぎて鼻血でそう」
「待て待て待て!その着物高いだろ?!我慢しろ!」
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