キミは僕のペット
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背中に飛びついてきた鷹藤をおんぶし、「鷹藤はさ、なんで僕にじゃれつくの?」といままで不思議に思っていたことを聞く。
「え、好きだから?」
「その好きはどこから来たの?」
「面白そうだったから!」
まるで小さな子供と話しているような気分になりながら、「どこでなにを見て面白そうだと思ったの?」と聞く。
「入学して、リーゼントたくさん連れて歩いてるの見て、あとくっついて行ったら不良ボコボコにしてて面白いって思いました」
「普通そこ、怖いってならない?」
僕が言うのもなんだけど、と思いながら聞くと、「普通の人間なんて、つまらないじゃないですか」と無邪気に言うから、相変わらず狂っているなと思う。
背中の鷹藤に「好奇心は猫を殺すって言うよ」と言うと、「退屈に死ぬよりずっとマシですよ」と笑い混じりに返ってきた。
この子は死ぬ瞬間、絶対に「あー!楽しかったー!」と言いながら派手に散っていきそうだな。
打ち上げ花火みたいな子。
「キミ、屋内飼いしないと変なところで死にそうだよね」
「ヒバリさん、私を相変わらず猫扱いしますね」
「猫扱いしてるから、じゃれつくのを許してるんだろ」
「むぅ……」
見なくても不満そうな顔をしているのがわかる。
「誰かに飼われる人生なんて、まっぴら御免ですよ!」
「そうだね、キミは野良猫だから可愛いところがある」
いつ、どこで、なんの為に生きるか。
いつ、どこで、なんの為に死ぬか。
すべて自分で決め、歩いていくキミは気高くて綺麗だよ。……とか言うと図に乗るから言ってはあげないけど。
「それはそうと、最近またキミを狙っている連中がいるらしいから、気をつけなよ」
「あー、ヒバリさん過激派?懲りませんねー」
以前、僕にじゃれつく鷹藤を怪我させた連中は一度、僕自ら咬み殺したけれども、懲りていないようで、また鷹藤を襲撃しようとしているらしい。
群れて気に入らないものを排除しようとする考えは、ハッキリ言って気に食わない。
「まあ、耳障りな羽虫くらいは放っておきますよ。ネズミだったら……狩っちゃおうかな……」
「狩りができるほど、キミ強くないでしょ」
「ごもっともー」
ケタケタと笑ってはいるが、また顔にあんな青痣作ることになったらどうするんだか。
なにかある前に、危険は潰しておくか。そう思っていた矢先、連中の動向を探らせていた風紀委員から連絡が入った。
『今日、鷹藤を襲撃するそうです』
「ふーん、なんでいままでその情報がでてこなかったの?」
『それは……その……』
「鷹藤になにかあったら、キミ、咬み殺すから」
別に鷹藤になにかあったからムカつくのではなく、僕の意思に噛みついてきたことがムカつくのだ。
風紀委員の中にも、鷹藤が僕にじゃれつくのをよく思わない奴らがいる。今回も、そいつらがわざと情報を遅らせたのだろう。
鷹藤が僕にじゃれつくのも勝手だし、僕がそれを構うのも勝手だ。僕たちの自由に口出しすることは許さない。
鷹藤はもう帰ったと彼女と同じクラスの生徒が言ったが、あの子が大人しく帰路につくとは思えない。絶対にどこかで寄り道をしているに決まっている。
こういうときに、首輪に発信機を仕込んでおいてよかった。
地図が示す場所までバイクを飛ばすと、そこは廃工場であった。リンチにはおあつらえ向きだね。
しかし、中に入ると一方的な暴力をふるっていたのは、鷹藤の方だった。
高く跳び、蹴りで獲物を確実に仕留める姿はまるで鷹のようだった。
最後の一人が地面に崩れ落ち、着地した鷹藤の顔は退屈な狩りをした猫のような顔。
あくびと伸びをひとつすると、こちらに気がついたらしく、いつもの無邪気な顔で「ビーバーリーさーん!」と駆け寄ってきたから、トンファーを振り抜く。
だが、鷹藤は余計な動作もなく避けた。あの、僕の平手をいつも避けられない鷹藤が。
「ヒバリさん、いま本気で殴る気だったでしょ」
「だったらなに?」
「危ないじゃーん。鼻かすったよ?いたーい」
わざとらしく鼻を押さえる鷹藤に、「喧嘩、できないんじゃなかったの?」と聞く。
「うーん、まあ、嘘。できるけど、基本的にしないだけ。つまらないし」
ど突きあいのなにが楽しいってんだか、と言う鷹藤に「僕を喜ばせられないっていうのも、嘘?」と聞くと、へらへらしながら「それはホントー」と言う。
「喜んでもらえるほど、強くないです!そして、ヒバリさんだけが楽しい暴力に興味はありません!そこに愛がない暴力に興味は!ありま!せん!」
「やっぱりマゾヒストじゃないか」
「誰でもいいわけではないので」
けど、そう。愛のある暴力がお好みなんだね。
「なら、全力で愛して咬み殺してあげる」
僕の言葉に鷹藤は少し考えてから、「ならいいですよ!咬み殺されます!」と自ら突っ込んできた。
それを蹴りで転けさせてから、「ちゃんと、キミも戦うならの話だよ」と言うと、不平不満を垂れたがそれでもちゃんと臨戦態勢はとった。
そうこなくちゃ。
僕が振るうトンファーを、鷹藤は紙一重でかわしていく。恐らく、鷹藤にはトンファーの軌道が見えている。動体視力がいいのだろう。
ならば、フェイントを入れお腹に蹴りを入れるが、既のところで気が付かれダメージを逃された。
「逃げるのは上手いね」
「うーん、ラ、ラ、ラ……違うな……ララ、ラ……」
なにか歌を口ずさむ鷹藤。
鼻歌だなんて余裕だね、とトンファーを振るえば当たり、鷹藤の顔に痣ができる。
「ラーラ、ラ、ラ、ララ……」
「……」
トン、トン、と段々とリズムをつけて軽く跳ぶ鷹藤はどこか踊りを踊っているようだった。
当たっては避けてを繰り返す鷹藤。
「ラーラ、ラ、ラ、ララ……」
「……」
「ララ、ラーララ、ラ……シッ!」
「!」
後ろに仰け反って避けたと思ったら、下から蹴りが来た。
避けるが、蹴りの向きを変えての踵落とし。
「シッ!シッ!」
踵落としをかわしたあとに、脇腹を狙った蹴り。
一度距離を取ると、ボクシングのようにその場で軽くジャンプをしながらまた歌を歌う。
「あー、ダメだ。全然リズムが掴めない」
「リズム?」
「人の攻撃には、それぞれリズムがあるはずなんですけど、ヒバリさんのリズム変則的で全然掴めないんですよ。半分くらいしかわからない」
「当たり前でしょ。僕は生物としての性能が違うんだから」
鷹藤の言う通り、僕の攻撃を半分の確率で避けていく。それが面白くて、スピードをあげれば一時的に当たる回数は増えるが、すぐに半分の確率になる。
「ゲホッゲホッ!」
しかし、体力的にもダメージ的にも鷹藤に限界が来てしまった。
膝をつく鷹藤に「そこそこ楽しめたよ」と言うと、鷹藤は「私はあんまり楽しめませんでしたよ」と唇を尖らせる。
「やっぱり、本気で喧嘩するのつまんなーい」
「僕がこんなに愛してあげたのに?」
「愛ってのは、楽しむ余裕があるから感じられるんですよ?ヒバリさんのお楽しみに付き合ってたら、私が楽しむ余裕ないじゃないですか」
「僕が楽しかったからいいでしょ?」
「……もう、いいです」
よし、よし。またしようね、殺し愛。
「え、好きだから?」
「その好きはどこから来たの?」
「面白そうだったから!」
まるで小さな子供と話しているような気分になりながら、「どこでなにを見て面白そうだと思ったの?」と聞く。
「入学して、リーゼントたくさん連れて歩いてるの見て、あとくっついて行ったら不良ボコボコにしてて面白いって思いました」
「普通そこ、怖いってならない?」
僕が言うのもなんだけど、と思いながら聞くと、「普通の人間なんて、つまらないじゃないですか」と無邪気に言うから、相変わらず狂っているなと思う。
背中の鷹藤に「好奇心は猫を殺すって言うよ」と言うと、「退屈に死ぬよりずっとマシですよ」と笑い混じりに返ってきた。
この子は死ぬ瞬間、絶対に「あー!楽しかったー!」と言いながら派手に散っていきそうだな。
打ち上げ花火みたいな子。
「キミ、屋内飼いしないと変なところで死にそうだよね」
「ヒバリさん、私を相変わらず猫扱いしますね」
「猫扱いしてるから、じゃれつくのを許してるんだろ」
「むぅ……」
見なくても不満そうな顔をしているのがわかる。
「誰かに飼われる人生なんて、まっぴら御免ですよ!」
「そうだね、キミは野良猫だから可愛いところがある」
いつ、どこで、なんの為に生きるか。
いつ、どこで、なんの為に死ぬか。
すべて自分で決め、歩いていくキミは気高くて綺麗だよ。……とか言うと図に乗るから言ってはあげないけど。
「それはそうと、最近またキミを狙っている連中がいるらしいから、気をつけなよ」
「あー、ヒバリさん過激派?懲りませんねー」
以前、僕にじゃれつく鷹藤を怪我させた連中は一度、僕自ら咬み殺したけれども、懲りていないようで、また鷹藤を襲撃しようとしているらしい。
群れて気に入らないものを排除しようとする考えは、ハッキリ言って気に食わない。
「まあ、耳障りな羽虫くらいは放っておきますよ。ネズミだったら……狩っちゃおうかな……」
「狩りができるほど、キミ強くないでしょ」
「ごもっともー」
ケタケタと笑ってはいるが、また顔にあんな青痣作ることになったらどうするんだか。
なにかある前に、危険は潰しておくか。そう思っていた矢先、連中の動向を探らせていた風紀委員から連絡が入った。
『今日、鷹藤を襲撃するそうです』
「ふーん、なんでいままでその情報がでてこなかったの?」
『それは……その……』
「鷹藤になにかあったら、キミ、咬み殺すから」
別に鷹藤になにかあったからムカつくのではなく、僕の意思に噛みついてきたことがムカつくのだ。
風紀委員の中にも、鷹藤が僕にじゃれつくのをよく思わない奴らがいる。今回も、そいつらがわざと情報を遅らせたのだろう。
鷹藤が僕にじゃれつくのも勝手だし、僕がそれを構うのも勝手だ。僕たちの自由に口出しすることは許さない。
鷹藤はもう帰ったと彼女と同じクラスの生徒が言ったが、あの子が大人しく帰路につくとは思えない。絶対にどこかで寄り道をしているに決まっている。
こういうときに、首輪に発信機を仕込んでおいてよかった。
地図が示す場所までバイクを飛ばすと、そこは廃工場であった。リンチにはおあつらえ向きだね。
しかし、中に入ると一方的な暴力をふるっていたのは、鷹藤の方だった。
高く跳び、蹴りで獲物を確実に仕留める姿はまるで鷹のようだった。
最後の一人が地面に崩れ落ち、着地した鷹藤の顔は退屈な狩りをした猫のような顔。
あくびと伸びをひとつすると、こちらに気がついたらしく、いつもの無邪気な顔で「ビーバーリーさーん!」と駆け寄ってきたから、トンファーを振り抜く。
だが、鷹藤は余計な動作もなく避けた。あの、僕の平手をいつも避けられない鷹藤が。
「ヒバリさん、いま本気で殴る気だったでしょ」
「だったらなに?」
「危ないじゃーん。鼻かすったよ?いたーい」
わざとらしく鼻を押さえる鷹藤に、「喧嘩、できないんじゃなかったの?」と聞く。
「うーん、まあ、嘘。できるけど、基本的にしないだけ。つまらないし」
ど突きあいのなにが楽しいってんだか、と言う鷹藤に「僕を喜ばせられないっていうのも、嘘?」と聞くと、へらへらしながら「それはホントー」と言う。
「喜んでもらえるほど、強くないです!そして、ヒバリさんだけが楽しい暴力に興味はありません!そこに愛がない暴力に興味は!ありま!せん!」
「やっぱりマゾヒストじゃないか」
「誰でもいいわけではないので」
けど、そう。愛のある暴力がお好みなんだね。
「なら、全力で愛して咬み殺してあげる」
僕の言葉に鷹藤は少し考えてから、「ならいいですよ!咬み殺されます!」と自ら突っ込んできた。
それを蹴りで転けさせてから、「ちゃんと、キミも戦うならの話だよ」と言うと、不平不満を垂れたがそれでもちゃんと臨戦態勢はとった。
そうこなくちゃ。
僕が振るうトンファーを、鷹藤は紙一重でかわしていく。恐らく、鷹藤にはトンファーの軌道が見えている。動体視力がいいのだろう。
ならば、フェイントを入れお腹に蹴りを入れるが、既のところで気が付かれダメージを逃された。
「逃げるのは上手いね」
「うーん、ラ、ラ、ラ……違うな……ララ、ラ……」
なにか歌を口ずさむ鷹藤。
鼻歌だなんて余裕だね、とトンファーを振るえば当たり、鷹藤の顔に痣ができる。
「ラーラ、ラ、ラ、ララ……」
「……」
トン、トン、と段々とリズムをつけて軽く跳ぶ鷹藤はどこか踊りを踊っているようだった。
当たっては避けてを繰り返す鷹藤。
「ラーラ、ラ、ラ、ララ……」
「……」
「ララ、ラーララ、ラ……シッ!」
「!」
後ろに仰け反って避けたと思ったら、下から蹴りが来た。
避けるが、蹴りの向きを変えての踵落とし。
「シッ!シッ!」
踵落としをかわしたあとに、脇腹を狙った蹴り。
一度距離を取ると、ボクシングのようにその場で軽くジャンプをしながらまた歌を歌う。
「あー、ダメだ。全然リズムが掴めない」
「リズム?」
「人の攻撃には、それぞれリズムがあるはずなんですけど、ヒバリさんのリズム変則的で全然掴めないんですよ。半分くらいしかわからない」
「当たり前でしょ。僕は生物としての性能が違うんだから」
鷹藤の言う通り、僕の攻撃を半分の確率で避けていく。それが面白くて、スピードをあげれば一時的に当たる回数は増えるが、すぐに半分の確率になる。
「ゲホッゲホッ!」
しかし、体力的にもダメージ的にも鷹藤に限界が来てしまった。
膝をつく鷹藤に「そこそこ楽しめたよ」と言うと、鷹藤は「私はあんまり楽しめませんでしたよ」と唇を尖らせる。
「やっぱり、本気で喧嘩するのつまんなーい」
「僕がこんなに愛してあげたのに?」
「愛ってのは、楽しむ余裕があるから感じられるんですよ?ヒバリさんのお楽しみに付き合ってたら、私が楽しむ余裕ないじゃないですか」
「僕が楽しかったからいいでしょ?」
「……もう、いいです」
よし、よし。またしようね、殺し愛。