キミは僕のペット
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機嫌が悪い。
学校の壁に落書きをした馬鹿がいたり、群れをなしてる連中がうちの生徒をいたぶったりして、いま、僕はすこぶる機嫌が悪い。
その機嫌の悪さを感じ取ったのか、今日は誰も彼も大人しい。
唯一、その機嫌の悪い僕を問答無用で襲撃してくる鷹藤の根性は、賛辞を送ってあげよう。
相手はしてあげないけど。
「鷹藤。僕、いま本当に機嫌悪いから、手加減できないよ」
そう警告をすると、鷹藤は残念そうな顔をしながら静かに近寄ってきて、「なにかありましたか?」と聞いてくる。
もっと、自分の身の危険を考えたらどうなんだか。
鷹藤の頭を撫で、「キミは気にしなくていいんだよ」と言えば、寂しそうな顔をしながら帰っていった。
あまり鷹藤をストレスの捌け口にはしたくなく遠ざけたが、ああいう顔をされるのは嫌だな。
明日はちゃんと構ってあげよう、と放課後、応接室のソファーに座り本を読んでいたら、控え目なノックが響いた。
草壁にしては覇気のないノックだったので、「誰」と聞けば、「鷹藤です」と声がした。
「入りな」
そう言うと、鷹藤が心配そうな顔をして入ってきた。その手には、コンビニのビニール袋が下げられていた。
どうしたの、と聞くも鷹藤はなにも言わずテーブルの側にしゃがみこみ、そっとクッキーの袋を置き、僕を見つめてくる。うん、クッキーだね。
「これがどうしたの」
「……」
今度は黙ってチョコレートの箱をテーブルに置き、僕を見つめる。うん、チョコレート。
特に反応しないでいると、今度は飴の袋を置き、僕を見つめる。
「なにがしたいの、鷹藤?」
「甘い物、どれか好きかわからなくて……」
数撃ちゃ当たるかと……、と肩を落とす鷹藤に「甘い物と僕にどういう関係があるの?」と聞けば、「甘い物食べれば、機嫌よくなるかなって……」と言う。
それで、猫が狩ってきた獲物を持ってくるみたいに、お菓子を並べていたのか。
「お菓子は校則違反だよ」
「すみません」
「今回は、僕の為ってことで許してあげる」
頭を撫でてあげれば、猫のように目を細めて喜ぶ。
「キミ、実は猫だったとかないよね」
「失敬な!ずっと人ですよ!」
それにしては、猫なんだよね。
顎下をくすぐれば、気持ちよさそうに手にすり寄ってくるのも、すごく猫。
クッキーの袋を開け、「ほら、おやつだよ」と一枚とって口元へやれば「いや、私が買ってきたクッキーじゃないですか」と文句を言いつつ、口で受け取り咀嚼する。
いいね、ずっと見てられる。
「鷹藤、明日一日、猫になってよ」
「ちょっと意味がわかりませんね。割と、この首輪だけでも我慢しているのに、私になにをさせる気なんですか」
「そうだね。とりあえず、一日人語喋らないで。あと、猫耳とかいうのも用意してあげるから、それつけてて」
「嫌ですよ!ヒバリさん!私にも、羞恥心という感情はあるんですよ?!」
「知ったことじゃないよ」
これから僕に相手してもらいたいなら、言うこと聞きなよ。と言えば、「普通に相手してくださいよ〜!」と駄々をこねる。
普通に相手したら恥ずかしがるくせに。まあ、この子の相手してもらうというのは「一方的にじゃれつく」であって、撫で回されたり抱きしめられたりは望んでいないのだろう。
「するの?しないの?」
「……しないと構ってくれないんですよね」
「とりあえず最低一ヶ月は無視されると思っていいよ」
「やだ〜!泣いちゃう〜!」
僕の膝に頭を乗せ、「やったら、前みたいに構ってくれます?」と聞いてくるから、頭を撫でながら「いいよ」と言えば深くため息をつき「やりますよ」と引き受けた。
翌日、校門で鷹藤を待っていると、鷹藤が眠そうに歩いてくるのが見えた。
「おはよう、鷹藤。はい、これつけて」
「早い……」
嫌そうな顔をしながらも、わたした猫耳カチューシャをつけて、か細く「にゃあ……」と鳴いた。
うん、いいね。
鷹藤の隣の席の生徒を退かし、猫の鷹藤を横から眺める。
「いいね、その嫌そうな顔」
少しキミの気持ちがわかったよ、と言うと、「ニャニャニャニャ」となにかを言うので、筆談を許せば「サディスト」という単語が書かれていた。
「なら、僕の嫌がる顔が好きなキミもサディストなんじゃない」
「ニャニャニャ、ニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャ(私は、ヒバリさんに見下されるのが好きなだけです)」
「律儀に鳴いてくれるのは可愛いけど、言ってることは気持ち悪いね」
見下されるのが好きって、マゾヒストなの?と聞くと、また鳴きながら「好きな人限定です」とドヤ顔でメモを見せてきた。
「キミの好きはわからないね。女の子なら、優しくされたいものじゃないの」
「にゃーう(優しくされると気持ち悪いです。サブイボたちます)」
その鳴き声、そんな情報量がつまってるんだ。
「僕はキミを抱きしめたり撫でたりしたいんだけどね」
「にゃー!にゃにゃにゃにゃ!ふー!!(前まではあんなに、引っ叩いたり拳骨したじゃないですか!)」
それは、人間がじゃれついてきてると思っていたからね。野良猫がじゃれていると思うと、可愛くなるだろ?と言ったら「にゃにゃにゃー!(私はずっと人間です!)」と怒った。
人間扱いしてほしいなら、人間らしい行動をとりな。おやつをあげよう。
学校の壁に落書きをした馬鹿がいたり、群れをなしてる連中がうちの生徒をいたぶったりして、いま、僕はすこぶる機嫌が悪い。
その機嫌の悪さを感じ取ったのか、今日は誰も彼も大人しい。
唯一、その機嫌の悪い僕を問答無用で襲撃してくる鷹藤の根性は、賛辞を送ってあげよう。
相手はしてあげないけど。
「鷹藤。僕、いま本当に機嫌悪いから、手加減できないよ」
そう警告をすると、鷹藤は残念そうな顔をしながら静かに近寄ってきて、「なにかありましたか?」と聞いてくる。
もっと、自分の身の危険を考えたらどうなんだか。
鷹藤の頭を撫で、「キミは気にしなくていいんだよ」と言えば、寂しそうな顔をしながら帰っていった。
あまり鷹藤をストレスの捌け口にはしたくなく遠ざけたが、ああいう顔をされるのは嫌だな。
明日はちゃんと構ってあげよう、と放課後、応接室のソファーに座り本を読んでいたら、控え目なノックが響いた。
草壁にしては覇気のないノックだったので、「誰」と聞けば、「鷹藤です」と声がした。
「入りな」
そう言うと、鷹藤が心配そうな顔をして入ってきた。その手には、コンビニのビニール袋が下げられていた。
どうしたの、と聞くも鷹藤はなにも言わずテーブルの側にしゃがみこみ、そっとクッキーの袋を置き、僕を見つめてくる。うん、クッキーだね。
「これがどうしたの」
「……」
今度は黙ってチョコレートの箱をテーブルに置き、僕を見つめる。うん、チョコレート。
特に反応しないでいると、今度は飴の袋を置き、僕を見つめる。
「なにがしたいの、鷹藤?」
「甘い物、どれか好きかわからなくて……」
数撃ちゃ当たるかと……、と肩を落とす鷹藤に「甘い物と僕にどういう関係があるの?」と聞けば、「甘い物食べれば、機嫌よくなるかなって……」と言う。
それで、猫が狩ってきた獲物を持ってくるみたいに、お菓子を並べていたのか。
「お菓子は校則違反だよ」
「すみません」
「今回は、僕の為ってことで許してあげる」
頭を撫でてあげれば、猫のように目を細めて喜ぶ。
「キミ、実は猫だったとかないよね」
「失敬な!ずっと人ですよ!」
それにしては、猫なんだよね。
顎下をくすぐれば、気持ちよさそうに手にすり寄ってくるのも、すごく猫。
クッキーの袋を開け、「ほら、おやつだよ」と一枚とって口元へやれば「いや、私が買ってきたクッキーじゃないですか」と文句を言いつつ、口で受け取り咀嚼する。
いいね、ずっと見てられる。
「鷹藤、明日一日、猫になってよ」
「ちょっと意味がわかりませんね。割と、この首輪だけでも我慢しているのに、私になにをさせる気なんですか」
「そうだね。とりあえず、一日人語喋らないで。あと、猫耳とかいうのも用意してあげるから、それつけてて」
「嫌ですよ!ヒバリさん!私にも、羞恥心という感情はあるんですよ?!」
「知ったことじゃないよ」
これから僕に相手してもらいたいなら、言うこと聞きなよ。と言えば、「普通に相手してくださいよ〜!」と駄々をこねる。
普通に相手したら恥ずかしがるくせに。まあ、この子の相手してもらうというのは「一方的にじゃれつく」であって、撫で回されたり抱きしめられたりは望んでいないのだろう。
「するの?しないの?」
「……しないと構ってくれないんですよね」
「とりあえず最低一ヶ月は無視されると思っていいよ」
「やだ〜!泣いちゃう〜!」
僕の膝に頭を乗せ、「やったら、前みたいに構ってくれます?」と聞いてくるから、頭を撫でながら「いいよ」と言えば深くため息をつき「やりますよ」と引き受けた。
翌日、校門で鷹藤を待っていると、鷹藤が眠そうに歩いてくるのが見えた。
「おはよう、鷹藤。はい、これつけて」
「早い……」
嫌そうな顔をしながらも、わたした猫耳カチューシャをつけて、か細く「にゃあ……」と鳴いた。
うん、いいね。
鷹藤の隣の席の生徒を退かし、猫の鷹藤を横から眺める。
「いいね、その嫌そうな顔」
少しキミの気持ちがわかったよ、と言うと、「ニャニャニャニャ」となにかを言うので、筆談を許せば「サディスト」という単語が書かれていた。
「なら、僕の嫌がる顔が好きなキミもサディストなんじゃない」
「ニャニャニャ、ニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャ(私は、ヒバリさんに見下されるのが好きなだけです)」
「律儀に鳴いてくれるのは可愛いけど、言ってることは気持ち悪いね」
見下されるのが好きって、マゾヒストなの?と聞くと、また鳴きながら「好きな人限定です」とドヤ顔でメモを見せてきた。
「キミの好きはわからないね。女の子なら、優しくされたいものじゃないの」
「にゃーう(優しくされると気持ち悪いです。サブイボたちます)」
その鳴き声、そんな情報量がつまってるんだ。
「僕はキミを抱きしめたり撫でたりしたいんだけどね」
「にゃー!にゃにゃにゃにゃ!ふー!!(前まではあんなに、引っ叩いたり拳骨したじゃないですか!)」
それは、人間がじゃれついてきてると思っていたからね。野良猫がじゃれていると思うと、可愛くなるだろ?と言ったら「にゃにゃにゃー!(私はずっと人間です!)」と怒った。
人間扱いしてほしいなら、人間らしい行動をとりな。おやつをあげよう。