キミは僕のペット
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この並盛で、僕に盾突こうなどと考える奴は滅多にいない。
前に三人、応接室に来て暴れて行った連中がいたが、そういう例外はそうそうお目にかかれるものではない。
しかし一人、盾突くわけではないが変わった生き物がいる。
「ヒーバーリーさーん!疲れたー!」
「うるさい」
「ぶえっ!」
頬を引っ叩くといい音がした。
変わった生き物、鷹藤響はいつも僕に絡んでくる。わりと、どうでもいい理由で。
「疲れたからなに」
「ヒバリさんから元気吸い取りに来ました」
「また?」
こういう訳のわからない理由で僕を襲撃してくるのはよくあることで、本人曰く「活きのいい人間からは元気を吸い取れる」とのことらしいが、僕には微塵も理解できない。
しかし、吸い取られるとは思っていないが、何故か鷹藤を相手すると疲れが生じるから相手をしたくない。
「帰って」
「ちょっとでいいんですよ、ちょっとで。ちょっと手を握らせてくれるか抱きつかせてくれれば」
「そんな詐欺師みたいな言い分で、僕がやらせてあげると思うの」
「……」
無言で突っ込んでくる構えをとった鷹藤。
問答無用でタックルをしてくるつもりだな、この子。
「うおー!」
情けない雄たけびをあげて突っ込んできた鷹藤に平手打ちをしたら、軽く飛んでいった。
それでもめげずに突っ込んでくるので、もう面倒くさくなって適当に受け止めたら、目いっぱい抱きしめてきた。
これをされると、不思議と元気が本当に吸い取られている気がしなくもないから、少し嫌だ。
しばらく僕に抱きつくと、「元気チャージできましたー!ありがとうございますー!」と言って帰って行った。
「委員長、あまり相手をすると調子に乗りますよ」
「すでに調子に乗ってると思うけどね」
まあ、放置するのも手かもしれないとは思い、翌日、僕の周りをくるくると僕の名前を呼びながら回る鷹藤を無視していたら、しばらくしたら肩を落として帰って行った。
本当に構われたいが為に、僕に絡んできてたのか、あの子……。
対処法がわかったので、それから、来ても相手をしないようにしていたら段々と来る頻度が減り、ある日を境に来なくなった。
来ないなら来ないで、ちょっと気になるじゃないか。そう思い、鷹藤を探しに行くと、教室で静かに座っていた。
だが、よく見れば顔にガーゼが貼っているのが見えた。近寄ると、教室のざわめきでこちらに気がついたのか、正面から鷹藤の顔が見えた。
「あれー。ヒバリさんだ」
のんきな声に反して、顔は痣だらけにだった。
「なに、その顔」
「ちょっとシめられました」
「誰に」
「ヒバリさん過激派に」
なにそれ、と聞く僕に、鷹藤は「さあ、私も彼らがなにを言っているのかさっぱりで」と言う。
聞くに、僕に気軽に話しかける鷹藤が気に食わない連中が鷹藤を襲ったらしい。
一般生徒である鷹藤が、喧嘩などできるはずもなく、成す術なく怪我を負わせられた事実になんだかムカついた。
「相手が誰か知ってるの」
「さあー」
怪我をさせられたというのに、嫌にのんびりした口調の鷹藤が気に食わず、「やられっぱなしで、悔しくないの」と聞けば、「うーん、羽音が耳障りだったくらいかな」とよくわからないことを言う。
「これは、並盛の風紀を乱したことになるね。咬み殺してあげないと」
「誰よりも傷害を繰り返している男がなにか言ってる……」
苦笑いをする鷹藤からの情報で、鷹藤を襲撃した連中を咬み殺したあとに、鷹藤のところに行くと、「本当に咬み殺したんですか」とまた苦笑いをした。
「別に、私は平気だったんですけど」
「キミの為じゃないよ」
「じゃあ、お礼はいらないですね」
お礼を言われたくてやったわけじゃないけど、言われないとそれはそれでムカつくな……。
腫れの引いた鷹藤の頬を撫でると、くすぐったそうに身をよじり「なんですか」と聞いてくる。
「怪我したキミは、あまり見たくないなと思っただけだよ」
「私を引っ叩いたり、拳骨落としてる人がなにを言っているんですか」
「僕が本気で殴ったら骨が折れるけど、それでもいいの?」
「よくなーい」
そうなんだよね。僕は、鷹藤を本気で攻撃したことがない。今回、鷹藤を襲撃した草食動物の中には女子もいたけど、平等に咬み殺した。
でも、鷹藤が僕にちょっかいをかけて来ても、僕は本気で怒ったことがない。
なんでだろう、と思いながら鷹藤の頭を撫でまわしていると、ふとなにか既視感を覚えた。
そう、これは野良猫。
気まぐれで僕のところに来ては、勝手に満足して帰って行く姿に僕は野良猫の影を見ていたのかも知れない。
そう思うと、少し可愛い気がしなくもない。
「首輪用意しないとね」
「は?なんでですか?」
「僕のペットなんだから、外でなにかあってもいいようにしないといけないだろ」
「ペット飼うんですか?」
「飼ってあげるんだよ、キミを」
僕の言葉に、鷹藤は数秒固まってから「え?誰を?」と聞いてきた。
耳が遠くなったのかい?
「僕がキミを飼うんだよ」
「何故?」
「キミが僕に懐いた野良猫だから」
「いいえ、私は人間です」
「僕のこと好きでしょ」
「いや、好きですけど、だからと言ってペットになりたいわけではないんですが」
そんなこと、知ったことじゃないよ。と言うと、「理不尽だ!」と叫ばれた。
「僕のペットになったら、また構ってあげるよ」
「ううー。私の心の隙間につけこんでくる……!」
僕に構ってほしくないの?と追い打ちをかければ、「構ってほしいです」と素直に口にする。
うん、素直なことはいいことだよ。
「じゃあ、首輪用意したらつけてね」
「なにプレイだよ、これー」
前に三人、応接室に来て暴れて行った連中がいたが、そういう例外はそうそうお目にかかれるものではない。
しかし一人、盾突くわけではないが変わった生き物がいる。
「ヒーバーリーさーん!疲れたー!」
「うるさい」
「ぶえっ!」
頬を引っ叩くといい音がした。
変わった生き物、鷹藤響はいつも僕に絡んでくる。わりと、どうでもいい理由で。
「疲れたからなに」
「ヒバリさんから元気吸い取りに来ました」
「また?」
こういう訳のわからない理由で僕を襲撃してくるのはよくあることで、本人曰く「活きのいい人間からは元気を吸い取れる」とのことらしいが、僕には微塵も理解できない。
しかし、吸い取られるとは思っていないが、何故か鷹藤を相手すると疲れが生じるから相手をしたくない。
「帰って」
「ちょっとでいいんですよ、ちょっとで。ちょっと手を握らせてくれるか抱きつかせてくれれば」
「そんな詐欺師みたいな言い分で、僕がやらせてあげると思うの」
「……」
無言で突っ込んでくる構えをとった鷹藤。
問答無用でタックルをしてくるつもりだな、この子。
「うおー!」
情けない雄たけびをあげて突っ込んできた鷹藤に平手打ちをしたら、軽く飛んでいった。
それでもめげずに突っ込んでくるので、もう面倒くさくなって適当に受け止めたら、目いっぱい抱きしめてきた。
これをされると、不思議と元気が本当に吸い取られている気がしなくもないから、少し嫌だ。
しばらく僕に抱きつくと、「元気チャージできましたー!ありがとうございますー!」と言って帰って行った。
「委員長、あまり相手をすると調子に乗りますよ」
「すでに調子に乗ってると思うけどね」
まあ、放置するのも手かもしれないとは思い、翌日、僕の周りをくるくると僕の名前を呼びながら回る鷹藤を無視していたら、しばらくしたら肩を落として帰って行った。
本当に構われたいが為に、僕に絡んできてたのか、あの子……。
対処法がわかったので、それから、来ても相手をしないようにしていたら段々と来る頻度が減り、ある日を境に来なくなった。
来ないなら来ないで、ちょっと気になるじゃないか。そう思い、鷹藤を探しに行くと、教室で静かに座っていた。
だが、よく見れば顔にガーゼが貼っているのが見えた。近寄ると、教室のざわめきでこちらに気がついたのか、正面から鷹藤の顔が見えた。
「あれー。ヒバリさんだ」
のんきな声に反して、顔は痣だらけにだった。
「なに、その顔」
「ちょっとシめられました」
「誰に」
「ヒバリさん過激派に」
なにそれ、と聞く僕に、鷹藤は「さあ、私も彼らがなにを言っているのかさっぱりで」と言う。
聞くに、僕に気軽に話しかける鷹藤が気に食わない連中が鷹藤を襲ったらしい。
一般生徒である鷹藤が、喧嘩などできるはずもなく、成す術なく怪我を負わせられた事実になんだかムカついた。
「相手が誰か知ってるの」
「さあー」
怪我をさせられたというのに、嫌にのんびりした口調の鷹藤が気に食わず、「やられっぱなしで、悔しくないの」と聞けば、「うーん、羽音が耳障りだったくらいかな」とよくわからないことを言う。
「これは、並盛の風紀を乱したことになるね。咬み殺してあげないと」
「誰よりも傷害を繰り返している男がなにか言ってる……」
苦笑いをする鷹藤からの情報で、鷹藤を襲撃した連中を咬み殺したあとに、鷹藤のところに行くと、「本当に咬み殺したんですか」とまた苦笑いをした。
「別に、私は平気だったんですけど」
「キミの為じゃないよ」
「じゃあ、お礼はいらないですね」
お礼を言われたくてやったわけじゃないけど、言われないとそれはそれでムカつくな……。
腫れの引いた鷹藤の頬を撫でると、くすぐったそうに身をよじり「なんですか」と聞いてくる。
「怪我したキミは、あまり見たくないなと思っただけだよ」
「私を引っ叩いたり、拳骨落としてる人がなにを言っているんですか」
「僕が本気で殴ったら骨が折れるけど、それでもいいの?」
「よくなーい」
そうなんだよね。僕は、鷹藤を本気で攻撃したことがない。今回、鷹藤を襲撃した草食動物の中には女子もいたけど、平等に咬み殺した。
でも、鷹藤が僕にちょっかいをかけて来ても、僕は本気で怒ったことがない。
なんでだろう、と思いながら鷹藤の頭を撫でまわしていると、ふとなにか既視感を覚えた。
そう、これは野良猫。
気まぐれで僕のところに来ては、勝手に満足して帰って行く姿に僕は野良猫の影を見ていたのかも知れない。
そう思うと、少し可愛い気がしなくもない。
「首輪用意しないとね」
「は?なんでですか?」
「僕のペットなんだから、外でなにかあってもいいようにしないといけないだろ」
「ペット飼うんですか?」
「飼ってあげるんだよ、キミを」
僕の言葉に、鷹藤は数秒固まってから「え?誰を?」と聞いてきた。
耳が遠くなったのかい?
「僕がキミを飼うんだよ」
「何故?」
「キミが僕に懐いた野良猫だから」
「いいえ、私は人間です」
「僕のこと好きでしょ」
「いや、好きですけど、だからと言ってペットになりたいわけではないんですが」
そんなこと、知ったことじゃないよ。と言うと、「理不尽だ!」と叫ばれた。
「僕のペットになったら、また構ってあげるよ」
「ううー。私の心の隙間につけこんでくる……!」
僕に構ってほしくないの?と追い打ちをかければ、「構ってほしいです」と素直に口にする。
うん、素直なことはいいことだよ。
「じゃあ、首輪用意したらつけてね」
「なにプレイだよ、これー」
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