並盛の盾 日常小話
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町がにわかに賑やかになり、お菓子売場で紫とオレンジパッケージが増える月。
そろそろハロウィンの時期だなぁ……。
イベントごとになると、リボーンくんがウキウキとトンチキ企画をするので、私はいまから心配だ。
避難経路の確認をしておかないとな、とハロウィンパッケージのお菓子を食べながら、避難経路点検箇所の資料を作っていたら「行儀悪いよ」と年下に注意された。
めしょ……。
お菓子を戸棚にしまうと、こちらを凝視するヒバリさんと目があった。
なんだろう、怖いな。
蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる私に、ヒバリさんは「なにしてるの、座りなよ」と促してくる。
絶対に視線をそらさないように、相手を刺激をしないようにゆっくりとした動きで着席する。
「僕を熊かなにかと思ってる」
「熊より攻撃性上じゃないですか」
熊は銃弾弾かないし、避けないし、まだ救いはあるがヒバリさんはないでしょうが。
「まあ、そうだね。熊程度と一緒にされたくはないよ」
熊もヒバリさんと同列に扱ったら、「いや、自分なんてまだまだっすよ」と謙遜する気がする。
「それで、なにに警戒してたの?」
「ヒバリさんと目があったので」
「猛獣と同じ扱いしてる?」
「生存本能が目をそらすなと言うから……」
「なら仕方ないね」
生き残ろうとすることは大切だよ、となにやら穏やかに締めくくったが、生存本能が注意喚起するくらい怯えていただけなんだなぁ、これが。
それはそれとして、なぜ見つめられていたのか聞くと「ハロウィン、キミは仮装とかするのかなって思っただけ」と言う。
「するって言ったら、咬み殺すつもりですね?」
「よくわかったね」
わかるわい、それくらい。
そういうイベントをぶち壊しに行く側の人間でしょうが、あなたは。
「もしするなら、なにするの?」
「すでにこの格好自体が仮装なんですよね」
「他は?」
「他か~。軍服とか、気になりますね」
「なんで」
「かっこよくないですか?」
「……例えばなしだからね。言うだけはタダだよ」
そらな。
まあ、ヒバリさんの目が黒いうちはハロウィンなんてとても、とても。
「なんでこうなった」
手足も身長も伸び、声も低くなり、完全に男になった体に頭を抱える。
朝起きた瞬間、リボーンくんに「トリック・オア・トリート」と言われ、寝起きすぎて判断が遅れてしまいなにやらトンチキ銃弾を撃ち込まれた。
男体弾とかいうトンチキ銃弾だった気がする。
困ったなぁ、着る服がない。
パンツは、楽だという理由で買ったトランスがあるからいいが、服がない。
姿見を見ながら、これくらいの背丈で気軽に服を借りられる人いたかな……。
「おるやん」
イマジナリーディーノくんが「呼んだか?」と返事をしてくれた。
そう、キミだよ。
斯々然々で服を貸してほしい、と連絡をすると二つ返事が返ってきた。
「純~。服持ってきたぞ~」
「サンキュー、友よ~」
「声低っ!つか、でけぇ!」
驚きと笑いを同時にするディーノくんから服を受け取り、袖を通す。
やや大きいが、許容範囲である。
「ありがとうね、ディーノくん」
「んん~?どういたしまして」
「なに、ニヤニヤして」
「いやぁ?彼シャツだな、て思って」
「むしろ彼コーデじゃない?」
なーんてな!と小粋なジョークをかましたつもりなのに、「じゃあ、今度一緒に買い物行ったとき、シミラールックしような?」と流れるようにデートに誘われた。
上級者~。
「まあ、そういう訳で今日一日勘弁してください、ヒバリさん」
「脱げ」
「なんて?」
大股で近寄ってきたヒバリさんに、服の裾を掴まれビックリして腕をつかんでしまった。
「え、うわ!細い!ご飯食べてますか?!」
「……」
若人の細さにビックリして心配を口にしてしまい、メチャクチャヒバリさんの逆鱗を逆撫で撫でしてしまった。
それはもう、猫ちゃんを撫で撫でするかのように。
瞳孔開ききったヒバリさんが「咬み殺す」と口にした瞬間、炎圧高めの一撃が腹部に直撃して部屋の外まで転がっていってしまった。
匣使うのは卑怯では。
やらかしたのは私だから、怒りを納めるのは私の役目。
しかし、完全に狩りの状態に入ったヒバリさんはもう手のつけようがない。
さながら王蟲の怒り。
「逃げよう!」
「逃がすか」
当然逃げられず、後日ディーノくんにぼろぼろの服を返しに行ったら、「予想してたから、大丈夫」と笑って許してくれた。
仏……。イタリア人だけど……。
「ああ、でも。お詫びに勿論、デートはしてくれるよな?」
「もしや、これは折り込み済みだった?」
「さあな」
食えない男だ。
さらに暫くすると、ヒバリさんから大量のお下がり服が送られてきた。
着ろってか?
そろそろハロウィンの時期だなぁ……。
イベントごとになると、リボーンくんがウキウキとトンチキ企画をするので、私はいまから心配だ。
避難経路の確認をしておかないとな、とハロウィンパッケージのお菓子を食べながら、避難経路点検箇所の資料を作っていたら「行儀悪いよ」と年下に注意された。
めしょ……。
お菓子を戸棚にしまうと、こちらを凝視するヒバリさんと目があった。
なんだろう、怖いな。
蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる私に、ヒバリさんは「なにしてるの、座りなよ」と促してくる。
絶対に視線をそらさないように、相手を刺激をしないようにゆっくりとした動きで着席する。
「僕を熊かなにかと思ってる」
「熊より攻撃性上じゃないですか」
熊は銃弾弾かないし、避けないし、まだ救いはあるがヒバリさんはないでしょうが。
「まあ、そうだね。熊程度と一緒にされたくはないよ」
熊もヒバリさんと同列に扱ったら、「いや、自分なんてまだまだっすよ」と謙遜する気がする。
「それで、なにに警戒してたの?」
「ヒバリさんと目があったので」
「猛獣と同じ扱いしてる?」
「生存本能が目をそらすなと言うから……」
「なら仕方ないね」
生き残ろうとすることは大切だよ、となにやら穏やかに締めくくったが、生存本能が注意喚起するくらい怯えていただけなんだなぁ、これが。
それはそれとして、なぜ見つめられていたのか聞くと「ハロウィン、キミは仮装とかするのかなって思っただけ」と言う。
「するって言ったら、咬み殺すつもりですね?」
「よくわかったね」
わかるわい、それくらい。
そういうイベントをぶち壊しに行く側の人間でしょうが、あなたは。
「もしするなら、なにするの?」
「すでにこの格好自体が仮装なんですよね」
「他は?」
「他か~。軍服とか、気になりますね」
「なんで」
「かっこよくないですか?」
「……例えばなしだからね。言うだけはタダだよ」
そらな。
まあ、ヒバリさんの目が黒いうちはハロウィンなんてとても、とても。
「なんでこうなった」
手足も身長も伸び、声も低くなり、完全に男になった体に頭を抱える。
朝起きた瞬間、リボーンくんに「トリック・オア・トリート」と言われ、寝起きすぎて判断が遅れてしまいなにやらトンチキ銃弾を撃ち込まれた。
男体弾とかいうトンチキ銃弾だった気がする。
困ったなぁ、着る服がない。
パンツは、楽だという理由で買ったトランスがあるからいいが、服がない。
姿見を見ながら、これくらいの背丈で気軽に服を借りられる人いたかな……。
「おるやん」
イマジナリーディーノくんが「呼んだか?」と返事をしてくれた。
そう、キミだよ。
斯々然々で服を貸してほしい、と連絡をすると二つ返事が返ってきた。
「純~。服持ってきたぞ~」
「サンキュー、友よ~」
「声低っ!つか、でけぇ!」
驚きと笑いを同時にするディーノくんから服を受け取り、袖を通す。
やや大きいが、許容範囲である。
「ありがとうね、ディーノくん」
「んん~?どういたしまして」
「なに、ニヤニヤして」
「いやぁ?彼シャツだな、て思って」
「むしろ彼コーデじゃない?」
なーんてな!と小粋なジョークをかましたつもりなのに、「じゃあ、今度一緒に買い物行ったとき、シミラールックしような?」と流れるようにデートに誘われた。
上級者~。
「まあ、そういう訳で今日一日勘弁してください、ヒバリさん」
「脱げ」
「なんて?」
大股で近寄ってきたヒバリさんに、服の裾を掴まれビックリして腕をつかんでしまった。
「え、うわ!細い!ご飯食べてますか?!」
「……」
若人の細さにビックリして心配を口にしてしまい、メチャクチャヒバリさんの逆鱗を逆撫で撫でしてしまった。
それはもう、猫ちゃんを撫で撫でするかのように。
瞳孔開ききったヒバリさんが「咬み殺す」と口にした瞬間、炎圧高めの一撃が腹部に直撃して部屋の外まで転がっていってしまった。
匣使うのは卑怯では。
やらかしたのは私だから、怒りを納めるのは私の役目。
しかし、完全に狩りの状態に入ったヒバリさんはもう手のつけようがない。
さながら王蟲の怒り。
「逃げよう!」
「逃がすか」
当然逃げられず、後日ディーノくんにぼろぼろの服を返しに行ったら、「予想してたから、大丈夫」と笑って許してくれた。
仏……。イタリア人だけど……。
「ああ、でも。お詫びに勿論、デートはしてくれるよな?」
「もしや、これは折り込み済みだった?」
「さあな」
食えない男だ。
さらに暫くすると、ヒバリさんから大量のお下がり服が送られてきた。
着ろってか?