並盛の盾 日常小話
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応接室。
ムズムズとする鼻。
「っくち」
「えぇ……」
人のくしゃみに対して、そんな嫌そうな顔する事ってあります?
いや、わかりますよ?
お前がそんな可愛いくしゃみするわけないだろってのは。
けれども、これは生まれてからずっとしてきたくしゃみなので、今更どうしようもない。
「というか、寒くなってきましたね」
「キミにも寒いって感覚があったんだね。面の皮厚いから、感じないのかと思ってた」
嫌味がキツすぎて泣いてしまいそうだ。
ヒバリさんの場合、本気で思ってそうだけど。
面の皮が厚くても、寒さは感じるんですよ。ヒバリさん。
「なんのための面の皮なんだか」
「寒さをしのぐものではないですね」
「じゃあ、この贅肉は?」
「デリカシー!!!!!」
指でつつかれた腹を押さえながら唸る私に、ヒバリさんは「なら痩せな」と無慈悲なことを言う。
だから!!デリカシー!!!
「いいですか、ヒバリさん!女子は男子より筋肉がつきにくくてプヨプヨなんです!」
「でも、これは運動しないで暴飲暴食した結果の贅肉でしょ?」
「やめて聞きたくない!!!!」
耳を塞いで情報をシャットアウトするも、ヒバリさんはその手を無理矢理はがし「体重何キロ?」と聞いてくる。
本当にデリカシー身に付けてください!!!
◇
「っくち!!!」
「えぇ……」
十年前と変わらない反応に、恭弥が変わっていないことを感じて嬉しくなってしまった。
いや、にしても寒いな。
「なんでこの気温でコート着てこないの」
「いけるかなって思ったんだよ」
「自分の面の皮と贅肉を過信しすぎじゃない?」
デリカシーがないところも相変わらずだな……。
皮下脂肪では寒さは誤魔化しきれないのだよ、恭弥。
寒すぎて、コートをしっかり着た恭弥にくっついて暖をとろうとしたら、ため息と一緒にコートをわたされた。
「え?」
「見てらんないから、これ着てなよ」
「そんな、ダメだよ。恭弥が風邪引いちゃう」
「ボタンしっかり上まで閉めながら言うセリフじゃないね」
ごめん、寒さには勝てなかった。
あったけ~!とほくほくしていたら、恭弥が「はい」とステンレスボトルをさしだしてきた。
「あったかいお茶入ってるから、飲みな」
「恭弥ったら、気がきく~」
ありがとう~、と遠慮なく飲むと、隣から「くちゅん」という可愛いくしゃみが聞こえた。
「え、いまのくしゃみ、恭弥?」
「他に誰がいるんだい?」
「この長い付き合いで、初めて聞いたが?!なにその可愛いくしゃみ!!もう一回やって!!」
「意図的にやれるわけないでしょ」
「やだ~!恭弥の可愛いくしゃみ聞きたい~!」
「あーもー、うるさい。人にデリカシーとか言えないんじゃない?」
ムズムズとする鼻。
「っくち」
「えぇ……」
人のくしゃみに対して、そんな嫌そうな顔する事ってあります?
いや、わかりますよ?
お前がそんな可愛いくしゃみするわけないだろってのは。
けれども、これは生まれてからずっとしてきたくしゃみなので、今更どうしようもない。
「というか、寒くなってきましたね」
「キミにも寒いって感覚があったんだね。面の皮厚いから、感じないのかと思ってた」
嫌味がキツすぎて泣いてしまいそうだ。
ヒバリさんの場合、本気で思ってそうだけど。
面の皮が厚くても、寒さは感じるんですよ。ヒバリさん。
「なんのための面の皮なんだか」
「寒さをしのぐものではないですね」
「じゃあ、この贅肉は?」
「デリカシー!!!!!」
指でつつかれた腹を押さえながら唸る私に、ヒバリさんは「なら痩せな」と無慈悲なことを言う。
だから!!デリカシー!!!
「いいですか、ヒバリさん!女子は男子より筋肉がつきにくくてプヨプヨなんです!」
「でも、これは運動しないで暴飲暴食した結果の贅肉でしょ?」
「やめて聞きたくない!!!!」
耳を塞いで情報をシャットアウトするも、ヒバリさんはその手を無理矢理はがし「体重何キロ?」と聞いてくる。
本当にデリカシー身に付けてください!!!
◇
「っくち!!!」
「えぇ……」
十年前と変わらない反応に、恭弥が変わっていないことを感じて嬉しくなってしまった。
いや、にしても寒いな。
「なんでこの気温でコート着てこないの」
「いけるかなって思ったんだよ」
「自分の面の皮と贅肉を過信しすぎじゃない?」
デリカシーがないところも相変わらずだな……。
皮下脂肪では寒さは誤魔化しきれないのだよ、恭弥。
寒すぎて、コートをしっかり着た恭弥にくっついて暖をとろうとしたら、ため息と一緒にコートをわたされた。
「え?」
「見てらんないから、これ着てなよ」
「そんな、ダメだよ。恭弥が風邪引いちゃう」
「ボタンしっかり上まで閉めながら言うセリフじゃないね」
ごめん、寒さには勝てなかった。
あったけ~!とほくほくしていたら、恭弥が「はい」とステンレスボトルをさしだしてきた。
「あったかいお茶入ってるから、飲みな」
「恭弥ったら、気がきく~」
ありがとう~、と遠慮なく飲むと、隣から「くちゅん」という可愛いくしゃみが聞こえた。
「え、いまのくしゃみ、恭弥?」
「他に誰がいるんだい?」
「この長い付き合いで、初めて聞いたが?!なにその可愛いくしゃみ!!もう一回やって!!」
「意図的にやれるわけないでしょ」
「やだ~!恭弥の可愛いくしゃみ聞きたい~!」
「あーもー、うるさい。人にデリカシーとか言えないんじゃない?」